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富士フイルムのゼロックス買収頓挫、古森会長は会見欠席で雲隠れ…日頃は熱いリーダー論語る
http://biz-journal.jp/2018/05/post_23480.html
2018.05.26 文=編集部 Business Journal
富士フイルム(「Wikipedia」より)
米ゼロックスの買収計画が暗礁に乗り上げた富士フイルムホールディングス(HD)の決算発表が注目された。
5月18日の決算発表の席上に富士フイルムHDのドン、古森重隆会長兼CEO(最高経営責任者)の姿はなかった。ゼロックスの買収スキームを描いたのは古森氏だが、その当事者が出席しなかった。買収や提携といった“前向き”な会見には必ず古森氏が出席して“独演会”となるのが常だが、不都合な場には現れないことが多い。そのため、「またかよ」と、会見に出席した記者の間から冷ややかな声が漏れた。
昨年発覚した、富士ゼロックスのニュージーランドや豪州の販売子会社の不正会計(売り上げ水増し)問題でも、古森氏は一度も公式な会場に姿を見せず、2017年6月29日の株主総会でも、助野健児社長から型通りのお詫びがあっただけで、古森氏は謝罪しなかった。
古森氏が公式の場に姿を見せたのは18年3月29日。再生医療関連企業2社をJXTGホールディングスから8億ドル(850億円)で買収すると発表した時だ。東京・港区赤坂の東京ミッドタウンにある本社で記者会見した古森氏は、「予防・診断・治療を手掛けるトータルヘルスケア企業を目指す」と力を込めて語った。
ところが、注目の5月18日の決算発表の席に、ゼロックス買収のディールを決めた当事者の古森氏の姿はなかった。
いくら助野氏が「われわれの計画がベストとの考えは変わらない」と強弁しても、空しく響くばかりだ。なぜなら、富士フイルムHD社内で助野氏は「ドン古森の腰ぎんちゃく」(若手社員)と評されており、「庶務課長のような存在」(ベテラン社員)と評する向きもあるからだ。
助野氏はゼロックス買収計画について「契約には法的拘束力がある。一方的に破棄できない」「(ゼロックス買収による富士ゼロックスとの)経営統合は最良の選択だ。ぶれることはない」「買収合意の破棄の無効を求める訴訟や損害賠償請求を検討する」と、これまでの主張を繰り返した。「交渉相手はゼロックス」だとして、大株主の要求には応じない考えを滲ませた。買収の時期について「時間的な制約はない」と述べ、長期戦を辞さない構えをみせた。
ゼロックスは5月15日、米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で、「10日までに株主への特別配当を5割(12.5億ドル、1380億円)積み増すよう富士フイルムHDに求めたが、回答が得られなかった」ことや「虚偽の声明を出したりした」と主張した。この点について助野氏は「(ゼロックスの言い分は)正しくない」と“泥仕合”の様相を呈している。
助野氏はCOO(最高執行責任者)だが、この問題の当事者ではない。ゼロックスのジェイコブソン前CEOと直接交渉をしていたのは古森氏やその側近である。
助野氏は「買収計画は実現できない場合の戦略」を問われ、「仮定の話。このスキームがベストと関係者に訴える姿勢は変わらない」と述べるにとどめた。
富士フイルムHDの19年3月期決算の業績予想には、買収の影響を織り込まなかった。
昨年6月29日の株主総会での古森氏の取締役選任に対する賛成率は83.26%、助野氏は80.51%と低かった。古森氏の16年の支持率は94.68%、助野氏は97.20%だったので、古森氏は11.42ポイント、助野氏は16.69ポイントも支持率が下がった。
富士ゼロックスの海外の販売会社の不正の実態について、きちんと説明責任を果たさなかったトップに株主が異議を申し立てたかたちだ。今年の富士フイルムHDの株主総会では、両氏の支持率はさらに下がるとみられている。
古森氏が安倍晋三首相の“応援団”といわれていることもあってか、ガバナンス(企業統治)能力に言及した記事は、ほとんど見当たらない。古森氏についても、経済ジャーナリズムは、“忖度”をしているのであろうか。
古森氏はリーダーの資質について、「社会や会社に対する使命感、全体のためにやる気持ちがないとダメだ」と常々、語ってきた。そうであれば、ゼロックスの買収が暗礁に乗り上げた経緯について、自ら前面に出て説明する必要があるのではないだろうか。
■ゼロックス、新CEOを任命
ゼロックスは5月16日、大株主のカール・アイカーン氏が推薦したジョン・ビセンティン氏をCEOに任命したと発表した。アイカーン氏の投資会社のCEOであるキース・コッツァ氏が会長に就いた。つまり、アイカーン氏に極めて近い2人がゼロックスの主要ポストを占めたことになる。
ビセンティン氏は米ヒューレット・パッカードやIBMに在籍後、複数のIT関連企業の顧問を務めた。18年3月からゼロックスの買収提案に関して、アイカーン氏のコンサルタントに就いていた。
ゼロックスは延期していた株主総会を7月31日に開くことを決めた。
助野氏は「アイカーン氏とダーウィン・ディーソン氏の持ち株が2人で15%程度」と指摘。「少数株主が指名し、実質的に支配する取締役会により、ゼロックスすべての株主が統合のメリットや価値を判断する機会を奪われれば、非常に残念だ」と述べたが、ゼロックスの経営陣が“反富士フイルムHD・反古森”に変質した現実を直視した発言とはいい難い。事態はもっと深刻である。
■ゼロックスは入札実施へ
ゼロックスの大株主で実業家のダーウィン・ディーソン氏は5月14日、同社の売却先を決める「公正な入札」を3〜4カ月後にも実施する方針を示した。米ブルームバーグテレビに電話で出演して明らかにした。富士フイルムHDと共同出資する富士ゼロックスについて「今の条件では(合弁を)解消することになるだろう」と述べ、半世紀以上続く提携関係の見直しにも踏み込んだ。
ディーソン氏は「我々がすぐに取り組むのは公正な入札だ」と明言。「私の経験では90〜120日後。(今回は)90日より少しかかるだろう」と述べた。入札には「関心があれば、誰でも加われる」とし、富士フイルムHDも排除しないという立場だ。
すでに複数の投資ファンドと協議を始めていることも明らかにした。
(文=編集部)
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