http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/216.html
Tweet |
「iPhone大国」日本に地殻変動!高い端末は売れなくなる
http://diamond.jp/articles/-/169561
2018.5.13 中尾真二:ITジャーナリスト・ライター ダイヤモンド・オンライン
ガジェット系のニュースを見ていると、例年通りアップルの新しい端末の話題が上り始めている。iPhone Xの新型はどうなるのか、根強い人気のSEの新型、「SE2」はいつ出るのか。アナリストの予想も錯綜気味だが、さまざまな情報から状況を整理すると、国内外のスマートフォン市場の変化が見えてくる。同時に、その対応を迫られるアップルの戦略も迷走とまでは言わないものの、苦悩している様子もうかがえる。
SE2は5月投入の予定
まず2018年に発表、または予定されているアップルの新製品について整理してみよう。例年、アップルの新製品に関する発表は3月、6月、9月、そして10月に行われる。
事前の予想で3月の発表では、iPhone SEの後継機(iPhone SE2)が発表されると目されていたが、ここで発表されたのは教育用タブレットを意識したiPadの新型だった。A10プロセッサを搭載し、「ペンシル」と呼ばれるスタイラスペンに対応している。価格は3万7800円だが、教育機関向けのディスカウント価格が設定される。
ペン入力というインターフェイスは、教材用タブレットで活用場面が多く、アップルは、新型iPad向けの教材アプリを用意している。先生と生徒がタブレットによるコミュニケーション、ファイルや教材の共有など、授業や校務をサポートするもので、クラスごとのクラウドファイル共有をしやすくするためiCloudが200GBに拡張された。
SE2の投入を期待していたユーザーは肩透かしを食った形だが、4月に入ると複数のアナリストが、SE2は5月に市場投入されるという予測を発表している。プロセッサはA10となり、イヤフォンジャックは廃止されるが、Apple Payには対応する予定。Touch IDは残るはずだ。価格は5万円からの設定となるだろう。
第2世代iPhone Xは9月発表で3機種
6月のWWDC(Worldwide Developers Conference)は、アップルにとっては特別なものだ。名前が示すとおり、同社の新技術、OSの新バージョンの発表がもっとも集中するイベントだ。今年のWWDCでは、MacPro、MacBook/MacBook Pro、iOS12、macOS 10.14が大きな発表になるとされている。
9月は例年iPhoneシリーズの最新モデル、フラッグシップモデルが発表されるイベントでもある。2018年はiPhone Xの新型が3種類登場する模様だ。ひとつは第2世代iPhone X。スペック上の大きい変化はないが、価格が9万円前後(899ドル)に下がるのではないかと予想されている。もうひとつは、ディスプレイを6.5インチと大型化したiPhone X Plus。3つめは、ディスプレイを有機ELから通常のカラー液晶にした廉価モデル(799ドルと言われている)。液晶モデルは6.1インチ画面と予想されている。
9月の発表では、アップルウォッチ4(大画面・バッテリーライフ延長)、アップルTV(4K対応)、AirDrop2の発表もあるとされている。
10月の発表イベントは毎年のものではないが、2015年、2017年に開催されなかったため、2018年は10月のイベントも行われるのでは、とも言われている。詳細は不明だが、Face IDを搭載したiPadを予想するアナリストもいる。コアなユーザー向けにはiPad mini、MacBook Airの新型も期待されている。
1000ドルスマホはもう売れない
以上が2018年に予定、またはウワサされているアップル製品のロードマップだ。注目したいのは、第2世代iPhone Xが100ドルほど値下げされるという点だ。液晶モデルはさらに安い800ドルほど。2017年のiPhone Xが1000ドルスマホとして話題になったことを考えると、アップルの戦略変更という見方も成り立つ。
事実、2018年初頭では、次のiPhone Xは1200ドルになると予測する専門家もいた。今回の値下げもあくまで予想なので、実際にどのような価格設定になるかは不明だが、アップルが現行iPhone Xの販売予想を下方修正していることを考えると、やはり10万円以上のスマホは高すぎるという市場評価は無視できないのかもしれない。
ブランド力の高い製品の場合、コモディティ化が進むレッドオーシャン市場において、高価格や高品質を差別化ポイントとする戦略が可能だが、アップルが新型iPhone Xの価格設定を下げてくるというのは、グローバル市場である程度の数を押さえる戦略に出たのだろうか。
価格戦略の軌道修正で対応するアップル
確かに、グローバルでのスマホ市場は、6割以上がAndroid端末でありiOSは30%前後だという。数の上ではAndroid端末のシェアは圧倒的だが、機種別のランキングでみれば、アップルのiPhoneはトップ10に複数機種が名を連ねる。また、メーカー別のシェアで見ればサムスンについで世界2位がアップルだ。この勢力図を塗り替えるほどではないが、2017年の市場調査で、韓国・台湾・EU諸国(ドイツ、フランス、イギリス)などでiOS端末の増加傾向が見られている。
その理由の分析は難しいが、一般的にiOSはAndroidよりセキュリティが高く、ビジネスユースではアップルによって管理されたアプリマーケット、OSアーキテクチャが有利とされている。また、近年は、中国製デバイスにバックドアが仕掛けられ、端末の情報が勝手に中国などに送られている事例がいくつか発覚している。そのため、政府機関や軍関係は、HUAWEI、OPPOなど(指摘された各社は公式にバックドアを否定)の端末の利用を制限しているところがある。
中国製端末のバックドアの真偽は不明だが、学校や企業においてアプリ管理がしやすく、マルウェアの危険性が比較的低いiPhoneを支給端末にしているところは多い。
アップルとしては第2世代iPhone Xの値下げは価格戦略の軌道修正によって対応しているようにも見えるが、価格戦略の軌道修正がどのような効果をもたらすのかは、5月にも発売されるというSE2の動向次第だろう。
SE2はプロセッサのアップグレードやApple Pay対応など機能的な性能アップはされるものの、100ドルからの値上げとなる。性能・品質に対してリーズナブルな価格で人気のSEが、SE2で消費者から「高い」と評価されてしまうと厳しい。アップルユーザーのボリュームゾーンに受け入れられなければ、9月の第2世代iPhone Xのポジションや戦略にも影響がでるはずだ。
ガラパゴスビジネスが支えた日本のiPhoneシェアにも変化か
価格戦略について、日本ではアップルにとって特有の懸念材料がある。それは4月20日に総務省の有識者会議が発表した、携帯キャリア向けの通達だ。この通達では、国内市場の活性化、MVNO市場の拡大を目指すべく、いわゆる2年縛り契約、4年縛り契約の規制(解約金の廃止)、手続きの簡便化(Web手続きを可能にする)などが盛り込まれた。
国内主要キャリアは、「0円端末」が規制され、MVNO(格安携帯・SIM事業者)市場が開放。それまでの2年ごとの違約金契約を下取り条項を含む4年契約にすることで、見かけ上の月額通信量をMVNO並み(または以下)にする販売手法を導入している。
これが中古端末の流通、端末のSIMフリー化、MVNO市場の活性化(=自由な競争市場)を阻害するとして、総務省が業界にメスを入れた形だ。消費者にとっては、選択の自由度が広がり、高止まりの通信料が下がる可能性があるものだが、携帯キャリアにとっては、8万円、10万円という高額な端末を売りにくくなる可能性がある。
日本は世界でも類を見ないiPhone大国だ。市場シェアは50%を超える。その背景に、主要キャリアが提供する料金プラン(違約金によって契約を2年などロックすることで端末代金を値引き)がある。
総務省の通達は、直接的には通信キャリアのビジネスに影響を与えるものだが、その対応によってはアップルの国内販売計画にも変化が起こるだろう。
世界 40 カ国、主要 OS・機種シェア状況 【2018 年 3 月】
https://www.auncon.co.jp/corporate/2018/0323.html
(ITジャーナリスト・ライター 中尾真二)
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民127掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民127掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。