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ファミマを伊藤忠が子会社化で「セブン独り勝ち」が一層進む懸念
http://diamond.jp/articles/-/168680
2018.4.26 ダイヤモンド・オンライン編集部
伊藤忠商事は、これまで持分法適用会社だったユニー・ファミリーマートホールディングスを約1200億円を投じて子会社化すると発表した。しかし、この戦略には一抹の不安が漂う。商社がコンビニを子会社化しても、うまく行かない理由があるからだ。(ダイヤモンド・オンライン編集部 田島靖久)
1200億円を投じて
伊藤忠がファミマを子会社化
伊藤忠商事は4月19日、これまで持分法適用会社だったユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)の株を株式公開買い付け(TOB)で買い増し、子会社化すると発表した。8月ごろにTOBを実施し、現在約41.5%の出資比率を50.1%へと引き上げる。追加投資額は1200億円になる見通しだ。
この日、記者会見した伊藤忠の鈴木善久社長は、「子会社化は、伊藤忠のコミットメントの表われ。親と子か、そうでないかは外部からの見え方も違う」と語った。
今回、伊藤忠が子会社する狙いは三つあるとされている。
まず第1に、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などを活用した「次世代型店舗」を構築するというもの。伊藤忠とファミリーマートは昨年、LINEと提携して、次世代コンビニの開発に着手している。そうした取り組みを深化させる構えだ。
第2に、電子マネーを始めとする金融関連のプラットフォーム構築に加え、顧客基盤を生かしたデータ分析など、デジタル戦略を強化させることだ。
そして最後に、海外事業の強化だ。ファミリーマートは中国を中心に海外で店舗展開しているが、中国に強い伊藤忠のネットワークや人的資源を活用し、さらにスピードアップするというものだ。
確かにこうした3点は、ユニー・ファミリーマート自身が取り組もうにも、ノウハウや人的資源が乏しく、容易ではないだろう。したがって、伊藤忠の手を借りて進めるという点には合点がいく。「そのために、伊藤忠が親会社となって、しっかりコミットしてやっていくという意思表明だ」(伊藤忠幹部)というわけだ。
セブンとファミマの
本業の差は開いたまま
ただ、気になるのは、今回打ちだした戦略がいずれも“本業”ではなく、あくまで本業に付随するものである点だ。
コンビニエンスストア業界で、最も重要視される指標は「日販」。2017年度の新店を含む全店の日販は、セブン-イレブンが65万3000円なのに対し、ローソンが53万6000円、そしてファリーマートはさらに低い52万円となっている。つまり、セブン-イレブンとファミリーマートとの間には13万円余りの差があるのだ。しかも、この差は長年縮まっていない。
3社のいずれもと仕事をしたことがある食品メーカーの幹部は言う。
「両社では、ものづくりに関するポリシーが全く違う。いい商品を作ろうというところからスタートして、商品が完成した後に価格を考えるセブンと、価格から入って、それに商材を合わせて選んでいく残り2社とでは、当然のことながら商品の質が違う。特に弁当などでは味に格段の差が出てしまい、売り上げが違ってくるのは当然のことだ」
しかも、この幹部は「商社がコンビニの親会社になれば、その差がさらに拡大してしまう可能性がある」と指摘する。
商社が“商流”を優先させれば
コンビニの商品作りの弊害に
商社によるコンビニの買収は、なにも今回の伊藤忠とファミリーマートだけではない。2017年2月、三菱商事が約1400億円を投じて、ローソンを子会社化している。
「商社がコンビニを傘下に持ちたがるのは、自分たちの“商流”を拡大させることができるから。自分たちのビジネスを考えれば当然のことだ。しかし、商社が親会社になってしまえば、その商社が提供する商材から選ばざるを得ず、選択の幅が狭まり、結果として、いい商品を提供できなくなってしまう」(食品メーカー幹部)
その点、セブン-イレブンは“狡猾”だった。もともとセブン-イレブンは、伊藤忠と関係が深かったが、伊藤忠がファミリーマートの株を買ったことをきっかけに関係は断絶、三井物産が猛攻勢をかけて近い関係となる。ところがセブン-イレブンは、その後も伊藤忠と取り引きを続けた一方で、時には三井物産との取り引きを見直すなど、“等距離外交”を貫いた。
根底に、「顧客にいいものを提供するということが最も重要で、取引先がどこであろうと構わない」(セブン-イレブン幹部)という考えがあるからだ。
もう一つ、商社の狙いとして、好調なコンビニを子会社化することによって、連結決算ベースで利益を取り込もうという考えがある。商社にとっては“時間を買う”ことで、手っ取り早く自社の業績を上げようということだ。
しかし、商社がコンビニの自由度を奪うことで業績を悪化させてしまえば、その狙いは水泡に帰してしまう。
「商社によるコンビニの子会社化は、ある意味“利益相反”。昔から商社は、“川上から川下まで”を掲げて小売業に進出しようと何度もトライしてきたが、失敗しているのはそれが原因。今回もそうなってしまうかもしれない」(あるコンビニ幹部)
とはいえ、伊藤忠も過去の経験から、そうした事情は理解しているはず。果たして今回はどのような手綱さばきを見せるのだろうか。
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