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ポスト安倍政権の日銀金融政策、岸田氏や石破氏の発言に揺れる市場
http://diamond.jp/articles/-/168189
2018.4.26 加藤 出:東短リサーチ代表取締役社長 ダイヤモンド・オンライン
安倍政権への逆風がさらに強まれば、次期首相の有力候補である岸田文雄氏(左)と石破茂氏の発言に対する市場の注目が高まる Photo:kyodonews
「安倍政権の動向次第では、日本銀行の金融政策に変化が表れてくるかもしれない」。こういった見方が金融市場で増え始めている。
4月9日から、黒田東彦総裁の体制下として2期目の日銀金融政策がスタートした。安倍晋三首相が黒田総裁を再任し、副総裁の1人にリフレ派経済学者の若田部昌澄氏を任命したのは、超金融緩和策の継続を政権が望んでいることを明確に示している。
他方で、岸田文雄・自民党政調会長は3月下旬に「中小金融機関が大変厳しいし、景気循環のありようを考えると、いつまでもこの政策を続けることはできないと考える人が多い」「出口のタイミングを考えることが大事」(「朝日新聞」)と発言した。石破茂・自民党元幹事長も、「大胆な金融緩和も機動的財政出動も、未来永劫続くものではない」(英ロイター)と4月に語っている。
もし安倍首相3選の可能性が後退すれば、次期首相の有力候補の発言に市場はより耳をそばだてるだろう。中央銀行が超金融緩和策を正常化する際は、政治の後ろ盾が非常に重要になるからだ。
例えば欧州中央銀行(ECB)の場合、ユーロ圏のインフレ率は目標にいまだ遠く届かない状態にあるが、同行は2016年12月と17年10月に量的金融緩和策(QE)の段階的縮小を決定した。さらに、この3月に来年のインフレ率予想の下方修正もした。為替市場では昨年来ユーロ高が進んでいる。それでも、正常化路線を撤回する気配は見られない。
なぜなら、「QEは経済の非常事態に対応した政策であり、経済の正常化に合わせて出口に向かうのは当然だ。出口政策を今やらなければ、いつやるのか」という認識が、ECB理事会だけでなく、ユーロ圏の政治家にも広く共有されているからである。
米連邦準備制度理事会(FRB)の出口政策も同様だ。ドナルド・トランプ米大統領は「低金利を好んでいる」とよく報じられる。しかし、同政権の誕生以降、FRBは利上げ計4回とバランスシート縮小を決定したが、ホワイトハウスとの間に摩擦は生じていない。
逆に、米議会は「もっと早く正常化を進めろ」とFRBに圧力をかけている。2月27日の下院、3月1日の上院においても、多くの議員がジェローム・パウエルFRB議長に対して、金融危機以降のFRBの緩和策はやり過ぎだったと非難した。
彼らは、FRBが債券市場などに大規模介入したことが米経済にゆがみをもたらしていると考えている。下院金融サービス委員会のジェブ・ヘンサーリング委員長(共和党)は、「重要なのはFRBが道から外れないことだ」とくぎを刺した。パウエル議長は市場に衝撃を与えないようにゆっくりと保有証券を減らす予定だが、物足りない様子の議員が何人もいた。
もし逆に、欧州や米国で政治サイドが超緩和の正常化に強く反対していたら、ECBやFRBはもっと慎重になっていただろう。経済が予想外に悪化したときに、政治上のリスクが発生するからだ。
もっとも日本の場合、仮に首相が代わっても、経済にショックが及ぶほどの急速な政策変更を政権が日銀に望むことはないだろう。石破氏も「激変するような政策を採って良いとは思っていない」(ロイター)と、4月上旬に話している。ただ、超緩和策の副作用を和らげるための微調整的な長期金利引き上げであれば、その実施確率は上昇してくると考えられる。
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