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物価はこれから上がる?消費税増税前に気になる金融政策の行方(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan126/msg/787.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 4 月 21 日 14:23:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

物価はこれから上がる?消費税増税前に気になる金融政策の行方
http://diamond.jp/articles/-/168134
2018.4.21 三井住友アセットマネジメント 調査部  ダイヤモンド・オンライン


今後の物価や金融政策の行方は?


 皆さんこんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。

 ゴールデンウィークまであと1週間、週前半の肌寒い日々から一転、今週末は真夏のような暑さとなっています。3月も、2月に比べ急に暖かくなり、多くの地域で桜の開花が早まりましたが、桜前線は現在ようやく本州を過ぎようとしているところです。北海道等では、ゴールデンウィーク中もまだ桜が楽しめるようで、花見に出かける予定の方もいるのではないでしょうか。

 桜といえば、先日、日銀から「さくらレポート」が発表されました。そこで今回の「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」では、最近発表された「さくらレポート」や「日銀短観」といった日銀のレポートを用いて日本経済の現状を確認し、来週(4月26日、27日)開催される日銀の金融政策決定会合を前に、今後の物価や金融政策の行方について見ていきたいと思います。

関東甲信越・東海・近畿など6地域で、景気は拡大中

 まず、冒頭にご紹介した「さくらレポート」。これは日銀が3ヵ月に1度発表している、地域ごとの景気情勢をまとめた「地域経済報告」のことです。“さくら”は、報告書の表紙が薄いピンク色であることから、このように呼ばれています(さくらの絵柄も入っています)。ちなみに、米国の連邦準備制度理事会(FRB)がまとめる「地区連銀経済報告」は、表紙がベージュ色であることから、「ベージュブック」と呼ばれています。

 4月12日に日銀が発表した最新の「さくらレポート」によると、全国9地域の景気の総括判断は、6地域(北陸、関東甲信越、東海、近畿、中国、九州・沖縄)で「拡大している」、3地域(北海道、東北、四国)で「回復している」とされています。

 このうち、四国と九州・沖縄は、「海外経済の着実な成長に伴い、輸出が増加基調にある中で、労働需給が着実に引き締まりを続け、個人消費が改善するなど、所得から支出への前向きな循環が続いている」ことを背景に総括判断が引き上げられました。一方、北海道では、「一昨年の台風被害後の復旧工事の一巡から、公共投資が減少に転じている」ことを主因として、総括判断が引き下げられました。

 需要項目別に見ると、私達が実感しやすい個人消費は、緩やかに増加しているか、持ち直しているとの判断が大半です。また、雇用・所得も増加基調にあるか、改善しているといった前向きな判断がほとんどです。先日、日本経済新聞社が発表した2018年の賃金動向調査の1次集計では、平均賃上げ率が2.41%と1998年以来20年ぶりの高さとなったことなどが報じられており、雇用・所得環境は過去と比較しても良好と言えそうです。

日銀短観では大企業の景況感が8期ぶりに悪化

 一方、「さくらレポート」に先立って4月2日に発表された「日銀短観」では、代表的な指標である大企業・製造業の景況感が8四半期ぶりの悪化となりました。「日銀短観」とは、日銀が金融政策運営の参考にするため、3ヵ月に1度、約1万社の企業に行う「全国企業短期経済観測調査」のことです。景況感のほか、企業の売上、収益、設備投資計画、雇用などの状況判断も発表されます。
 
 前述の大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI、(1)良い、(2)さほど良くない、(3)悪いの3つの選択肢の内、(1)良いの割合から(3)悪いの割合を控除)は前回調査から2ポイント低下の24と、8四半期ぶりの悪化となりました。ただし、製造業・非製造業、大企業・中堅企業・中小企業のいずれにおいても6割程度が(2)さほど良くない、と回答しています。また、3ヵ月後の先行きの業況判断DIは現状から4ポイント低下が見込まれています。
 
 今回調査の回答期間は2月26日〜3月30日で、今年になって進んだ円高・株安の影響が注目されていました。2017年末のドル円レートは112円程度でしたが、調査回答期間中には一時104円台となり、足元では107円程度となっています。注目される大企業・製造業の2018年度の想定為替レートは1ドル=109円66銭と、足元よりやや円安水準であり、円高が進むと業績見通しの下振れが懸念されます。

素材や電機、ガスなどの業種では“販売価格”の値上がりも

「日銀短観」では、別途、「企業の物価見通し」も公表されています。これによると、企業の“物価全般”の見通しは、1年後が0.8%、3年後が1.1%、5年後が1.1%と、前回12月調査からは横ばいでした。というより、ここ2年程、企業のインフレ期待はほぼ横ばいで変化はありません。

 一方、企業の“販売価格”の見通しは、1年後が0.7%、3年後が1.2%、5年後が1.4%と、1年後については3四半期連続、3年後と5年後については2四半期連続で上昇しています。ただし、その変化率の水準は低く、業種ごとに見ると素材関連や電気・ガス、企業向けサービスといった一部の業種に偏っています。身近なところで様々な値上がりは起こっていますが、今後物価はどのように変化していくのでしょうか?

 来週26日〜27日には、物価コントロールをミッションの1つとする日銀の金融政策決定会合が開かれます。日銀では、黒田総裁の続投が決まり、来週は副総裁に雨宮正佳氏と若田部昌澄氏を迎えての新体制で初の会合となります。とはいえ、黒田総裁続投の下、金融政策の方針に変化はないと見られています。

日本の金融緩和は当面続くものの、徐々に縮小か

 日銀は、黒田総裁が就任した直後の2013年4月から、「質的・量的金融緩和」を導入しました。この「質的・量的金融緩和」は、2016年1月に「マイナス金利付き質的・量的金融緩和」の導入を経て、2016年9月以降は、@イールドカーブ・コントロールとAオーバーシュート型コミットメントを二大柱とする「長短金利操作付き質的・量的金融緩和」となりました。

「長短金利操作付き質的・量的金融緩和」と、それまでの「質的・量的金融緩和」の相違点は、マネタリーベースが金融市場調整の直接の対象とならなくなったことです。「質的・量的金融緩和」では、量的な金融緩和を推進するため、金融市場調節の操作目標がそれ以前の“無担保コールレート(オーバーナイト物)”から“マネタリーベース”に変更されました。これが「長短金利操作付き質的・量的金融緩和」では、Aオーバーシュート型コミットメントにおいて、「物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する」といった予想物価上昇率を高めるための間接的な存在へと変化しました。
 
 そして量的緩和の買い入れ対象である長期国債は、保有残高が年間約80兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行うとされていましたが、「長短金利操作付き質的・量的金融緩和」の下では、「長期金利コントロールのため、10 年物国債金利が概ね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう、長期国債の買入れを行う」と変更され、その買入れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約80 兆円)を“めど”とするというように変わりました。つまり、長期金利がゼロ%程度に保てるようであれば、長期国債の買入れ額は、従来の「保有残高の増加ペース」には拘らないということでもあります。

 この結果、日銀の長期国債の保有残高の増加ペースは徐々に減速してきています。2018年3月末には、「質的・量的金融緩和」を開始した2013年4月に設定されていた年間50兆円ペース(2014年10月に年間80兆円ペースに拡大)を割り込んでおり、量的緩和は実質的に縮小していると言えます。これを“ステルス・テーパリング”と呼ぶことがあります。保有残高は「買入れ額−償還額」ですので、今後も日銀の国債買入れペースが変わらないのであれば、償還が増える分だけ保有残高の増加ペースは落ちていき、2018年末には年間40兆円ペース程度にまで減速しそうです。

 先進国の金融政策を比較する際、米国の連邦準備制度理事会(FRB)が着実に利上げを続け、欧州では欧州中央銀行(ECB)が来年にも利上げに向かうと見られる中、日本は当面現在の金融緩和が続くと見られているものの、その実、日銀の金融緩和(量的緩和)の縮小は徐々に行われていると見る向きもあります。
 
「長短金利操作付き質的・量的金融緩和」導入から1年半が過ぎ、黒田日銀総裁は2期目に入りました。物価上昇は日銀が目標とする2%の「物価安定の目標」達成にはまだ遠いと見ざるを得ない状況ですが、消費者物価指数(除く生鮮食品)は2016年9月を直近の底として緩やかに上昇してきており、3月は前年同月比+0.9%となっています。こうした中、来週の金融政策決定会合と同時に発表される「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、日銀が日本経済や物価についてどのような判断を記すのか注目されるところです。

2019年10月の消費税増税以降、金融政策は慎重な舵取りへ

 今回ご紹介した「さくらレポート」や「日銀短観」などを踏まえても、三井住友アセットマネジメント調査部では日本経済について、海外景気の回復の継続を背景に輸出の回復傾向や、企業の設備投資意欲の維持から、底堅い成長が続くと見ています。

 ただし、2019年10月には消費税10%への増税が予定されており、これに伴う景気の下振れリスクが懸念されます。また物価の先行きについては、GDPギャップの改善により物価の緩やかな押し上げが見込まれ、基調的な物価上昇率は緩やかに高まっていくと見ています。

 そして日銀の金融政策は、2%の「物価安定の目標」まで距離があるなか、2018年度中は日銀は長短金利を据え置くと見られ、2019年度は消費増税による景気への影響を見ながら慎重な金融政策の舵取りが行われると考えられます。

(三井住友アセットマネジメント 調査部 脇坂理恵)


 

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コメント
 
1. 2018年4月21日 20:55:30 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1073]

日本は景気敏感国家で世界のカナリアだから

米国と中国の財政や金融政策、そして海外景気などに大きく影響される

日銀は、国内景気や、政治情勢に加え、それら海外情勢を推測しながら

慎重に政策を調整することになるが

当然、予想通りになることなど、ほとんどない


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