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トヨタとVW、「2大帝国」はなぜ協業するのか(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan126/msg/777.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 4 月 20 日 19:32:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

トヨタとVW、「2大帝国」はなぜ協業するのか
http://diamond.jp/articles/-/167965
2018.4.20 佃 義夫:佃モビリティ総研代表  ダイヤモンド・オンライン


日野とVWは、商用車分野での協力関係構築に向けて合意した Photo:REUTERS/AFLO


ライバル関係にある
トヨタとVWが何で提携するのか


 トヨタグループの商用車メーカー日野自動車と、独フォルクスワーゲン(VW)の商用車統括会社であるVWトラック&バスが12日、提携に向けて緊急記者会見を行った。日野とVWトラック&バスは戦略的協力関係の構築に向けた合意書に調印。今後両社は「技術」「商品」「地域」の幅広い協業の可能性を検討していくとする。

「トヨタとVWが何で提携するの?」ーー。

 こんな疑問が会見に出席したメディアサイドから流れた。それというのもトヨタとVWは、リーマンショックからの立ち直りで世界の自動車覇権を競う関係にあり、かつ日本とドイツの国策もからんで、この自動車大変革時代をリードしていこうとするライバルだからだ。

 とはいえ、電動化・自動運転・コネクテッド・シェアリングなどの次世代技術への移行に向けて異業種との競合も激化する中で、トヨタ、VWのいずれもグループ体制強化とともに「個別の分野では協業していくことも必要」との判断で、柔軟に方針を転換するの流れが出てきたといえよう。

 折しもVWは、日本での日野とVWトラック&バスとの提携会見を発表した翌日の13日、ドイツのヴォルフスブルク本社でヘルベルト・ディース新社長が会見し、VWグループ傘下12ブランドを4組織に再編する計画を発表した。

 ディース新体制の下でVWグループは「新しいコンパクトな組織構造で、より速く効率的な意思決定や実行をしていく」とその方向の見直しを示唆した。

 トヨタは、ここにきて社内カンパニー体制の移行とともに子会社のダイハツ、日野のトップ交代で体制固めを進めている。同時に、デンソー・アイシンなどのサプライヤーとの連動やスバル・マツダ・スズキとの協業を強めてトヨタグループの強化を図っている。

 社長就任から今年6月で10年目を迎える豊田章男体制は「異次元競争が始まり生きるか、死ぬか」(豊田章男トヨタ社長)の危機感を持ってその方向性作りに臨んでいる。

 “日本連合軍”ともいえるトヨタグループは、いわば「トヨタ帝国」を形成しつつある。一方、ドイツを代表するVWは、既に12のブランドを有する「VW帝国」を築き上げている。

 世界の自動車産業をリードする競合関係にあるトヨタとVWが分野によっては協業していくことは、“異なる競争軸”が現われてきたことでの新たな動きと受けとめられよう。

米「ビッグ3」に取って代わった
トヨタとVW


 トヨタとVW。この両社は、新たな世界の自動車リーダーとしてしばしば比較される。かつて世界の自動車リーダーは、米国のゼネラル・モーターズ(GM)であり、フォード・モーターであった。クライスラーを加えた米ビッグ3は、世界のビッグ3であり20世紀の自動車産業をリードしてきた。

 しかし、21世紀に入りクライスラーは独ダイムラーに吸収合併され(その後、別離し現在は伊フィアット傘下)、GMとフォードも地盤沈下してしまった。米ビッグ3に取って代わって世界の自動車リーダーにのし上がったのがトヨタとVWであり、トヨタが2008年に世界販売でトップを奪還すると、2016年からは2年連続でVWがトップに立っている。
  
 トヨタは、2009年6月に創業家の豊田章男社長が就任したが、前年の08年秋にはリーマンショックの影響で赤字に転落、加えて、大規模リコール問題で大きな打撃を受けた。

 まさに「嵐の中の船出」だった豊田章男トヨタ体制だが、この苦難を乗り越えてからは、このところ章男体制の盤石化、グループ体制の拡大強化は目覚ましいものがある。

 2016年8月にはダイハツ工業の100%完全子会社化やマツダとの資本提携への拡大に加え、スズキとの業務提携とグループ体制の強化策を矢継ぎ早に発表している(トヨタの出資メーカーは、ダイハツ工業100%、日野自動車50.1%、スバル16.77%、マツダ5.05%、いすゞ5.89%)。

 さらにはEV(電気自動車)基盤技術開発新会社EVCASにトヨタ、デンソー、マツダ、スバル、スズキ、日野が加わりオールジャパンの大連合ともいえる体制となった。

 トヨタは海外でも、独BMWとFCV(燃料電池車)やスポーツカー共同開発などの包括提携、仏PSA(プジョー・シトロエン)と小型車提携、米フォードとハイブリッド車供給提携、ライドシェアの米ウーバーと資本提携にEVベンチャーの米テスラにも出資する(現在は解消)など、大きく間口を広げる戦略をとってきている。

 一方、VWはトヨタと同じように創業家であるフェルディナント・ピエヒ体制時代に拡大戦略を展開した。

 いち早くリーマンショックを克服しM&Aやマルチブランド戦略を積極化させた。象徴的だったのがVWと同じ創業家だったポルシェ家のポルシェAGの買収劇だ。09年にピエヒ主導でVWはポルシェAGを100%子会社化として、その主導権争いに終止符を打った。

 VWは、これまでグループブランドを6分野に分けていた。ラグジュアリーブランドのランボルギーニ、ベントレー、ブガッティ。プレミアムブランドのアウディ、ポルシェ。そして、大衆ブランドのVW。

 これに加えて、現在は低価格ブランドのシュコダ、セアト。商用車ブランドのスカニア、MAN、VW商用車。2輪車ブランドのドゥカティがある。また、有名な自動車デザイン会社のイタルデザイン・ジウジアーロも買収している。

 ディース新体制では、これらを大衆車・高級車・超高級車・商用車の4組織に再編し、改革への見直しを図るという。

VWの「覇権主義」転換が
提携に結びついた


 VWの従来のグループ戦略は、ブランド各社を完全支配下に置き戦略を一元化させる。いわば「覇権主義」であった。スズキがGMとの資本提携を解消してVWグループ入りし、19.9%の出資を受けたものの脱退したのも、この“VW覇権主義”に嫌気が差したからだ。

 このVW覇権主義に対して、トヨタのグループ戦略は“同じ価値観”を共有し、連携による効率化を図ろうという経営思想が根底にある。このため、従来は、「対照的なグループ戦略」と言われてきた。

 VWは長らく続いた創業家ピエヒ体制から2015年にピエヒ会長が退くと、ディーゼル排ガス不正問題が起きてヴィンターコーン社長が引責辞任し、ミューラー社長体制に移行してEVシフトなどで業績を急回復させた。

 だが、今回、任期を残してミューラー体制からディース社長に交代と体制変化が著しい。

 VW新社長のヘルベルト・ディース氏は、自動車部品世界首位のメガサプライヤーのボッシュからBMWで開発担当役員を経て15年にVW入りしている。VWブランドの乗用車トップとして進めたコスト削減に手腕を振るったことが買われたとされる。

 ディースVW体制への移行は、VWの「覇権主義」からの転換、つまり世界販売を拡大し続ける事業モデルからの決別を実践するVWの改革とも見られている。

 VWトラック&バスと日野自動車との提携もディースVW新体制の下、商用車分野で協業強化の方向を進めようということであろう。

 すでにトヨタも「世界販売首位の座に固執しない」との方針を打ち出しており、規模追求よりもオープンな協業の方向へ駒を進めてきている。

 こうしたトヨタの方向とVWの「覇権主義」の転換が、今回の日野とVWトラック&バスとの提携に結びついたといえよう。また、ディースVW新社長は、BMW時代にトヨタとBMWの共同開発提携に関わっていたこともあり、トヨタにとっても“旧知の間柄”とされる。

 トヨタとVWは、かつてトヨタが日本国内でVW車を販売する「デュオ」を展開していたこともあり、日野とVW傘下のスカニアも販売提携していた経緯もある。

 この自動車新時代において異次元競争への対応策として、今後も新たな提携を模索するケースが増えてくるのではなかろうか。


 

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コメント
 
1. 2018年4月21日 10:48:09 : yKG268mt7E : mIghEAFDs9c[107]
これにフィアットを入れれば3国同盟かww

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