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住宅ローン「控除」でお金を貯める方法
http://biz-journal.jp/2018/04/post_23029.html
2018.04.17 文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士 Business Journal
今回は本連載前回記事に続いて、住宅ローン控除について、女性公認会計士コンビ、先輩の亮子と税務に強い後輩の啓子が解説していきます。
亮子「住宅ローン控除を受けるためには、確定申告が必要だよね」
啓子「はい。でも、一般的な会社員の場合、確定申告が必要なのは、適用を受ける最初の1年目のみ。あとは、年末調整の際に必要書類を会社に提出すれば大丈夫です」
亮子「年末調整のための必要書類も、それほど難しくない」
啓子「はい。今回はそういった手続きについてまとめておきます」
■適用を受けるためには1年目に確定申告が必要
住宅ローン控除の適用を受けるためには、適用1年目に確定申告を行う必要があります。ただし、年末調整だけで所得税の計算が完結する会社員の場合には、2年目以降は会社に書類を提出すれば手続き完了です。
<1年目>
必要事項を記載した確定申告書と一緒に次の資料を添付して、居住する住所の管轄税務署へ提出します。
(1)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(税務署で配布又は国税庁ウェブサイトでダウンロード可能)
(2)登記事項証明書(住宅の登記簿。法務局で入手します)
(3)請負契約書の写し、売買契約書の写し等(売買契約時に業者と取り交わします)
(4)ローン残高証明書(金融機関等から送付されます)
(5)源泉徴収票(勤め先から受け取ります)
<2年目から10年目>
2年目は確定申告する必要がありません。年末調整時に会社へ次の資料を提出し、年末調整で計算してもらいます。
(1)住宅借入金等特別控除申告書(兼)年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書(税務署から送付されます)
(2)ローン残高証明書(借入先の金融機関等から送付されます)
2年目以降は、提出資料をもとに会社が年末調整をして、住宅ローン控除を考慮して税金を計算します。
また、所得税から控除しきれない場合、住民税から差し引くことが可能ですが、そのために別途必要となる手続きは特にありません。確定申告または年末調整をしていれば、税務署等へ申告した住宅ローン控除等の情報を、市区町村が把握できる仕組みとなっているためです。
なお、確定申告の申告期限は3月15日ですが、年末調整のみで完了している会社員の方は、その年の確定申告が申告期限に間に合わなかった場合でも、住宅ローン控除などによる還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。期限が過ぎたからといってあきらめずに手続きしてみましょう。なお、上記の(1)の書類「住宅借入金等特別控除申告書(兼)年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」は、10年分がまとめて送られてきます。なくさないようにしましょう。
■住宅ローン残高の1%を控除できるとは限らない?
住宅ローン控除の上限は年40万円で、期間は最長10年。つまり、最大で400万円の税額控除が可能となりますが、必ずしもこの枠を全額使えるとは限りません。
たとえば、年末のローン残高が4000万円のとき、控除限度額は上限の4000万円×1%で40万円。
でも、仮にその年の住宅ローン控除前の税金が所得税9万円、住民税が19万円で合わせて28万円だった場合、40万円分の控除は利用できません。税額控除はあくまでも税金を軽減する仕組みで、納めた税額以上に還付されることはないからです。また、住民税から差し引くことのできる控除額には住民税独自の上限額があるからです。具体的には、住民税の控除限度額は、13万6500円、または所得税の課税総所得金額等(※)×7%となっています。
(※)会社員の方で給与所得のみの場合、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引いた金額が、課税総所得金額等に該当します。
つまり、上記の例について実際に控除できる税額(住民税からの控除限度額は13万6,500円と仮定)を計算すると、
所得税9万円 + 住民税 13万6500円 = 22万6500円
となります。住宅ローンの年末残高から計算した控除可能額は40万円でも、実際に控除できるのは22万6500円となるわけです。所得税を多額に納付している場合には控除可能額を全額控除できるかもしれませんが、控除できる額はそもそもの税金の納付額によって異なる、という点には注意が必要です。
■住宅ローンの借り換えをするとどうなる?
すでに住宅ローンを組んでいても、もっと金利を低くするためにローンの借り換えを検討している方もいると思います。基本的に住宅の新築、購入のために組んだローンでないと住宅ローン控除を受けることができないのですが、次の要件を満たせば、借り換えをしても住宅ローン控除を受けることができます。
・新しい住宅ローンが、当初の住宅ローンの返済のためのものであることが明らかであること
・新しい住宅ローンが10年以上の返済期間であるなど、住宅ローン控除の要件に該当すること
たとえば、当初の住宅ローンの返済期間が20年で、返済期間が5年目を過ぎた頃に借り換えをして、借り換え後の新しい住宅ローンの返済期間が9年だとすると、返済期間が10年以上という要件を満たさないため、借換え後は住宅ローン控除を受けることができなくなります。契約ごとに判断されますので注意しましょう。なお、借換えをしても住宅ローン控除を受けることができる期間が延びるということはなく、当初に住宅ローン控除を受けたときから「10年間」と決まっています。
また、借り換え後の住宅ローン控除の税額控除額の計算には留意点があります。当初の住宅ローンよりも借換え後の住宅ローンの金額が多い場合は、多い部分について調整計算が必要です。具体的には、「借り換えによる新たな住宅ローン等の年末残高×借り換え直前における当初の住宅ローン等の残高÷借り換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額」で計算された金額が、住宅ローン控除の年末残高対象額となります。借り換え後に住宅ローン控除を受ける要件は、当初の住宅ローン返済のためであることとされているため、借り換え後に住宅ローンが増えた部分については、当初家を買ったお金とは関係のない部分とみなされて、このような調整計算が必要となります。
■繰り上げ返済をしたらどうなるの?
繰り上げ返済をしたことにより、返済期間が10年未満となった場合には、住宅ローン控除の対象となる借入金に該当しなくなり、10年未満となった年分は、税額控除の適用を受けることができなくなってしまいます。さらに、10年未満とならなくても、繰り上げ返済により年間の控除額が当初の予定より減ってしまうこともあり得ます。
控除を受けるために住宅ローンを利用するわけではありませんが、住宅ローンを利用するのであれば住宅ローン控除を最大限活用できるに越したことはありません。制度をよく知った上で、たとえば繰り上げ返済は11年後から、などという計画を立ててお金を貯めるという考え方もあります。
亮子「余談だけど、私はあまり繰り上げ返済はお勧めしないな。繰り上げ返済手数料がかかる場合もあるし、繰り上げ返済をしすぎると、家計が厳しくなって日々の生活に支障が出てしまうこともあるからね」
啓子「それぞれの状況に合わせて返済予定等の計画を立てることが、大切なポイントになると思います」
亮子「住宅ローンについては、現在の金利状況がどうなっているか定期的にチェックすることが大切。金利が下がっているときは、住宅ローンを組んでいる金融機関に『金利下がりませんか? もっと金利の低い住宅ローンへの借り換えも検討しているのですけど』って相談してみると、借り換えることなく金利を見直してもらえるケースもあると聞いたことがあるよ」
(文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士)
●徳光啓子
2009年 公認会計士試験合格
2011年 明治大学商学部卒業
2011年から2016年、有限責任あずさ監査法人に勤務し、主に上場企業(製造業)を中心に監査業務に携わる。
2016年から税理士法人タックス・アイズにて企業の各種税務申告業務や会計・税務コンサルティングを行う。また、同年より茨城大学にて非常勤講師として原価計算論等の講義を行う。
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