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3月日銀短観について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53054339.html
2018年04月02日 在野のアナリスト
3月の日銀短観が発表され、大企業製造業は現状判断DIが24(-2)、先行き判断DIが20(-4)。非製造業が23(-2)、20(-3)。中小企業製造業が15(0)、12(-3)。非製造業が10(+1)、5(-5)となりました。景況感が悪化、という意見と、リーマンショック前と同じぐらいの高水準、という報道の二つに分かれますが、両方とも正しく、両方とも間違いです。
日銀短観は景気が「良い」から「悪い」を引いた数字であり、景況感の変化を映します。つまりこの結果は、ピークから落ちたことを意味するので、先行きがさらなる悪化を示すのなら、これは景気が山を越えて谷にむかってすすみだした、ということを示します。後は、それが短期でとどまるか、長期化するか、という話ですが、内容をみるとしばらく時間がかかりそうな数字が多く散見され、これは厄介だぞ、という感じが滲みます。
仕入れ価格判断で、素材業種の現状の変化幅が12月調査より+12となり、資源高騰の影響が顕著にでている。先行きは-11と元に戻るとの見立てですが、甘い希望でしょう。今のバブルが弾ければ資源価格も下落しますが、そのときは別の面で影響がでる。もう一つは円高により輸入価格の低下への期待もありますが、それも別の影響が大きいものです。
製商品・サービスの需給判断では、現状は12月調査より若干の改善をみせましたが、先行きは低下する見込みです。資源高騰の価格転嫁がすすむことで、需要が落ちこんでいる数字も散見され、川下からの価格高騰が景気まで冷やしそうな状況です。
売上高の2018年度の計画は1%程度の上積みを見こみますが、これは素材価格の上昇を織りこんだ物価上昇率と同じなので、実質的には横ばい。それを映すのが、経常利益の2018年度の計画が3月時点でマイナス、という点です。2017年度は期初の時点で、前期の大幅高で工期の落ちこみをカバーする、という計画を立て、実際にそうした形に着地している。2018年度の期初でこれだけ弱気だと、今年度の経常利益がプラスを維持、という市場の予測を裏切ります。一言でいえば、2017年度が高すぎて今年度はそれを越えられないのです。
設備投資は大企業で2018年度の計画で2.3%増、研究開発費も1.3%増です。先行きの落ちこみに大して、設備投資や研究開発費が増えるのは、先行投資というより省力化投資。さらに節税対策という面もあって、景気拡大には結び付きにくい面が大きいのでしょう。
想定為替レートが109.66円と、現状と比べてもかなり円安水準でみていることもマイナスう。その見通しで、この経常利益計画なら、もっと落ちこむことが予想されるのです。今日は新入社員の入社式でしたが、明らかにバブルの匂いがする豪華さのものが目立ちます。今はバブル、その認識を考慮した上で、現状の景気認識を考えるなら、バブルの中で景気が山を越えたとすれば、次に待つのは崖です。トランプ米大統領の関税障壁に対して、中国が控えめに対抗措置をうちだしてきました。市場では中国は対抗できない、といった見立ても多かったので、こうしたことも積み重なると市場を崖に導きます。
今日の東京株式市場は、外国人投資家がイースター休暇のせいで、売買代金は1.6兆円、売買高は10億万株を割りました。日本人が買わないのに、外国人が買うはずもなく、この日銀短観をみても、今の日本株に買いは入れにくいでしょう。いずれにしろ日米首脳会談まで待たないと日本株に戦略も立てにくいですが、今日示された日銀短観は、リーマンショック前のようなバブル症状だったものに陰り、という意味で深刻にとらえた方がよいのでしょうね。
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