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金持ちになりたいなら、お父さんの「こづかい」は減らすな!
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180227-00000062-sasahi-bus_all
AERA dot. 3/15(木) 16:00配信
お父さんのこづかいを減らさない方がいい理由とは?(※イメージ写真)
景気回復をなかなか実感できないなかで、お父さんのこづかいを減らしてさらなる緊縮財政を進めている家庭も多いようです。しかし、日本最大級のマネースクールであるファイナンシャルアカデミーの代表・泉正人さんは、「それでは反対に貧乏になる」と主張します。先頃『お父さんの「こづかい」は減らすな!』(朝日新聞出版)を出版した泉さんに、こづかいを減らしてはいけない理由を解説してもらいました。
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新生銀行の「2016年サラリーマンのお小遣い調査」によれば、2007年に平均月額4万9736円だったお父さんのこづかいは、2016年には3万7873円となり、9年間で1万円以上ダウンしています。これを「家計が厳しいからしょうがない」と考えてよいものでしょうか? 私はそうは思えません。なぜなら、こづかいを減らすことで、5年後の収入が減ってしまうからです。
子どもの教育を例に考えてみます。例えば、あなたに小学生の子どもがいるとしたら、どのような教育を受けさせるでしょうか。
健康増進を図るために野球や水泳のようなスポーツを習わせるかもしれません。感性を豊かにするためにピアノや絵画の教室に通わせたりすることもあるでしょう。塾や英語教室、プログラミング教室に通わせることも一般的になりつつあります。習い事だけで1カ月に10万円近くの費用をかけている家庭もあるようです。
もちろん習い事だけではなく、小・中・高・大学と学校に通わせて子どもに教育を施します。どんな学校に行くかによって教育費は変わってきますが、例えば小学校から大学まで私立の学校に通った場合、教育費の総額は2000万円を超えると言われます。
なぜこれほどまでに教育費をかけるのか。それはもちろん子どもの将来のためですが、もっと具体的にいえば、リターンを期待しているからです。たくさんの教育費をかければその分だけ、子どもが良い会社に入ったり専門家になったりして、たくさんお金を稼げる職業に就く可能性が高まる、と考えているのです。つまり教育費は、子どもの将来のリターンに対する投資です。
ではお父さんに戻って考えてみましょう。良い仕事をしてたくさんお金を稼ぎたいという目的は、お父さんも一緒です。しかし、お父さんに対して将来のリターンにつながる投資を行っているでしょうか。おそらく、ほとんど何も投資していないという家庭も多いのではないでしょうか。
それはサラリーマンのこづかいの額を見ても明らかです。先ほどの「サラリーマンのお小遣い調査」によると、お父さんのこづかいの平均は月4万円弱。これに対して支出は、ランチ代、コーヒー代、月に2、3回の飲み代だけで、少なく見積もっても月3万5,000円ほどになります。
月4万円のこづかいでは、やり繰りがかなり難しいはず。こづかいを月4万円しかもらっていないお父さんは、自分の知識やスキルを高めるためのインプット、つまり自己投資にはお金を回せないでしょう。
インプットがないと、よいアウトプット(つまり質の高い仕事)を生み出せないのは当然です。そして、質の高い仕事ができない人の給料は、今の時代、上がることはありません。
お父さんが65歳で定年を迎えるまで会社に在籍する期間は、あとどれくらいでしょうか。30歳の人なら35年、40歳の人なら25年、50歳の人でも15年もあります。さらに年金の受給額は減り続け、年金収入だけでは老後の生活が成り立たない時代が訪れています。70歳になっても80歳になっても働き続けることが普通になってくるはずです。
AI(人工知能)が仕事を奪うとも言われていますね。AIに仕事を奪われないためには、人間にしかできない仕事に特化して、スキルを絶えず磨き続けていくことが必要なのです。
このような社会変動が起こっている今、「家計が厳しいからしょうがない」とお父さんのこづかいを減らすという判断は、家族全員の未来のためにはなりません。
お父さんは一家の大黒柱です。会社でいえば一番の稼ぎ頭の部署です。家庭を一つの会社として考えると、稼ぎ頭の部署には、会社の資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を集中させて伸ばすという判断になるはずです。
資源を投下された部署(お父さん)が正しい判断を行えれば、より活躍して成果を出し、たくさんの売上(お給料)を会社(家庭)にもたらしてくれるという好循環が起こります。しかし資源を投下しなければ、そのような循環は起こりません。
お父さんにとって毎月自由に使えるお金がなければ、本を読むことも、研修やセミナーに参加することも、資格試験を受けるための参考書を買うこともできません。インプットができない環境にいるのに、収入を高めていくことは非常に難しいでしょう。
そのようにして考えれば、お父さんのこづかいを減らすことが、家庭にとっていかに愚策なのかがよくわかるはずです。家計をよくしたいなら、お父さんのこづかいは減らすのではなく、増やすという判断が正しいのです。(取材・構成/平行男)
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