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かっぱ寿司、客離れ深刻で経営混乱…親会社会長が社員を「アホ共よ」と罵倒、社長を8カ月で解任
http://biz-journal.jp/2018/03/post_22637.html
2018.03.14 文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント Business Journal
かっぱ寿司の店舗
回転ずし「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトの親会社であるコロワイドの迷走が止まらない。
2017年4月にカッパ・クリエイトの社長に就任したばかりの大野健一氏が2月28日付で突然、退任した。社長在任期間はわずか11カ月だ。また、14年に外食大手のコロワイドの傘下に入って以降、4回目となる社長交代だ。異例の人事が続いているといえるだろう。
後任には、同じコロワイド傘下でステーキ店などを運営するアトム社長の小澤俊治氏が、6月に開催する定時株主総会の決議を経て就任することが発表されている。それまで社長が不在となるが、それも異例だろう。
大野氏の社長退任は、従来の社長交代とは意味合いが大きく異なる。大野氏以前の社長交代はすべて「経営基盤を強化する」ためとしていたが、大野氏の場合は「一身上の都合」とだけ公表している。
一部のメディアでは、大野氏が以前在籍していた水産会社でコンプライアンス違反があったことが発覚したため、退任を余儀なくされたと報じられている。その真偽のほどはわからないが、いずれにしろ、ただごとではない事態になっているようだ。
かっぱ寿司の客離れは止まらず、コロワイドの傘下に入っても業績は上向かないでいる。改革は進まず、15年3月期には134億円の最終赤字を計上。既存店の客数は18年2月まで28カ月連続で前年同月を下回っている状況だ。
売上高は近年、落ち込みが激しい。今期は当初、増収を計画していたものの、下方修正を余儀なくされ、一転して減収(前年比1.3%減の783億円)になる見通しだ。最終利益の見通しは13億円から6億円少ない7億円に引き下げている。
もちろん、何もせずただ手をこまねいていたわけではない。状況を打開するため、ロゴを刷新し、「食べ放題」や「1皿50円」のキャンペーンを打ち出すなど、さまざまな施策を講じてきた。しかし、どれも有効打にはなっていないのが現状だ。社長の首をすげ替えても状況は変わっていない。
カッパ・クリエイトが足を引っ張っていることもあり、コロワイドの業績も冴えない。17年3月期(IFRS/国際財務報告基準)の売上高は、前年比0.2%増の2344億円にとどまった。最終損益はカッパ・クリエイトの不振などが影響し、13億円の赤字となっている。
今期の見通しも暗い。前回発表では最終利益を29億円としていたが、2月に下方修正を発表し、24億円少ない5億円に引き下げている。
■社員を「馬鹿」「アホ共」と罵倒→ネットに流出して炎上
コロワイドは1963年4月に神奈川県逗子市で創業した。77年9月に居酒屋「甘太郎」を開業。その後は甘太郎を主軸に事業を拡大していく。00年10月には東証2部に株式を上場し、以降、積極的なM&A(合併・買収)を仕掛けて急成長していった。
05年10月に焼肉レストランなど約240店を展開していたアトムを買収し連結子会社化。12年10月には焼肉チェーン「牛角」など約1200店を展開していたレックス・ホールディングス(現レインズインターナショナル)を傘下に収めている。14年12月にカッパ・クリエイトホールディングス(現カッパ・クリエイト)の過半数の株式を取得し、子会社化している。買収額は過去最大規模となる約300億円だった。16年12月には約160店のフレッシュネスバーガーを展開していたフレッシュネスを傘下に収めた。レインズインターナショナルがユニマットグループから全株式を取得している。
こうしたM&A(合併・買収)を通じて、コロワイドは大きく成長してきた。17年末の直営店舗数は1526店で、フランチャイズ店を含めた総店舗数は2729店にも上る。
店舗数の増加に合わせて売上高も増えていった。16年3月期までの数年間は、毎年2桁の伸びを見せていたほどだ。しかし、前述した通り17年3月期は微増にとどまっている。M&Aがなく、出店攻勢もかけられず、既存店売上高が減り続けているためだ。
コロワイドはM&Aで会社の図体を大きくすることには成功した。しかし、その一方で各ブランドを育てきれていないのではないか。上層部の目が社外に向いてしまい、各ブランドの運営がおざなりになっていた感が否めない。その象徴がかっぱ寿司といえるだろう。
組織の統制もなおざりになっていたことがうかがえる事件が起きている。17年2月下旬に、コロワイドの蔵人金男会長が社内報で社員を罵倒したことが発端だ。
「コロワイドが、レインズを買収して5年。いまだに挨拶すら出来ない馬鹿が多すぎる」
「生殺与奪の権は、私が握っている。さあ、今後どうする。どう生きて行くアホ共よ」(原文ママ)
社内報には、このような過激な発言が連なっていた。その社内報が社外に流出し、インターネット上で炎上する騒ぎとなった。組織がうまく機能していないことを端的に示した事件といえるだろう。
ちなみに、この騒動を受けてコロワイドは、「本来の意図が伝わらず、お騒がせする事態となりましたことを、 深くお詫び申し上げます」と謝罪・釈明に追われた。
この事件には伏線があった。少し前の17年2月10日、傘下のカッパ・クリエイトが17年3月期の最終損益で59億円の赤字を出すという決算予想を発表。コロワイドも19億円の赤字になる見込みとなった。これに蔵人会長が激怒し、勢い余って社内報で爆発する事件へと結びついていったのだ。
さらなる余波も起きている。その事件から約1カ月後の17年4月、四方田豊社長(当時)を解任し、大野氏を社長に就けたのだ。業績が上向かなかったためとみられている。四方田氏の社長在任はわずか8カ月と短命に終わっている。業績が改善していないのだから致し方ない面もあるが、すべてが社長のせいでもないだろう。いずれにしても、こう社長がころころ変わっているようでは、組織がうまくいっているとは到底いえないのではないか。
コロワイドが各ブランドを育てきれていないという証左が、近年、既存店売上高の前年割れが続いている点に表れている。また、社内報事件が示す通り、組織が機能不全に陥っている。本腰を入れてまとめていかなければ、いつ空中分解しないとも限らない。まさに今が正念場といえるだろう。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。
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