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田総裁続投でも、すでに日銀は「ステルス引き締め」を始めている 副総裁人事が示しているもの(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/18/hasan126/msg/178.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 2 月 21 日 11:14:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


田総裁続投でも、すでに日銀は「ステルス引き締め」を始めている 副総裁人事が示しているもの
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54532
2018.02.21 宿輪 純一 博士(経済学)・帝京大学経済学部教授 慶應義塾大学経済学部非常勤講師 現代ビジネス


黒田総裁留任の意味

金融政策は、経済指標の数字を見て、単純に機械が決めるわけではない。政策担当者がその思惑をもって決めるものである。さらにそのベースには金融の現場や市場の状況があり、政治的な圧力もある。

4月8日に黒田東彦日本銀行総裁の任期が来るが、早々に再任されることがきまった。これでさらに5年、総裁職を務めることになる。

経済学においては、中央銀行の独立性は金融政策の基本的事項である。日本でも、1998年施行の新日本銀行法で再確認されている。

しかし、現在、黒田総裁以下、日本銀行は政府と一体化した金融政策を行っている。いわば政府の閣僚と同じ振る舞いである。

安倍政権が昨年10月の選挙で勝利してから、重要ポストの閣僚は留任しており、その観点から見て、日銀総裁もその1人として留任される見込みと考えられた。

また、安倍政権が進めるアベノミクスの主要政策が量的金融緩和であるので、ここで黒田総裁の継続がないと、アベノミクスの政策自体の失敗という事になってしまう、という事情もあるのだろう。

現在の2人の副総裁、中曽宏と岩田規久男の後任には、雨宮正佳日銀理事(62歳)と若田部昌澄早大教授(52歳)が候補として上げられている。

雨宮理事は、日本銀行なかで最も金融政策を理解していると筆者は認識している。まさに正統派であり、きちんとした金融政策の正常化を期待できる。

若田部教授は、早稲田大学政治経済学部の教授で、量的緩和推進のリフレ派といわれている。学位については、博士課程単位取得となっており博士号は持っていない、(長い間、博士号を持っていると誤解があった)岩田副総裁と同じである。

リフレ派といっても様々ある。あくまでも筆者の意見であるが、若田部教授は穏健派である。そのため、今後、金融緩和政策を過度に進めるこということはない、と考えている。

若田部教授の専門は経済史で、とくに金融危機の研究である。本欄で書いたように、今年は金融危機に陥る可能性があるが、その対応には適している。

日本の金融政策の行方

トランプ米大統領が、失業率等の指標に表れているように米国経済が好調であっても景気刺激策を投入し続けるのと同様に、日本も、金融政策の正常化や財政赤字の削減等は、アベノミクスからみれば非常にネガティブな感が拭えない。

実は各国経済にはトラウマがある、欧州ではインフレ、米国では失業(と株価下落)、日本では円高である。

日本は10年前と比べて、為替のGDPに与える影響は1/4になっているにもかかわらず、政治的には、そのようなトラウマの動きはいまだにある。

これは逆に危険な性質という事ができる。円安に向かうことが望ましいと考える傾向にあり、その方向に誘導する政策が受け入れられやすいのである。

現在、米ドルはトランプの政策のリスクで「悪いドル安」ともいわれている。もし日本が、財政問題が発生して円安になったときに、逆に喜ぶ方もいるのではないか。

もちろん、日本にとっては財政危機の方が重大である。そのため、中央銀行の独立性が大事だったのである。

金融機関で、内外で勤務し、さらに金融市場の分析を長年やっていると、特に経済政策は机上では分からないことがたくさんある。金融は現場なのである。

たとえば、近年、世界では、約10年に1回の割合で、金融危機が発生している。

1987年11月のブラックマンデーの時は西ドイツ(当時)が、インフレ率の上昇に対応するため、単独で金利を引き揚げたのが主因の1つであった。そのため、ブラックマンデー以降は特に先進国は金融政策においては基本的に協調することになった。

その後、97年のアジア通貨危機では、米国の金利引上げが同じく主因の1つとなり、その後、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は海外の新興国にも配慮するようになった。

2008年のリーマンショックの時には、先進国は協調して量的緩和政策を行った。

同様に、最近でも、先進国の中央銀行は金融政策を強調し正常化、つまり引き締めに向かわせている。FRBは中央銀行として2年前から利上げを行っている。日本も「当然」、その協調の輪の中にある。つまりは、引き締めに向かうのである。

欧州中央銀行(ECB)もこの方向で政策方針を決定する。ドラギ総裁は2019年10月がその任期である。後任は、ほぼ、インフレファイターのバイトマン・ドイツ連銀総裁(44歳)と予想されている。いうまでもなく金融政策は引き締めと考えられる。副総裁の交代は5月に予定されている。

日本銀行はどうする

以前この欄でも書いたが、中央銀行の本来の仕事は、金利の引き下げではない。金利の引き上げこそ中央銀行の仕事である。

いうなれば、引き下げはそんなに困難ではない。景気や物価は波である。その波が悪くなってきたときに、非常時に利上げをして、もしもの時の「下げ余地」とつくることが本当の金融政策の役目なのである。

また、現在は環境的には引き締めざるをえない状況にある。まず、先進国の協調政策の中で引き締めに向かっていくことになる。

それでも黒田総裁の発言のトーンは、国内と海外で違うなと感じるときがある。中央銀行関係者も参加している先日のダボス会議などでは量的金融緩和が終盤に向かっている旨の発言をし、国内では、量的金融緩和の継続を強調している。苦しいお立場という事が分かる。

一方で、国内的にもこれ以上緩和政策を続けない方がよい事情がある。

量的緩和・マイナス金利政策の副作用は金融機関の収益を悪化させる。今期、銀行の約6割が営業赤字といわれている。構造不況業種である上、この環境では経営がもたない。この点も対応しなければならないのである。

今年夏までに利上げか

今後の政治日程を見ると、2019年10月に消費税引き上げ、そして、参議院選挙が19年7月、衆議院選挙が21年に予定されている。

当然、金融政策の引き締めは出来ない。トランプ大統領が今年11月の中間選挙前に、景気刺激策を打つのと同じ政治的な動きである。

要するに、表だって引き締めを打ち出せないものの、早々に引き締めに移行しなければなければならない、という事情にある。

そこで、現在、日本の金融政策では「ステルス・テーパリング」(密かに国債買い取り=資金緩和を減らしていくこと)を実施してきている。

1月8日は買い取り金額を予想よりも大幅に減らした。そのため、市場は金利が急騰した。

市場は過敏になっている。引き締めは、時期的には株式などの金融市場が落ち着いたところで実施されると思われる。

そのスキームは具体的には、現在のところ、目標を「量」から「金利」に移していくことに、その主眼が置かれている。

現在、短期金利が0.1%、長期金利(10年国債利回り)が0±0.1%となっているが、この長期金利の目標を0.1±0.1%にしていくと考えられる。

これが発表せずにステルス的に行われるであろう。

もちろん、長期金利と物価には密接な関係があるので、物価上昇が急進行でもすれば別だが、現在、日本では特に「出口戦略」という政策と言葉を、政治系の方々が、あまり歓迎しておらず、「ステルス」で推進されよう。

円高の「洗礼」があっても

米国の中央銀行FRBの総裁が替わるタイミングで、株安の「洗礼」を市場から浴びせられている。金利を下げれば株に対してはプラスになるがもはや利下げは出来ない。

同じく日本の日本銀行の副総裁人事に対して、株価の下落が急速で株式がリスクとなり、資金が低リスク通貨円に向かい、円高の「洗礼」を受けている。

日本銀行の金融政策には先に説明したような特徴がある。金利を引き下げたのが、ほとんどの場合、景気が悪いときではなく、ドル円為替が円高になった時なのである。

近年、先進国との協調関係で、外貨準備を使った為替の介入はできなかった。同じく、最近では先進国との協調関係に縛られ、ここで金利を下げることはできないのである。

なにより、国内的には、構造不況業種の金融機関を救済するために可及的速やかに長期金利を上げないといけない。日本銀行がデジタル通貨をやらない理由の1つも、同じく金融機関の救済であったくらいである。

また、先進国の金利、特に米国長期金利が歴史的高値に上昇していることは環境としては良い。

つまり、表立っては打ち出しにくいが、実は日本は利上げのタイミングなのある。



 

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コメント
 
1. 2018年2月21日 14:06:39 : Jikj7GfMhk : CMt9qV@Fwdo[406]
 
 日本が ステルステーパリングをして

 アメリカが ステルスQEをしているとして〜〜

 その結果は 両方とも 円高・ドル安 となる

 ===

 ステルスだとしても 円が 100に近づく 円安として 現実に 数字に表れるのだから

 ステルスとか 公表されていたかどうかは 関係ない

 ===

 要するに 円安を 日銀が どこまで許容できるのか?? その 一点だ

 105円が 妥当だと思うなら このままでいいし

 それが 100円になれば ステルスであろうが何だろうが QEでコントロールするしか

 手立てはない
 
 ===

 ステルスが 問題の本質ではなく どのくらいの円高を 日銀が 受け入れるか?

 ということだ

 ===

 物事の 本質をはずした 記事が 多すぎるよね〜〜〜
 


2. 2018年2月22日 20:05:01 : vMo3WR47xU : eGWDBKAoKvI[3]
再任が 決まり気分は 上の空

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