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被ばく線量を3分の1に評価した御用学者・早野 龍五
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2768.html
2019/01/09(水) 19:47:43 めげ猫「タマ」の日記
福島事故後に怪しげな人が福島に巣くうようになった気がします。早野 龍五(はやの りゅうご)氏は、物理学者です(1)。彼が係った復興庁の小冊子「放射線のホント」では、
「電磁波は波の性質を持っており、その波の長さが短いものが放射線です。」
と記載し、あたかも電波と放射線が同じようなものと記載しています(2)。電磁波は「波」と「粒子」の2重性があり、波長の長い電波は「波」の性質が強いですが、波長が短いガンマ線は「粒子」の性質が強いです。電波は「波」ですが、ガンマ線は「粒子」です(3)。それを同じような物と言ってのけるデマ屋(御用学者)です。彼は個人線量計で測定した被ばく線量を分析した論文(4)(5)は、実際よりも3分1近く小さな値を記載していることが発覚しました。しかも、この論文は無断提供されたデータを使っています(6)。
福島は事故で汚染されました。そしたら、福島には怪しげな人が巣くうようになった気がします。そうした一人に早野 龍五氏がいます。
2015年10月には自らが開発した子供の内部被ばくを測定するベビースキャンの測定結果を発表しました。福島産を避ける人が多い相馬・南相馬市とそうでもない郡山市・三春町、中間のいわき市では全員が検出限界未満だったとの内容です。福島産を許容する方と避ける方を比較するならダイレクトにすれば良いと思うのですが、論文をみると、わざわざ地域分けしています。そして福島市や伊達市のお子さんも検査を受けているのですが、結果が掲載されていません。その代り茨城県大子町の結果出ています(7)。なんとも不可思議な論文です。
2016年12月と2017年は、福島県伊達市が市民を対象に実施した個人線量計による被ばく線量の測定データと空間放射線量を比較して、個人の被ばく線量は空間線量の15%程度との論文を発表しました(4)(5)。
個人の被ばく線量は空間放射線量の平均15%
※(4)を引用
図―1 個人の被ばく線量は空間線量の15%程度とする早野氏等の論文
仮に実際に被ばくする線量が空間線量の15%とすると、リファレス(8)に従って計算すると毎時0.8マイクロシーベルトになります((0.8−0.04)×0.15×365日×24時間÷1000≒1)。
個人線量計での被ばく線量は、低く出ます。理由は2つです。
@個人線量計は通常胸の位置に付けますが、放射線が体の後ろから来た場合、一部は体で遮られるために、線量計の値は低くなります。
A一般的には、多くの人は屋外で過ごす時間が少なく、屋外よりも線量が低い屋内で長い時間生活しています。しかも、その屋内も、壁などの厚さや家具の置き具合などによって、同じ家の中でも線量に相当に大きな違いがあります(9)。
※ (=^・^=)の想像図
図―2 個人線量計が低くでる理由
体に吸収されて低くなる分は、実際には被爆していています。
事故から7年10ヶ月過ぎて汚染されたままの福島
※1(10)のデータを(11)に示す手法で1月1日に換算
※2 旧避難地域は(12)による。
図―3 福島の放射線量分布
図に示しように、仮に実際に被ばくする線量が空間線量の15%とすると、除染基準が現行の毎時0.23マイクロシーベルトから0.8マイクシーベルトになり、広大な範囲(図で黄色)で除染が不要になります。除染費用は原則、東京電力が負担します(13)。東京電力には朗報です。
現行の除染基準値の毎時0.23マイクロシーベルトについて、原子力規制委員会の委員長が、実態に即さない厳しい数値ではないかとして引き上げを検討すべきだとの見解を示していました。目安の数値が「4倍程度、保守的」であり実態に合わないのではないかと指摘。「改めないと復興や住民の帰還を阻害する」と述べていたそうです(14)
リファレンス(9)に基づいて計算すると個人線量の被ばく線量は空間線量の60%((8+16×0.4)÷24=0.6)になっています。この論文を受けての発言です。それだけ影響力があった論文です。
ところが、この個人線量計で測定した被ばく線量を分析した論文(4)(5)は、実際よりも3分1近く小さな値を記載していることが発覚しました。しかも、この論文は無断提供されたデータを使っています(6)。
実際は論文の「3倍の被ばく線量」と発信するNHK
※(15)をキャプチャー
図―4 実際は論文の「3倍の被ばく線量」と発信するNHK
これについて、早野氏は計算ミスが原因としているいるそうです(6)。
早野氏は2018年1月には「しあわせになるための『福島差別』論」を共著で出版しました。内容の概略は
「福島から避難した子どもたちに対してくり返されるいじめ。
本書は原発事故がもたらした差別と分断を乗り越える道筋を示す。
『(被害者)それぞれの判断を尊重すること』、『科学的な議論の土俵を共有すること』が不可欠ではないか。
まわりの人々に求められるのは、福島の人々の『しあわせ』を最優先することではないか。」
とのことです(15)((=^・^=)は読んでませんし、読む気になれません)。「科学的な議論」とは彼のこの「デマ」論文のことでしょうか?
「しあわせになるための『福島差別』論」の著者の一人に番場 さち子さんがいます。彼女は元東電幹部との深い関係がささやかれています(16)。
復興庁は今年3月に「放射線のホント」を公表しました。早野 龍五氏が係ったのですが、その中で
「電磁波は波の性質を持っており、その波の長さが短いものが放射線です。」
と記載し、あたかも電波と放射線が同じようなものと記載しています(2)。電磁波は「波」と「粒子」の2重性があり、波長の長い電波は「波」の性質が強いですが、波長が短いガンマ線は「粒子」の性質が強いです。電波は「波」ですが、ガンマ線は「粒子」です(3)。それを同じような物と言ってのけています。
携帯電話が普及して「電波」が身近な物になりました。電波と放射線を同一視すれば、放射能に対する警戒感が薄れます。事故後に生じた「福島(産)離れ」を緩和できます。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
今回の例は、どのように権威がある方が何を言おうと「デマ」が含まれる場合があることを証明しました。結局は検証しない限り信用してはいけないと思います。ただ、個人レベルでの検証は無理なので、相手にしないことになると思います。すくなくとも、福島の皆様はそのように考えています。
昨年3月末に避難指示が解除された川俣町山木屋(12)でも、酪農が再開されました(17)。福島には「おいしい牛乳」があります(18)。福島県は福島産原乳は「安全」だと主張しています(19)。でも、福島県のスーパーのチラシには福島産はありません。
他あっても福島産牛乳が無い福島県川俣町のスーパーのチラシ
※(20)を引用
図―5 福島産牛乳が無い福島県川俣町のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県川俣町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2768.html
(1)早野龍五 - Wikipedia
(2)風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略
(3)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)―その3「ガンマ線は波」
(4)Individual external dose monitoring of all citizens of Date City by passive dosimeter 5 to 51 months after the Fukushima NPP accident (series): 1. Comparison of individual dose with ambient dose rate monitored by aircraft surveys - IOPscience
(5)Individual external dose monitoring of all citizens of Date City by passive dosimeter 5 to 51 months after the Fukushima NPP accident (series): II. Prediction of lifetime additional effective dose and evaluating the effect of decontamination on individual dose - IOPscience
(6)被ばく線量誤り論文修正へ 東大・早野氏 福島の住民データ :日本経済新聞
(7)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)放射線Q&A15:環境放射線量から計算した年間被ばく量と個人積算線量計の違いは? | 会津若松市
(10)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日〜11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(11)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(12)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(13)東電、原発賠償の追加援助申請 除染費用増加で :日本経済新聞
(14)除染の目安の値、妥当か議論へ 国の放射線審議会 :日本経済新聞
(15)しあわせになるための「福島差別」論
(16)【空前絶後のスキャンダル】東電元副社長と支援団体代表が男女の仲に⁉︎ | 空手ヲタと人間は共存できる
(17)牛乳出荷11日に再開 佐久間牧場 葛尾で原発事故後初 | 県内ニュース | 福島民報
(18)東北協同乳業株式会社 | 福島県本宮市にある11/19-B1乳酸菌ヨーグルトをはじめ、牛乳・プリンなどを製造している会社です。
(19)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(20)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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