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デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)―その15「避難者は減った、別の数字を並べただけ」
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2714.html
2018/11/17(土) 19:42:59 めげ猫「タマ」の日記
今年10月に改定された「放射線副読本」に、福島の避難者について
「避難を指示した区域(避難指示区域)などからの避難者数は、ピーク時(平成 24 年 6 月)は約 16 万5千人に達しました。平成 30 年 7月現在、避難指示区域などからの避難者数は、約 4 万 4 千人となっています。」
と(1)、あたかも避難者が大幅に減って帰還が進んだような記述しています。でも、(=^・^=)なりに調べると
ピーク時(2012年 6月)の約 16 万5千人は、自主避難者を含めた福島県全域からの避難者数
2018年 7月の約 4 万 4 千人は、避難指示が解除された地域からの避難者数
で、まったく別の数字を並べています。
福島は事故によって汚染されました。避難区域が設定されたり(2)、放射能を恐れ避難区域外からも避難されました(3)。以下に福島事故で設定された避難指示区域の範囲を示します。
事故から7年8ヶ月以上経て汚染されている福島
※1(4)の数値データを元に(5)に示す手法で11月1日時点に換算
※2 避難区域と解除区域は(2)による
図−1 避難区域と解除区域
図に福島では国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(6)を超える地域が広がっています。事故から7年8ヶ月が経過しましたが、福島は汚染されたままです。それでも安倍出戻り内閣は「安全」だと主張し(7)、次々と避難指示を解除していきました(2)。以下に市町村を示します。
解除されても汚染されたままの旧避難指示区域
※1(4)の数値データを元に(5)に示す手法で11月1日時点に換算
※2 避難区域と解除区域は(2)による
図−2 避難区域と解除区域地町村
図に示しように事故後は11市町村に避難指示が出ましたが、大熊町・双葉町を除く9市町村では1部または全部で避難指示が解除されました。浪江町は面積的には避難区域が広いのですが、避難指示が解除された部分には地図で見ると役場や同町唯一の駅である浪江駅(8)、浪江高校(9)、唯一の旧1級国道の国道6号(10)、漁港など町の主要部分が含まれます。概ね9市町村では実質的に大部分の地域で避難指示が解除されています。避難指示が最後に解除されたのは富岡町の2017年4月1日で、それから1年7ヶ月以上が経過しました。帰還が進んでいるのでしょうか?
これについて、今年10月に改定された「放射線副読本」は13ページで
「事故発生後、周辺地域の住民の安全や健康を確保するため、国は住民に対して避難を指示しました。地震・津波や事故による、避難を指示した区域(避難指示区域)などからの避難者数は、ピーク時(平成 24 年 6 月)は約 16 万5千人に達しました。平成 30 年 7月現在、避難指示区域などからの避難者数は、約 4 万 4 千人となっています。」
と記述しています(1)。素直に文書を読む限り、避難指示が解除され避難者の数が
16.5万人(2012年6月、ピーク時)から4.4万人(2018年7月)
に減って、帰還が進んでいるようです。なお強調は(=^・^=)が付けました。
この記述には
「地震・津波や事故による、避難を指示」
となりますが、出たのは「事故による、避難を指示」のみです。地震や津波では、福島よりも宮城・岩手の方が多くの犠牲者を出しました(11)。でも、宮城・岩手には避難指示は出ていません(2)。福島の避難区域は福島第一の敷地境界で高い放射線量が計測されたために2011年3月12日に設定された警戒区域(2)(12)と、その後に放射能汚染が酷いことが判明し、2011年4月22日に設定された計画的避難区域(2)(13)で、共に事故由来です。東日本大震災では地震・津波による避難を指示は出ていません。かなり怪しげです。そこで、避難者数についても調べてみることにしました。
復興庁は2011年5月10日時点の日避難数を同年5月21日に発表しています。それによると、福島県からの避難者は
避難指示区域からの避難者8.6万人(警戒区域 約7.6万人、計画的避難区域 約1万人)
福島県全体 16.0万人
です(14)。副読本がピークとする2012年6月の近々の発表なので、それ程の差異はないはずです。16.5万は避難指示区域の避難者数でなく自主避難を含めた福島県全域からの避難者です。避難を指示した区域(避難指示区域)からの避難者数ではありません。
福島県は、避難者数を福島県外(15)と福島県内(16)で別々に発表しています。福島県外の避難者数は「復興庁『全国の避難者等の数』調査のうち福島県分を抽出」して発表しています(15)。復興庁の復興庁「全国の避難者等の数」調査の福島県の「親族・知人宅等」の「欄には親戚・知人宅のほか、施設・病院、県の借上げでない住宅、社宅等への避難者数が含まれている。」そうです(17)。一方で、福島県内の避難者数は仮設やみなし仮設(18)の居住者が主で、親戚・知人宅、施設・病院、福島県の借上げでない住宅、社宅等への避難者数で、自ら住宅取得した方や復興公営住宅等へ入居された方は含まれておりません(16)。定義が違います。また、県外避難者数には避難元の記載がなく(15)、避難指示区域からの県外避難者数を集計できません。
避難指示がでた市町村のうち、川内村を除く10市町村では解除された区域の居住者と対象者数を月末ないし毎月1日発表しています(19)〜(30)。図−2に示す様に川内村で避難指示が出た区域は一部に限られ、地図で見ると同村の主要施設である学校、保育園、役場、農協支店、主な観光施設(31)、バスの終点・起点(32)は、避難指示が出た区域外であり、主要な部分には国の避難指示は出ていません。概ね川内村を除く10市町村の避難者数を集計すれば「避難を指示した区域(避難指示区域)からの避難者数」が分かります。
帰還が進まない避難指示が出た地域
※1(19)〜(30)を集計
※2 川内村を除く
※3 避難者数は対象者数―解除区域の居住者数で集計
※4 避難(解除)は2017年4月1日までに、概ね避難指示が解除された9市町村
※5 避難(未解除)は現時点(2018年10月)で避難指示が解除されていない2市町村
図―3 避難指示が出された区域からの避難者数
2018年7月時点の避難指示が出された区域からの避難者数は副読本が記載する4.4万人でなく、62,404人でした。ただし、避難指示が解除された9市町村の避難者から、避難区域が市や町のごく一部に限られる田村市や川俣町の市や町内在住者を避難者(合計310人)を引けば44,755人でほぼ一致します。すなわち
「放射線副読本」は、福島県に設定された避難指示区域からの避難者数を
「避難を指示した区域(避難指示区域)などからの避難者数は、ピーク時(平成 24 年 6 月)は約 16 万5千人に達しました。平成 30 年 7月現在、避難指示区域などからの避難者数は、約 4 万 4 千人となっています。」
と(1)、あたかも避難者が大幅に減って帰還が進んだような記述しています。でも、
ピーク時(2012年 6月)の約 16 万5千人は、自主避難者を含めた福島県全域からの避難者数
2018年 7月の約 4 万 4 千人は、概ね避難指示が解除された地域からの避難者数
で、まったく別の数字を並たデマです。
そして図―3に示す様に避難指示が解除された区域では帰還が進んでいません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。改定された副読本(1)はデマでいっぱいです。めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)にまとめました(33)。よかったら見て下さい。こんなデマで平然と子供達の洗脳を試みる安倍出戻り内閣では福島の皆様は不安だと思います。
福島県会津地方の特産品に「柿」があります(34)。今年も出荷が始まりました(35)。会津の柿は「みしらず柿」と言って、とても食味がよく、毎年皇室へも献上されています(36)。福島県は福島産柿は安全だと主張しています(37)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産柿はありません。
他県産はあっても福島産柿が無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
※(38)を引用
図―4 福島産柿が無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県会津若松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2714.html
(1)放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省
(2)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(3)復興庁 | 自主避難者等への支援に関する関係省庁会議(平成30年7月11日)配布資料
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日〜11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(6)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(7)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判 :日本経済新聞
(8)浪江町 - Wikipedia
(9)福島県立浪江高等学校 - Wikipedia
(10)一級国道 - Wikipedia
(11)被災3県 - Wikipedia
(12)これまでの避難指示等に関するお知らせ (METI/経済産業省)中の総理指示(東京電力株式会社福島第1原子力発電所から半径20km範囲内の住民の方は避難 3月12日(土)18:25)(PDF形式)外部リンク
(13)「計画的避難区域」と「緊急時避難準備区域」の設定について(METI/経済産業省)
(14)復興の現状と取組[平成24年5月21日] - 国立国会図書館デジタルコレクション
(15)県外への避難者数の状況 - 福島県ホームページ
(16)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(月1回更新) - 福島県ホームページ
(17)復興庁 | 全国の避難者の数(所在都道府県別・所在施設別の数)
(18)みなし仮設住宅の意味や使い方 Weblio辞書
(19)避難指示区域別居住状況 - 南相馬市(南相馬市)
(20)広報なみえ - 広報なみえ - 浪江町ホームページ(浪江町)
(21)浪江町ホームページ トップページ(浪江町)
(22)避難状況 - 大熊町公式ホームページ(大熊町)
(23)避難状況| 双葉町公式ホームページ(双葉町)
(24)お知らせ/富岡町(富岡町、過去分も含む)
(25)避難指示解除後の町内帰還世帯・人数について|楢葉町公式ホームページ(楢葉町)
(26)楢葉町内居住者数について|楢葉町公式ホームページ(楢葉町)
(27)平成30年11月1日現在の村民の避難状況について - 飯舘村ホームページ(飯舘村)
(28)山木屋地区の居住の状況 - 川俣町公式ホームページ(川俣町)
(29)住民生活課 - 葛尾村ホームページ(葛尾村、過去分も含む)
(30)田村市民の避難状況動向調査報告 - 福島県田村市ホームページ
(31)観光 | 川内村公式ホームページ
(32)川内村へのアクセス | 川内村公式ホームページ
(33)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)
(34)福島県会津若松市 会津みしらず柿
(35)スタッフブログ | 国見SA(下)・東北自動車道 | サービスエリア | ドラぷら
(36)みしらず柿 | JA会津よつば
(37)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中のくだもの編 [PDFファイル/139KB]
(38)ヨークベニマル/お店ガイド
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