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デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)―その4「土器の年代測定は『放射線』を利用」
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2678.html
2018/10/13(土) 19:43:39 めげ猫「タマ」の日記
今年10月に改定された「放射線副読本」に、古い土器の年代測定に放射線を利用している旨が記載されていました。でも、現在では放射線は利用されていません。
文部科学省は「放射線副読本」を作成しています。今年10月に4年8ヶ月ぶりに改定されました(1)(2)。「1−3 放射線の利用」に、
「放射線は、病院での検査や治療、工業分野での製品開発、農業分野での品種改良を始め、私たちの暮らしの中の様々な場面で利用されています。また、放射性物質は、原子力発電所などで使われています。」
と記載されています。利用の例として
「古い土器を調べる」
があり
「炭素 14 などの放射性物質の半減期を利用してその土器が使用された時期を知ることができます。」
とあります。「しています」でなく、かなり怪しげな表現です。
「放射線」で土器の内容物の年代を調べると主張する「副読本」
※(1)を引用
図―1 「放射線」で土器の内容物の年代を調べると主張する「副読本」
「私たちの体や食べ物、空気、水、洋服、机など、身の回りのすべての物質は、『原子』の結びつき(組み合わせ)によって作られています。原子は、『原子核』とその周りを動く『電子』から、さらに原子核は、「陽子」と「中性子」からできています。原子は、とても小さく約 1億分の1cm の大きさしかなく、原子核は、さらに小さく約 1兆分の1cm の大きさしかありません。原子の化学的性質は、陽子の数(原子番号)によって決定されます。物質を構成する原子の種類を「元素」といい、世の中には、およそ110 種類ほどがあります。原子には、陽子の数が同じでも中性子の数が異なるものが存在する場合があり、これらを互いに同位体といいます。」(1)。
物質、原子、原子核
※(1)を引用
図―2 物質、原子、原子核
炭素は天然は炭素12、炭素13、炭素14があります。このうち炭素14は放射性物質です(3)。
「放射性物質には時間が経つにつれて量が減り、放射能は弱まるという性質があります。放射性物質の量の減り方には規則性があり、ある時間が経つと放射性物質の量は半分に減ります。この時間を「半減期」といい、放射性物質の種類によって半減期が決まっています。」(1)。
時間とともに減少する放射性物質
※(1)に加筆
図―3 時間と共に減って行く放射性物質
炭素14は、宇宙線と大気原子核との反応によって絶えず生成されます。その後二酸化炭素となり、光合成により植物に取り込まれてます(4)。植物やその残骸(たとえば炭になってしまった木)では、時間とともに減っていきます。そこで、炭素14の他の炭素(例えば炭素12)に対する割合を測定すれば、植物ないしその残骸が植物として成長したころ(すなわち出来た年代)を決定できます。
昔は放射線を計測して、炭素14の量を決めていたのですが、今では炭素14の原子が他の炭素原子より重い事を利用して炭素14や他の炭素原子を数える「質量分析」法が使われています(5)。炭素14から出る放射線は使われなくなりました。
大気中の炭素14量は、宇宙線の変動や、海洋に蓄積された炭素放出事件を反映して変動してきました。炭素14の半減期からできた時期を推定しても狂いが生じます。以下に示します。
半減期で計算した時代とずれている実際の時代
※(5)を加筆
図―4 半減期で計算した時代と実際の時代のずれ
そこで、今では成長した時代が分かる植物ないしは残骸を採取して、それぞれの時代について炭素14と他の炭素の割合を直接測定してます(6)。これを用いて植物の残骸が植物として成長した時代を特定しています。半減期も使っていません。
放射線副読本(平成30年10月改訂)は「放射線」を利用して土器の内容物を測定していると、主張していますが、実際は「放射線」でなく「質量分析」によって炭素14と他の炭素の割合を測定しています。年代は「半減期」から計算するのでなく、実際の標準サンプルの比較で行っています。放射線など利用していません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。この副読本にはおかしなところが他にも、いっぱいあります。デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)にまとめています(7)。よかったら見て下さい。
「放射線」の利用はなかなか普及しません。たとえばは北海道の士幌町農業協同組合は1974年から発芽防止の目的でじゃがいもの照射を開始しました(8)。それから40年以上が経過しましたが、照射ジャガイモのシェアは0.3%で普及していません(9)。それでも副読本は「知ることができます。」などとあいまいな表現を使い、子供達に「放射線」が広く使われていると「錯覚」させようとしています。子供達が「錯覚」すれば放射線は「恐怖」の対象でなく「有益」な物になります。こんな事をする安倍出戻り内閣では福島の皆様は不安だと思います。
福島県棚倉町では今日から稲刈りツアーです(10)。同町は新米の季節です。棚倉町産米の全量全袋検査数が約7万件になりました(11)。同市の人口は14,184人なので(12)、町民が食べるには充分な量です。同町辺りのお米は美味しいお米だしうです(13)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(14)。でも、福島県棚倉町のスーパーのチラシには福島産米はありません。
※(15)を引用
図―5 福島産米が無い福島県棚倉町のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県棚倉町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2678.html
(1)放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省
(2)放射線副読本(平成26年2月改訂):文部科学省
(3)炭素 - Wikipedia
(4)AD774-775年における宇宙線強度の急激な増加を発見|太陽地球環境研究所 - Solar-Terrestrial Environment Laboratory,名古屋大学
(5)放射性炭素年代測定 - Wikipedia
(6)年縞 - Wikipedia
(7)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)
(8)【JA士幌町】 士幌町の農業 - 畑作物加工施設のご紹介
(9)くらしの健康(第11号)
(10)<福島県棚倉町『秋の収穫体験ツアー』1泊2日モニターツアー ※首都圏発着 | JOINtly GREEN(ジョイントリーグリーン) 〜耕す?味わう?きっと見つかる農業体験〜
(11)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(12)トップページ | 棚倉町公式ホームページ
(13)みりょく満点ブランド|JA東西しらかわ
(14)全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ
(15)棚倉店
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