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楢葉町が避難指示解除3年、住民の過半数は戻らない
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2018/09/08(土) 19:41:47 めげ猫「タマ」の日記
福島県楢葉町が2015年9月5日に避難指示が解除されてから3年が経過しました(1)。福島県の地方紙・福島民友は3月9日付の社説で「町に戻った住民は3481人(8月31日現在)で、人口6996人のほぼ半分にまで回復した。」と論じていました(2)。ただし、町に戻った住民は新規の転入者が含まれており、人口には事故後に楢葉町民を辞めた方が含まれていません。(=^・^=)なりに集計すると事故前の楢葉町民のうち楢葉町に戻ったのは3分の1(子どもや配偶者を含む)程度です。福島の復興は「水増し」されています。
福島県楢葉町は福島沿岸部にある町で、概ね福島第一原発から20km圏内にあります(1)。
※1(3)の数値データを元に(4)に示す手法で9月1日時点に換算
※2 旧避難区域は(5)による
図−1 福島県楢葉町
図に示す通り国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えています(6)。それでも安倍出戻り総理は3年前の2015年9月5日に避難指示を解除しました(1)(5)。
楢葉町には福島第二(7)や楢葉遠隔技術開発センター(8)等の原子力関連施設、東電の寄付で作られ一時は原発事故対応拠点となったJヴィレッジ(9)があります。町の直ぐ北には指定廃棄物の最終処分場があります。搬入路は楢葉町にあります(10)。直ぐ北(概ね20km以下)には福島の除染廃棄物を集積する中間貯蔵施設(11)や福島第一原発があります。同町やその近くには原子力関連の職場が沢山あります。
以下に福島県楢葉町の転入者数を示します。
※(12)を集計
図―2 楢葉町への転入者数
避難指示が解除された2015年9月以降に急に増えています。避難指示が解除された事により、住居が確保できれば誰もが楢葉町に住むことができるようになりました。避難指示が解除された2015年9月から18年8月を集計すると楢葉町への転入者は男性720人、女性274人、合計994人です。原子力の職場で働くのは概ね男性です(13)。転入者は男性が圧倒的に多いので、概ね原子力関係者です。楢葉町は新規の帰還者以外に新規の転入者も含めた町内在住者人数を発表しています(14)。以下に推移を示します。
※(14)で集計
図―3 楢葉町民の居住先
図に示す様に帰還はなかなか進みません。避難指示解除からおよそ3年が経過した8月31日時点では
住民登録人数6,996人に対し町内居住3,481人(49.76%)(15)
で、半分に達してません。
これについて福島県の地方紙・福島民友は「【9月8日付社説】楢葉が避難解除3年/ソフト充実で復興に弾みを」との社説で
「町に戻った住民は3481人(8月31日現在)で、人口6996人のほぼ半分にまで回復した。」と論じていました(2)。
既に記載通り、3,48人は町に戻った住民でなく、町に戻った住民と新規に転入した住民の合計です。少し乱暴ですが新規転入者の994人を引くと、戻った住民は2,487人になります。社説では「回復した。」論じています。「回復」とは「1 悪い状態になったものが、もとの状態に戻ること。また、もとの状態に戻すこと。2 一度失ったものを取り返すこと。」であり(16)、「もと」との比較です。この場合に「もと」は事故前の人口です。2011年3月1日時点7,676人です(12)。2011年3月から18年8月の2年11ヶ月で、福島県の発表(12)を集計すると725人が亡くなり、377人が生まれ348人の自然減が生じています。これを補正すると「もと」の人口は7,328人です。
楢葉町に「戻った住民」は2,487人でこれは「もと」(事故前から自然減をした人数)7,328の33.9%(2,487÷7,328×100)
で、町に戻った住民は3分の1程度です。これを福島民友は社説で「ほぼ半分にまで回復した。」とデマを言っています。
この社説は他にもデマを流しています。再居住率を
実際に住んでいるいる人口÷避難指示が無ければ町に住んでいるはずの人口
とします。5年前の2013年9月1日には楢葉町には20代前半の方が284人住んでいました(12)。5年を経た今年8月末はほぼ20代後半になっています。すると20代後半の避難指示が無ければ町に住んでいるはずの人口は284人です。一方で実際に住んでいるのは151人です(15)。
20代後半の再居住率は151÷284×100=53.2%
です。過去5年間に楢葉町では256人の赤ちゃんが生まれました。今は0−4歳です。楢葉町内に住んでいる0−4歳児は100人です。0−4歳児の
再居住率は100÷256×100=37.1%
です。このように計算した楢葉町の再居住率を示します。
※(12)(15)にて作成
図―4 楢葉町の再居住率
図に示すように20代後半の再居住率は50%を超えており、そこそこ戻っています。これは「原子力」のおかげだと思います。その一方で、15歳未満の子どもや30〜40代前半の子育て世代(17)が戻っていません。
ところが当該社説は
「若年層が地元に戻るためには、雇用の場の確保が欠かせない。」
と論じています(2)。楢葉町には「原子力」とう「雇用の場」あり、20代後半の若い方はそこそこ戻っています。
「農業は、町の基幹産業だが」
とも論じていますが(2)、楢葉町の基幹産業は「原子力」です。
当該社説は楢葉町の人口が3分の1しか回復していないのに、「ほぼ半分にまで回復した。」と論じたり、楢葉町のこれからを考えると「原子力」が重要なのにこれをスルーしています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
11月中に予定していた福島第一3号機からの核燃料取り出し再開が不可能になりました(18)。これからも遅れると思います。福島第一の廃炉は30〜40年と言われていますが(19)、もっと長期になるはずです。原子力は長期にわたり楢葉町の「基幹産業」になり得ます。ただし、福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する夏野菜にキュウリがあります(20)。9月ですがまだまだ「旬」です。TOKIOの皆様の「うまい」とのテレビCMも流れました(21)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(22)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
※(23)を引用
図―5 福島産キュウリが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2643.html
(1)楢葉町 - Wikipedia
(2)【9月8日付社説】楢葉が避難解除3年/ソフト充実で復興に弾みを:社説:福島民友新聞社 みんゆうNet
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日〜11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(5)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(6)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(7)福島第二原子力発電所 - Wikipedia
(8)国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 福島研究開発部門 楢葉遠隔技術開発センター
(9)Jヴィレッジ - Wikipedia
(10)<指定廃>福島・富岡で最終処分開始 全国初、施設稼働 | 河北新報オンラインニュース
(11)中間貯蔵施設の概要|中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(12)福島県の推計人口(平成30年8月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(13)「あのとき、おなかに子供がいました」福島第一原発の女性オペレーターは、5年後も現場にいた。
(14)楢葉町内居住者数について|楢葉町公式ホームページ
(15)(14)中の行政区別・年代別集計表(H30.8.31)"
(16)回復とは - コトバンク
(17)子育て世代(30代〜40代前半)の賃金等の状況
(18)11月開始は困難 第一原発3号機核燃料取り出し作業 | 県内ニュース | 福島民報
(19)「福島第一原発 40年廃炉を実現するには」(時論公論) | 時論公論 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室
(20)夏 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(21)ふくしまプライド。
(22)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(23)イトーヨーカドー 福島店
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