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シリア侵略の手先である武装勢力を支援するため、化学兵器話を再三再四使う侵略勢力
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804080000/
2018.04.09 櫻井ジャーナル
シリア侵略部隊がダマスカス攻撃の拠点にしてきた東グータの大半を政府軍が制圧、武装解除された戦闘員の脱出も進む中、ドゥーマで政府軍が化学兵器で住民70名以上を殺したと宣伝されている。その情報源はサウジアラビアを後ろ盾とし、アル・カイダ系のアル・ヌスラと連携しているジャイシュ・アル・イスラム、そしてアル・カイダ系武装集団と一心同体の白いヘルメット。つまり、アル・カイダ系武装集団の主張に基づく宣伝だ。
ロシア政府は反シリア政府軍が化学兵器を使おうとしていると再三警告、東グータでは化学兵器の製造場所がいくつか発見されている。今回の攻撃も西側は政府軍が化学兵器を使ったことを示す証拠は明らかにできていない。自分たちの主張を信用させようという熱意を失ったいるように見える。
2003年3月に実行したイラクへの先制攻撃では事前に大量破壊兵器という嘘を広めていたが、シリアでは化学兵器。政府による住民虐殺という主張が現地調査で否定され、偽情報の発信源も露見した後の2012年8月、アメリカ大統領だったバラク・オバマはNATO軍/アメリカ軍による直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言している。
本ブログでは何度も書いてきたが、オバマが宣言した月にアメリカ軍の情報機関DIAはホワイトハウスにシリア情勢に関する報告書を提出、その中で反シリア政府軍の戦闘員はサラフィ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団、あるいはAQI(イラクのアル・カイダ)が中心だとしている。アル・カイダ系武装集団の中心はサラフィ主義者やムスリム同胞団だ。
その当時、シリアではアル・ヌスラという武装勢力の名前が流れていたが、その実態はAQIと同じだとDIAは指摘している。バラク・オバマ大統領はそうした勢力を支援していた。そこでシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとDIAは報告書の中で警告している。これはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。
シリアで侵略戦争が始まる1カ月前、2011年2月にリビアが侵略されている。その黒幕はシリアと基本的に同じで、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、カタールなど。リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制はその年の10月の崩壊、カダフィ自身も惨殺された。その段階でNATO軍とアル・カイダ系武装集団のLIFGとの連携が明確になっている。これも本ブログで何度も説明してきた。リビアを破壊した侵略勢力は戦闘員や兵器/武器をシリアへ運ぶが、その際に化学兵器もリビアから持ちだしたと言われている。
2012年12月になると、自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると国務長官だったヒラリー・クリントンが主張する。そして翌年の1月、アメリカのオバマ政権はシリアでの化学兵器の使用を許可し、その責任をシリア政府へ押しつけてアサド体制を転覆させようとしているとイギリスのデイリー・メール紙が報道した。
そして2013年3月、ダーイッシュがラッカを制圧した頃にアレッポで化学兵器が使われ、西側はシリア政府を非難した。ところがこの化学兵器話に対する疑問はすぐに噴出し、5月には国連の調査官だったカーラ・デル・ポンテが化学兵器を使用したのは反政府軍だと語っている。
この年には8月にも化学兵器が使用され、アメリカは9月上旬に攻撃すると見られていたが、地中海から発射されたミサイルが海中に墜落、軍事侵攻はなかった。その件も、シリア政府が化学兵器を使用したことを否定する報道、分析が相次いだ。
早い段階でロシア政府は国連で証拠を示しながらアメリカ側の主張が正しくないことを説明しているが、8月29日にミントプレスはサウジアラビアが化学兵器使用の黒幕だとする記事を掲載した。記者に圧力がかかって執筆を否定する談話を発表するが、編集長が反論、記者との遣り取りは記録されているとしている。記者からの再反論はなかった。10月に入ると「ロシア外交筋」からの情報として、ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チームだという話が流れた。
12月には調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。
このほか、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったと主張している。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられた。
西側の政府や有力メディアが流した化学兵器話は崩壊したのだが、その後も似たような話が繰り返し宣伝されてきた。2017年4月4日にも化学兵器の使用が宣伝された。マイク・ポンペオCIACIA長官は7月11日、INSA(情報国家安全保障連合)の夕食会でその出来事について語った。それによると、ドナルド・トランプ大統領から4月4日の攻撃について6日に質問され、シリアの体制側が化学兵器を使ったというCIAの結論を伝えたとしている。
その報告に基づいてトランプは攻撃を決断、6日の夜にアメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射している。そのうち目標に到達したのは23発で、5発は地上に落下、残りは地中海へ落ちたのではないかとみられている。
しかし、ジャーナリストのロバート・パリーによると、4月6日の早朝、トランプ大統領はポンペオCIA長官から私的に化学兵器の使用を否定する説明を受けていたとする内部からの情報があるという。
また、6月25日には、ジャーナリストのシーモア・ハーシュが同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。ハーシュによると、ハーシュが同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。ハーシュによると、4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃計画を立て、その内容をアメリカ側へ伝えたとしている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。攻撃の前からアメリカ側はロシアから情報を知らされていたことになる。その記事が出る3日前、6月22日にはフランスのエマニュエル・マクロン大統領がシリア政府による化学兵器の使用は根拠がないと話している。
アメリカには、ロシアと全面戦争になってもシリアを破壊したいと考えている勢力が存在、大統領も逆らえない力を持っているように見える。
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