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イスラエルがシリアを攻撃、反撃でF-16が撃墜された直後に露大統領から戦争を拡大するなと警告(その1)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802110001/
2018.02.11 櫻井ジャーナル
イスラエル軍とシリア軍との間で戦闘があった。ゴラン高原のイスラエル占領地域へ入ったイランのドローン(無人機)を撃墜したとイスラエル軍は2月10日に発表、その直後にシリア領内を攻撃したが、その攻撃に参加したF-16をシリアの防空システムが少なくとも1機撃墜した。脱出したパイロットは重体だとイスラエルで報道されていたが、死亡説も流れている。その後、イスラエル軍はシリアを攻撃した。ドローンの話はシリア政府もイラン政府も否定している。
そうした軍事的な緊張の高まりを受け、ロシアのウラジミル・プーチン大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は電話でシリア情勢について話し合い、その際にロシア側はイスラエルに対し、戦闘の連鎖をもたらすような行動は避けるように伝えたという。
ネタニヤフはクシュナー親子やカジノ経営者のシェルドン・アデルソンを介してアメリカのドナルド・トランプ大統領と結びついているのだが、スキャンダルで起訴されると噂されている人物でもある。こうした自らの置かれた状況も軍事力の行使に影響しているのだろう。
イスラエル軍がシリアを攻撃する直前、2月7日にアメリカ中央軍が主導する部隊は油田地帯に近いデリゾールでシリア政府側の部隊を空爆、100名以上を殺したという。アメリカ側はこれを自衛のためだと主張している。500名程度の部隊がアメリカ配下の武装集団の本拠地を攻撃、撃退できなかったのでアメリカ主導軍が航空兵力などを投入して反撃したというストーリーだが、裏付ける証拠はない。状況証拠はアメリカ側の主張を否定している。
ロシア国防省によると、攻撃された部隊は敵部隊の砲撃地点を特定するためにアル-イスバ石油精製施設を偵察中。つまり親政府派部隊から攻撃を仕掛けていないという説明だ。その偵察部隊が砲撃やミサイルで激しく攻撃され、続いてアメリカ主導軍の戦闘ヘリに空爆されたとしている。
その前、1月6日には地中海に面するフメイミム空軍基地とタルトゥースにある海軍施設が13機の無人機(ドローン)に攻撃された。いずれもロシア軍が使用している。攻撃に参加したドローンのうち7機はロシア軍の短距離防空システムのパーンツィリ-S1で撃墜され、残りの6機は電子戦兵器で無力化されている。
一見、このドローンは手作りのようだが、高度の技術が使用されている。専門知識を持つものが製作しているとロシア国防省は指摘している。これらは100キロメートルほど離れた場所から飛び立ち、GPSと気圧計を利用して事前にプログラムされた攻撃目標までのコースを自力で飛行、ジャミングされないようになっていたという。
ちなみに、2017年4月6日にアメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスが発射した巡航ミサイル(トマホーク)59機の相当数はジャミングで落下、目標の基地へ到達したのは数機だったと言われている。この際、ロシア側が認識したのは短距離用の防空システムを強化する必要があるということ。そこでパーンツィリ-S1を増強したようだが、1月6日にはこの防空システムで7機が撃墜され、残りの6機は電子戦兵器で無力化されたという。
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