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米国がシリアで新たな戦争を目論む中、MANPADSでロシア軍機が撃墜された(後半)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802070000/
2018.02.07 櫻井ジャーナル
2011年当時、アメリカはシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒して傀儡体制を樹立させようとしたが、アサド大統領は亡命を拒否して国内に留まった。逃げ出さなかった閣僚や軍人も少なくない。
そこでアル・ヌスラやダーイッシュといったタグをつけた武装集団を利用してアサド体制を倒そうとしたが、これはロシア軍の介入で失敗、今はクルド勢力を中心にして、アル・ヌスラやダーイッシュの戦闘員を合流させて新たな戦争を始めようとしている。
アメリカは当初、ロシア軍が出てこないという前提で直接的な軍事介入を狙っていた。まずリビアと同じように、「独裁者による民主化運動の弾圧」というストーリーを有力メディアで宣伝したが、その嘘は露見してしまう。そこで住民虐殺を演出するが、その実行者は侵略勢力のサラフィ主義者だと判明、次に出てきたのが化学兵器による攻撃という話だ。
本ブログでは何度も書いてきたが、この化学兵器話が嘘だということも明らかにされてきたが、これは繰り返し主張されている。新たなストーリーが思いつかないのだろう。
今月に入り、ジェームズ・マティス国防長官もシリア政府軍によるサリンの使用に関心を持っていると発言したが、その証拠がないことも認めざるをえなかった。有力メディアも「国際社会」の行動を求める記事を掲載している。(例えばココ)
アメリカ政府は侵略を正当化する最もらしい口実を考えることもできなくなっている。それだけ侵略戦争を近い将来に実行しなければならないという強迫観念に駆られているようだ。遅くとも1991年にイラク、シリア、イランを殲滅するプランを立て、92年2月にはそれをDPG草案として文書化したネオコンの戦略を実現しようと必死なように見える。イスラエルやサウジアラビアからせつかれている可能性がある。
それだけでなく、ドルが基軸通貨の地位から陥落するという危機感を持っている人がアメリカ支配層の内部にいるはず。世界をアメリカの巨大資本が支配するファシズム体制を実現し、ライバルとして成長してきたロシアと中国を屈服させるか破壊しなければならないと考えている人もいるだろう。TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)は世界をファシズム化するための協定であり、だからこそ安倍晋三政権はTPPに固執しているのだ。
そうした環境の中、MANPADSによるロシア軍機撃墜が引き起こされた。安倍晋三政権は日本をアメリカの戦争マシーンに組み込もうとしている。日本を「戦争できる国」にするという漠然とした目標に向かっているのではなく、ロシアや中国、特に中国と戦争する準備を進めているのだと考えるべきだ。(了)
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