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デリゾールをめぐって激しい戦闘が繰り広げられているが、その大きな目的は油田地帯の支配
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709300000/
2017.10.01 櫻井ジャーナル
シリア政府の要請に基づき、ロシア空軍がアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に対する攻撃を始めたのは2015年9月30日だった。そうした戦闘集団は2年間を経た今、壊滅寸前になっている。
アメリカが勝手にシリアで空爆を始めたのは2014年9月23日だが、その様子を取材したCNNのアーワ・デイモンは翌朝の放送で、最初の攻撃で破壊されたビルはその15から20日前から蛻の殻だったと伝えている。事前に攻撃情報が伝えられていた可能性が高い。つまり八百長。アメリカが空爆を始める口実に使ったのがダーイッシュだった。
ダーイッシュが売り出されたのは2014年。ジョン・ブレナンCIA長官がワシントンDCで「スンニ系アラブ諸国」の情報機関員と秘密裏に会談した1月にダーイッシュはファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧した。その際、トヨタ製小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その様子は写真に撮られて世界へ伝えられた。
ダーイッシュのメンバーはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団が中心だが、バラク・オバマ政権が支援している相手はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だと2012年8月にDIA(国防情報局)に指摘していた。そのときの局長がマイケル・フリン中将。その情報は報告書の形でホワイトハウスへ提出されているが、その中で、オバマ政権のシリア侵略政策を変更しないと東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があると警告している。その警告は2014年に現実となった。
こうした事実は本ブログで繰り返し書いてきたが、そのダーイッシュをロシア軍は壊滅させようとしている。アメリカ軍は反シリア政府軍の幹部をヘリコプターなどで救出、どこかへ運び去っていると何度も報道されてきた。
そして9月19日、アル・ヌスラ(アル・カイダ系武装勢力)が戦闘漸減地帯をパトロールしていた29名のロシア軍憲兵隊を攻撃した。人質にし、脅しなどに使うつもりだったと見られているが、ロシア軍とシリア軍は航空機や特殊部隊にる攻撃で襲撃側の戦闘員850名を死亡させ、多くの戦闘車両を破壊したという。これはロシア国防省の発表だが、ロシア側は攻撃の背後にアメリカの情報機関が存在していると明言している。
24日にロシア国防省はダーイッシュの陣地にアメリカ軍の特殊部隊が使う装甲車や装備が写っている衛星写真を公表、その地域をクルド系のSDF(シリア民主軍)が安全に通過していることも明らかにした。
そうした中、ダーイッシュのメンバーだという人物がアメリカ、クルド、ダーイッシュの連携について語っている。リーダーからクルドの部隊を天然ガスの施設へ入れるように命令されたというのだ。勿論、攻撃は禁止された。その人物はアメリカはクルドとダーイッシュとの統合を目論んでいることを知っているとも語っている。勿論、この人物の証言が嘘だということもありえるが、ほかの情報と矛盾しない。ダーイッシュの砲撃でロシア軍事顧問団のバレリー・アサポフ中将とふたりの大佐が砲撃が死亡したのはその24日だ。
イスラエルの指揮下にあるイラクのクルドと違い、シリアのクルドは独自の戦略があるとする人もいる。その推測が正しいなら、アメリカはダーイッシュを再編するしかないだろう。データベースである「アル・カイダ」から指揮官クラスのメンバーを選び、新たに戦闘員を集めるということだ。
アメリカにしろ、クルドにしろ、ロシアにしろ、シリアにしろ、デリゾールの制圧を重視しているのは、その南東方向、ユーフラテス川沿いに広がる油断地帯を押さえたいからだと見られている。
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