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強行成立した安保法を使えない安倍首相の腰砕けぶり  天木直人 
http://www.asyura2.com/17/senkyo236/msg/540.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 12 月 01 日 08:45:55: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

強行成立した安保法を使えない安倍首相の腰砕けぶり
http://kenpo9.com/archives/2916
2017-12-01 天木直人のブログ


 きょう12月1日の産経新聞にわが目を疑う記事を見つけた。

 ここまで北朝鮮の危機が差し迫っているというのに、日本が米国と一緒に軍事行動を取れないというのだ。

 今度の北朝鮮のミサイル発射直後に、ティラーソン米国務長官は、「国際社会は北朝鮮に出入りする物資の海上輸送を阻止する必要がある」との声明を出した。

 これに対して、外務省幹部は困惑しているという。

 なぜなら、日本が米軍の臨検に協力すれば、憲法が禁じる「武力行使の一体化」に当たるからだという。

 政府が存立危機事態か武力攻撃事態と認定しない限り、それは出来ないからだという。

 何を今頃、こんな馬鹿なことを外務省幹部は言っているのだろう。

 よくも産経新聞はこんな馬鹿な記事を書けるものだ。

 集団的自衛権の行使は、いまの憲法でも解釈で十分可能だ。

 そう言って、安保法を解釈改憲で強行成立させたのは安倍首相ではなかったのか。

 そして、いまや一強の安倍首相は、その気になれば、黒を白と言う事ができる。

 それを安倍首相は毎日の国会の加計・森友答弁で繰り返している。

 だから安倍首相は、その気になれば、臨検でも海上封鎖でも、日米同盟の為なら何でもできるはずだ。

 いつでも存立危機事態や武力攻撃事態の認定を宣言できるはずだ。

 そして、今度の北朝鮮のミサイル実験は、まさしくそれに値するほどの危機事態であり、米国がいつ北朝鮮を攻撃してもおかしくない事態ではないのか。

 その米国と日本はいまや最強の軍事同盟関係であり、しかも米国の攻撃は日本を北朝鮮の攻撃から守るためのはずだ。

 だからこそ安倍首相は100%米国の側に立つと言い続けてきたのではなかったか。

 何をいまさら困惑し、ためらう必要があるのか。

 もし安倍首相がこの外務省幹部の発言を知って、激怒して更迭しないのなら、この外務省幹部の考えは、そのまま安倍首相の考えであるという事だ。

 大騒ぎして強行成立させた安保法であり集団的自衛権の行使容認であったのはずなのに、それを使えないというのなら、安倍首相は腰砕け首相だ。

 野党は国会でこの産経新聞の記事を取りげ、使えない安保法など即座に撤回せよと迫るべきである(了)



 

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コメント
 
1. 中川隆[-5809] koaQ7Jey 2017年12月01日 08:59:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
安部はアメリカからの独立を目指してるんだ

その為には日米安保廃棄と改憲がどうしても必要だから孤軍奮闘してるんだ

安部がアメリカ軍に協力する筈ないだろ

[32初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数、規定違反多数により全部処理

2. 2017年12月01日 09:34:09 : BAqWIx5MJE : Kxcana1I9t0[178]
>>1

 ならばなぜに安倍デンデン氏は集団的自衛権を容認し、新安保法を強行して成立させたの?アメリカからの独立を目指すならば、集団的自衛権は「中国」と行使するって訳ですかね?


3. 2017年12月01日 10:09:24 : WdJtl8Ym8A : owJadMn7JKU[49]
安倍デンは国民の生命と財産を守ると言いながら、その実はアメリカの尻馬に乗って国民の生命を危機に晒している。安倍デンよ「お前が国難」。


4. 中川隆[-5807] koaQ7Jey 2017年12月01日 10:24:27 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
>>2
アメリカに、対米戦争がやれる様な軍隊を作るとは言えないだろ

だから胡麻化して言ってるのさ

[32初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数、規定違反多数により全部処理

5. 2017年12月01日 11:07:20 : bTYJDOxhIc : BQ_mvGifOXQ[61]
やれるのにやれないと言って、緊急事態条項を押し込むことを狙っている。

6. 地下爺[977] km6Jupbq 2017年12月01日 11:14:47 : F8wPZQzmYo : F4K4j5cqXzU[648]
3氏


 お 墓 ち ゃ ま は ア メ リ カ 様 と 官 僚 の 指 示 に 従 い

 答 弁 書 読 ん で い る だ け な の で。。。。

 難 し い こ と を 理  解 す る こ と は で き ま せ ん 。

 で す か ら 、こ の よ う に い つ も お 疲 れ で す。

 https://pbs.twimg.com/media/DPtel_SVoAAQlpL.jpg



7. 2017年12月01日 11:19:49 : dxkTl1vUxc : 4Qp9Icj8RwM[205]
天木さん狂ってはいないか?
 解釈で集団自衛権行使可能にした安倍政権は脱法政権だろう!こんな政権支持する天木さんも安倍と同一!!
 憲法違反の政策だから行使することができない。当たり前!!
 一度戦争になれば日本は立ち上がれない程の打撃。国民の命をなんだと思っている!!  安倍のバカは、森友・加計問題からしても、ここに極まり。腹立つ〜〜う!!

8. 2017年12月01日 11:39:14 : Be3J2JivkQ : NUBX7NES334[1]
北朝鮮の海上封鎖をすると麻薬の密輸が出来なくなって
CIAが困るんだろ?
安倍はCIAの犬だから。

9. 阿快[459] iKKJ9Q 2017年12月01日 11:45:46 : xNQbz4dHQ2 : cUyIu01A3RQ[2]
安倍に対する天木流の皮肉だろうが、それにしても元外交官にしては状況認識が通俗的でつまらない。

        米朝戦争など起るはずもない。

そんなことは元外交官なら、寸秒で結論が出るはずだ。
米朝が戦ってよろこぶのは中国ロシアだけ。日本、米国、それから半島の南の部族国家の経済はぐちゃぐちゃになる。


10. 2017年12月01日 11:46:17 : BJqDUmrWtc : oGO_ghiXxv4[1]
戦争準備内閣なんだから使うわけないだろ
今はまだ雌伏の時なんだよ
安倍首相の時代に戦争なんか起こらないから
天木氏は何をみているのだ?

11. 2017年12月01日 11:48:55 : WYlhMF5ZhY : QFCLF2yMnrE[55]
09>阿呆、おまえが北朝鮮に突撃して玉砕するんだろう。逃げるなネトサポ!

12. 2017年12月01日 12:11:16 : 0CejVRban6 : urcdmA9xc1s[6021]
さようなら、ティラーソン氏
http://www.asahi.com/articles/ASKD1019KKCZUHBI03L.html

朝鮮半島の非核化(朝鮮民主主義人民共和国の核廃絶+米軍撤退)を進めましょう。
私たちは日本列島の非核化に進みます。


13. 2017年12月01日 12:18:12 : 0CejVRban6 : urcdmA9xc1s[6022]
人事で迷走の続くトランプ政権は、既に閣内にいるポンペオ氏を国務長官に「横滑り」させることで、混乱を最小限に抑えられると判断している模様だ。
https://mainichi.jp/articles/20171201/k00/00m/030/139000c

大混乱だね… アメリカは…


14. あおしろとらの友[889] gqCCqIK1guuCxoLngsyXRg 2017年12月01日 13:03:09 : RQeHLMlyZY : g@K@kpZVrtM[1]
「ここまで北朝鮮の危機が差し迫っているというのに、日本が米国と一緒に軍事行動を取れないというのだ。」
北の将軍の脅しが効いたに決まってる。北朝鮮は「日米軍事一体化をこれ以上進めるな」というメッセージとともにミサイル実験を強行してきた。ここに来て日米でともに臨検なんぞやろうものなら金将軍が怒り心頭に発し何をしでかすか分からないと言うところまで日本政府は追いつめられているのだ。

15. 2017年12月01日 13:07:27 : zYQhP04yNA : iufaC7RN9d0[264]
 
 >北朝鮮の海上封鎖をすると麻薬の密輸が出来なくなってCIAが困るんだろ


 日本に入ってくる お薬は 海上ルート と 航空機ルートが 有ると思うよ〜〜

 摘発されるのは 海上ルートだろう??

 航空機ルートは ケケ中などの 正規ルート ふふふ!!

 ===

 お薬は 売れないと意味がないですから 

 お薬つながり お薬しばり などなど お薬の効果は 絶大だろうね〜〜

 ケケケケケ って 笑ってると思うがね〜〜〜
 


16. 2017年12月01日 16:21:40 : BAqWIx5MJE : Kxcana1I9t0[179]
>>4の中川何某氏

 それなら国民に対して「米国から自立・独立する・そのためには安保条約と地位協定を破棄する」と宣言すれば、外務官僚・財界の一部を除いた殆どの国民は「拍手」するよ。そうすれば「国民の支持率の圧倒的な高さ」を背景に「米国に強い態度」で臨むことが出来るぞ。

 そうなれば、明治期の条約改正に匹敵する日本の歴史的快挙として長く語り継がれるでしょうね。つまらん改憲などは些末な成果となり、後景に退く事必定だよ。

 わざわざ、憲法解釈を捻じ曲げ、違憲間違いなしの「集団的自衛権容認や新安保法」の制定を強行する必用なんかないぞ。(憲法の基本的意味を理解できない政治家であると言う辱めを受けることもなかったよ)


 観点は異なるが貴殿は「安倍絶対支持かと思うと突然に従軍慰安婦存在説」を平然と主張されますね。この相いれない主張が堂々と言えるという事は貴方は「思考が2つに分裂している(二重人格)OR全く別人が同一ペンネーム使用OR阿修羅を揶揄っている」の何れなんでしょうかね?それとも単なる「おバカ?(か頭が変な人)」ですかね?


 By2コメ者


17. 中川隆[-5822] koaQ7Jey 2017年12月01日 17:58:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
>>16
>安倍絶対支持かと思うと突然に従軍慰安婦存在説」を平然と主張されますね


俺にはイデオロギーは無いからな

正しいかどうかでしか判断しない




[32初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数、規定違反多数により全部処理

18. 2017年12月01日 20:15:48 : BAqWIx5MJE : Kxcana1I9t0[181]
>>17

 という事は

 「安倍が米国から独立しようとしている=>>コメント1」という事が「正しい事実である」と判断されているという事かい?

 その「正しいという判断」の証拠を示してくだされ。お願いね!


19. 中川隆[-5817] koaQ7Jey 2017年12月01日 20:58:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
>>18

2017.10.03 内田樹の研究室 こちらは「サンデー毎日」没原稿

9月末日締め切りで、9月19日に書き上げてのんびりしていたら、解散、小池新党、民進党解党、希望維新連携、立憲民主党結党・・・と文字通り政局が日替わり。おかげで「北朝鮮と安倍政権」という論の枠組み自体にまったくニュースとしての鮮度がなくなってしまった(北朝鮮のミサイル攻撃が明日にでもあるぞ、というあの官邸の煽りは何だったんだろう)。

でもまあ、書いたわけなので、このまま筐底に腐らせるよりは日の眼を見せてあげようということで、ブログにて公開。

北朝鮮の核実験とミサイル発射によって東アジアの軍事的情勢が緊張度を増している。「米朝もし戦わば」というようなシミュレーションを妙にうれしげに語っている専門家たちがいる。戦争が始まるというのがそんなにわくわくすることなのだろうか。日本の国土にミサイルが着弾して多くの死傷者が出たり、稼働中の原発が被弾したりするリスクを考えたら、石にかじりついても軍事的衝突を回避したいと望むのが「人情」だと思うけれども、そうではない人たちも日本人の中には多くいるということである。

安倍首相は北朝鮮への圧力の行使にはたいへん熱心だが、「全力を挙げて戦争を回避する」ということは口にしない。だから、国際社会からは「首相はほんとうに朝鮮半島情勢の鎮静化を望んでいるのか」について懸念が語られている。その懸念について誰も責任ある回答をしないようなので、私が海外の皆さんの懸念について、日本人を代表してお答えしたいと思う。

安倍首相は本気で「戦争をする気でいる」。だから、そのための環境づくりにたいへん熱心なのである。彼が続く内政面での失敗にもかかわらず、いまだに高い支持率を誇っているのは、彼の好戦的な構えを好感する有権者がそれだけ多いからである。

仮に起きた場合に、米朝戦争がどれほどの規模のものになるのか、首相もその周辺もたぶん何も考えていない。そういう実務的なことを考えて、コントロールするのは米軍であって、自衛隊は米軍の指示に従って動けばいい。そう考えている。
そして、米朝戦争の主戦場は朝鮮半島かせいぜい日本海にとどまるであろうと期待している。万が一不運にもミサイルが日本国内に着弾する場合も、政府は住民の生命財産の保全にはそれほど強い関心を持っていない。以前、山本太郎参院議員が国会で稼働中の原発へのミサイル着弾の被害予測について質問した時、当時の原子力規制委員会の田中俊一委員長は「弾道ミサイルが直撃した場合の対策は、求めておりません」と回答した。安倍首相は「仮定の質問であり、お答えすることを差し控えたい」と質問を一蹴した。要するに原発は軍事的攻撃に対してきわめて脆弱であることを認めた上で、原発被弾に伴う被害のシミュレーションも、住民の避難計画の策定も、何もしていないと認めたのである。

避難計画というはふつう「考え得る最悪の状況がもたらす被害を最小化するため」に立案されるものだが、首相は「考え得る最悪の状況」は「仮定」のことなので、それに基づいて具体的に何かの備えをすることはしないと答えた(備えがあれば、自慢げに「万全の備えをしております」と答えたはずである)。

しかし、政府は原発への被弾については想定していないが、ミサイルによる日本領土の攻撃は想定している。想定しているからこそ、全都道府県に対して、ミサイル着弾時の避難訓練の実施を要請しているのである。

だが、原発が被弾して、3・11の時と同じように放射性物質が飛散することになった時に、地域住民は「頑丈な建物や地下に避難し、できるだけ窓から離れ、物陰に身を隠すか地面に伏せて頭部を守」ったとして、その後はどうすればいいのか。それについては何の指示もない。

国民を軍事的被害から守るための手立てを十分に講じることをしないまま、首相や外相は北朝鮮情勢を鎮静化することには興味を示さず、むしろ無用の挑発を続けている。

この事実から推論できるのは、(官邸がまったく思考能力を失っているという可能性を排除した場合)、彼らは戦争を始めたがっており、いったん戦端が開かれた後も、戦争被害を最小化することにはあまり興味を持っていないということである。いや、むしろ被害が大きく、国民の「敵」への憎悪や反感が募れば、それによって内閣支持率がV字回復することは高い確率で期待できると考えているのではないか。
というのは、カラフルな実例があるからだ。支持率50%に低迷していたジョージ・W・ブッシュ大統領は9・11直後に支持率92%を記録して米大統領としての「史上最高の支持率」を記録した。保守党史上最低の支持率に苦しんでいたマーガレット・サッチャーはフォークランド紛争に勝利して、「Great Britain is great again」と宣言して、73%という驚異的な支持率を獲得した。おそらく安倍首相は彼らの成功体験に強い羨望を抱いているはずである。

米朝間で戦争が始まった場合でも、北朝鮮の備蓄を考えると、戦闘そのものは長期化することはないだろう。けれども、戦闘が終わっても、その後の朝鮮半島は手の付けられない惨状となる。

それでも隣国の内閣支持率は急騰が期待できる。というのも、「こんなこと」があると思ったからこそ、特定秘密保護法も、集団的自衛権の行使容認も、安保法制も、すべて「打つべき手を事前に打っておいた」という事後的な正当化ができるからである。

半島で戦闘が終わっても、まだ正常化にほど遠く、例えば北朝鮮からの難民がボートで脱出して漂着する可能性があったとしたら、政府は「国難的危機のときに悠長に国会審議などしていられない。行政府に全権を」と訴え、国民的熱狂の中、一気に改憲を実施して、緊急事態を宣言しようとするだろう。
宣言がなされれば憲法は停止され、国会は休会となり、政府が発令する政令が法律を代行する独裁制が完成する。

自民党の改憲草案を読めばわかる通り、緊急事態宣言下は選挙が行われないので、最初に宣言に同意した議員たちは終身議員となる。彼らが同意し続ければ、緊急事態宣言は法理上半永久的に延長可能である。

緊急事態宣言下では反政府メディアも反政府的な市民運動も存立できない。院外での抗議のデモや集会を行えば、それ自体が「社会秩序の混乱」と解釈されて、緊急事態宣言の正当性の根拠を提供するだけだからである。

なぜ安倍首相はそのような事態の到来を願うのか。彼が単に独裁的権力を享受して「ネポティズム政治」を行って、身内を厚遇し、政敵を失脚させ、イエスマンに囲まれて、私腹を肥やそうとしているというような解釈はまったく当を失している。ネポティズムは目的達成のための手段であり、またその「副産物」であって、目的ではない。

安倍晋三は身内を重用するために政治をしているわけではない。そもそもそのような利己的な人物に対して国内の極右勢力が熱狂的な支持を与えるということは考えればありえないことだ。

彼がめざしているのは「戦争ができる国」になることである。

彼の改憲への情熱も、独裁制への偏愛も、たかだか手段に過ぎない。彼の目的は「戦争ができる国」に日本を改造することにある。国家主権を持たぬ属国であるのも、国際社会から侮られているのもすべては「戦争」というカードを切ることができないからだと彼は考えている。そして、たいへんに心苦しいことであるけれど、この考え方には一理あるのである。だから、極右の人々は安倍首相に揺るがぬ支持を与えているのであるし、自民党や維新や民進党の議員たちがこまめに靖国神社に参拝してみせるのは、そうすれば「戦争ができる国になりたい」と(口には出さず)念じている人々の票が当てにできるということを知っているからである。

「戦争ができる国になりたい。戦争ができない国であるのは理不尽だ」というのは、ある意味で現実的な考え方である。というのも、現実に世界の大国は「戦争」カードを効果的に切ることによって、他国を侵略し、他国の国土を占拠し、他国民を殺傷し、それを通じて自国の国益を増大させるということを現にしており、それによって大国であり続けているからである。国連の安保理事会の常任理事国はどれも「そういうこと」をしてきた国である。だが、日本はそうふるまうことを禁じられている。東京裁判によって、サンフランシスコ講和条約によって、日本国憲法によって、「そういうこと」をすることを禁じられている。戦争に負けたことによって日本人は「戦争ができる権利」を失った。失ったこの権利は戦争に勝つことによってしか回復されない、そういう考え方をする日本人がいる。私たちが想像しているよりはるかに多くいる。でも、そう思っているだけで口にしない。だから匿名でネットで発信し、自民党やその他の極右政党に投票する。

重要なのは、彼らがそう思っていることをはっきりと口にしないことである。なぜ、彼らは「戦争ができる国になりたい。自国の国益を守るために他国を攻撃するのはすべての国に固有の権利のはずだ」と言い切れないのか。それはここでいう「他国」にアメリカも含まれているからである。

日本の極右がねじれているのは、はっきりと「アメリカを含むすべての国と好きな時に戦争を始める権利が欲しい」と言うことに対しては激しい禁圧がかかっているからである。その言葉を口にすることはアメリカの属国である現代日本においては指導層へのキャリアパスを放棄することを意味している。政界でも、官界でも、財界でも、学界でも、メディアの世界でも、出世したければ、脳内にどれほど好戦的な右翼思想を育んでいる人物でも「アメリカを含むすべての国と好きな時に戦争を始める権利が欲しい」ということは公言できない。したら「おしまい」だからである。

けれども、アメリカが日本から奪った「戦争する権利」はアメリカと戦争して勝つことによってしか奪還できないのは論理的には自明のことである。この自明の理を「一度として脳裏に浮かんだことがないアイディア」として抑圧し、対米従属技術を洗練させ、後はひたすら中国韓国を罵り、国内の「反日」を敵視することでキャリアを形成してきた日本の指導層の人々の言うことが、こと国家主権と戦争の話になると何を言っているのか分からないほどに支離滅裂になるのはそのせいなのである。

はっきり口に出して言えばいいのに、と私は思う。安倍首相は「戦争ができる国」になりたいだけではない。「アメリカとも、必要があれば戦争ができる国」になりたいのである。「思っているでしょう?」と訊いても必死で否定するだろうけれど、そう思っていると想定しないと彼の言動は説明できない。

彼は属国の統治者であり、あらゆる機会に宗主国アメリカに対する忠誠を誇示してみせるけれど、まさにそのアメリカが日本に「与えた」最高法規をあしざまに罵り、そこに書かれているアメリカの建国理念や統治原理に対して一片の敬意も示さない。彼はアメリカが自国の国益増大に資すると思えば、どのような非民主的で強権的な独裁者にも気前の良い支援を与えて来た歴史を知っている。朴正煕も、マルコスも、スハルトも、ピノチェトも(CIAの役に立つと判断されていた間は)ノリエガも、アメリカは支持した。今のアメリカの国益を最大限に配慮する限り、どれほどアメリカの建国理念や統治原理を憎んでいても、属国の支配者の地位は安泰であることを知っている。その地位を利用して、彼はまず「アメリカと一緒に戦争する権利」を手に入れた。まだ戦争そのものにはコミットしていないが、憲法違反である戦争参加を制度的には合法化することに成功したし、御用メディアと御用知識人たちを活用して、交戦は主権国にとって当然の権利だという「空気」を醸成し、山本七平のいう「感情の批准」をいま着々と進めている。

だから、ここまで来れば、彼の支持者たちは「次の一手」を期待している。それはまず「アメリカの許諾を得ずに勝手に戦争をする権利」であり、最終的には「アメリカとも戦争をする権利」を手に入れることである。

私がわからないのは、アメリカの国務省がこれくらいわかりやすい話についていつまでも「知らないふり」をしていることである。たぶん使える限り引っ張って、どこかで日本人の抑圧された対米憎悪の「びんの蓋」が外れる気配を見て取ったら「泣いて馬謖を切る」つもりでいるのだろうと思う。わが宗主国はその点では憎いほどにクールな国である。

というようなことを9月19日に書いたときには「時宜にかなった記事だ」と思っていたのだけれど、政局の前に吹き飛んでしまった。
テレビニュースが「面白い」時は、こういう原理的な分析は相手にされないのである。
でも、ここに書いたことは今もそのまま私の意見である。
http://blog.tatsuru.com/


[32初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数、規定違反多数により全部処理

20. 2017年12月02日 02:37:34 : IJjjrLkBu1 : Tp0IihGPIW0[2465]
   何と言っても米国は移民で出来上がっている特殊な国であり、彼らは一旗揚げようと米大陸に上陸するも、いずれは祖国に帰って成功したいという意志が強いだろう、従って、米国人としての結束は誓うものの、実質的には第二の故郷に過ぎず、ルーツは母国であることを誰もが忘れていない筈だ。
   そういう国だからこそ、時と場合によってはどのような制度の国でも支持することもあり、逆に、石油が取れる、ダイヤが取れるとなれば、悪の枢軸だとかの理屈を付けて敵国扱いし収奪に走るなど、移民全体の利益となるべく動くのであろう。
   従って、日本が米軍と安保条約を締結し抑止効果を頼って近隣国に居丈高になれど、所詮虎の威を借る狐に過ぎない。
   米国は日本の前では拳を挙げるように見せても、実際は日本の為に抑止効果を施したり、ましてや日本が近隣諸国を上から目線で、米国の威を借りて調子に乗った結果、小競り合いから国家間戦争の兆候が出たとて、米が一個一億円のミサイルの弾頭を、日本の要望通りに敵国にバンバン打ち込んでくれるなどと考える方がおかしいのである。脅しの一発くらいで敵国が黙る訳は無く、米国にとってはその後は高みの見物となろう。
   日本は、本音と建て前の使い分け、裏と表の使い分けが互いに当たり前の国民性により、忖度は通じるし、阿吽の呼吸だとすれば納得してしまうから、恐らく首相らが、抑止効果が有った筈だとか、米国が攻撃してくれると思った、等々の出鱈目を口に出しつつ、事態の悪化に何の責任も感じないとしても、そもそも国民自体が、為政者の言っていることとやっている事が違うのは当たり前、と言う諦観故、国全体が呆然と成り行き任せとなるのは、先の大戦時と同様であろう。
   安倍内閣は官僚との二人三脚で議会と日本国民を騙しつつ、米軍産複合体ロビイストの言いなりに兵器を買い、それを転売するための保管、展示用基地を造り続け、かつまた核売買で利益を上げるための原発施設の維持をアジア方面で引き受けるべく、その筆頭に立つつもりであるとしか思えない程、原発に執着している。
   本音と建て前が交錯することを不思議で異常とも思わない風土下では、真実が一向に晒されることなく首相らは国民を踏みつけることが可能であるが、自国の為政者に踏みつけられる国民で為る国家は、結局は、米国のようなしたたかな移民の国に国家ごと踏みつけられる、というのが定番なのである。
   

22. 2017年12月02日 13:13:06 : w7SikJBrCI : DM3x@Az4RSM[449]
02さん、そうではないでしょうか。
アメリカにはA組、B組がありますが集団的自衛権はB組から強いられたもの。B組は北朝鮮など殲滅して欲しくない。ましてやそのためにリソースを犠牲にすべきでない。トランプとはそこが違う。外務省はB組だが安倍はトランプ(というよりAであろうがBであろうがアメリカ大統領POTUS)というねじれがあるのではないでしょうか。

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