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国民は従業員ではなく株主(有権者)として無能な経営者(政治家)を退場させるべし!
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2017年11月20日 お役立ち情報の杜(もり)
日本における民主主義が機能不全である証拠の一つとして、選挙での投票率の低さが挙げられる。
近年、国政選挙での投票率は5割程度だ。地方選挙になるともっとひどく、10%台ということも珍しくない。末期的症状といえる。
選挙での棄権者数の多さは、小選挙区制度において既存の与党組織に有利に働き、結果として、2〜3割程度の得票率で、圧倒的多数の議席を確保させている。
2017年10月以前、安倍政権は、国民の為になることを何かしたのだろうか?私には、さっぱり思い浮かばない。
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多くの国民が意思表示を拒否し、投票者の多くも思考停止で惰性の与党支持を行った。有権者の少数派によって国賊内閣が信任されても、国民の間では大した問題意識もない。マスコミの忖度報道が現権力者にとって有利に働いたことを差し引いても、奇怪である。なんで、このような現象が起こるのであろうか?
原因は、日本国民の精神を支配している奴隷根性にある。もう少し柔らかい表現で下僕思考という言葉も適切だ。内田樹さんは、「株式会社マインド」という表現を使っている。
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この国では株式会社マインドが蔓延している。総理大臣=社長、有権者=従業員だと勘違いしているのだ。「会社組織なのだから、トップが独断専行で決めても仕方がない」「従業員は経営方針に口をはさむな」「何も考えず大人しく従うのが当然」こういった無責任で怠惰な有権者たちの意識が、日本の民主主義を機能不全にしている。
「自民党政権という体制の選択しかあり得ない」「異論をはさむ者は非国民であり、共産党の工作員だ」
ネトウヨでなくとも、こういった意識が老若男女、ほとんどの日本国民の平均的意識であろう。口に出さなくても意識の奥底にへばりついた、厄介な国家的宗教である。
教育制度も見事に、株式会社マインドの醸成に貢献している。小・中・高を通じて行われる奴隷化教育は、他の先進諸国の追随を許さない「高レベル」のものだ。生まれつきの頭髪の色さえ許さず黒に染めることを強要するシステムは、海外メディアも驚きをもって報道した。
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奴隷制度に馴染めず精神的に追い込まれた若者たちの中には、自ら命を絶つ者も多い。若者世代の死因一位が自殺などという「先進国」は日本だけだ。
図(若者の自殺死亡率の国際比較)
何とか株式会社マインドに馴染んだ者は、晴れて株式会社日本への仲間入りを認められる。
写真(入社式の風景)
トップが正しい判断をするのであれば問題ないが、何の問題もない判断などは有り得ない。絶対服従が最善だと妄信した従業員たちは、上限なしのサービス残業を易々と受け入れ、非正規の不安定労働を当然と思い、大企業の内部留保蓄積に貢献している。「karoshi」(=過労死)という英語を生んだのは日本社会に蔓延する奴隷根性(=株式会社マインド)に他ならない。上役に意見一つ言えない風土は、商品開発力の低下や欠陥不正品の濫造につながり、長い歴史を誇る有名大企業の多くが凋落の一途を辿っている。自業自得である。
この株式会社マインドは、会社組織を離れた行動にも悪影響を及ぼしている。諸外国から見れば小学生レベルの議論能力すら持たない日本人は、絶対服従かナアナアか喧嘩をするくらいしか能がない(議論能力がある人は例外だ)。自分で考えて選挙の時に意思表示をするなどという面倒くさい民主主義は、ほとんどの有権者にとって猫に小判である。醜悪な権力者を交代させたり、国の在り方を決めるなんて恐れ多くてできないのだ。国民の意見に耳を傾ける政治家は好まれない。意見なんか無いんだから、耳を傾けてもらっても困るのである。「上の方で決めてください。指示に従いますから。」というのが偽らざる本音だ。
安倍晋三さんのような戦前回帰思想を持った売国奴でも構わない。独裁的手法で憲法を蹂躙しても構わない。そもそも憲法の役割すら知らないし、権力者様を縛るなんてことは恐ろしくて想像もできない。北朝鮮の脅威を煽り、強い指導者を演出してくれさえすれば安心できるのだ。
9月3日、安倍晋三首相、北朝鮮による核実験の実施を受けて声明を公表した。写真は都内で撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
日本人ほど自由を恐れる民族はいないだろう。アメリカ様による戦後70年以上に渡る植民地支配が続いている理由もここにある。自立心のかけらもない国が、他国と対等な外交関係を結ぶことはできない。平和外交は、最大の防御であり一番安上がりなのだが、日本人にとっては夢のまた夢だろう。アメリカの軍産複合体による日本人の税金食いつぶしは、当分止められそうにない。
株式会社マインドに染まった国民には、国会は議論の場という意識すらない。政権を追及する野党議員はうるさいクレーマーくらいにしか思っていないのではないか?マスコミは政府の広報が仕事だと思っているのではないか?全部まちがいである。野党やマスコミは権力を監視し、国民へ正しい情報を提供するのが仕事である。有権者はその情報を元に自分で考えて、従業員ではなく株主として劣悪な経営者を辞めさせる権限を持っているのだ。この大切な機能がどれだけ有効に働いているかにより、社会の健全性が決まる。
権力者の暴走を許して焼け野原を再現させる余裕は、日本には無いはずだ。一人でも多くの国民が目覚めることを期待したい。
「一国の政治というものは、国民を映し出す鏡にすぎません。政治が国民のレベルより進みすぎている場合には、必ずや国民のレベルまでひきずり下ろされます。反対に、政治のほうが国民より遅れているなら、政治のレベルは徐々に上がっていくでしょう。国がどんな法律や政治をもっているか、そこに国民の質が如実に反映されているさまは、見ていて面白いほどです。これは水が低きにつくような、ごく自然のなりゆきなのです。りっぱな国民にはりっぱな政治、無知で腐敗した国民には腐りはてた政治しかありえないのです。」
(出典:「スマイルズの『自助論』エッセンス版」P17)
以上
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