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倉重篤郎のサンデー時評 公明党が安倍改憲と決別する日 焦点はやはり「憲法9条」! 「巨大与党」で始まる“仰天”政変劇
https://mainichi.jp/sunday/articles/20171106/org/00m/070/001000d
2017年11月7日 サンデー毎日
放送局のインタビューに答える公明党の山口那津男代表=東京都新宿区で2017年10月22日午後10時23分、太田康男撮影
「安倍改憲」の可能性が高まるなか、公明党がどう動くかに注目が集まっている。果たして公明党は改憲勢力なのか。だとすれば支持母体の創価学会の平和主義と齟齬をきたすのではないか。自公連立の深層を山崎拓元自民党副総裁と、二見伸明元公明党副委員長に訊く。
民進・希望合流劇=「トロイの木馬」失敗説を唱える人がいる。
自民党の山崎拓元副総裁である。
登場人物は、小池百合子、前原誠司の両氏。前原氏が小池人気にあやかり、あわよくば希望の党を乗っ取らんと、配下の民進党戦士を大量に乗せた木馬を小池城に持ち込んだ。そこまではよかったが、あにはからんや、城主の自己過失による城炎上で、木馬内に閉じ込められた犠牲者多数。たまさか木馬から事前に締め出された戦士たちが結果的に助かった、という悲喜劇。
山崎氏に言わせると、小池、前原両氏には、マックス・ウェーバーが言うところのトップリーダーの三要件、つまり、情熱と先見性と責任感のうち、情熱だけはあったが、残り二つが欠けていた、となる。
言い得て妙か。
その山崎氏がもう一点、今後の改憲政局について興味深い指摘をしている。
安倍晋三首相の今回の衆院解散の真の動機は、国会での改憲勢力3分の2を失うことにあった。なぜならば、3分の2を維持している限り、9条改定を目指さざるを得ない。ただ、それは国民投票で否決される公算が高く、即退陣に追い込まれる極めてリスキーな道である。安倍氏には9条改定が無理だということが分かっているし、その気もない、というのだ。
「彼にとって9条改定はある意味ポケットチーフ、櫻井よしこさんら右のファンに対するおしゃれのようなもので、背広本体ではない。彼の残そうとしているレガシーは(首相在任日数の)最長不倒距離だ。だからこそ、また3分の2を得てかえって困っている」
「さらに困っているのが、公明党だ。9条改定を阻止できるのは公明党だけだが、そのことは連立離脱を意味する。そこまで踏み切れるかどうか。最後は支持母体の創価学会の判断になるだろうが、この問題では学会内部が割れている」
この見立てもまた、さもあらん、である。安倍氏の9条改定への意志については別の見方もあるだろうが、この政局がどうなるか、については、公明党・創価学会がどう出るかが、カギを握ることだけは間違いない。
ウオッチャーの一人、二見伸明氏に見通しを聞いた。
公明党の山口代表の本音は…
二見氏は元公明党衆院議員(当選10回)。同党政審会長、副委員長を務めたが、新進党結党に参加、同党崩壊後は古巣に戻らず小沢一郎氏の自由党に合流、公明党・創価学会と袂(たもと)を分かった人物だ。2003年の政界引退後は、安倍自公政権に批判的な市民運動、評論活動を続けている。本人の言では「まだ自分は学会員ではあると思う。退会届を出してないし除名したとの通知も来ない。上の方はダメだが、近所の学会員は私に話しかけてくる。『聖教新聞』『公明新聞』は取っているし公明議員OBとも付き合いがある」という。
今回の解散劇は自公にとってどんな意味が? 自民は公示前と同じ284議席を維持、公明は35から6減らし29議席となり、比例代表得票総数も700万票を切った。
「安倍自民からすれば、公明党に対し、今まで通り夫婦仲良くやってくれるんだな、離婚しようと言わないだろうな、という念押しだった。都議選でバトルした。ある意味不倫されたからだ」
操(みさお)の証明?
「そういうふうに思う」
実際証明した。
「きれいに。公明党が慰謝料を払ったわけだ」
「つまり、今度の選挙で明らかになったのは公明党の存在感だ。都議選は小池と組んだために自民党が惨敗したが、衆院選では自民とよりを戻し、自分のところは減らしても、自民党を大勝させた。自民は公明の応援がないと当選できない。自公はどうにもならない不可分の関係に入り、運命共同体だ。前から分かっていたが、今回は都議選があったことで鮮明になった」
自らの議席減、得票総数減はどう総括する?
「公明党、学会自体の体力が衰えている。それは特定秘密保護法強行採決のころから私は感じていた。学会の中で相当批判があるとも聞いた。新安保法制のときも公然と(学会の団体旗である)三色旗をかざした反対運動があった。生き血をだいぶ自民党に吸われてきた、ということかもしれない」
秘密法、新安保法制、共謀罪、という3点セットだ。本来の公明党の路線とは異なる選択だ。その無理が出始めている?
「そうだ。安倍氏と山口氏(那津男公明党代表)が選挙カーの上で3度並んで演説した。それがテレビに流れているのを見て違和感がある、と学会支持者が言っていた。山口氏が安倍氏の従者みたいに見て嫌な感じだと。そういう不満が積もっているのも事実だ」
だが、どこまでもついていくしかない下駄の雪か?
「当分はそうだが、改憲までついていけるかどうか」
いま学会内はどうなっているのか?
「学会内部では、2年前に原田稔会長と正木正明理事長(当時)との間で確執があった。宗教原理派とされる正木氏は新安保法制に反対、手を引くべきだとしたのに対し、世俗派とされる原田氏、谷川佳樹事務総長(現主任副会長)は安倍自民との協調の道を選び、結局、正木氏が谷川・原田連合軍に負け、ある日突然クビになった」
「従って、9条改定の場合も彼らが旗を振ることはありうる。9条の1項、2項は残すんだからいいじゃないかと言う可能性がある。ただ、それをやると学会自体が分裂しますね。もちろん法人格的には分裂しないが……。そこまでやるかな」
というのは?
「改憲問題では、真面目な学会員が疑問を呈している。公明党の方針に異議を唱えている二つのグループに会った。一つは、学会の池田大作名誉会長は正しいが、現執行部のやっていることがおかしい。もう一つは、学会自体がおかしい、という」
「後者は別にして、前者は改憲問題がさらに進んでいくと、憲法問題はその他の法律問題とは次元が違う、あれだけ9条の意義を強調してきた名誉会長が、公明党の創設者として、学会の最高権威として、この問題について何もメッセージを発しないのはおかしい、という議論になっていく」
「山口氏が9条改定について慎重な発言をしているのは、これはやらないでくれということだ。憲法を議論するのはいいよ。だけど9条は困るよ、というのが山口氏の本音だろう」
9条改定のブレーキ役になれるのか!
世俗派の原田、谷川両氏も割れるのはいや?
「だからそこまではやれないと思う。学会員というのは選挙では公明党公認の候補を当選させようと死に物狂いでやる。だが、それ以外の活動については意外とクールだ。個々の政策の評価がそうだ。冷静に考えている」
「創価学会も政権与党なんだから、この政策の中の最高位にある憲法問題については真っ正面からオープンに議論したほうがいい。消費税の軽減税率がどうのこうのという話ではない。9条改定のブレーキ役と言っているが、本当にブレーキになれるかどうか、という重大局面だ」
「秘密法、新安保法、共謀罪とこれまでの重要法案は全部強行採決でやってきた。9条改定はもっと大荒れの国会審議になるはずだ。そのとき公明党はどうするのか。9条改定で行くのか、体を張って改憲を止めるのか。そのときのために上層部ではない学会員の本音を聞いてほしい」
ところで今後、学会と公明党はどうなる?
「国会議員と学会員とのつながりが薄れた印象だ。いい悪いは別にして、昔は俺たちの仲間だという一体感があった。いまはそういう感じがしない」
名誉会長の池田氏は病気療養中と聞く。高齢でもある。このままだと、しぼむ運命か?
「なかなかしぼまない。これだけの既得権益があるから簡単には投げ出さないだろう。連立政権にいることで、公明党からすれば政策実現と権力を手中にでき、学会員にしてみれば社会的認知度が上がる。近所の人から、市の幹部から、学会員ですか、いつもお世話になっています、ということだ。有形無形の受益を失いたくないはずだ」
毎回選挙で頑張る?
「万年与党でいたい。しかも、大臣もいる、と」
となると、与党体制がシステム化?
「最近、学会に『会憲』という、会の憲法的なものができた。ポスト池田を睨(にら)み、会が分裂しないように現会長に権限を集中させる体制にしつつある。池田氏についても名誉会長と呼ばずに先生と呼ぶようになった。公明党がどんなに下火になってもこの学会組織の核だけは動かさないだろう」
9条改定のブレーキ役になる、ということは、この受益を手放すことになる。
「既得権益を失うのと、9条護憲とどちらがいいか、はかりにかけることになる」
護憲を捨てるかもしれない?
「そうなった場合には宗教団体としての生命は終わりだ」
二見氏は、今回の野党合流劇についてもいくつかの分析を披露してくれた。
「失敗の背景には、小池氏の政治認識の誤りがあったと思う。小池氏が狙ったのは保守2大政党だった。ただ、現実にはそれほど保守の層は厚くない。自民の比例での絶対得票率は2割弱。公明、維新を加えても3割だ。安倍は嫌だが、自民党だから仕方ない、という層がいやいやながら入れている。この層は固い。その層と手を組んで2大政党というのはナンセンス。リベラルから左の連中にウイングを伸ばさない限り自民党に対抗できる政党はできません」
今回、小沢一郎氏が左ウイングを伸ばし4野党共闘の旗振り役だった。だが、それを前原、小池で断ち切り、右だけでやってしまった。
「小沢氏が言うように、左にぐんぐん伸ばしていけば勝ったのではないか。民進の分裂もなかった。小沢氏は、小池氏をシャッポに使うことも考えていたと思う。ただ、あくまでもシャッポだけであって、実際はリベラルをがっちり固めて政権を取ろうと思っていたのではないか。そこが小池、前原両氏と食い違った」
保守のパイが意外に小さかった。
「逆に、左に中道リベラルの固まりがある。共産党とは政権を一緒に取るわけでないが、選挙協力はする。ある意味でのつっかい棒。票もあるし、下手すると裏切られるという緊張感もある。共産党も伸びるためには右に手を伸ばすしかない」
共産党は変化した。
「高度に発展した資本主義下では、その暴走を止めるのは法律しかない、という認識ではないか。社会主義の目標は変えないが、国民の暮らしを守るためには、国会で自分たちの考えを実現するしかない、ということから野党共闘、国民連合政府構想に転換した」
専守防衛の「自衛隊」ではなくなる
さて、ここで冒頭の山崎氏に戻ろう。山崎氏と二見氏は1992年のPKO法を成立させたときの自公のカウンターパート(窓口担当同士)であった。山崎氏からすると「(二見氏は)ひょうひょうとして鋭いことを指摘する人物」というが、この先は山崎氏の読みにつなぎたい。
安倍氏の9条改定論をどう思う?
「立法技術論から無理と思う。2項(戦力不保持、交戦権否認)と追加項目(自衛隊の付記)は必ず矛盾する。後の法が前の法に優先する、というルールがあり、専守防衛である限り違憲ではないという現行の解釈が効力を失い、専守防衛ではない自衛隊ということにもつながりかねず、先の新安保法制で集団的自衛権の行使と後方支援を認めてしまったことと相まって防衛政策の変更になってしまう」
ただ、自公協議は進める?
「自民党と公明党のキャッチボールが始まる。安倍氏は成り行きを見て当面は容喙(ようかい)しないでしょう」
自公協議には新安保法制のときと同様、高村正彦副総裁がまた乗り出すと?
「ただ、高村氏はバッジもはずしており、国会議員としての発議権がない。判事でもないし、憲法学者でもない。安保法制のときのようにはいかない」
最終的に創価学会の護憲派と世俗派のどちらが勝つと見る?
「どちらに転んでもいいことはない。まして公明党が乗って国民投票になって負けたときのリスクは大きすぎる」
お二方の見立ては明快である。9条改定はある意味学会を分裂させるほどのメガトン級の爆弾だ。要は、元も子もなくなる。それは、公明党が安倍連立と決別する日になるだろう。
くらしげ・あつろう
1953年、東京都生まれ。78年東京大教育学部卒、毎日新聞入社、水戸、青森支局、整理、政治、経済部。2004年政治部長、11年論説委員長、13年専門編集委員
やまさき・たく
1936年生まれ。元自民党副総裁。防衛庁長官、建設大臣、自民党国対委員長、幹事長などを歴任
ふたみ・のぶあき
1935年生まれ。元公明党副委員長。羽田内閣で運輸大臣を務めるが、新進党崩壊後、自由党に合流、公明党から離れた
(サンデー毎日11月19日号から)
山崎、二見氏、80歳台半ば。元気! 脳みそもアベ晋三の100倍くらいクリア。
— ekun_tw (@twiekun) 2017年11月7日
倉重篤郎のサンデー時評:公明党が安倍改憲と決別する日 焦点はやはり「憲法9条」! 「巨大与党」で始まる“仰天”政変劇 - 毎日新聞 https://t.co/jpgHrVU7I7
藤瀬 やまねこ
https://www.facebook.com/permalink.php?id=100000698199853&story_fbid=1786255868074336
どんなに堕落しても、仏教団体創価学会を票田とする公明党。今のままで済むわけがない!
次の参院選を睨んでの方針転換か・・・
いつごろだろう?
ああ、楽しみだ!
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