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日本、米国からミサイル防衛システム購入へ…中国が凄まじい経済制裁か、国交断絶も
http://biz-journal.jp/2017/11/post_21274.html
2017.11.07 文=相馬勝/ジャーナリスト Business Journal
「首相官邸 HP」より
トランプ米大統領が初来日しての日米首脳会談では、「ドナルド・シンゾウ」とファーストネームで呼び合う個人的な関係を反映して、安倍晋三首相が「日米が100%共にあることを力強く確認した」などと述べて、日米関係の緊密化を強調。トランプ大統領も「これほど密接な関係が両国指導者の間であったことはなかった」とアピールするほどだった。
しかし、それとは裏腹に、今回のトランプ訪日では日本にとっての今後の懸念材料も見つかった。それは対中問題だ。安倍、トランプ両氏が6日午後の共同記者会見で、北朝鮮問題について「中国の役割が重要」などと異口同音に中国に言及するや、それからほぼ1時間後に北京で開かれた記者会見で、中国外務省報道官が「我々は誰からも何をすべきだと言われる必要はない」と不快感を表明したのだ。
特に、中国側は安倍首相を意識してか、「アメリカからならともかく、あなた(日本)からは言われたくないよ」というような冷たい印象を感じさせるような物言いだった。中国の安倍首相に対する不信感が言葉の端々に滲み出たといってもよい。
特に、日米両首脳は日米同盟強化で一致しており、米国の地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を中心とした米国製の防衛装備購入などによる日本の軍事力強化に中国が強く反発、ようやく改善基調に戻りつつある日中関係が再び冷却化することも考えられる。
■イージス・アショア
トランプ大統領は共同記者会見で、北朝鮮問題に関連して「我々は黙って見ていない。『戦略的忍耐』の時期は終わった」と述べるとともに、日本の防衛強化について「(安倍)首相はさまざまな防衛装備を米国から購入することになる」といっそうの防衛装備品の購入を求めた。安倍首相も「日本の防衛力を拡充しなければならない」と応じる姿勢を示した。
さらに、記者から関連の質問が飛んだのだが、この質疑応答部分は次の通り。
――大統領は日本が国防で強い役割を果たすよう望んでいます。北朝鮮のミサイルを撃ち落とさなかったことが残念との発言もありました。
大統領 首相がたくさん追加的な米国産の装備を購入したら、簡単に迎撃すると思う。
首相 日本の防衛力を質的に量的に拡充していかないとならない。ミサイル防衛システムが日米で協力して対処するシステムといってもいい。迎撃の必要があるものは迎撃していく。日米は緊密に連携している。
このなかで、安倍首相は「ミサイル防衛システムが日米で協力して対処するシステムといってもいい」と言及しているのが、念頭にあるのはイージス・アショアであるのは、まず間違いないだろう。
イージス・アショアは、イージス艦に搭載しているミサイル防衛システムを地上に配備した装備だ。システム自体はレーダーやミサイル発射装置などで構成されている。もちろん開発国は米国であり、イージス・アショアは北大西洋条約機構(NATO)のミサイル防衛の一環としてルーマニアに配備されている。つまり、主にロシアからのミサイル攻撃に対処する必要性からだ。
日本がイージス・アショアの本体部分とともに、その関連部分を含めた新装備を取得するのは、北朝鮮の弾道ミサイルに対処するためであることはいうまでもない。日本は今年8月、ワシントンで開かれた外務・防衛担当閣僚による会合で、北朝鮮の弾道ミサイル防衛の新装備としてイージス・アショア導入を表明しており、これを受けて、防衛省は来年度予算案の概算要求に盛り込む方針を固めている。正確な購入金額は今のところ不明だが、1基600億円で、日本全土を防衛範囲に含めるには2基必要で計1200億円となる。
米国はすでに北朝鮮の弾道ミサイルに対処するため、韓国に米軍の最新鋭迎撃システム「THAAD(高高度防衛ミサイル)」を配備しているが、THAADは1基1000億円で、日本防衛には3基必要なので、イージス・アショアのほうがTHAADよりも割安で効率的。しかも、防衛省の見解として「イージス・アショアのミサイル探知範囲はTHAADより広範で、対応できる高度も高い」ため性能が高いということになり、日本としてはイージス・アショア導入は理にかなっているようだ。
■中国の猛抗議は必至
ここで気になるのは中国の反応だ。少なくとも中国政府は日本のイージス・アショア導入決定については、ほとんど反応らしい反応はしていない。だが、筆者がこの夏に遼寧省瀋陽市を訪れた際、地元の旅行代理店の日本担当者は「日本がアメリカのミサイル防衛システムを導入することに政府は反対しており、『日本への団体旅行を制限せよ』との通達が北京から会社のほうにきているというのですよ。なんですか、そのミサイル防衛システムとはなんですか? わかりますか?」と質問されたことがある。
その際、筆者はイージス・アショアについての具体的な知識はなかったが、「ああ、韓国に配備されたTHAADと同じようなミサイル防衛システムなのだろうな」と感じていた。実際に日本に帰って調べてみると、日米の外務・防衛担当閣僚による会合で、日本側がイージス・アショアの導入に言及していることがわかった。さらに、それがTHAADよりも高性能だということで、「これは中国が怒るだろうな」と直感した。
なぜならば、それはTHAADが韓国に配備されたことからもわかる。THAAD配備によって、在韓米軍は北朝鮮のミサイル攻撃はおろか、中国のミサイル攻撃も瞬時にわかり、中国のミサイル攻撃能力もほぼ無力化されるためだ。このため、THAAD配備後の中国の抗議は「凄まじい」の一語に尽きる。韓国への中国人団体旅行はほぼなくなっており、中国内での韓国製品の不買運動も実施され、中国内では韓国人とみれば殴られかねないほどと伝えられている。THAADが配備された今年3月以降、中国における韓国企業の経済被害は年末までに8兆5000億ウォン(約8346億円)にも上ることが予想されるほどだ。
それが、日本でTHAADよりも性能が高いイージス・アショアが配備されればどうなるか、十分想像はつく。日本でも一時、中国人団体観光客が来なくなるとの情報も飛び交ったが、今のところ、それほどでもないようだ。
しかし、イージス・アショアが実際に配備されれば、対日不信が根強い習近平政権のことだから、2012年の沖縄県尖閣諸島国有化以上の反対運動が起きるに違いない。「大使召還」「国交断絶」にまでも突っ走ってしまうかもしれない。
なぜならば、今回の中国共産党の第19回党大会で習近平指導部の権力基盤が固まったとはいえ、新指導部は「お友達」だらけであり、隙あらば習氏の足を引っ張ろうとする政敵は長老指導者を中心に多く存在するだけに、習氏としては敏感な問題である対日関係で妥協すれば、自分の立場が危なくなるのは必定だからである。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)
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