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安倍首相はうまくやってのけたが、涙に終わるだろう
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2017年10月29日 マスコミに載らない海外記事
安倍晋三の選挙勝利は再軍国化という日本が行き詰まる道を加速するだけ
Tim Beal
Zoom in Korea
2017年10月24日
ヒステリーを利用し、目を逸らした突然解散選挙
散々喧伝された‘北朝鮮の脅威’を巡る懸念とヒステリーを利用した突然解散選挙をするという首相の賭けは、広く想定されていた通り成功した。政治的成果は大変なものだ。わずか数ヶ月前、事態は安倍と自由民主党にとって、好ましいものではなかった。ニューヨーク・タイムズは、‘安倍のなぞ’と表現している。
安倍首相の支持率は、一連のスキャンダルに悩まされて、夏の間に30パーセント以下に下がり、選挙運動中に行われた世論調査では、安倍首相の対北朝鮮タカ派戦略を支持する人より、反対する有権者の方が多かった。 “ここに安倍のなぞがあります”キングストン教授[東京にあるテンプル大学アジア研究科ディレクター]は語った。“基本的に、有権者に不人気で、政策がとりわけ人気があるわけでもなく、指導者として、高得点というわけでもない人物が、それでも、一体どうして、選挙に勝ち続けるのでしょう?” |
彼は多少運も良かったかった - 台風のおかげで、一部の有権者は投票せず、野党は分裂していたが- 日本の上空を飛行した最近の火星-12号ミサイル実験後の北朝鮮を巡るヒステリーこそ、彼の切り札だった。有権者は安倍の北朝鮮政策や、再軍国化計画を支持しはしなかったかも知れないが、十分な人数の国民を脅かせたように見える。
日本政府とマスコミは、8月28日と9月15日の火星-12号実験を巡って大騒ぎした。実験は、日本に対する意図的な威嚇として描かれ、当局は、携帯電話や拡声器で緊急警報を送信して、ヒステリーを強化した。
2017年8月28日の火星-12号の推定飛行経路
写真出典: 憂慮する科学者同盟
実験の現実は、実際はアメリカに対する抑止力開発が狙いで、日本上空の飛行は主として地理学の問題だ。もし北朝鮮が、長距離ミサイルを標準的な(通常よりも高い角度の)軌道で実験するつもりなら、無人の北太平洋に落下するはずで、そうなれば、日本の上空を飛行せざるを得ない。憂慮する科学者同盟のディヴィッド・ライトはこう説明している。
1998年と2009年、衛星を軌道に乗せようとした失敗した試みで北朝鮮は日本上空を飛んだロケットを打ち上げたとは言え、昨日の打ち上げで、北朝鮮は初めて弾道ミサイルを日本領上飛行させた。日本上空の飛行を避けるため、日本海に着水するよう、通常よりも高い角度の軌道で、実験ミサイルを打ち上げる労も惜しまなかったのだ。更に、ロケットが地球の回転から速度を得られるので、日本の上を越える、東に向けて打ち上げる方が好ましいにもかかわらず、より最近の衛星打ち上げは、南方へ向けた。 火星-12号ミサイルを、グアム近くに発射すると威嚇した後、北朝鮮が、このミサイルをグアムの方向ではなく、短距離であるにもかかわらず、攻撃と解釈されかねない東の方向に発射したことは興味深い。ミサイルは日本の人口稠密地域上を通過しない方向に飛行したようにも見える。 |
図で分かる通り、ミサイルは、本州と北海道間の津軽海峡上を経由したように見え、二機目のミサイルも同様と思われる。日本領空上を通過する際、いずれも日本の空域のはるか上、多くの衛星より高空だ。基本的に、長距離ミサイルは遠距離の標的用に設計されており、火星-12号のような中距離弾道ミサイルも、火星-14号のような大陸間弾道ミサイルも、日本にとってとりたてて危険なわけではない。
しかし感じ方の方が現実よりも重要で、安倍は圧勝し、憲法改訂と再軍国化を推進する方向にある。
ロイター: 選挙勝利後、安倍は日本の平和憲法改訂に邁進
ワシントン・ポスト: 日本の選挙で圧倒的多数を確保した安倍は、憲法改訂を推進する可能性
インデペンデント: 日本の選挙結果: 安倍晋三、連合与党政権の大勝利をおさめ、平和憲法の改訂を誓う
そして、これは悪いニュースだ - 日本にとっても、この地域にとっても。
安倍の家系 - 岸信介‘アメリカお気に入りの戦犯’
安倍一族は、政治的才覚の血統だ。最高幹部としての政治は、彼にとっての天性だ。‘安倍は日本で最も著名な政治家系の一家出身だ。彼の父親も祖父も高位の職を勤めた。’実際、祖父二人もそうだが、留意すべきは母方の祖父、岸信介だ。岸は、アメリカや、様々なヨーロッパ諸国、そして最後にソ連との太平洋戦争に至った、1930年代と1940年代、日本の対中国戦争立案者の一人だった。彼はとりわけ、そこで昭和の妖怪として知られていた、傀儡国家、満州国(満州、現在は中国の北東諸州)を支配していたことで悪名が高かった。満州国における彼の手下の一人は誰あろう、傀儡軍にいて、日本支配に抵抗する中国人と朝鮮人を探し出す仕事をしていた朴正煕だ。二人が相まみえる機会はなかったが、後者の一人が金日成だった。
戦後、彼はアメリカによって、A級戦犯として召還され、三年間投獄された。しかし時代は変わる。友人は敵となり、敵は友となる。アメリカは‘中国を失う’過程にあり、岸の中国での殺戮は、勇敢な同盟者たちの凶悪な虐殺から、赤い中国に対して、アメリカを守るむしろ先見の明ある行動へと転換した。岸は、マイケル・シャラーの言葉で言う、アメリカお気に入りの戦犯となった。トランプ大統領のゴルフ愛好を考えると、政治家としてのキャリアで、岸がこのスポーツをいかに利用したのかを挙げるのは意味深い。彼は戦前のアメリカ駐日大使ジョセフ・C・グルーとの友情を築きあげていた。グルーが真珠湾後に拘留されていた際、岸は彼が外出し、ゴルフをする機会をもうけたのだ。この好意は、1957年に岸がアメリカを訪問した際に、CIAからの資金供与手配と、普通は、白人専用のゴルフ・クラブでのアイゼンハワー大統領とのゴルフ設定という形で報いられた。その頃までに、メンバーに元大使のグルーも含むロビーのおかげで、岸は首相の地位についていた。このロビーは、産業が空洞化し、武装解除された日本を作るというアメリカの戦争目的を、ソ連と中国に対抗すべく、再軍備と産業復興の方向へと反転させるのに貢献した。これが安倍の血統で、それこそが、彼とその再軍国化が、覇権を維持し、拡大するというアメリカ戦略と合致する理由なのだ。
しかしながら、歴史は、その後に歓迎せざる遺産も残しかねず、そうしたものの一つが、安倍の観点からは、日本の‘平和憲法’とりわけ第九条なのだ。
1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
起源の詳細については議論があるものの、連合軍最高司令官、SCAP、マッカーサー将軍のアメリカ人スタッフが基本的に草稿を書いたと広く見なされている。軍国主義は、1945年、日本に壊滅的な敗北をもたらし - 日本中の都市における原子爆弾や焼夷弾爆撃の死傷者のみならず、(朝鮮などの)解放された植民地から帰国させられた何百万人もの兵士や民間人を考慮に入れると-平和と戦争放棄というの理想は現在と同様、当時の日本でも、広範な国民の支持を得た。もちろん全員が同じ見解だったわけではない。岸や安倍や、日本の軍事能力をソ連と中国に対して活用したがっているアメリカの戦略担当者たちはそうではなかった。彼らにとって幸いなことに、九条は、実際には、訓練を受けていない人々が思うような意味ではないと主張する法律家を、神が作りたもうたのだ。最初に‘これを保持しない’‘陸海空軍は’は名称が変えられた。大日本帝国軍と、その構成要素は、日本自衛隊になった。‘再解釈’と呼ばれるこの過程は、別のもの-憲法修正の代用だ。言い換えれば、単語を変えるか、単語の意味を変えるかのいずれかなのだが、意味を変える方が出くわす抵抗が少ないので、これが主な流れとなっている。かくして、安倍はここ数年、憲法は日本が核兵器保有することを禁じるものではないと主張している。更に、彼は、軍事支出増加や海外での軍事作戦は憲法九条によって禁じられている‘交戦権’と全く無関係で、 むしろ‘積極的平和主義’の好例だとも主張している。しかも、これは誤植ではない。
安倍の‘積極的平和主義’に関してのニューヨーク・タイムズ記事
画像の出典: ニューヨーク・タイムズ | Heng
日本再軍国化の促進剤としての‘北朝鮮の脅威’
大いに喧伝された‘北朝鮮の脅威’と、僅かに違った形での‘中国の脅威’は、明らかで、一見したところ、日本再軍国化のための天与の正当化のようだ。軍国化の擁護者連中でさえ‘武力の最小限の行使さえ懸念し続けている日本国民が、[再軍国化に対する]もう一つの抑制要因だと’認めている。これらの脅威は、実際は、天与のものどころではなく、様々な形で、大半、目的に役立つよう作り上げられたものなのだ。
いずれも人種差別を基礎に作り上げている。植民地主義/帝国主義と人種差別は、共存し、お互い強化しあう。彼らが劣っていて、おそらく、人間以下でさえあり、彼らに対する我々の支配は、我々の方が優れているという証明だと我々が思えばこそ、我々は外国国民を支配するのだ。朝鮮半島と中国の大半は大日本帝国の一部だったわけで、ドイツのように徹底的な形で、過去を清算したわけではないため、こうした態度が、現在を堕落させてしまう。この点、日本だけが特別というわけでなく、世界中で、アメリカで、イギリスで、そして、現在あるいは過去の植民地関係がある国ならどこででも、こうしたものの変種を目にできる。人種差別の一つの重要な側面は、それにより、人々が他者に関し、合理的かつ現実的に考える能力を歪め弱めてしまうことだ。本質的に、他者に対する非人間的な振る舞いである不合理な考えに帰することで、慰めにはなるかも知れないが、偽りの状況理解に至るのだ。人種差別主義者は妄想の犠牲者となる。それが、例えば‘ロケット・マン[金正恩]は、本人と政権の自爆作戦を進めている’というドナルド・トランプの主張を生み出すことになる。トランプがそうしがちだとされている行為である、合理性を放棄し、空想を受け入れない限り、そのようなたわごとは信じられない。
支配層エリートのレベルでは、北朝鮮と中国に対するこうした敵意は悔しさの思いによって、つのらされる。一世紀前には、日本は両国を支配していたのだ。現在日本は、依然として、ガヴァン・マコーマックの言うように、アメリカの属国だが、中国は、経済的、軍事的に日本より大きく、国連安全保障理事会常任理事国だ。北朝鮮でさえ、ずっと小さく、貧しいとは言え、独立国家だ。外国人の将軍連中やアメリカや中国が‘助言’を与えているわけではない。
明らかに、中国は様々な点で日本の競争相手で、中国には本格的な増強しつつある軍事力がある。中国は、おそらく将来、日本の脅威になる可能性があり得よう。北朝鮮は明らかに違う。人口は日本の1/5で、経済はずっと小規模だ。また日本は平和憲法にもかかわらず、2016年の軍事予算は、国際戦略研究所IISSによれば、470億ドルだった。これは国務省の数値を使えば、北朝鮮の13倍で、2013年の大韓民国国会で引用された推計を使えば、50倍だ。北朝鮮には日本を攻撃する能力はなく、攻撃する理由も無く、これまで威嚇したようにも見えない。日本にとっての危険は、もしアメリカが北朝鮮を攻撃すれば、アジアで、主要アメリカ前進基地を受け入れている国として、日本は朝鮮による報復の標的となることだ。それが一体どういう事態を意味するかは、正確にはわからないが、最近の推計ではソウルと東京に対する核攻撃でのあり得る死者数は、最大380万人だ。
安倍は、再軍国化を推進する上で、そのような危険も値すると考えているように見えるが、そのいずれも不可避ではないことを想起すべきなのだ。日本は、1950年に(これこそ、CIAが岸信介に資金を注いだ理由だ) 、また2002年9月の昔、小泉純一郎首相が平壌を訪問した際に中立主義的な道を進められたはずだ。その結果の日本 - 朝鮮民主主義人民共和国平壌宣言は、あらゆる種類の良いことを約束したが、ごく僅かしか実現していない。ジョージ・W・ブッシュ政権が、東京-平壌和解は、アメリカの東アジア戦略に衝撃を与えるだろうと、大いに懸念し、和平が実現するのを阻止する手段を講じたのように見える。クリントン政権が調印した米朝枠組み合意は廃棄され、日本には圧力がかけられた。極めて感情的ながら、極めて疑わしい拉致問題が、更なる交渉にもかかわらず、平壌と東京との間の関係を依然悩ませ続けている。おそらく、事は日本の政治家たちが解決するには、余りに荷が重すぎるのだ。中国封じ込め戦略の一環として、また日本の隷属関係(‘アメリカ-日本同盟’)強化のための日本と北朝鮮との間の緊張緩和に対するアメリカの敵意と、反北朝鮮感情、あるいは、おそらく単なる反朝鮮感情をかきたてることで、日本人政治家が、大衆の関心を引きつけられる利点などが相まって、日本のリベラル派の関係正常化という実現できそうにない希望は、少なくとも近未来においては阻止されるであろうことを示唆している。
日本の再軍国化という行き詰まりの道
再軍国化は明らかに、日本のアメリカとの属国関係に対する対応だ。平和憲法は、日本の敗北の結果と、アメリカだけに限定されないが、主にアメリカ合州国によりもたらされたのだ。この敗北と、その結果を清める一つの方法は、1945年以前の状態に戻って、戦勝国(ドイツさえ)と同じ交戦権を有する‘普通の国’となろうとする取り組みだろう。これは無理もないが、方向が間違っている。軍国主義は日本と近隣諸国に大変な被害をもたらしたことを認め、放棄されるべきなのだ。公平に言って、偽善と二重基準に満ちた世界では、これは難しい。戦勝国がしないことを、打ち負かされた国がすべき理由などあるだろうか。一例を挙げれば、アメリカ合州国は、一体いつ過去の行いを詫び、交戦権を放棄しただろう? しかし、この厄介な倫理問題に加え、日本は、再軍国化すべきではなく、ソフト・パワーが、ハード・パワーにとって代わる最初の平和主義国家という先駆者としての道を進むべき実利的な理由があるのだ。
第一に、日本再軍国化は、アメリカだけに限定されないが、主として、中国封じ込めと、分割の可能性に注力しているアメリカの東アジア戦略という子宮の内部で懐胎しているのだ。もしアメリカが中国に対して戦争をする場合、北朝鮮攻撃による可能性が最も高く、日本はほぼ確実に巻き込まれる。結果は日本にとっては壊滅的で、全面的な核の応酬が無い限り、アメリカにとって、それほど酷くはなかろうし、もし、中国に対する戦勝があるとすれば、恩恵は日本のものではなく、アメリカのものとなろう。もし戦利品があったにせよ、アメリカが分けてくれる可能性は低い。
第二に、人類に対する、倫理的配慮と、長期的なる結果を別とすれば、軍事力は、ある国々にとっては意味があり、他の国々にとっては意味がない。遥かに強力な敵国に脅かされている北朝鮮や中国などの国々にとっては、抑止力として意味がある。維持すべき世界帝国を持っているアメリカにとっても意味はある。例えば、確かな敵とは直面していない、オランダやニュージーランドにとって、ほとんど意味がなく、危険な帝国主義の郷愁を奨励しているイギリスにさえ、さほど意味はなく、そして日本にとっても意味はない。たとえ正式なアメリカ-日本同盟(隷属関係)などなくとも、北朝鮮や中国による日本攻撃を、実利的な力の均衡という理由からして、アメリカは容認するまい。
‘軍事力に意味があるのか’という問題は、歴史で見られる。時には、それには意味があり、別の時には意味がない。1868年の明治維新から75年後の日本を考えて見よう。当時、帝国は大流行で、自分が帝国にならなければ、どこかの国の一部にされてしまうことは、ほぼ確実だった。イギリスがそうであり、フランスも、オランダも、ロシアもそうだった。ドイツも行動に参加しようとしており、アメリカ合州国もそうで、部分的には、強制や脅し(誤解を招きかねない‘外交’と表現されることが多い)に基づくが、フィリピンでのように、やはり冷酷な武力による新たなスタイルの帝国主義を導入していた。こうした状況で、日本にも、自らの帝国を切り開くことには意味があったのだ。
日本とアメリカ帝国には、二つの重要な交差点があった。二つ目が、1941年の真珠湾だが 、それ以前に、ブルース・カミングスの言葉によれば、‘ フィリピンと朝鮮の交換を認め、日本は、アメリカの植民地における権利を問題とせず、アメリカ合州国も、日本の新たな保護領に異議を申し立てることをしない’1905年の桂タフト協定があったのだ。タフトも桂も、40年後に、アメリカが日本全土と、朝鮮の半分を得ることになるなど知るよしもなかった。
日本の朝鮮併合、満州傀儡国支配と、それ以前の1895年、台湾占領の全て、経済的には意味があった。植民地から原料、閉ざされた市場、労働力、日本の余剰人口の捌け口、更に、帝国の一部が将来の青写真となるような、おそらく日本にとって独特なものが得られたのだ。‘例えば、南満州鉄道調査部の立案者たちは、大きな欠陥のある本国経済と彼らが見なすしものを乗り越えるため、植民地における先端経済を主張した。’そういう時期は過去のものであって、取り戻すことは不可能だ。
現代日本は、勃興する中国と衰退するアメリカという二つのビヒモスに挟まれている。日本が、核兵器や、その運搬方式を含む、あらゆる兵器を持った主要軍事大国になることへの大きな技術的障害は皆無だ。しかし、その軍事力で一体何ができるだろう? 中国は余りに巨大で強力だ。もはや台湾や満州を占領することもできない。アメリカは、日本は中国に対して利用可能な飼い馴らした獣だという自信があるからこそ、日本の再軍国化を奨励しているのだ。しかし、パーマストンが、19世紀の昔に指摘した通り、国には永久の友も、敵もなく、あるのは永遠の国益のみだ。日本とアメリカも不和になりかねず、日本は1941年に試みたように、アメリカをアジアから排除したいと願うことになるかも知れない。しかし、それはばかげた夢でしかない。
短期的には、日本の再軍国化は、北東アジアにおける危機を悪化させる。主張を正当化するため、朝鮮半島と地域の危機をあおるのだ。 北朝鮮に対するアメリカの非妥協的態度を強化し、平和的解決の可能性を減らすだろう。朝鮮における戦争を、介入し、外国での軍事的冒険に対する制約を打破する好機と見なしているのだ。
しかし長期的には、再軍国化は日本とこの地域の両方を行き詰まらせることになる。そこには、繁栄や安全にたいする希望が皆無なのだ。
ニュージーランドを本拠とする退職した学者のTim Bealは、朝鮮問題とアメリカのグローバル政策に関する著書二冊と無数の記事を書いている。彼はAsia-Pacific Journalの寄稿編集者で、NK NewsとZoom in Korea にも寄稿している。彼はAsian Geopoliticsというウェブサイトを運営している。
記事原文のurl:http://www.zoominkorea.org/abe-pulls-it-off-but-it-will-end-in-tears/
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