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同じ穴ムジナ自公・希望競合で野党共闘逆転勝利へ ー(植草一秀氏)
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4th Oct 2017 市村 悦延 · @hellotomhanks
10月10日に公示され、
10月22日に投開票が行われる衆院総選挙の基本図式は
自民党安倍派
対
自民党小池派
対
リベラル勢力
ということになる。
テレビメディアは、懸命に
安倍自民対小池希望
の図式での選挙を強調しようとしているが、安倍自民と小池希望は
同じ穴のムジナ
である。
二つに分けて戦う理由は、合わせて衆院3分の2を獲得することにある。
この同じ穴のムジナ勢力が衆院3分の2を占有すると、必ず憲法改定に進む。
憲法改定の狙いは二つだ。
「日本を戦争をする国にすること」
と
「緊急事態条項を設置して独裁国家を創出すること」
だ。
自民安倍と希望小池の両名がその独裁国会の総統と副総統に就任する。
同じ穴のムジナが、敵を装って戦いを演出する。
しかし、裏側で完全につながっている。
演出、制作を担当しているのはCIA=日米合同委員会である。
希望の党からの出馬に際して「踏み絵」が踏まされた。
「限定的な集団的自衛権の行使を含め安全保障法制を基本的に容認し、
現実的な安全保障政策を支持すること。」
の文言が
「現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、
憲法にのっとり適切に運用する。
その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。」
の文言に置き換えられたが、同じ内容を示している。
新しい文言の具体的内容が元の文言であると理解すればよい。
また、
「憲法改正を支持すること。」
の文言が
「憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。」
に置き換えられたが、内容は変わっていない。
何をどう変えるのかについての記述がなく、
ただ「憲法改正を支持する」と言うのは、あまりにも乱暴な議論である。
他方、原発ゼロについての記述がない。
小池希望の「原発ゼロ」はまったく信用できない。
選挙での投票誘導のための「毛バリ」でしかない。
民進党が分離したことについて、
安倍首相などがトンチンカンな発言を繰り返している。
安倍首相は10月3日に栃木県でこう述べた。
「テレビをつけると、選挙のために党がひっつく、
あるいはどこに行くという話ばかりで大変残念だ」
「私たちは、ただ批判するのではなくて、誠実に愚直に政策を訴えていきたい。
新しいグループからは何も生まれない」
しかし、「ただ批判している」のは安倍晋三氏自身である。
民進党が分離したのは、民進党のなかに、
まったく異なる政策方針を示す二つの勢力が同居していたからだ。
「誠実に愚直に政策を訴える」ためには、党を分離、分割するしかない。
当たり前のことをしただけのことだ。
要するに、何も分かっていないのだ。
何も分からず、「ただ批判している」のが安倍晋三氏で、
主権者国民の支持は凋落する一方である。
安倍自公と小池希望が同じ選挙区から候補者がそれぞれ擁立されれば、
票を食い合うだけだ。
「安倍政治を許さない!」勢力がすっきりとしたかたちで野党共闘を成立させ、
候補者を一人に絞り込めば、「安倍政治を許さない!」主権者は
この候補者に投票を集中させることができる。
民進党の「ゆ党」体質が払拭されるわけだから、
これまで投票に行かなかった主権者が投票所に足を運ぶことになるだろう。
選挙の実態は、自民党安倍派 + 自民党小池派 対 革新勢力
である。
この図式をすべての主権者に正確に伝えてゆくことが何よりも大事である。
記録の意味も込めて、希望の党の「踏み絵」を掲載しておく。
当初の踏み絵は次のものである。
希望の党 小池百合子代表殿
私は、希望の党の公認を受けて衆院選に立候補するに当たり、
以下を順守すること、当選した場合には希望の党の所属する会派に所属して
国会活動を行うこと、希望の党党員として政治活動を行なうことを誓います。
1.希望の党の綱領を支持し、「寛容な改革保守政党」を目指すこと。
2.限定的な集団的自衛権の行使を含め安全保障法制を基本的に容認し、
現実的な安全保障政策を支持すること。
3.憲法改正を支持すること。
4.2014年10月の消費税の10%への引き上げについては凍結を容認すること。
5.外国人に対する地方参政権の付与については反対すること。
6.政党支部において企業団体献金を受け取らないこと。
7.本選挙に当たり、党の指示する金額を党に提供すること。
8.希望の党の公約を順守すること。
これが、最終的に次のように変化した。
冒頭文書は同一であるので省略する。
1.希望の党の綱領を支持し、「寛容な改革保守政党」を目指すこと。
2.現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、
憲法にのっとり適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、
現実的な安全保障政策を支持する。
3.税金の有効活用(ワイズ・スペンディング)を徹底し、
国民が納める税の恩恵が全ての国民に行き渡る仕組みを強化すること。
4.憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。
5.国民に負担を求める前に国会議員が身を切る改革を断行する必要があること、
および、いわゆる景気弾力条項の趣旨を踏まえて、2019年10月の消費税 10%への引き上げを凍結すること。
6.外国人に対する地方参政権の付与に反対すること。
7.政党支部において企業団体献金を受け取らないこと。
8.希望の党の公約を順守すること。
9.希望の党の公認候補となるに当たり、党に資金提供をすること。
10.選挙期間が終了するまで、希望の党が選挙協力の協定を交わしている政党への 批判は一切行わないこと。
両者の相違は、既述した、安保法制=戦争法制についての表現変更、
憲法改正の表現変更以外に、
3.税金の有効活用(ワイズ・スペンディング)を徹底し、
国民が納める税の恩恵が全ての国民に行き渡る仕組みを強化すること。
10、選挙期間が終了するまで、
希望の党が選挙協力の協定を交わしている政党への批判は一切行わないこと。
が書き加えられたことだ。
10の記述は、日本維新の会などへの批判を禁止するという意味だ。
安保法制=戦争法制については、
表現は変化したが、基本的には安保法制=戦争法制を容認するということであり、
10の条項は、戦争法制=安保法制に賛成した維新勢力への批判を禁止する
というものである。
民進党は、これまで戦争法制反対を唱え、その廃止を訴えて来た。
これを基軸に、野党4党の共闘体制を構築してきたのである。
今回、「安倍政治を打倒する」一点で呉越同舟するなら、
一つの戦術として理解し得る部分があったが、「呉越同舟」という意味は、
「安倍政治打倒」の一点において共闘するものであり、
戦争法制反対という基軸の部分は「相違」として残すということである。
前原氏は当然のことながら、この点を踏まえた交渉をしなければならなかった。
これまでの党の基本方針を覆して合流するなら、
民進党内で、民主的な手続きによって承認を取り付ける必要があった。
しかし、前原氏はそのような手続きをまったく踏まずに、
戦争法制反対から戦争法制容認への転向を前提に小池国政新党への合流を
強引に決めたのである。
「安倍政治を倒すためにはあらゆる方法をとる」の言葉の範囲を超える行動である。
万死に値する行動と言うべきである。
民進党から出馬を予定しておきながら、
今回、希望の党の公認を得た候補者には、この点の批判が必ずついて回ることになる。
政治思想、理念、哲学を実現するために政治家を目指すのではなく、
議員になること自体が目的であって、
政治思想、理念、哲学は、そのための飾りものに過ぎないことを、
天下に公言するようなものである。
民進党から希望の党に合流して立候補する候補者は、
「安保法制=戦争法制廃止」を公約に掲げるのか、
これを撤回するのかを主権者に明確に示す責務を負っている。
主権者は、今回の選挙の図式を正確に理解し、そのうえで、
「政権選択」
「政策選択」
しなければならない。
その際、
安倍政権を選択しようが、小池国政新党を選択しようが、まったく違いはない。
自民党安倍派政権を選ぶか、自民党小池派政権を選ぶのかの違いしかない。
同じ穴のムジナ
なのである。
主権者に提供されるもう一つの選択肢は
「反自公政権」
である。
枝野幸男氏がその勢力の代表を務めることには異論が多くある。
枝野氏にその資格があるのかを問う声は多い。
福島原発事故の際、枝野氏は市民の生命を最優先する行動を取らなかった。
その責任は重大である。
また、民主党が主権者との公約を破棄して消費税増税に突き進んだとき、
枝野氏はその背信行為に加担した。
この罪も消えていない。
だから、異論は非常に大きく存在している。
しかし、いま、この局面で、それをあげつらうことは建設的でない。
諸悪の根源の民進党の二重構造がようやく解消されるのである。
もっとも主権者の信頼を集めてきたのは共産党であろう。
また、社民党もブレずに行動してきたと言える。
民進党が分離・分割されたことで、ようやく、すっきりとした
「反自公政治連合」=「真の野党共闘」を構築する条件が整った。
この現況を生かすことこそ、優先されるべきである。
9月29日の集会で梓澤和幸弁護士が紹介された、
マーティン・ルーサー・キング牧師の言葉
「絶望の山に分け入り、希望の石を切り出す」
大きなチャンスがいま巡ってきているのである。
https://goo.gl/Qm13iT
(動画映像の1時間12分00秒から1時間12分13分35秒の部分)
安倍自民と小池希望が票を食い合い、
野党共闘が抜け出す構図を必ず作り出すことができる。
勝利の石を切り出そう!
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