http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/339.html
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今回の総選挙の最大の争点は、米国が北朝鮮を攻撃した場合に、日本も集団的自衛権を行使して、戦争に参加することに、「賛成か、反対か」です。
希望の党の小池百合子代表は、総選挙の争点に、非常にわかりやすい基準を設けました。
自衛隊に集団的自衛権を行使した武力攻撃を認めた2015年の安保法制に「賛成か、反対か」という基準です。
希望の党や、自民党や公明党や維新の党と、リベラル派の各党との最も重大な違いは、「日本の集団的自衛権行使」を認めるか否かということです。
トランプ大統領の発言を聞く限り、トランプ大統領は、北朝鮮との対話は「時間の無駄」としていて、既に北朝鮮に対する武力攻撃を心の中で決めているのではないかと不安になります[1]。
米国のマティス国防長官は9月18日(現地時間)に、ソウルを重大な危険に陥らせることなく北朝鮮に取り得る軍事的なオプションが存在すると述べたことに対して、北朝鮮は、「ソウルを危険に陥れない軍事的選択肢など最初からない。朝鮮半島で戦争が起きた場合、南朝鮮(韓国)全域が焼け野原になる可能性がある」と述べて反発しています[2]
さらには、中国も、北朝鮮に対する軍事攻撃をおこなう可能性が出てきました[3]。
安倍政権を支持し、集団的自衛権行使を認めた安保法制や、自衛隊の防衛力増強に賛成しつつも、トランプ大統領の発言を聞いても、戦争がおこるとは少しも予想しない人、朝鮮半島有事での日本の集団的自衛権行使への賛否が、総選挙での争点にはならないと考える人は、むしろ「平和ボケ」と言われても仕方ありません[4]。
武力行使を控えるようにと、トランプ大統領をいくら米国国務長官が説得しても、まして日本政府が説得しても、トランプ大統領が武力行使を決意すれば、トランプ大統領の意思だけで北朝鮮への先制攻撃の命令を下せるのが、現在の米国の体制であり、国際社会の状況です。
米朝戦争は、決して起きてほしくはありませんが、もし起こった場合に備えての国民的な議論が一度もおこなわれずに、戦争が起きた時の日本の首相と与党の独断だけで、集団的自衛権を行使して、日本が戦争に加わるかどうかを決めてほしくありません。
あれだけ異論の多かった2015年に制定された安保法制なのですから、日本が集団的自衛権を行使するか否かを問うせっかくの機会ですので、総選挙の最大の争点として、自民党も、公明党も、希望の党も、維新の党も、間もなく結成されるという民進党のリベラル派の新党も、日本共産党も、社会民主党も、自由党も、はっきりと選挙期間中に、朝鮮半島における日本の集団的自衛権行使についての態度を明確にしてほしいのです。
朝鮮半島有事に日本も集団的自衛権を行使して戦争に加わるかどうかを、民意によって決めることは、憲法9条の改正の是非よりも、喫緊の課題であるといえます。
憲法9条の改正は、「日本を戦争のできる国にするか、しないのか?」に関わる問題ですが、今回の総選挙の最大の争点は、「日本は北朝鮮と戦争するのか、しないのか?」という、差し迫った問題への賛否です。
米国と北朝鮮が戦争を始め、米国から集団的自衛権の行使を要請されたときに、日本は、きっぱりと断れるのでしょうか?
そのとき自民党や公明党や希望の党や維新の党が政権を担っていれば、これまでの各党の発言から判断すれば、日本は米国に逆らえず、躊躇なく、北朝鮮への自衛隊の防衛出動をおこなうでしょう。
米国の国民は、中東や東アジアや東南アジアでの戦争で、米国国旗に包まれた米兵の遺体が本国に送り返されることに、もう辟易としています。
犠牲の多い地上戦に、米兵が繰り出されるのは、もうゴメンだと思っています。
そうなると、犠牲の多い朝鮮半島の地上戦に駆り出されるのは、韓国陸軍と、日本の陸上自衛隊になるでしょう。
北朝鮮と日本との戦争において、日本の自衛隊は、在韓日本人や韓国滞在中の在日朝鮮人の救出や輸送、米艦や米機への補給をおこなうだけでは済まないのです。
集団的自衛権行使のための、自衛隊の北朝鮮に対する防衛出動への賛否を、総選挙の最大の争点として、国民的議論を深めていくことは、憲法9条の改正の問題よりも、差し迫った喫緊の課題であるといえます。
『新共産主義クラブ』は、朝鮮半島有事における日本の集団的自衛権行使に対して、断固として反対していきます。
* * * * * * * *
【参考文献】
[1] トランプ大統領、北朝鮮との対話は「時間の無駄」 国務長官に助言
(ロイター,2017年10月2日)
[ワシントン 1日 ロイター] - トランプ米大統領は1日、ティラーソン国務長官に対し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との対話を図ることで時間を無駄にすべきでないと伝えたとツイッターで明らかにした。
大統領は金委員長を再び「小柄なロケットマン」と表現し、「国務長官に対し、小柄なロケットマンとの対話に努めることで時間を無駄にしていると伝えた」と投稿した。
その後のツイートでは、米国の歴代大統領は皆、北朝鮮指導部に寛大な態度を取ったことで北朝鮮問題への対応に「失敗した」と指摘し、「なぜいま従来の手法が通用するだろうか」と疑問を投げかけた。
中国を訪問しているティラーソン長官は前日、核問題を巡り北朝鮮と直接接触していることを記者団に明らかにした。
これを受け、トランプ大統領は「長官はエネルギーを節約したほうがいい。われわれは必要なことをする」とコメントした。
米政府高官は大統領のツイートについて説明を求められると、「北朝鮮が挑発を続けている状況下では、大統領は同国と交渉すべきと考えていない」と回答。米朝間の外交ルートは、北朝鮮に拘束されている米国人の帰国を目指すためのものでもあると述べた。
https://jp.reuters.com/article/northkorea-missiles-trump-idJPKCN1C61WN
[2]ソウルを危険にさらさぬ軍事的選択肢ない=北朝鮮紙
(ソウル聯合ニュース,2017/10/01)
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は1日、マティス米国防長官が言及した「ソウルを重大な危険にさらさない軍事的選択肢」は存在しないと主張した。
同紙は個人名義の論評で、「米帝(米国)の好戦狂らは、不安と恐怖におびえる傀儡(かいらい、韓国を指す)を安心させようと『ソウルを危険にさらさない軍事的選択肢』があるとしながら策動している」と非難した。
続けて「ソウルを危険に陥れない軍事的選択肢など最初からない。万一、米帝のつまらぬ戦争狂気で朝鮮半島で戦争が起きた場合、南朝鮮(韓国)全域が焼け野原になる可能性がある」と威嚇した。
マティス国防長官は先月18日(現地時間)、国防総省で記者団から「ソウルを重大な危険に陥らせることなく北朝鮮に取り得る軍事的なオプションがあるか」と問われ、「ある。しかし詳細は言わない」と答えた。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2017/10/01/0300000000AJP20171001001500882.HTML
[3]中国が北朝鮮を攻撃する可能性が再び――米中の「北攻撃」すみ分けか
(YAHOO!ニュース,2017/10/2)
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長,筑波大学名誉教授)
◆アメリカとすみ分けて、中国が北を武力攻撃
トランプ大統領が金正恩との舌戦を繰り広げ、国連総会で金正恩を「ロケットマン」と呼び、ツイッターで「ちっぽけなロケットマン」と書くに及んで、米韓による北朝鮮への武力攻撃の可能性は高まってきているように見える。
しかし、その一方では、ティラーソンの記者団に対する発言にもあるように、アメリカはいくつものチャンネルを設けて、北朝鮮と直接会話を試みている。トランプはティラーソン発言を否定しているが、米朝が水面下で接触しているのは明白だ。
かといって、いざとなったら武力攻撃がないわけではない。
それを見据えて、中国は早くから考えていた「中国による北朝鮮に対する武力攻撃」を「米中とのすみ分けの中で」模索している。
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20171002-00076461/
[4] 「衆院選公示日に北朝鮮がミサイル発射」は根拠なし
(WEDGE Infinity,2017年10月2日)
礒ア敦仁 (慶應義塾大学准教授)
澤田克己 (毎日新聞記者、前ソウル支局長)
安倍晋三首相は衆議院解散にあたって、北朝鮮の脅威という「国難」に言及した。ただ北朝鮮の核・ミサイル開発に反対しない政党があるとは思えず、日韓両国に多大な被害をもたらす軍事的解決を避けねばならないという点でも各党の考えは一致するだろう。
それだけに選挙で争点になるとは考えづらいが、一方で総選挙の公示日である10月10日は北朝鮮の支配政党である朝鮮労働党の創建72周年記念日である。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10703
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