2017年9月26日(火) 「なぜ冒頭か」一切説明できず 疑惑隠しの「自己保身解散」 志位委員長が会見 日本共産党の志位和夫委員長は25日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相が同日の会見で28日召集の臨時国会の冒頭で衆院を解散すると表明したことについて、次のようにコメントしました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-26/2017092601_02_1.jpg (写真)記者会見する志位和夫委員長=25日、国会内 解散表明の記者会見を聞きましたが、総理は、解散の理由についてあれこれと並べ立てていましたが、「なぜ冒頭解散なのか」、この点については一切説明をすることができませんでした。 私たちが問題にしているのは冒頭解散です。すなわち6月22日に野党4党として、一連の国政私物化疑惑の徹底究明のために臨時国会の召集を要求しました。それを3カ月間もほったらかしにしたあげく、国会を召集したと思ったら、冒頭で解散をするという。これはまさに「森友・加計疑惑隠し」以外の何ものでもありません。そして憲法に反する行為だということを私たちは問題にしているわけです。まさにそういう一番の問題の核心、「なぜ冒頭解散なのか」ということについてまったく説明できませんでした。 総理は「国難突破解散」といいましたけれども、私は厚かましいにもほどがあると思って聞きました。いま総理の前にあるのは、「自ら招いた自らの窮地」です。なんとかそれから逃れるために冒頭解散という憲法に反する行動をとろうとしている。これが本質にほかなりません。 私たちは国会を召集するというのであれば、代表質問、予算委員会を、しっかり時間をとって行う。そして一連の国政私物化疑惑の究明をしっかりやる。当面の国政上の問題についても議論をやった上で、国民に審判を仰ぐ、これが筋だということを強く求めていきたいと考えています。 国民の要求を“人質”にとった“10%増税宣言” 2点目に、総理は発言の中で、消費税を10%に上げるさいに、その使い道を変える、だから信を問うんだということを言われました。教育や子育てにその一部を充てていくということを言われました。 しかしこれは、要は、教育や子育てという国民多数の切実な願いをいわば“人質”にとる形で、2度も延期を余儀なくされた消費税10%を今度こそ国民に押し付けようという“10%増税宣言”にほかなりません。 私たちはこうした消費税増税そのものに強く反対します。 だいたい、8%への大増税によって何が起こったか。長期にわたる消費不況です。増税から3年以上たつというのに個人消費はずっとマイナスに沈みっぱなしの状況になっています。政府は「半年くらいで影響はなくなる」といったけれど、3年たってなお消費不況が続いている。 こういう状況のもとで、さらに10%の増税というのはとんでもないことです。家計も経済も壊すことになることは明瞭であって、私たちは増税そのものに反対の大論陣をはっていきたい。 そして負担を求めるというのだったら、「アベノミクス」で大もうけをしている富裕層や大企業にもうけ相応の負担を求める税制改革が必要だと訴えていきたいと考えています。 「対話拒否」をつづけてきたことが、北朝鮮の核・ミサイル開発を野放しにした 3点目に、総理は北朝鮮への対応は圧力でやっていくんだと、異常な「対話否定論」を主張し、「圧力、圧力」ということだけを繰り返しました。 もちろん、経済制裁の強化は必要です。しかしそれだけで問題は決して解決しない。それと一体に「対話による平和的解決」の努力をやってこそ、解決の道が開かれます。 総理は、「対話をさんざんやったけれど、北朝鮮に裏切られた、これ以上の対話は意味がない」と言われました。確かに1994年の(「枠組み」)合意、2005年の(6カ国協議の)合意、2度にわたる合意を北朝鮮が裏切って核開発を行ったことは事実です。 しかし、問題はその後です。その後、オバマ政権が「戦略的忍耐」といって北朝鮮が非核化の意思と行動を示さない限り、対話に応じないという「対話拒否論」をずっとやってきた結果、この期間に、野放し状態のもとで、核・ミサイル開発がどんどん進んだのです。対話をやってこなかった結果が、ここまで事態を深刻にしたのです。ですから、経済制裁強化と一体に対話の努力をやることが必要になっているのです。 「対話による平和的解決」ということは、国連安保理決議にも明確にうたわれています。世界の多くの首脳、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、韓国の文在寅大統領なども「対話による平和的解決」を主張しています。 そのときに日本の安倍政権がトランプ米大統領に追随して、異常な「対話否定論」を説く。そして「すべての選択肢がテーブルの上にあるという米国政府の立場を支持する」と言って、米国の軍事力行使を容認する。非常に危険です。 私は、日本政府こそ「対話による平和的解決」のイニシアチブをとるべきだということも強く言いたいと思います。 この問題も選挙になりましたら私たちとしては大いに議論していきたい。どうすれば北朝鮮の核・ミサイル開発を抑え、彼らに核兵器を放棄させることができるのか。これも私たちの対案をしっかり示して議論していきたい。 質疑応答 記者 総理がこのタイミングで税制を改めて問うという説明についていかがですか。 志位 どれもとってつけたような説明ですね。大義はもともとないんです。彼が今度冒頭解散をやる理由はただ一つ。「森友・加計隠し」。これ以外ないんです。 総理は、いろいろなことを今日、言いました。税の使い道をどうする。北朝鮮問題をどうする。いろいろ言いましたけれども、どれもこれも後で取ってつけた理屈なんです。本当の理由は「森友・加計隠し」です。それを「国難突破解散」という。そうではない。「自己保身解散」なのです。これはあまりに異常な、あまりにあつかましい態度だと思います。自ら招いた自らのピンチです。それをなんとか冒頭解散でチャラにしよう。この一点なのです。 総理が提起したさまざまな問題、消費税の問題をどうするか。社会保障や教育の問題をどうするか。北朝鮮の問題をどうするか。冒頭解散をやる必要はないんです。国会で議論したらいい。議論した上で、争点をはっきりさせて、信を問えばいい。なぜそれができないのか。できない理由はただ一点、「森友・加計隠し」です。この一点しかありません。 野党と市民の共闘を成功させ、日本共産党の躍進をかちとり、安倍政権を退場に追い込み、新しい政治をつくる選挙にしていきたいと決意しています。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-26/2017092601_02_1.html 2017年9月25日 安倍首相の解散会見を批判する(談話) 社会民主党幹事長 又市征治 1.本日、安倍首相は会見を開き、9月28日の臨時国会冒頭に衆議院の解散を断行し、10月10日公示、22日投開票で総選挙を行うことを正式に表明した。野党の憲法53条に基づく臨時国会召集要求を3か月も無視し続け、内閣改造で「仕事人内閣」などと標榜しながら、首相の所信表明演説や代表質問、予算委員会の論戦、新閣僚の所信・質疑なども行わず、国会の場で国民に一切の説明もしないまま解散というのは、責任放棄・敵前逃亡・疑惑隠しの解散にほかならない。 2.いくら首相の発言を聞いても、今この時期にいきなり解散しなければならないのかについて、理解できない。北朝鮮の核・ミサイル問題に便乗し、「モリ・カケ」疑惑や南スーダンPKO日報隠ぺい問題の隠蔽をはかり、来年の自民党総裁選で三選を果たし、歴代最長在職日数を実現するための政権基盤の確立と政権浮揚を優先した、「今なら勝てる」という政権延命のための自己都合解散であり、憲法上も許されない、安倍首相による究極の政治権力の私物化・濫用であるとしか思えない。国会を冒涜し、国民・有権者を愚弄する解散を断じて許してはならない。 3.安倍首相は、アベノミクス推進、教育無償化など「人づくり革命」、働き方改革、北朝鮮対応、憲法改正の5つを総選挙の柱として打ち出し、国民の信を問うという。消費税増税分を教育費にも使途を拡大するというが、教育の無償化に反対している政党はなく、国会でしっかり議論すればいい。また、社会保障や教育予算を拡充していくという方向性は当然だが、消費税の使途に教育まで入れると、他の社会保障の負担増・給付カットにつながるし、ウナギ上りに消費税が増えておくことにつながりかねない。社会保障や教育予算の財源は、消費税のみに依存するのではなく、所得税・法人税など税制全体をパッケージとした税制改革で捻出すべきであり、社会保障と消費税増税の「一体改革」をやり直すべきである。安倍政権になって過去最大を更新し続け5兆円超に達している防衛予算について、縮減していくことなども当然である。 4.安倍首相は、基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、「2020年度黒字化」目標の先送りを表明した。「経済再生なくして財政健全化なし」と言ってきたが、財政健全化目標を先送りするということは、アベノミクスでは「経済再生」ができなかったということであり、アベノミクスが失敗だったと自ら認めたに等しい。かつて稲田政調会長(当時)は、2020年度にPBの黒字化をしておかなければ、金利の急上昇によって日本の財政が破綻状態になりうるとの見解を示したことがあり、あまりにも無責任である。 5.自衛隊を明記するなどの憲法改正4項目を公約に盛り込むというが、核・ミサイル情勢が緊迫し、台風18号で被災した自治体がある中での選挙は、緊急事態条項がなくても対応できることを示しているし、総理が言い出して教育無償化ができるのなら、憲法改正しなくても財源を確保すればよいということが明らかになった。狙いは9条の平和主義の空洞化にあることは間違いない。 6.社民党は、安倍首相の解散を待つのではなく、こちらから解散に追い込んでいかなければならないと訴えてきたが、今回の解散は、国民や野党の追及から逃げざるを得なくなった、事実上の「追い込まれ解散」である。最大のテーマは、安倍政権の是非であり、暮らしや平和を破壊するアベ政治の暴走をこれからも続けさせるかである。社民党は、総選挙を安倍政権の4年半余を総括し、安倍政権の打倒につなげていく好機とし、「憲法を活かす政治」、「国民最優先の政治」を、他の立憲野党とともに目指し全力で戦っていく。 以上 http://www5.sdp.or.jp/comment/2017/09/25/%e5%ae%89%e5%80%8d%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%81%ae%e8%a7%a3%e6%95%a3%e4%bc%9a%e8%a6%8b%e3%82%92%e6%89%b9%e5%88%a4%e3%81%99%e3%82%8b%ef%bc%88%e8%ab%87%e8%a9%b1%ef%bc%89/ 2017年9月26日(火) 政治の私物化許さぬ 官邸前で緊急抗議 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-26/2017092601_07_1.jpg (写真)安倍疑惑隠しの冒頭解散許さないと抗議する人たち=25日、首相官邸前 安倍晋三首相が25日夜に、首相官邸前で会見を開いた同時刻、官邸前では「説明責任を果たせ」「国民なめるな」などのプラカードを掲げる多くの市民が集まり緊急抗議を行いました。時間がたつにつれて参加者は増え続け、200人に。「安倍はやめろ」「麻生はやめろ」のコールが響きました。 抗議は、安倍首相による突然の解散や、難民の対応について「射殺」という言葉を使った麻生太郎副総理に怒った市民有志らが、「官邸前に押し掛けよう」とインターネット上で呼びかけました。 2歳の息子を抱いて参加した東京都西東京市の女性(40)は、「私は『加計』『森友』学園疑惑を隠すための解散だと思う。政治の私物化です」と語ります。改憲の動きに危機感を感じると話し、「野党は力を合わせてほしい。私も声をあげていきたい」 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-26/2017092601_07_1.html 2017年9月26日(火) 主張 安倍首相解散表明 暴走の加速を狙った暴走だ 安倍晋三首相が28日召集の臨時国会の冒頭で衆院を解散することを正式に表明しました。国民の批判を浴びている「森友学園」「加計学園」の疑惑隠しを狙った言語道断の党略的暴挙です。首相は解散表明の会見で、「アベノミクス」の推進、消費税増税の使い道の変更、北朝鮮対応などを総選挙で問うとして、これまで続けてきた暴走政治の加速を狙う姿勢をあらわにしました。安倍首相が政権に復帰してから4年9カ月―。民意に逆らい暴走を重ねる安倍政権を許さず、退場を求める国民的審判を突き付けることが必要です。 増税明言し生活破壊推進 この冒頭解散は、「森友」「加計」疑惑究明などのため野党4党が憲法53条にもとづき要求してきた臨時国会開催を事実上葬る憲法違反の異常なやり方です。 首相は会見で、経済政策「アベノミクス」を進める、再来年10月予定の消費税の10%への引き上げによる「財源」の一部を教育・子育てに回すなどと強調しました。 とんでもない居直りです。安倍政権が発足以来売り物にする「アベノミクス」は、大企業には史上空前のもうけを上げさせる一方、働く者の賃金は上がらず格差と貧困を拡大させ、日本経済を深刻化させている破綻ずみの政策です。その推進をうたうことは、国民の暮らしの実態をみようとしないあまりにも無責任な姿勢です。 消費税増税の「使途変更」は極めて悪質な企てです。2014年4月に強行された消費税8%への増税は、国民の暮らしを直撃し消費を冷え込ませ、深刻な不況はいまも続いています。だからこそ安倍政権は2度にわたって10%への増税を延期してきたのです。今度は、教育や子育てという“看板”で国民に大増税をおしつける―。日本経済も暮らしもどん底に突き落とす暴走は認められません。 首相会見で直接言及はなかったものの、自民党は、「9条改憲」を総選挙の公約に掲げることにしています。今年5月に改憲派集会へのメッセージで述べた、9条に自衛隊を明記した改憲を2020年までに行う方針をすすめるというものです。総選挙後の国会に改憲案を出すことを念頭に置いています。9条に自衛隊を書き込む明文改憲は、“自衛隊の追認”にとどまらず、違憲の安保法制=戦争法を「合憲化」し、9条2項の死文化によって無制限の海外での武力行使まで可能にしようとする危険極まりない道です。平和を願う圧倒的多数の国民の声に真っ向から逆らう、こんな策動を絶対に許してはなりません。日本国憲法施行70年の節目、首相の改憲策動を断念させる国民の審判をはっきり示すことが重要になっています。 退場の審判下す機会に 今回の解散は、国政を私物化し、秘密保護法、戦争法、「共謀罪」法を強行してきた強権的手法に対して国民の怒りが沸騰し、世論に追い詰められた結果です。総選挙では、憲法の平和主義・立憲主義・民主主義を壊してきた暴走、沖縄新基地建設や原発再稼働の民意無視、「森友」「加計」疑惑、北朝鮮の核・ミサイル問題の解決などが正面から問われます。 安倍政権を追い込んできた野党と市民の共闘の成功、暴走政治と対決する日本共産党の躍進を実現し、総選挙で安倍政権に退場の審判を下すことが求められます。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-26/2017092601_05_1.html
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