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夏のドキュメント番組だけは凄い “国営放送”NHKの正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/213820
2017年9月17日 日刊ゲンダイ 文字お越し
NHKの上田良一現会長と籾井前会長(C)共同通信社
安倍政権と対峙したくないのがホンネ |
北朝鮮情勢の緊迫化もあってか、大新聞・テレビがこれまで以上に安倍政権ベッタリの報道を続けている中、このところ、ヤケに「NHK番組」の評判がいいらしい。
例えば、8月15日の「終戦の日」に報じた「戦慄の記録 インパール」。大量の餓死、戦死者を出し、「陸軍史上最悪」と呼ばれた旧日本軍のインパール作戦を扱った内容で、無謀な作戦に至った経緯などについて、新映像や関係者の証言を織り交ぜながら丁寧に掘り下げていた。
同13日に放送された「731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験〜」では、入手した音声データや隊員らの証言を報じ、大きな話題となった。
今月10日夜の「沖縄と核」では、米国が1300発もの核兵器を沖縄に配備していた衝撃の実態を、元米兵士の証言をもとに報道。冷戦下で東西陣営の緊張が高まるたびに沖縄が核の“標的”とされていたことや、米軍統治下の1959年6月19日、米軍那覇サイト(那覇空港)で核弾頭を搭載したミサイルが誤射され、那覇沖合に着水した不発ミサイルを米軍が回収した――という驚愕の新事実を明らかにした。間違いなく、今年一番の大スクープと言っていい。
NHKは、福島原発についても、膨大なデータを独自解析し、メルトダウンの経緯や廃炉問題について専門家を交えて多角的に分析する報道を続けている。沖縄、核兵器、福島原発……。なるほど、国民にとって関心が高い問題ばかりだ。まさに「公共放送」の面目躍如で、巷では、安倍政権との“癒着”批判が噴出した籾井勝人前会長時代とは大違い――との声も出ている。
■「OBとして情けない」
だが、果たして本当にそうなのかと言えば、クビをかしげざるを得ない。取り上げているのは決まって、ドキュメンタリー番組の「NHKスペシャル」であって、一般のニュースではほとんど報じられないからだ。
「沖縄と核」で明らかになった核ミサイルの誤射事故なんて、それこそ朝晩のニュース番組で大々的に報道し、多くの国民に伝えるべき内容だ。まかり間違えば、当時の沖縄に死の灰が降り注ぎ、大量の犠牲者が出ていたかもしれないのだ。1000発を超える核兵器はその後、どう処理されたのか。現在は危険はないと断言できるのか――など、北朝鮮の核ミサイルが現実味を帯びてくる中で、取り上げるのが当然だ。
ところが、NHKにそんな姿勢は見られない。おそらく、考えられる理由は安倍政権と対峙したくないからだろう。とりわけ沖縄は、米軍普天間基地の移転やオスプレイ墜落問題でグチャグチャになっている。そんな時に核兵器配備や誤射事故を大きく扱えば、日米両政府の「核兵器の密約」どころの騒ぎじゃない。沖縄県民、国民の対米感情を今以上に刺激するのは容易に想像できる。かといって、重大な新事実であることは間違いないから、じゃあ「Nスペで」とお茶を濁したのではないか。そんな思惑が透けて見えるのだ。
元NHK政治記者で評論家の川崎泰資氏はこう嘆く。
「重大な事件について、新事実が明らかになればニュースで報道するのが当たり前です。しかし、それをしない。おそらく政治部や上層部におもんぱかっているのでしょう。今のNHKに果たしてマトモなジャーナリズムの精神が残っているのか。OBとして情けなくなります」
森友・加計問題はどうした?(C)日刊ゲンダイ
森友疑獄も加計問題も深く掘り下げずウラで政権と手を握る |
よくよく考えると、森友疑獄、加計問題だって、NHKは取り上げてはいるものの、出来事を淡々と伝えるだけで深く掘り下げようとはしない。加計問題では、前川喜平前文科次官が真っ先にインタビューに応じたのはNHKだったにもかかわらず、中身はいまだに放送されていないし、流出した文科省の内部文書も〈官邸の最高レベル〉を黒塗りで伝えていた。週刊誌に、内部文書を「怪文書」扱いして黒塗りを指示したのは4月に報道局長に就いた政治部出身の小池英夫氏だったと報じられたが、さもありなんである。ワインセラーなどの豪華設備や高過ぎる建設費が問題になっている愛媛・今治市の獣医学部の設計図面だって、どの報道機関よりも早く入手したのに、前川インタビューと同じで沈黙したままだ。
森友疑獄では最近になって、籠池泰典前理事長と近畿財務局担当者が「値引き交渉」していた様子の音声データの存在が明らかになったが、NHKでは一切触れていない。つまり、「脱籾井」路線は“演出”に過ぎず、ウラでは政権とコッソリ手を握り、怪しい安倍サマに協力して重大事実を葬り去ろうとしているのではないか――。そう見えてしまうのだ。
■政権もNHKも利用し合っている
「NHKvs日本政治」(東洋経済新報社)の著者で、カリフォルニア大のエリス・クラウス教授は、NHKが予算の承認や経営委員の人事権を国会に委ねているという〈マスコミの一番弱い環〉を歴代自民党が利用し、さまざまな悪質な戦略を仕掛けて「国営放送」化を図ろうとしていたことを解説し、こう書いている。
〈自民党の幹部や議員は(略)(NHKが)国家への義務に背くようなニュースや情報番組、それに政治活動を行ってならないとするのである〉〈このような態度はもはやメディアに対する嫌悪や偏向への批判を越えているように思われるが、自民党内部ではどこでもみられるものである〉〈これらの保守系政治家はNHKについて固定的な考えを持っている。戦前、国家の従事者として認識されていた放送の役割に近い〉
要するに「予算」と「人事」を国会に握られ、がんじがらめのNHKが真正面から政権批判するわけがないのだ。さらに、エリス・クラウス教授はNHKの体質の問題についても、こう指摘している。
〈NHKもまた政治部記者を利用する〉〈NHKのなかには、自民党や野党と話をしたり聞いたりすることを職務とする特殊な人員がいる(略)スペシャリストとなるのは、その職務上国会議員と親しくなるような政治記者の経歴の持ち主だという〉
なるほど、確かにNHKの解説委員は政治部出身の記者が少なくない。安倍に寵愛されたといわれる岩田明子解説委員もそうだ。政権とズブズブの関係を築く政治部記者だけが出世するのであれば、ベッタリ報道になるのも当然だ。岩田解説委員は、最新号の文芸春秋で「驕りの証明」と題した一文を寄稿し、反旗を翻した――なんて言われたが、本心は怪しいものだ。市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」の共同代表で東大名誉教授の醍醐聰氏がこう言う。
「民放よりも、お金と時間があるNHKが腰を据えてやれば、特番で良質の番組を作るのは可能でしょう。ただ、過去の出来事を取り上げるのも大事ですが、森友、加計など現在進行形のニュースの方が重要ではないでしょうか。政権の中枢にいかに切り込むか。そこが報道機関の真価が問われる部分だと思いますが、NHKの政権にすり寄る体質は何も変わっていない。とくに今の政治部記者は官邸のスポークスマンのようになっている。北朝鮮に対して強硬姿勢を取る安倍政権と同調するかのように国民不安をあおる報道は戦前の翼賛報道とまったく同じです」
結局、お上の宣伝機関という中身は変わっちゃいないのである。
夏のドキュメント番組だけは凄い “国営放送”NHKの正体 https://t.co/OYAUJzmpmC #日刊ゲンダイDIGITAL
― kmokmos.. (@kmokmos) 2017年9月17日
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