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トリプル補選で惨敗なら、安倍首相「電撃辞任」の可能性 運命の日は10月22日
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52727
2017.09.05 週刊現代 :現代ビジネス
この局面では、解散を打って求心力を高めるのが政界の常識だった。だが、解散できない事情があるのだとしたら?いま安倍晋三は、何が正解かを考え続けている。タイムリミットは間もなくだ。
■側近・今井尚哉の爆弾発言
「このままいけば、安倍政権は来年の9月で終わりだと思う。次は石破が90%、岸田が10%だろう」
首相秘書官の今井尚哉がこう語ったとき、記者たちは息を飲んだ。オフレコ懇談とはいえ、安倍の忠臣が堂々と「政権の終わり」を見据えた瞬間だ。
今井の発言の前日。安倍にとって「最後の晩餐」ともいえる会合が開かれた。8月15日、山梨県鳴沢村の笹川陽平(日本財団会長)別荘。安倍を囲んだのは森・小泉・麻生という総理経験者たちだ。
出張職人の寿司をつまみながら、酔った小泉純一郎は安倍に語りかけた。
「昨日の友は今日の敵。昨日の敵は今日の友」
森喜朗も続けた。
「('80年の)大平さんの不信任案のときは、角さんが3階の部屋にいるとわかってなあ、これで『解散だ』って読んだんだよ」
「加藤の乱」など政局を揺るがした事件の昔話が続いた。彼らは安倍を励ますつもりだったのかもしれない。だが、作り笑いをしていた安倍の目は笑っていなかった。赤ワインも進まない。安倍の視線は、同席していたもう一人の総理経験者・麻生太郎に向けられていた。
「先輩面していい気なもんだ。俺に嫌味を言っているのか。それより麻生さん、俺はいったいどうしたらいいんだ?」
麻生は視線を逸らせた。
内閣・党改造で、支持率は4割台まで回復したが、改造効果もここまで。安倍周辺が蠢き出した。
「当然、我が党としては3つの補欠選挙をみんな勝利を得るべく全力を尽くしたいと思っております」(幹事長の二階俊博)
「3つ勝つという心意気で臨んでいかなければならない」(総務会長の竹下亘)
10月22日に控える衆議院議員トリプル補選に関して、この2人の発言を額面通りに受け取ってはいけない。自民党の閣僚経験者が解説する。
「トリプル補選で3勝は絶対に不可能というのは既定路線だ。わざわざハードルを上げてみせて、安倍を牽制したんだよ」
今回補選が行われるのは青森4区、愛媛3区、新潟5区。自民党がまず確実に負けると言われているのが愛媛3区だ。
「加計問題の舞台・今治市に隣接しており、加計問題が争点になりやすい『危ない』選挙区です。自民党候補・白石寛樹は父親の故・白石徹議員が麻生派だったことから、麻生が強引に公認に推した。
女性スキャンダルが週刊新潮に報じられたことで、『候補者を差し替えなければ』との声が出はじめているものの、麻生も簡単には引き下がらないでしょう。ここでの1敗は覚悟しています」(自民党関係者)
■「懲りない男だ」
青森、新潟も決して盤石とはいえない。
「仙台市長選(7月23日)での敗北のように、共産党も含めた野党共闘で一気に攻め込まれる危険がある。
新潟は泉田(裕彦)前県知事を擁立できれば勝てると踏んでいるが、まだ候補者の調整がつかないし、青森にしても出馬するのは故・木村太郎議員の弟、次郎氏。弟となると弔い合戦としては難しい」(同)
3勝どころか、情勢次第では3敗もあり得るというのだ。そうなれば凄まじい「安倍おろし」は避けられない。だから安倍は腹を決めている。
「万が一3敗するような事態になれば、そのときは総理をやめるよ。だからこそ、自民党の力すべてを傾注してほしい」
安倍の表情は、悲壮感に満ちていたという。
だが、安倍の思惑をよそに、党内は空中分解が始まっている。
選挙を取り仕切る二階は、表向きは、いつも通りの仕事師ぶりを発揮、全力で「10・22」の決戦に臨んでいる。だが、面従腹背の姿勢は変わらない。
〈尽くすと言ったからには、尽くす。だが安倍さんよ、あんまり舐めてもらったら困るんだよ〉
二階がこう苛立つのは8月に行われた党人事への激しい怒りゆえだ。
「選対委員長に塩谷(立)だって?自分の選挙すら危うい男を就任させるとは、何を考えてるんだ」
出身派閥の細田派への配慮に過ぎなかったが、幹事長への牽制と感じた二階は、すかさず「選対委員長代理」のポストを新設した。二階派の「番頭」林幹雄幹事長代理に兼務させ、塩谷を「お飾り」に仕立て上げ、安倍の機先を制した。
さらに、加計問題のキーマン、萩生田光一の「幹事長代行」就任も、二階をイラつかせた。
「当選4回で大臣経験もない男を、林(幹事長代理)の上司にするだと?」
またお友達人事か、懲りない男だ――。
情勢次第では、二階はいつでも安倍を見限る。自民党幹部がこう語る。
「二階が安倍を見限ったとき?組むのは青木さんに決まってるよ」
青木幹雄。「参院のドン」と呼ばれた元参議院議員会長は、引退後も、旧田中派の流れを汲む額賀派と、参議院自民党に隠然たる影響力を持つ。
「それまで犬猿だった石破茂と青木が急接近している。額賀派・二階派を軸にした旧田中派の『再結成』で、ポスト安倍には石破を担ぐシナリオを、二階さんはかなり具体的に考えている」(同)
■「次の次が見えてきた」菅
安倍が夏休みをとり終えると、永田町では微かなシグナルが点りはじめた。わずか30人の勉強会「日本の明日を創る会」の結成だ。呼びかけ人の平沢勝栄が言う。
「都議選があのような負け方をしたのだから、このままでいいはずがない。月2〜3回程度の割合で講師を招き、党に対する意見を聞く勉強会です」
平沢は「安倍政権を支えるための会」だと強調するが、党三役経験者はこう解説する。
「この会がいずれは政権批判勢力に発展することは火を見るより明らかだ。ポイントは、幹事長である二階さんがこの時期の勉強会開催を了承したことだ。これを沈静化させるかあおり立てるかは、二階さん次第になった」
一方、「妖怪」菅義偉官房長官が元気だ。
「企業経営者たちとの会合を頻繁に行っています。『日本経済は着実によくなっている。さらなる踏み込みが必要だ』と語った。菅さんは経済に専念し、官房長官なりのレガシーを築きたいのです」(官房長官番記者)
菅は周囲に「最後までやれば、次の次(の総理)が見えることもある」と意味深の発言をしている。
もともと安倍は、来年9月の総裁選で3選され、総選挙と憲法改正国民投票を同時に行う計画だった。だが支持率急落により、憲法改正は「スケジュールありきではない」と認めざるをなくなった。
だからこそ、麻生は安倍にこう語ったという。
「憲法改正を諦め、『熟議を重ねる』と言ったほうがいいんじゃないか?」
安倍は悲願の憲法改正と3選のどちらをとるかの判断を迫られたのだ。
「任期満了まで続けようが解散を打とうが、今の情勢では'20年中の憲法改正は発議まではできても、国民投票で否決されることは間違いない。そうなれば総理続投は不可能だ。だが憲法改正さえ諦めれば、今ならば過半数維持は可能で、3選は狙える」(前出の閣僚経験者)
そこで何度も「年内解散説」が出てきた。最短では9月の臨時国会冒頭で解散し、10月22日のトリプル補選にぶつけて総選挙を行うシナリオだ。
「解散せずに臨時国会をやれば、野党から追及される材料は山ほどある。加計問題。茂木敏充や鈴木俊一のスキャンダルに、江崎鉄磨の失言。来年は天皇退位関連の行事も目白押しで解散が難しくなるから、支持率をこれ以上落とさずにやるならば、ここで解散するしかない」(別の代議士)
早期解散を主張している筆頭は麻生太郎だ。
「早いほうがいいんだよ」
呼応するように秘書官の今井はこう語っている。
「驕りが出てきたのは、総裁任期の3期延長が決まったところからだと思う。本当に何かをやろうと思ったら、民意をしっかり問うという迫力がなければダメだ」
そして、解散しない限り来年9月の総裁選で石破が選出されるだろうと続けたうえで、今井は一応こう釘を刺した。
「そうなれば必ず(新総理の)石破さんたちに、マスコミはピラニアのように食いついて(批判し)、『安倍総理はよかった』となると思ってるけどな。安倍総理は、リーダーとしての代えがたい能力が備わっているから」
追い打ちをかけるように、ある細田派重鎮は安倍にこう言ったという。
「二階さんは風向きを読むのが早い。岸田につくか、石破につくか。いずれにせよその時は、安倍さんを見限るときだ」
こうした蠢きのなか、安倍は思っている。
〈俺は苦しい思いをして総理を続けてきたんだ。憲法改正ができなければ、何のためにやってきたかわからないじゃないか〉
渋谷区富ヶ谷の安倍晋三邸。8月に入ってから、夜10時ごろ、たびたび謎のワンボックスカーが訪れている。母・洋子と昭恵夫人が出迎える男女は、安倍の友人ではない。
「持病の潰瘍性大腸炎が悪化しており、医師と看護師が来ているんです。体調不安説を打ち消さねばならないので、主治医のいる慶應病院には行こうにも行くことができない」(政治部記者)
■田原総一朗のプランとは?
公邸の宿泊が減り、休日は六本木のホテル「グランドハイアット東京」のフィットネスクラブに向かうことが増えた。
「このクラブもかつては随行取材ができたが、今は総理が来るときは立ち入り禁止。特別室で治療を受けているようです」
昭恵夫人は7月上旬、親友にこう漏らしている。
「これ以上、体調が悪くなるようなら私が辞めさせる」
だが、安倍は諦めてはいない。支持率を急速に回復できれば、憲法改正と3選を同時に行える。ほとんど可能性はなくても、そこに賭けたい――。
その一つが、ジャーナリスト・田原総一朗が提案したとされるプランだ。
「田原氏は明かしていないが、訪朝して米朝の緊張緩和を取り持つという内容だったようだ。安倍がまず訪米してトランプ大統領から保証をもらったうえで電撃訪朝し、内閣支持率を劇的に向上させる」(官邸関係者)
訪朝役には冒頭の会食にも参加した小泉純一郎を仕立てるという説もあるが、いずれにせよ、このプランは国家安全保障局長の谷内正太郎が「ミサイルの発射自制だけで行くことは世論が許さない」と反対論が根強い。
なすすべもないまま10月22日を迎えてしまうのか。
(文中敬称略)
「週刊現代」2017年9月9日号より
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