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古賀茂明「安倍政権の内閣人事局による官僚支配は諸悪の根源か?」〈dot.〉
http://www.asyura2.com/17/senkyo231/msg/397.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 8 月 28 日 08:25:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者...


古賀茂明「安倍政権の内閣人事局による官僚支配は諸悪の根源か?」〈dot.〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170827-00000021-sasahi-pol
AERA dot. 8/28(月) 7:00配信


 安倍政権が、森友学園、加計学園、防衛省PKO日報問題などで、一切その非を認めず、強硬路線を採り、その過程で官僚に嘘をつかせたり、無理な忖度をさせたりしていることで、安倍政権の「官僚支配」が問題視されている。

 特に、最近、「内閣人事局ができて、政治家が官僚の人事権を握ったので、官僚が正しいことを言えなくなったり、過度に官邸の意向を忖度するようになった」という批判が目に付く。

 私は、2008年から09年にかけて、内閣審議官として、公務員制度改革を担当していたことがある。実は、その時に作った国家公務員法改正案で、初めて内閣人事局の創設を提案した。当時の問題意識は、以下のようなものだった。

――国家公務員法では、元々、官僚の人事権は各省大臣にある。しかし、実際には、大臣が官僚を敵に回すと仕事ができなくなるのではないかなどと恐れて、その人事権を十分に行使できない。官僚人事は、事務次官を頂点とする官僚組織が行い、それを大臣や官邸が追認するのが慣例となっていて、それを破って大臣や官邸が官僚の人事案を否定することは極めて異例。政権側が、官僚との全面対決を覚悟しなければならないほどだ。そのため、官僚への統制がきかず、「官僚主導」がはびこって、特に天下り利権を奪うような改革ができなくなるという問題がある。その問題を解決するために、内閣人事局創設による政治主導の人事を実現しなければならない――

■役人の抵抗がすごかった

 もちろん、官僚側の抵抗は激烈だった。財務省を頂点として、私をはじめとした事務局の改革派メンバー(当時の渡辺喜美行革担当相によって一本釣りで集められた元官僚や民間人が中心)に対して、事務局の一般官僚まで動員して我々を誹謗中傷する怪文書がマスコミに配布されたりもした。

 抵抗したのは官僚だけではない。官僚と結託して利権を維持しているいわゆる族議員たちもあからさまに抵抗した。最後は数少ない自民党の改革派議員でさえ、霞が関の恨みを買うことを恐れて、櫛の歯が欠けるように改正案の条文の骨抜きを黙認せざるを得なくなるほどであった。

 逆に言えば、政治主導の人事が、官僚や族議員にとって如何に邪魔なものなのかが証明されたようなものだ。事務局の改革派メンバーは、自分たちの提案にますます自信を深めて、結束を固めた。さらに、マスコミに改革案とそれに抵抗する官僚の実態をリークすることで全面的なサポートを受け、その世論を背景に、人事局創設を含む公務員法改正案が自民党の総務会まで承認され、正式な改正案となったのである。ただし、その直後に自民党政権が崩壊し、民主党政権に移行したため、その法案が成立することはなかった。

■“安倍憎し”で内閣人事局をなくせと言いたくなるが……

 上記の改正案は、第2次安倍内閣誕生後、様々な骨抜き措置を加えられた後、ようやく日の目を見たのだ。

 ところが、安倍政権は、極めて強引な政治を強行し続けた。その過程で、官僚が無理な行政を遂行させられ、それに伴う情報の隠ぺいなどに積極的に加担する姿が白日の下に晒された。

 実は、安倍政権の下では、おそらく、内閣人事局など必要なかったと私は考えている。元々あった、国家公務員法上の大臣による公務員に対する人事権があれば、いかようにもできる。大臣は安倍総理の言いなりだから、それに指示すれば官邸主導人事など簡単に実施できるのだ。

 もし仮に、内閣人事局が諸悪の根源だという批判が正しいのであれば、内閣人事局をなくして、官僚の人事に官邸が介入することを止めれば正しい行政が行われるということになるはずだ。また、そもそも官僚人事に対する政治介入が悪だということであれば、大臣の人事権に制約をかければよいだろう。それによって正しい行政が実現するはずである。

 しかし、実際には、そうはならない。おそらく、官僚は、以前のように自分たちの利権、とりわけ天下りの仕組みを守るために、国民の利益を犠牲にして、必要な改革を止めようとするだろう。それを正そうとする政権が現れても、それには徹底的に抵抗する。昔の「官僚主導」の復活である。

 もう一つ、内閣人事局をなくせという批判は、実は官僚たちが「安倍憎し」と思っている記者たちを誘導して書かせているという面が少なからずあることに気づかなければならない。これを機に、大げさに問題を指摘して、昔の「官僚主導」を取り戻そうというわけだ。

■政治主導そのものは間違いではない

 そもそも「政治主導」の考え方には暗黙の前提がある。それは、内閣は国民のために仕事をするという前提だ。

 憲法の考え方に基づけば、内閣は国会で選ばれる総理大臣が作るのだから、当然国民のために働くと想定されている。逆に言えば、官僚が行政においてどんなに重要な役割を果たすとしても、内閣と違って、国民あるいはその代表である国会に対して直接責任を負わない以上、官僚が主役になることは許されない。

 簡単な例を挙げればこういうことだ。大臣の指示に対して、官僚が「それはおかしい」と言って従わなかったらどうなるか。国会によって選ばれた総理と総理が選んだ閣僚の意思よりも官僚の意思が優先することになる。それでは、主権者たる国民の声が行政に反映されなくなり、国民の権利の侵害、すなわち、国民主権の否定につながる。

 官僚は内閣の指揮を受けた大臣に従うのは当然で(国家公務員法上も官僚の人事権は大臣にある)、それに従わない官僚は人事上の不利益を受けて当然。逆に内閣の方針に沿って実績を上げた官僚が出世するのも当然ということになる。

■安倍政権は想定外の怪物だったのか?

 ところが、加計学園の問題で露呈したのは、本来国民のために働くはずの内閣、とりわけ総理が、自己の利権のために仕事をしているという疑惑だ。これでは、官邸主導は、総理個人の利益追求を助長する仕組みになってしまう。憲法が想定したのとは全く逆の事態だ。

 また、官邸(内閣)主導と言いながら、実は総理独裁になっているのではないかという問題もある。憲法では、行政権は内閣に属するものとされ(65条)ていて、決して総理個人に属するものではない。したがって、現在安倍政権が批判されている様々な問題については、果たして「内閣」による行政として行われているのか、あるいは、それを逸脱した「総理個人」の意向で行われているのかという問題を明らかにしていくことも必要だ。

■正しい「政治主導」が実現する可能性が見える

 ところで、安倍政権によって引き起こされた数々の問題が、やりたい放題で誰も止められないものになっているのかというと、実はそうではないということが起きている。暴政ともいえる強引で不透明な行政に対する国民の批判によって、都議選で自民党が大敗し、内閣支持率が大きく下がった。政権の存立が危機に瀕する事態だとも言われている。

 このような事態になれば、安倍政権もこれまでのような行政の進め方はできなくなるという見方もできる。
実は、これこそ、憲法が想定している事態だ。こうした国民の監視が十分な歯止めになれば、今の仕組みを変える必要はないということになる。

 つまり、加計学園の問題も、政治主導が問題なのではなく、決定した政策が適切だったか、その決定手続きや情報開示が公正だったか、そして、特に利権誘導になっていなかったかという観点で国民の監視と評価が適切に政治に反映されるかどうかが問題なのである。その点をしっかり評価し直さなければならない。

■情報公開とマスコミの機能強化がカギ

 そのような観点では、ここまでひどい状態になるまで国民による政治のコントロールがきかなかったことに焦点が当てられなければならないだろう。安倍政権になってから、3回もあった国政選挙で、何故国民は安倍政権にノーを突き付けられなかったのか。

 その最大の理由としては、国民がこんな事態になっていることを知ることができなかったこととこれまで起きてきたいくつかのスキャンダルなどをマスコミがしっかり批判してこなかったことが挙げられる。

 今の憲法も国家公務員法も性善説を前提にしている。しかし、性善説とは言っても、実際には、政治家も官僚も聖人君子ではない。私は以前から「性弱説」を唱えている。要するに、人間は、おおむね正しいことをするのだが、人に見られていない、絶対にばれないと思うと、ついつい他人の利益を害してでも自分の利益を追求してしまう傾向がある。暗い夜道で10万円拾った時、誰も見ていなければ、そのまま懐に入れてしまう人が一定程度出るものだ。一方、後ろから歩いてくる人の足音が聞こえたら、交番に届ける人が圧倒的に多いだろう。要するに多くの人々は、特に悪人でもなく特別な善人でもない。普通の人である。そして、普通の人は「弱い」のである。

 政治家も官僚も同じだ。彼らもそういう弱い存在であるということを前提にしたときに、最も重要なのが、正確な情報開示であることは自明のことだ。自分たちの行動を見られていると思えば、多くの場合、悪いことはできない。しかし、この面において、今回、そこに大きな欠陥があることが明らかになった。

 問題がわかれば、それを正すのは難しくない。情報開示についていえば、政策決定過程のあらゆる文書を残して開示することを担保するための公文書管理法と情報公開法の抜本的改正案を次の臨時国会に提出すべきだ。特定秘密保護法の改正も必須である。

 個人メモだろうが、メールだろうが、携帯メールやLINEのやり取りであろうが、役所の仕事に関係するものは全てを保存する。昔と違って、パソコンもサーバーもその容量はけた違いに増えている。予算と人さえつければそれを実行することは十分可能だ。

 また、どんな些細な情報でも廃棄する場合は、事前にその旨をネット上で公示し、国民から保存要請があったら、全て公文書館に移管して保存する。情報公開はネット上で受け付け、ネット配信なら無料とする。それくらいのことはやる気になればできる。

 それとともに、今回の一連の問題で明らかになったのが、内部告発の重要性だ。森友も加計も防衛省日報も内部告発がなければ、闇に葬られていた可能性が高い。独立した第三者による告発受理機関を設立することが必要だろう。

■マスコミ、特に政治部の改革が必須

 今回の件で、マスコミの機能が非常に弱体化していることが明らかになった。内部告発の情報を入手してもNHKがなかなか放送できなかったというのが最たる例だ。

 また、官房長官会見では、東京新聞社会部の望月衣塑子記者の国民目線の鋭い質問が注目を浴びたが、逆に言えば、それまで政治部の記者は何をしていたのかということだ。今も、各社において、政治部が他の部の安倍政権批判の記事に横やりを入れたり、官邸の記者クラブが官房長官会見での望月氏らの質問を妨害する動きを見せるなど、どちらを向いて仕事をしているのかと思われるような状況になっている。

 国連人権委員会の特別報告者や国境なき記者団、その他の海外の機関から問題視されている記者クラブを直ちに廃止することが国民のためだ。

 それとともに、新聞よりもはるかに萎縮がひどいテレビ局についても、例えば、政権との交際についての自主ルールの公表などを求めたい。加計学園のスキャンダルが大問題になっているさなかに、テレビ朝日の早河洋会長が報道局長、政治部長、現場の政治部記者まで連れて、安倍総理と長時間密室で飲み食いしていたという問題が報じられたが、こういうことは法律などで規制することは難しい。

 視聴者が、こうしたテレビ局の番組は見ないとか、あるいは、批判の意見を送るというような形で監視していくことも極めて重要だ。


 

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コメント
 
1. 中川隆[-6594] koaQ7Jey 2017年8月28日 08:33:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
事務次官とは何か、前川前次官で注目エリート集団

この人が騒いでいる本当の理由は、「自分の方が総理大臣より身分が上だ」という事です。
引用:http://blogc.fujitv.co.jp/simg/blogimg/6db29/90119/537660_pcl.jpg


総理より地位が高い事務次官

加計学園をめぐる「忖度」騒動は前川喜平・前文部科学事務次官の告発から騒動が広まった。

なぜ前川氏はこのように安倍首相を憎み、敵愾心を露にして噛み付くのか、事務次官という身分階級を知らないとわかり難い。

各省庁の事務次官は「次官」なので文字を読んだだけでは「2番目の事務員」かなと思うが、実際には省庁の大統領のような地位にある。

         

事務次官は表向きの法律では大臣を補佐する役割だが、実際には大臣を上回る最高権威です。

大臣と事務次官の関係については、2001年に小泉内閣で外務大臣を(9ヶ月だけ)勤めた田中眞紀子議員が良く喋っていた。(喋りすぎた)

その前に田中眞紀子が外務大臣に選ばれた理由を説明すると、2001年4月の自民党総裁選で小泉純一郎を当選させた功労者だった。


超不人気だった森首相が退陣し、次の首相は橋本龍太郎で決まりと言われていて、国民は「またあのバカ総理か」と失望していた。

小泉純一郎は出馬しても負けそうなので立候補するつもりはなかったが、当時人気絶頂だった田中眞紀子が「あんた出なさいよ」とけしかけたと言われている。

人気者の眞紀子に後押しされて小泉旋風が吹き、めでたく総理大臣になり田中眞紀子は論功行賞で外務大臣になった。


欧米メディアは「次の総理は田中眞紀子」「初の女性総理誕生へ」と報道し、小泉自身より人気が高かったほどだった。

その大功労者が些細なことで外務官僚と対立して、クビになったのは田中眞紀子大臣の方だった。

日本政府の方針と異なる発言を、外相として勝手に発言したり、外相会談のドタキャンなど様々な出来事があった。


官僚を激怒させた安倍首相の行為

だが一番の対立点は「外務大臣と事務次官のどちらに人事権があるか」という事で、眞紀子大臣は自分に逆らう事務次官の更迭を小泉首相に要求した。

結果は書いたとおり、クビになったのは大臣のほうだったので、大臣の人事権は事務次官が握っているが、逆はありえない。

法律はどうであれ大臣より事務次官のほうが地位が上なのが日本の制度であり、主要な省の事務次官となると総理大臣より地位が上である。


ロッキード事件で田中角栄元首相が逮捕されたが、事務次官は決して逮捕されず、責任を取らされたりもしない。

思い出して欲しいがあらゆる政治スキャンダルで責任を取るのは大臣と総理だけで、事務次官や官僚はマスコミから責任の追求すらされない。

もし事務次官が責任を取らされるような事が起きれば、明治以来の大事件であり、絶対に有り得ない筈だった。


朝日新聞は平気で天皇や総理大臣の悪口を書くが、それでいて事務次官の悪口を絶対に書かず、官僚は神聖にして汚すべからずを貫いている。

朝日新聞も日本の最高権力者が怖いのであり、許認可権から逮捕権、裁判権まで握っている官僚たちには逆らいません。(最高裁判官も官僚)

その有り得ないはずの事が森友、加計騒動の根源である文部科学省で起きていて、事務次官がクビになっていました。


「キXXX」の言い分

前川喜平前事務次官は退職した文部官僚が民間機関に天下りする仲介役をしていて、2017年1月20日に辞職した。

2017年3月に懲戒免職になる予定だったが、文部省側は猛反発しして自主退職になったうえ、退職金5000万円以上が支払われた。

軽い処分で済んで助かったように見えるが、官僚目線では「どうして上司である事務次官が部下である総理大臣から追放されるのか」という事になる。


ニュースを見ていると異常な事件で犯人が意味不明な事をしゃべる場合があるが、「キXXX」の言い分は彼らにしか分からない。

前川喜平と官僚たちには「総理大臣風情がでかい面しやがって」「今に見ておれ小僧」という恨みだけが残ったようです。

そして文部科学省は自分のスキャンダルである森友、加計を暴露する事で安倍首相を糾弾するという捨て身の戦法に出た。


過去の政治スキャンダルで責任を問われたのは政治家だけで、官僚が罪に問われた事は無いので、こうした戦法は実は良く行われている。

大阪地検や東京地検は森友加計を捜査しているが、検察官僚の身内である文部官僚は決して捜査対象にならない。

うまく行けば前川喜平前事務次官は高給で天下りできるだろうし、それどころか政治家として権力を握る事もできる。


突き詰めると官僚と総理のどちらが上か、どちらが日本の権力者かという対立です。
http://www.thutmosev.com/archives/71597964.html

安部首相より文部省次官の方が偉い理由
日本の官僚に指示を与えて動かしている日米合同委員会とは


日本政治を図らずも30年近く見てきて、いつも不思議に感じてきたことがある。

それは、「地方分権」と言われながら、いまだにすべての情報は中央、東京に集中し、内政における大枠の情報がほとんど東京に集中していることである。しかも国家主権にわたる外交、安全保障、国の経済政策、教育政策、福祉政策、医療政策、その他の分野でも大きな方針、政策は、すべて霞ヶ関から、国会議員に「勉強会」という形で官僚から卸されてくるのである。

そこで国会議員になった人間は、その中の一つか二つの分野に精通し、期数を重ねることによっていわゆる族議員というものになって、その内政の利権のお裾分けに預かる。この仕組みが、今も続く戦後の日本政治である。

さらに不思議なことは、その霞ヶ関に大きな政策を棚卸ししてくるのが、戦勝国であるアメリカなのである。

今回は、その大きな役割の一つを担っている「日米合同委員会」なるものを改めて紹介したい。不勉強の小生はこの組織のことを知ったのが、十年ちょっと前である。2011年の311以降、ネットや一部の本でもやっと言及されるようになったが、多くの日本人はマスコミがほとんど報道しないので全く知らないのではないだろうか。

そのためにいまだに一般の日本人には、認識されていないが、「日米合同委員会」というものが、戦後日本政治をコントロールしてきた最重要会議であることは間違いないのである。憲法で規定された国権の最高機関である国会を現実には超越していると言っても過言ではない。今回の安保法制を巡ってもテレビのニュース等で、あたかも日本が独立国としてこの法制を審議しているかのような報道がなされているが、残念ながら、このような報道は戦後に創られた共同幻想を維持するためものでしかない。


ところで、話題の書である矢部宏治氏は『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』で、矢部宏治氏は、「日米合同委員会」についてこう書いている。


日本はなぜ帰途と原発を止められないか


「官僚というのは法律が存在基盤ですから、下位の法体系(日本の国内法)より、上位の法体系(安保法体系)を優先して動くのは当然です。裁判で負ける側には絶対に立たないというのが官僚ですから、それは責められない。

しかも、この日米合同委員会のメンバーがその後どうなっているかを調べてみると、このインナー・サークルに所属した官僚は、みなそのあと、めざましく出世している。

とくに顕著なのが法務省で、省のトップである事務次官のなかに、日米合同委員会の元メンバー(大臣官房長経験者)が占める割合は、過去17人中12人。そのうち9人は、さらに次官より格上とされる検事総長になっているのです」


日米合同委員会の構成メンバーを見ると、米側がほとんど軍人である。

米側代表は在日米軍司令部副司令官である。

代表代理として在日米大使館公使、在日米軍司令部第五部長、在日米陸軍司令部参謀長、在日米空軍司令部副司令官、在日米海軍司令部参謀長、在日米海兵隊基地司令部参謀長である。在日米軍の軍人が威嚇するかのごとく居並んでいる。


日米合同委員会の日本側代表は外務省北米局長である

代表代理は、法務省大臣官房長、農林水産省経営局長、防衛省地方協力局長、外務省北米局参事官、財務省大臣官房審議官である。選挙で選ばれた政治家は一人も入っていない。


これは極めて象徴的な演出で、米国側は意識的に軍人を出している。現在も日本が米国の軍事占領下にあることの象徴なのだろう。わかりやすく言えば、日本官僚はネイティブの日本支配者であり、在日米軍の意向を受けて官僚の利権を維持拡大しているというわけである。

そして、日米合同委員会から多くの検事総長を出す。そして日本の対米隷属に異を唱え、真の独立を目指す人間を裁判にかけて攻撃する。その対象になったのが、最近では小沢一郎氏であった。

また、日米合同委員会で決まったことが公表されることはない。記録として残されることもない。いわば密約である。それが日本官僚を通じて政権与党である自民党に降ろされている。前回のレポートでも指摘した覇権国である米国経済の実情を考えると、もっと多くの日本人がこのことを知るべき時を迎えている。


日米合同委員会1日米合同委員会2

下記の参考資料を読んでいただければ、総理になった人間ですら、日米合同委員会のことを知らなかったことがわかる。日本の政治は見事なまでに空洞化しているのである。


<参考資料>

(*週プレNews 2014年12月16日より)

「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」で話題の矢部宏治が鳩山友紀夫と“日本の真の支配者”を語った!


矢部宏治

鳩山友紀夫元首相(右)と矢部宏治氏が日本が「真の独立国」として新しい戦後を歩むための方法を議論


<民主党・鳩山政権の崩壊と沖縄の基地問題を出発点に、日本の戦後史を振り返った話題の新刊

『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(集英社インターナショナル)
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%81%E3%80%8C%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%80%8D%E3%82%92%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B-%E7%9F%A2%E9%83%A8-%E5%AE%8F%E6%B2%BB/dp/4797672897


の著者・矢部宏治(やべ・こうじ)氏。
そして、まさにこの本を執筆するきっかけとなった鳩山友紀夫元首相。

このふたりが、辺野古移設反対派の圧勝に終わった11月の沖縄県知事選や総選挙を踏まえ、事実上、今も米軍の占領状態が続いているこの国の姿と、日本が「真の独立国」として新しい戦後を歩んでいくためにはどうすればいいのか、その方法を考えた!>


首相の時はわからなかった「見えない敵」の正体

―まずは鳩山さんに、矢部さんの本を読まれた率直な感想から伺いたいのですが?


鳩山  正直申し上げて“ぶったまげた”というか、矢部さんがここまで勇気を持って取材され、この本を書かれたことに敬服しました。先にこの本を読んでいれば、私も総理を辞めずに済んだかもしれない、と(笑)。

もちろん、私は自分の非力について言い訳する気はありません。総理として一度は沖縄県民に期待感を与えながら(県外移設を)実現できなかったのは私に大きな責任があります。

ただ、この本を読んで、当時、自分がもっと政治の裏側にある仕組みを深く理解していれば、結果が違っていた部分もあるのかなとは思いました。それだけに、自分が総理という立場にありながら、この本に書かれているような現実を知らなかったことを恥じなきゃいかんと感じるわけです。


矢部  鳩山さんは以前、インタビューで「官僚たちは総理である自分ではなく『何か別のもの』に忠誠を誓っているように感じた」と言われていましたが、その正体がなんであるか、当時はわからなかったのでしょうか?


鳩山  物事が自分の思いどおりに進まないのは、自分自身の力不足という程度にしか思っていませんでした。本来ならば協力してくれるはずの官僚の皆さんには、自分の提案を「米軍側との協議の結果」と言って、すべてはね返されてしまって。分厚い壁の存在は感じながらも「やっぱりアメリカはキツイんだなぁ」ぐらいにしか思っていなかった。その裏側、深淵の部分まで自分の考えは届いていなかったのです。

 しかし、矢部さんのこの本はもっと深いところで米軍と官僚組織、さらには司法やメディアまでがすべてつながって一体となった姿を見事に解き明かしてくれて、いろんなことが腑(ふ)に落ちました。この本を読んで、目からうろこが何枚落ちたかわからないくらい落ちましたね。


矢部  在日米軍と日本のエリート官僚で組織された「日米合同委員会」の存在は、当時ご存じなかったということでしょうか?


鳩山  お恥ずかしい話ですが、わかりませんでした。日米で月に2度も、それも米軍と外務省や法務省、財務省などのトップクラスの官僚たちが、政府の中の議論以上に密な議論をしていたとは! しかもその内容は基本的には表に出ない。

 私が総理の時にアメリカから「規制改革をやれ」という話があって、向こうからの要望書に従って郵政の民営化とかがドンドンと押しつけられた。そこで「この規制改革委員会はおかしいぞ」というところまでは当時もわかっていたのですが。


矢部  日米合同委員会は基本的に占領以来続く在日米軍の特権、つまり「米軍は日本の国土全体を自由に使える」という権利を行使するための協議機関なのですが、この組織が60年間続いていくうちに、そこで決まったことには、もう誰も口出しできないという状況になってしまった。

 なかでも一番の問題は、日米合同委員会のメンバーである法務官僚が、法務省のトップである事務次官に占める割合は過去17人中12人、そのうち9人が検事総長にまで上り詰めている。つまり、米軍と日本の高級官僚をメンバーとするこの共同体が、検察権力を事実上握っているということなんです。

 しかも、在日米軍基地の違憲性をめぐって争われた1959年の砂川裁判で、当時の駐日米国大使だったダグラス・マッカーサー2世が裁判に不当な形で介入し、「日米安保条約のような高度な政治性を持つ問題については、最高裁は憲法判断をしない」という判例を残してしまった。ですから日米合同委員会の合意事項が仮に憲法違反であっても、日本国民にはそれを覆(くつがえ)す法的手段がない。


鳩山  それはつまり日米合同委員会の決定事項が、憲法も含めた日本の法律よりも優先されるということですよね。そのことを総理大臣の私は知らなかったのに、検事総長は知っていたし役人も知っていたわけだ。


矢部  ですから、鳩山さんの言う「官僚たちが忠誠を誓っていた何か別のもの」、つまり鳩山政権を潰(つぶ)したのは、この60年続く日米合同委員会という米軍と官僚の共同体であり、そこで決められた安保法体系だというのが現時点での私の結論ですね。


―そうした仕組みの存在を知った今、鳩山さんはどのような思いなのでしょうか。

鳩山  日米合同委員会に乗り込んでいきたいぐらいだね。「何をやってるんだ、おまえら!」みたいな感じで。

 ただ、そういうものが舞台裏で、しかも、憲法以上の力を持った存在として成り立っていたとしても、決してメディアで報道されることもないし、このメンバー以外にはほとんど知られないような仕組みになっているわけですよね。


矢部  このような「見えない力」の存在は、政権内にいないと、野党の立場ではまったく知り得ないものなのでしょうか?


鳩山  私も自民党時代がありましたので、8年は政権党にいたわけですが、当選1回や2回の新人議員の間は、官邸内部で何が動いているか知りようもありませんでした。でも与党の一員としては扱ってもらっていたと思います。

 それが野党となると、与党、特に与党の中枢の方々とは情報量が圧倒的に違う。官僚も野党に話す場合と与党に説明に行く場合では、丁寧さも説明に来る人の役職も全然違う。そのぐらい野党に対しては、官僚は区別し、冷たい対応をしていました。

 つまり、自民党政権と官僚機構が完全に一体化していたということです。野党は圧倒的に情報過疎に置かれているのは事実で、国民はその野党よりも情報が少ない。

 この先、特定秘密保護法によって、ますます国民には何も知らせない国になるわけで、非常に恐ろしいことだと思います。


日本全土が「米軍の基地」という現実

矢部  「横田空域」という、1都8県の上に米軍が管理している広大な空域がありまして、日本の飛行機はここを飛べない。これなんか典型的な「米軍が自由に日本の国土を使える」事例ですね。


鳩山  私も横田空域のせいで、日本の航空会社が非常に不自然な飛行ルートで飛ばされていることは知っていましたが、「沖縄と同じように、米軍の優位性というのが東京や関東周辺にもあるんだな」という程度にしか理解していなかった。

 しかし、具体的に図を見ると、関東上空がこれほど広範囲に米軍に「占領」されているという事実に仰天しますよね。沖縄だけではなくて、実は日本全体がアメリカに今でも支配されているも同然ですから。


矢部  飛行ルートの阻害もありますが、それより問題なのは、米軍やCIAの関係者が日本の国境に関係なく、この空域から自由に出入りできる、入国の「裏口(バックドア)」が存在することです。これはどう考えてもおかしな話で、こんなことは普通の主権国家ではあり得ません。

 この問題なんて国際社会にアピールしたら、みんなすごく驚くと思うんです。これは今、日本で起きているほかの問題、特に原発の問題にも絡んでくる話ですが、日本という国が置かれている状況の歪(ゆが)みやおかしさを伝えるいい事例になると思っています。

 結局、日米安保条約とは、米軍が「日本の基地」を使う権利ではなく、「日本全土」を基地として使う権利を定めたものなのです。

 旧安保条約の第1条で米軍にその権利が認められ、60年の安保条約で文言は変わっていますが、その権利は残されている。これを「全土基地方式」というのですが、これはなんとしても国際社会にアピールして変えていかないといけない


鳩山  矢部さんの本だと、米軍がそんなことをできる根拠は、敗戦国である日本を今でも「敵国」と見なした、国連憲章の「敵国条項」があるから、という話でしたが。


矢部  そこの説明は少し複雑で、旧安保条約第1条には、そうしたメチャクチャな軍事利用のあり方は、日本側が望み、アメリカ側がそれに応えたものだということが書かれている。そうした戦後処理を日本が望んだ以上、日本の主権や国民の人権がいくら侵害されていても、国連は口を出せないというロジックになっているんです。一種の法的トリックと言ってもいい。

 ですから、日本にちゃんとした政権が誕生して、国際社会で堂々と議論し、「全土基地方式はやめてくれ」と言ったら「それは敵国条項があるから無理だ」とは絶対ならないと思います。


米軍の占領状況を米国民に訴えろ!

鳩山  矢部さんのような方の努力もあって、私もようやく目隠しが外れて真実が見えてきたわけですが、問題はそこから先をどうするかです。やはり一部の人たちだけが目隠しを外すんじゃなくて、日本の国民の多くに触れられるPR戦術というか、日本の戦後の背後には何があるのかをきちんと解き明かす手段が必要だと思いますね。

 それと、日米関係に関わっている米軍関係者を除けば、アメリカの議会や国民は日米合同委員会なるものがどういう役割を果たしてきたのか、それが今も日本の主権をさまざまな形で侵害している事実も知らないと思います。しかし、こうした状況はアメリカの国民から見ても「異常なこと」だと映るはずですから、われわれが海外、特にアメリカの議会や国民に対して「日本は今も事実上、米軍に占領されているけれど、本当にこれでいいのか?」と訴えることが重要です。


矢部  情報発信という意味では、今、ドイツなど多くの国が日本の原発汚染に対して「何を考えてるんだ!」って相当に怒っている。基地の問題だけだと「勝手にやっててくれ」となるかもしれないけれど、原発の問題はそうはいかない。全地球的な問題です。

 あれだけ深刻な原発事故を起こした日本がなぜ、今再び原発推進への道を進もうとしているのか? その背景には「日米原子力協定」という、自国のエネルギー政策すらアメリカの同意なしには決められないという、客観的に見ても非常に歪(いびつ)な構造がある。それをうまく国際社会にアピールできたら、こうした日本の歪んだシステムに世界の光が当たる可能性はあります。


鳩山  そうですね、日本のメディアも完全に取り込まれてしまっているのであれば、基地の問題だけではなく、原発も併せて海外に訴えるほうが、圧倒的に意義があると思います。

ただし、そうした「外圧」に頼るだけでなく、結局はこの国の政治を変えない限り、そして多数派にならない限り、こうした流れは大きく変えられません。


*2015.03.16 NEWSポストセブンより

「米軍幹部と日本の官僚が進路決める「日米合同委員会」の存在」


東京都港区南麻布。都内屈指の閑静な高級住宅地も、そこだけは異空間が広がる。

入り口には屈強なガードマンが立ち、脇には「100%、IDチェック」と書かれた案内書きがある。米軍施設の「ニューサンノーホテル」である。


 在日米軍関係者は、

「ここは赤坂の米国大使館以上に、米国にとって重要な施設。表向きは来日した米軍関係者の宿泊施設ですが、米海軍情報部や CIA の拠点が置かれていて、日米のインテリジェンスの集積地です」

と説明する。

 日本のメディアどころか、政治家も立ち入れない。そんな場所で、日本の高級官僚と在日米軍関係者は、定期的に会合を重ねていた。それが日米合同委員会後述するが1960年に締結された日米地位協定(※注1)をどう運用するかを協議する実務者会議だ。


※注1/1952年に旧安保条約と同時に発効した「日米行政協定」が前身。1960年に日米安全保障条約を締結した際に改めて交わされた。 

そこでは、日本の安全保障の根幹に直接かかわる問題から、米軍基地と周辺住民の諍いまで協議される。 前者は在日米軍基地の移転・縮小、米海兵隊の新型輸送機オスプレイの配備といった問題、後者は基地内のゴミ処理、航空機の騒音問題などだ。

かつては、米兵の犯罪並びにその処遇も、開かれた法廷ではなく、密室の話し合いによって、解決がなされたこともあった。 

日米合同委の組織は、米国側は在日米軍司令部副司令官、在日米大使館公使など、日本側は外務省北米局長を代表として法務省大臣官房長、防衛省地方協力局長といった面子だ。

 日本側の代表者及び代表代理は、将来的に事務次官を狙えるポストにある。そんな高級官僚が、在日米軍や米大使館の有力者と密議を交わすことから、日米合同委は「影の政府」との異名もつく。

 ただし、彼らが一堂に会するわけではない。同委員会は、基地問題、刑事、環境など35の分科会や部会に分かれ、担当ごとに参加者が決まる。実際に出席したことのある官僚が明かしてくれた。


「日米の責任者(担当者)が最低一人、書記および通訳などの職員が最低二人は出席する。対話は基本的には日本語で行なわれますが、日本側も英語の話せる通訳を連れているため、微妙なニュアンスで日米の解釈が異なるという事態は生じない」


 関係者らの話をまとめると、毎月2回ほど開かれ、開催場所は米国と日本で持ち回りとなる。米国ならニューサンノーホテル、日本の場合は外務省を中心に、分科会や部会ごとに代表者の所属する官庁内で開催されているという。

 だが、会合の中身は一切明かされない。合意の一部は外務省、防衛省のホームページに公表されているが、それも簡潔に記されているだけだ。

 同委員会を所管する外務省北米局に日米合同委の詳細を問い合わせても、「回答できるのは、既に公表しているものだけ」の一点ばりで、防衛省広報課に問い合わせても、「外務省が所管なので、外務省に聞いてください」という堂々巡りだった。


 元琉球新報論説委員で、在日米軍基地問題に詳しい沖縄国際大学大学院教授・前泊博盛氏は語る。


「日米合同委に合意内容を公表する義務はない。日米双方の合意がない限り公表しない取り決め(※注2)になっているからです。」


※注2/1996年2月に、日米両政府は日米地位協定の9項目についての運用改善で合意。「日米合同委員会の公表」もそこに含まれた。しかし、結果的に「合意内容」の公表こそ一部改善はされたものの、会合内容が公表されることはなかった。


 「基本的に軍事関係の取り決めなので米軍側は、情報を出したくない。また、米軍に有利に推移した合意内容を表に出して、日本人の神経を逆なでしたくないという思いもある。日本側としても、米国との交渉に負けた、との誹りを避けるために、できるだけ隠密に事を収めたい」


 必然的に日米合同委は「密約の温床」になってしまう。(終わり)
http://www.yamamotomasaki.com/archives/1991  


[32初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数、規定違反多数により全部処理

2. スポンのポン[7772] g1iDfIOTgsyDfIOT 2017年8月28日 10:26:33 : 7mDO08KPr6 : 6QO36WGfJe4[434]
  
 
■古賀氏は愚か者だ。

 自民党の正体も知らずに何が政治評論家だ。
 自民党が国民のための政治などするはずのないことを今知ったのか。
 民主党政権をさんざん貶して安倍政権誕生の片棒を担いでおきながら
 その政権を批判するなら、
 その前に自分の頭を丸めて民進党に謝罪するのが順序ではないのか。
  
  


3. 2017年8月28日 20:37:53 : 2FbCg9vijk : ylRMDBXhDG8[440]
官僚の 弱味つけ入り 脅しかけ

4. 2017年8月29日 03:15:46 : IJjjrLkBu1 : Tp0IihGPIW0[2165]
  先ず第一に、首相その者が公選制では無いというところが致命的である。
  これが先ず民主的であるべき租税主義システムとしての欠陥だろう。
  租税主義システムは、全ての国民から徴税した資金を以て国政を行うものであり、それこそ国民納税者の血税無しには道路も出来ないのである。
  そうである以上、血税の使途の優先順位は当然血税の出資者である国民が国会で決めるのが筋であるのは、会員制組織の会員が会費の使途を会員総会で決めるのと同様である。
  租税主義システムと立法システムは両輪であり、主権者国民が血税で国権の最高機関である国会を置き血税で代議士を選出し、そこで立法した通りの歳出事務を官僚他の事務方に委託するのであり、事務方は国会で成立した立法原則に逸脱した実務はしてはならないのは当然である。
  では立法原則に逸脱した歳出事務、行政事務を官僚が行わないように誰が管理監督すべきかと言えば、当然ながら、立法府から血税を以て納税者が派遣した所轄大臣であり、その大臣を指名し統括する義務を負う総理大臣である。
  これが政治主導の意味であり、官邸が政策を作ることが政治主導では無い。
  時の内閣の都合で政策を企図してしまえば、それは政権与党の党利党略を前面に出したものとなり、党利党略に無関係な全ての国民納税者への背任行為である。
  総理と閣僚はあくまでも、国会の規定した立法原則に忠実な歳出事務を官僚らが行っているかを常に精査、検証する役割を持ち、立法原則に忠実な実務処理を基礎に、日本国の方針を国際社会に国民代表として報告するのが首相の主たる義務である。
  納税者の求める血税の使途の優先順位に忠実かどうかは、本来は議員立法で無ければ程遠く、官僚がロビイストから要望されて作る行政立法案では心もとない。国民が求めてもいない、米軍産複合体ロビイストの要望に応じて高額兵器を山のように購入する、軍事費の年々の拡大がそれを如実に示しているのである。
  いずれにしても、基本法は、現行憲法理念の枠内であることが当然であり、何処の国も首脳である限りは、自国現行憲法遵守を国民に誓って職務に就いているのであり、基本法がその最高法規を逸脱していてはならないことも承知であろう。
   この関門が日本には無い。基本法と憲法との整合性も無く、その基本法さえ原則とは無関係に、通達や要綱、行政指導で事務方の意向で社会を規律して行くのが官僚主導である。
   本来は内閣が、憲法理念との整合性も無いままの、行政立法案として官僚から提示された基本法案の閣議決定は避けるべきであり、かつまた基本法原則に逸脱したような通達が跋扈する通達主義には、大臣ポストに就いた閣僚が目を光らせ、問題有れば国会と連携して是正に尽力するのが当たり前である。
   こうした関門こそが政治主導の肝であるところ、歴代内閣が一切機能させていないことにより、日本国は、憲法理念も基本法原則も逸脱したままの政策が独り歩きする、いわば無法主義国となっているのである。
   政治主導とは、国権の最高機関である国会を中心に、現憲法とそれに忠実な基本法のみで政策を作り血税を充当すべく、名実共に内閣が、国民納税者に代わる立法責任者としての義務を自覚する事を意味するのである。
  

5. 2017年8月29日 03:49:02 : MWQl3xs8mu : pH5AQFgM_Sg[1]
古賀って奴は、国家戦略詐欺ペテン特区諮問会議の下請け業者ですね
ペテン詐欺集団の宣伝広告屋です

ウンコにたかるハエの長文は読む価値なし 目が疲れるだけです



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