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民進党解体で一気に開ける日本政治刷新の道ー(植草一秀氏)
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23rd Aug 2017 市村 悦延 · @hellotomhanks
民進党の代表戦に出馬した前原誠司氏と枝野幸男氏の主張を見ると、
目指す政治の方向がまったく異なっていることが分かる。
最も重要な基本政策課題である
原発・憲法・消費税
について、両者の考え方は基本的に対立している。
前原氏が原発容認、憲法改定推進、消費税増税推進
であるのに対し、
枝野氏は原発ゼロ、憲法改定慎重、消費税増税反対
の主張を示している。
これと平仄を合わせるように、次期衆院選に向けての野党勢力の結集についても、
まったく異なる主張を示している。
前原氏が小池国政新党との連携を示唆しているのに対して、
枝野氏は小池国政新党が自民補完勢力であるとの見立てを示している。
要約して表現すれば、
前原氏が小池国政新党と連携してでも、
政権交代勢力を構築しようとしているのに対し、
枝野氏は安倍自公政権との政策の相違を軸に共産党を含む野党共闘体制を維持して
政権交代を目指すとの姿勢を示している。
つまり、同じ政党に属してはいるが、基本政策路線、基本政権樹立の方針が
まったく違うのである。
これをひとつの政党のなかで論じることのおかしさ、
不自然さに気付くことが賢明な対応である。
小選挙区を軸にする選挙制度の下で政権交代を実現するには、
与党勢力に代わる政権を担いうる第二勢力が登場することが必要不可欠である。
その第二勢力のあり方について、
前原氏が示す考え方と枝野氏が示す考え方がまったく違う。
したがって、代表戦を戦うよりも、この相違を軸に、民進党を分党することを
協議することが賢明である。
民進党の議員がこの議論を推進してゆくべきである。
戦後日本の支配者は米国である。
より正確に表現すれば、米国を支配する勢力が日本支配を続けてきた。
このなかで、対日政治工作の主翼を担ってきたのがCIAであると考えられる。
この米国の支配者が、日本に自公と第二自公勢力による二大政党体制を
構築しようとしている。
彼らは、民進党を第二自公勢力創設の方向に誘導しようとしている。
小池国政新党、渡辺喜美みんなの党勢力、江田憲司ゆい勢力、橋下徹維新勢力、
松沢成文氏、細野豪志氏、長島昭久氏、そして、前原誠司氏勢力が合流して、
第二自公勢力を創設する方向に事態が誘導されている。
CIA、CSISと連携していると見られる日本経済新聞は
民進党代表戦報道を通じて、露骨に第二自公勢力の創設を誘導している。
8月21日朝刊1面トップで
「非自民結集3度目の挑戦」
の見出しで民進党「隠れ自公勢力」と小池国政新党との連携による
「第二自公勢力」創設の流れを生み出すことに腐心する姿勢を示す。
8月22日朝刊では、「非自民+α」の表現で同じ流れを誘導しようとしている。
しかし、最大の問題は、日本の主権者の多数が、
安倍政治の基本路線に反対しているという現実が見落とされている。
見落とされているというよりも、その最重要の事実を隠蔽しようとしているのである。
日本の主権者多数が安倍政治の基本政策に反対している現実が存在する以上、
二大勢力の一翼を担う政治勢力は、最終的に必ず安倍政治の対峙勢力にならざるを
得ない。
目先のムードに流されることなく、政策を軸に対峙勢力の結集を図らねばならない。
民進党は前原氏と枝野氏のどちらが勝つにせよ、
代表戦後に分離・分割を実行するべきだ。
代表戦の論戦で、民進党が水と油の混合物である事実が改めて浮き彫りになった。
この最大の「矛盾」を放置しているから、日本政治が沈滞しているのである。
日本支配勢力にとっては、民進党が分離して、
自公と対峙する勢力が結集することが最大の脅威になる。
かつての小沢−鳩山民主党こそ、彼らにとっての最大の脅威であった。
この「過ち」を二度と繰り返さぬよう、彼らはあらゆる工作活動を展開してきた。
自公と第二自公による二大政党体制を構築しようとする彼らの誘導工作を
打ち破らねばならない。
安倍政治に対峙する本当の意味の「たしかな野党」勢力を結集することを
怠らないならば、第二自公勢力の創出は、安倍政治対峙勢力にとって、
文字通りの「天佑」になる。
確固たる信念を持って進んでゆきたい。
民進党の分離と同列に検討するべきことは連合の分離・分割である。
原発・憲法・消費税
の最大政策課題について、連合内部の路線対立が存在する。
旧同盟系の組合が
原発推進・憲法改定容認・消費税増税容認であるのに対して、
旧総評系の組合は、
原発阻止・憲法改定反対・消費税増税阻止である。
だから、政策を基軸に連合は分離するべきなのだ。
御用労働組合連合と真正労働組合連合とに分かれるべきである。
原発阻止・憲法改定反対・消費税増税阻止
の基本政策方針を有する野党勢力が結集すれば、
この勢力が共産党と強固な共闘体制を構築することは困難でない。
そして、共産党も孤高の勢力から脱皮して、
党名変更を容認する程度の弾力性を持つことが望まれる。
「たしかな野党」勢力が名実ともにひとつにまとまれば、
必ず日本政治を刷新する大きな力になるはずである。
他方、東京都議選の余韻が残るなかで、
小池国政新党の人気にあやかって選挙で当選を果たそうと考える人が
雪崩を打つことは想像に難くない。
しかし、小池国政新党の基本路線は自公の路線とほぼ同一である。
唯一の違いを挙げれば、小池国政新党勢力の方が、
より「新自由主義」の色彩が鮮明であることだ。
自民党のなかには、新自由主義者と新自由主義に懐疑的な者が共存している。
小泉政権、安倍政権はそのなかで「新自由主義」の傾向を鮮明にした政権であったが、
この路線をより純化したのが小池国政新党勢力の基本路線になるだろう。
「新自由主義路線」は言い換えると「新しい利権勢力」である。
「国家戦略特区」を舞台にした「利権政治」の実態が浮かび上がりつつあるが、
「新自由主義」のきれいごとを並べて、「新種の利権」を吸い尽くすというのが、
この勢力の顕著な特徴なのである。
いずれにせよ、小池国政新党勢力は自公の補完勢力、
あるいは、自公の代替勢力である。
しかしながら、主権者の多数が安倍政治の基本路線に反対の考えを有している。
この主権者の意思を吸収する政治勢力が必要不可欠である。
衆議院総選挙は小選挙区を軸に実施される。
このときに、政策が同一の自公と第二自公が、それぞれ候補者を擁立し、
他方、安倍政治に対峙する勢力がただ一人の候補者を擁立したらどうなるか。
安倍自公政治に対峙する勢力が大勝利を収める可能性は決して低くない。
だからこそ、小池国政新党の一時的なブーム、ムードを冷静に見つめる必要がある。
重要なことは、日本支配を維持しようとする勢力が、
2009年の「みんなの党」創設以来、「維新」や「都民ファースト」など、
「隠れ与党勢力」を創作してきたこと、
民主党のなかに手を入れて「真正野党勢力」を攻撃し続けてきた現実が
存在することをはっきりと認識することだ。
自公と小池新党の二大政党制に移行することは「日本政治の死」を意味すると
言っても過言でない。
大資本の利益だけを追求する政治勢力が日本政治を支配してしまうことを意味する。
現在の議席勢力構図を見ると、安倍政治に対峙する政治勢力が極めて小さく見えるが、
政治の基盤である主権者の分布を見る限り、その構図とはまったく異なっている。
日本の主権者の過半は、安倍政治に対峙する考えを有していると思われる。
この多数の主権者の声が、選挙の際に、比例的な議席数に結びついていない。
このために、この勢力が過小評価されているのである。
前原氏と枝野氏は不毛な代表戦を戦うのではなく、
基本路線の相違に沿って民進党を合理的に分離・分割する協議を
速やかに行うべきである。
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