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昭恵夫人付栄転だけではない 恣意的人事横行のデタラメ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/211563
2017年8月16日 日刊ゲンダイ 文字お越し
この国はとてつもない方向に突き進んでいる(C)日刊ゲンダイ
東大卒とはいえ、「準キャリア」である経産官僚が欧米大使館へ異動するのは大抜擢の人事と言っていいだろう。2013年から15年末までの3年間、「内閣総理大臣夫人付」として安倍首相の妻・昭恵夫人に付き添い、大阪地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された森友学園前理事長の籠池泰典容疑者と財務省の橋渡し役も務めた“森友疑惑のキーパーソン”谷査恵子氏が6日付で在イタリア日本大使館の1等書記官に異動した。
森友疑惑をめぐっては、最近になって籠池容疑者と近畿財務局の池田靖国有財産統括官(当時)が国有地の売買交渉時に具体的な金額をやりとりしていた新事実が判明。財務省が国有地を不当に安く払い下げていた「背任」の疑いが強まった。となれば、真相解明には事実関係を知り得る立場にあった谷氏の証言が欠かせないのは言うまでもない。世耕弘成経産相はきのう(15日)の会見で、谷氏の人事異動について「適材適所の考え方で実施」なんてトボケていたが、“重要参考人”を海外に「高飛び」させたとみるのがフツーだろう。元外交官の天木直人氏はこう言う。
「森友疑惑は刑事事件になったとはいえ、何一つ疑問は解決しておらず、引き続き昭恵夫人の国会招致を求める声が高まるでしょう。当然、夫人付だった谷氏に対しても説明を求める動きが強まることが予想されます。安倍政権としては、それを避けるために在外公館へ異動させた。いわば森友疑惑隠しのための人事とみていいでしょう」
■官僚のオールゴマスリ体制化の異常
谷氏の人事で改めてハッキリしたが、安倍政権の「適材適所」の人事とは、「政権の意向」にひたすら忠誠を誓う官僚を重用することだ。権力の私物化を正当化し、虚偽答弁さえもいとわない。国民を不幸に陥れる暴政であっても、知らぬ存ぜぬを貫き通せば大出世が約束される――。恣意的人事による恐怖支配である。
そんな露骨な論功行賞の典型が、森友疑惑で「資料は廃棄した」「確認することを控えさせていただく」などとフザケた答弁を繰り返し、国税庁長官のイスを手に入れた佐川宣寿氏だ。加計問題でも、佐川長官に倣えとばかり、閉会中審査で答弁に立った柳瀬唯夫経産審議官は、2015年4月に官邸を訪れた今治市職員や加計学園関係者との面会の有無を問われた際、「記憶にない」「記録に残っていない」を連発。国民から見れば「ふざけんな」だが、本人は余裕シャクシャクのニンマリ顔。このインチキ答弁で「次期事務次官当確」なんて話が流れていたから呆れるばかりだ。南スーダンPKOの日報隠蔽問題でも、野党議員に「日報は即日廃棄した」とウソの説明をしていた統合幕僚監部参事官付国外運用班長の小川修子氏が在中国大使館1等書記官に異動した。
今や霞が関では、狂乱政治の片棒を担ぐ疑惑隠しの“共犯者”だけが出世していくのだ。霞が関のマトモな官僚たちは、よくぞ黙っているものだ。政治評論家の森田実氏がこう言う。
「安倍政権では、政治主導の名のもとに政治家が官僚人事を操るようになり、結果、総理大臣と官房長官の意向で全てが決まる仕組みが出来上がりました。これは異論を許さない『オールゴマスリ体制』となったと言ってよく、極めて異常で深刻な状況です」
行政が歪められているどころか、国家を支える官僚組織の根底さえも大きく揺さぶられているのだ。こんなデタラメ人事が許されるワケがない。
昭恵夫人(右)と谷査恵子氏(C)日刊ゲンダイ
ゴマスリだけを厚遇し、従わない者は徹底排除 |
「お友達」「同じ思想」「イエスマン」。自民党の村上誠一郎元行革担当相は、安倍内閣の改造人事、党役員人事をこう批判していたが、官僚人事も同じだ。例えば農水省。昨夏の人事で事務次官に就いた奥原正明氏は、全国農業協同組合中央会(JA全中)の組織を見直す「農協改革関連法」をまとめるなど、安倍政権と歩調を合わせる農協改革論者だ。歴代次官は外局の長官を経験してから就任していたが、安倍政権の考えに近しい――というだけで、いきなり次官に抜擢されたのだ。東大大学院教授の鈴木宣弘氏がこう言う。
「本当は辞めていておかしくない人だったのに、農協改革に取り組んできたという忠実な働きが気に入られ、次官に登用されたのです。今回の内閣改造では、経産省出身の斎藤健氏が大臣に就きましたが、経産省は農水省にとって犬猿の間柄です。つまり、今回の改造人事は、安倍政権の意をくんだ斎藤、奥原コンビで農協潰しを一気に進めるとともに、農水省も潰してしまおうと総仕上げに入っているのではないか――といわれているのです」
官邸では、経産省出身の宗像直子首相秘書官が特許庁長官に栄転し、後任には安倍の側近中の側近である今井尚哉首相秘書官の秘蔵っ子で、第2次安倍政権発足以来、首相演説のスピーチライターを務めた佐伯耕三内閣副参事官が昇格した。首相秘書官は本省の局長級が就くのが通例なのに、課長経験もない若手の抜擢は前代未聞だろう。
財務省では、菅官房長官の秘書官だった矢野康治主税局審議官が官房長のポストを射止めた。
東大法卒が主流の財務省で、一橋大卒の矢野氏が「将来の次官ポスト」である官房長に就くのは異例中の異例だ。
■法よりも人の支配が優先
財務省内では「矢野さんは菅長官にどれだけゴマをすったのか」なんて冷ややかな声が漏れたらしいが、ゴマスリを出世させる一方で、政権の方針に従わない者は徹底排除が安倍のやり方だ。安倍政権の発足前から日銀政策委員会の審議委員を務めてきた野村総研エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏。黒田東彦総裁が2013年春に打ち出した「2年で2%のインフレ目標を達成する」との異次元緩和について「この目標には理論も理屈もない」と異論を唱えてきた人物だ。木内氏の指摘通り、黒田総裁がブチ上げたインフレ目標は2年どころか、いまだに一度も達成されず、木内氏の主張が正しかったワケだが、にもかかわらず、木内氏は7月に退任となった。
退任後の東京新聞のインタビューで、木内氏は〈日銀が政府に対してものを申せない状況になっている。何とかした方がいい〉〈政府との距離感が適切だったかには疑問がある〉と語っていたが、何から何までオールイエスマンで固める人事は異常と言うより他ない。
振り返れば、安倍政権の恣意的なデタラメ人事は第2次政権発足直後から始まっていた。集団的自衛権について違憲を唱えていた内閣法制局長官のクビを切り、容認派だった駐仏大使の故・小松一郎氏を任命したのだ。そして、小松体制の下、解釈改憲へとかじを切り、最終的に集団的自衛権の行使容認にこぎ着けた。
つまり、安倍政権は、まず人事に手をつけてイエスマンを重要ポストに配置し、それから好き放題するのだ。これは法治国家でも何でもない。戦前の日本や今の北朝鮮と同じで、前近代的な人治国家のやり方だ。「法」よりも「人」の支配が重視されるのだから、政策に対しても知人や友人が優先される。森友疑惑や加計問題が出てくるのも当然だ。
「国民は政権に対して今以上に『おかしい』と声を上げるべきです。このままだと、この国はとんでもない方向に突き進んでしまいます」(鈴木宣弘氏=前出)
国民の総イエスマン化をもくろむ安倍政権の言いなりになっていたら国が滅ぶ。
昭恵夫人付栄転だけではない 恣意的人事横行のデタラメ https://t.co/3akWXw7nNa #日刊ゲンダイDIGITAL
― Genten (@000RM000) 2017年8月16日
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