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マスコミの「反安倍」祭りはいつまで続くのか
朝日新聞が「ワイドショー化」したお家の事情
2017.8.11(金) 池田 信夫
安保法案が参院本会議で可決、成立
参議院本会議場で、安全保障関連法案が可決され、拍手する議員ら。自民党の「強行採決」を朝日新聞は強く批判した(2015年9月19日撮影)。(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA〔AFPBB News〕
北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのに、国会ではいまだに加計学園の議論が続いている。今年になって国会審議の大半を占めた森友学園と加計学園は、何が問題なのか、さっぱりわからない。政権に何の問題もないとはいわないが、違法行為があったわけでもないのに、ここまで中身のない話を何十時間も審議したのは前代未聞である。
共通点はどちらの話にも、安倍首相の名前が出てくることだ。つまりこれはマスコミの左傾化というより「反安倍」のお祭りといったほうがいい。もう1つの共通点は、朝日新聞社会部の「スクープ」から始まったことだ。これには朝日の「お家の事情」もからんでいる。
混乱は慰安婦特集から始まった
朝日新聞は昔から「反安倍」だったわけではない。小泉内閣のころは郵政民営化を支持し、第1次安倍内閣でも基本線は変わらなかったが、慰安婦問題で海外から火の手が上がったとき、朝日は安倍首相を糾弾する側に回り、首相は孤立した。この問題が両者の対立の根っ子にある。
第2次安倍内閣が2012年末に誕生する直前に、朝日新聞社の木村伊量社長(当時)はトップ会談で関係を修復しようとし、社内でも秘密の「検証チーム」が発足した。2014年8月に慰安婦問題報道を検証する特集記事を書いたが、「慰安婦問題の本質は女性の人権だ」と開き直って謝罪もしなかったため、かえって批判を浴び、木村氏は退陣せざるをえなくなった。
同じ時期に、安保法制についての閣議決定が行われた。朝日新聞は集団的自衛権の行使容認に反対の立場を取ったが、これは従来の報道の延長線上で、民主党も絶対反対ではなかった。2014年12月の解散・総選挙では、安保は争点にならなかった。
ところが翌年、朝日新聞も民主党も「安保反対」に舵を切り、自民党の「強行採決」で国会は荒れた。そこにはいくつかのアクシデントが重なっていた。
政治部と社会部のバランスが崩れた
1つはよく知られている通り、2015年6月の憲法審査会で自民党の推薦した長谷部恭男参考人が「安保法制は違憲だ」という意見を表明したことだ。このため3人の参考人がすべて政府案に反対という異例の事態になった。
もう1つは、木村社長の辞任で社内抗争の続いていた朝日新聞で、社会部が実権を握ったことだ。木村氏の後任の渡辺雅隆社長は、初めての大阪社会部長の出身だった。朝日の社長は政治部と経済部が交代で務めていたので、これは異例の人事だった。
政治部と社会部という棲み分けは、日本独特だ。政局は政治部が取材するが、政治家のスキャンダルは社会部が取材する。たとえば総務省の記者クラブには政治部と社会部の記者が配属されるが、政治部は電波利権を担当する「原稿を書かない記者」で、社会部は政治資金などの不祥事を取材する。
夜回りで政治家が政治部記者に「おまえの社は政治資金の話でうるさい」と文句をいうと、記者は「上に伝えておきます」という。そういう情報は政治部に上がり、政治家のスキャンダルを「押さえる」記者が出世する。
だから、どこの社も政治部は保守で、社会部は左翼である。それは仕事の性質上やむをえない面があり、社会部が政権に遠慮するとおもしろい記事は書けない。数の上でも社会部は(地方支局を入れると)記者の過半数だが、政治部は政権との距離が近いので両者のバランスが保たれていた。
ところが朝日の社内で「左バネ」が強まってバランスが崩れ、政治部が「社会部化」した。民進党の情報源は朝日だから、安倍政権の政策ではなく森友や加計のような些細なスキャンダルを国会で取り上げ、「反安倍」キャンペーンを強化する。要するにマスコミが左傾化したというより、新聞が下世話な社会部ネタに特化し、「ワイドショー化」したのだ。
読売や朝日のように発行部数が600万部を超える新聞は、世界に類をみない。100万部以上の新聞のほとんどは、他の国では1面に芸能ネタを載せるような大衆紙である。1面に政治・経済の記事をもってくる朝日新聞は、大衆紙としては異例のレイアウトをしてきた。それが森友・加計問題で普通の大衆紙になっただけともいえる。
活字からネットへの過渡期
これはマスコミが斜陽産業になったという原因も大きい。特に朝日新聞は、慰安婦問題が噴出してから(公称部数で)100万部以上も減っている。こういうときは「数字の取れるネタ」に走りやすい。
安保法制のような政治問題はワイドショーの話題にはなりにくいが、加計学園のような「疑惑」は、いくらでも引っ張れる。役所の中からも、前川喜平前事務次官のような不満分子が出てきて、内閣支持率を下げる政治問題になる。支持率が下がると政局に影響するので、政治部も参加せざるをえない。
週刊文春や週刊新潮など「右派」と思われていた出版社系の週刊誌も「反安倍」に舵を切った。これも営業的に考えると、右派の読者層だった戦中派(1930年代生まれ)が少なくなり、団塊の世代が紙のメディアの読者の中心になったためとみることができる。
1947年に生まれた団塊の世代は今年70歳。会社を完全に引退したが、年金は満額受給できるので生活には困らない。やることがなくなって暇を持て余すので、1日中テレビを見て、新聞を読んでいる。いわば男性も「専業主婦」化したのだ。
団塊の世代の人口はゼロ歳児の2倍を超えるので、社会的な影響力が大きい。子供のころ刷り込まれた「平和憲法」の理想を今も抱き、安倍政権に敵意をもつ。イメージとしては、民進党の国会議員を想像してみるといい。
しかし団塊の世代はあと5年で後期高齢者になり、10年余りで半数がいなくなる。その下の(私以下の)世代はもう紙の新聞は読まないので、私の主宰しているアゴラのようなネットメディアが主流になるだろう。
アゴラの月間ページビューは(他サイトへの配信を含めて)1000万を超える。これはネットメディアとしては群を抜いて多いわけではないが、週刊誌よりはるかに多く、新聞に近い。読者の中心は40代のビジネスマンだが、森友や加計の騒ぎには冷淡だ。
蓮舫氏の二重国籍のような社会ネタには反響が大きいが、「反日」を攻撃するネトウヨは読者にいない。「憲法9条で日本を守る」という一国平和主義は否定するが、靖国神社を崇拝しているわけでもない。昔の朝日新聞のような「高級紙」の読者に近い。
今は過渡期で、これからメディアは二極化するだろう。ネットメディアが量的にも質的にも主流になって多様化する一方、新聞はワイドショーに近づいて大衆紙になり、影響力は衰えるだろう。意味不明の「反安倍」キャンペーンは、紙のメディアが政治を動かす最後の現象かもしれない。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50775
自衛隊はドローン1機の攻撃を防げない
欧米の戦略家たちが注目するロシアの軍事革命
2017.8.11(金) 部谷 直亮
http://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/9/a/600w/img_9ae9060cb8955d244505bb8387ca9c8284230.jpg
ウクライナで弾薬庫爆発、2万人避難 「破壊工作」と軍
ウクライナ東部バラクリヤで、爆発が起きた弾薬庫から立ち上る煙。同国政府提供(2017年3月23日撮影)。(c)AFP/UKRAINIAN PRESIDENTIAL PRESS SERVICE〔AFPBB News〕
以前、本コラムで、イラクとシリアでイスラム国が人類史上初の自爆ドローン戦に踏み切った事実を紹介し、これが日本にも深刻な影響を与えると指摘した。
◎「100億円のF-35が数万円のドローンに負ける日」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48136
この指摘に対してドローンを過小評価する見解も見受けられたが、その後、とうとうドローンによってウクライナ軍の世界最大の弾薬庫が爆破されるという事態が発生し、米国の戦略家たちの注目を浴びている。
以下ではこの事件についての概要や見解を紹介し、我が国への教訓を論じたい。
世界最大の弾薬庫がドローンで破壊
今年3月23日、ロシア軍はたった1機の小型ドローンで世界最大の弾薬庫を爆破してしまった。「ウクライナのKGB」と言われるウクライナ保安庁の発表によれば、ウクライナ東部バラクリヤに存在する約7万トンもの弾薬(10億ドルもの損害)を破壊したのは、たった一発の焼夷型手りゅう弾を積載したロシアの小型無人機だったという。
米陸軍戦争大学特任招聘教授のロバート・バンカーは、「この種の焼夷型手りゅう弾と無人機を組み合わせた弾薬庫への攻撃は、ウクライナ南東部ではすでに二度発生している」と指摘している。
実際、ウクライナではこの2年間、そうした攻撃が上記以外にも以下のように相次いでいる。
・2015年10月29日、スヴァトヴォ弾薬庫が爆破され、3000トンの弾薬が1700軒の民家を巻き込んで吹き飛ぶ。
・2015年12月、小型ドローンがバラクリヤ弾薬庫に少なくとも14個の手榴弾を投下。
・2017年2月17日、ザポロジエの弾薬庫が爆発した。
・同年3月14日、ドネツク近郊のウクライナ軍施設が無人機攻撃を受ける。
これらの攻撃で使用されたのはZMG-1手榴弾だったという。この手榴弾はテルミット式で、爆発するのではなく2200度以上の高熱で炎上し、厚さ1.27cmの鋼板を溶かすことができる。
戦略家たちが重大な懸念
こうした事実は、欧米の戦略家たちの間で重大な危機感を持って受け止められている。
例えば、日本でも「オフショアコントロール戦略」の提唱者として知られ、我が国の防衛省とも交流がある元米海兵隊大佐、国防大学上席研究員のトーマス・ハメス氏は、メディア取材に対して、ドローン攻撃の威力を次のように語っている。
「脆弱な目標であれば、弾頭が小さい無人機でも大ダメージを相手に与えることができる。爆薬は必要ない。なぜなら、すでにそこにあるからだ。この意味で駐機中の航空機も危ない。液化天然ガス施設、石油化学製品工場、燃料貯蔵施設も危ない。また、危険な化学物質の貯蔵タンクは爆発はしないが、破裂すれば壊滅的な影響を与える可能性がある。1984年のボパールの事故では、工場からメチルイソシアナートガスが誤って放出され、3000人以上が死亡した」
現役の米軍人も注目している。マイヤー・ヘンダーソン・ホール基地司令を務めるパトリック・デューガン大佐も、自らの論説の中で以下のように危機感をあらわにしている。
「ロシアの情報機関とゲリラ軍は、ウクライナの基地に対して、ドローンと手榴弾を組み合わせた体系的な攻撃を行っている。なお、バラクリヤが大爆発したのと同じ週、ワシントンの陸軍基地のわずか1キロ以内で、5体の小型ドローンが飛行制限規制を無視して飛んでいた。ドローンを飛ばした飛行者の意図は不明であり、将来の陸軍基地が大丈夫かどうかも不明である」
さらに欧州評議会の無人機専門家、ウルリッケ・フランクは、「こうした弾薬庫は、ちょっと燃やせば大爆発するので、ドローンの小規模攻撃の良い目標だ」とし、先のバンカー氏も「これは弾薬庫だけの問題ではない。航空機燃料タンクや給油したままの民間機も良い目標だ」とメディアにコメントしている。
ゲリラコマンドへの警戒が薄すぎる自衛隊
それでは、これらの指摘を我が国はどう考えればよいのか。
確かにバラクリヤ弾薬庫の保管状況はひどいものであった。いくつかの爆破前の写真を見れば分かる通り、弾薬入りの木箱を大量に野ざらしに置いているような、お粗末極まりないものであった。一方、自衛隊の弾薬庫や備蓄燃料は基本的に盛り土がしてあったり、地下化されているし、弾薬管理は非常に厳密である。
しかし、本件は我が国にとっても看過できない。例えば、航空自衛隊の那覇基地は、那覇空港と共有しており、民間ジェット機が(特に滑走路で離陸時に)破壊され、大炎上すれば幾日かは航空作戦は不可能になる。その間に航空優勢を奪取されるなり、空爆されれば目も当てられない。
また、早期警戒機E-2CやKC-767空中給油機のような、数が少なく、戦力発揮に重要な影響を及ぼす機体も破壊・損傷されれば大変なことになるだろう。一発の焼夷手榴弾および数万円のドローンで、1機100億円のF-35やF-15戦闘機を短期的にでも機能停止に追い込めるならば、非常に効果的である。
そして、航空自衛隊の弾薬庫は高蔵寺等、非常に数が限られており、弾薬庫からのトラックなどへの積み出し時は露出している。こうしたところやトラックでの基地内での移動時に複数のドローンで焼夷手榴弾を投下すればどうなるかは、火を見るより明らかだ。PAC-3等の防空装備も同じような攻撃で無力化されてしまうだろう。
海上自衛隊も同様である。基本的に護衛艦の装甲は薄く、停泊時に狙い撃ちされればひとたまりもない。例えば、イルミネーター、SPYレーダー、艦上の地対艦誘導弾などにドローンで自爆攻撃なり引っかかるような爆発物を落とされればひとたまりもない(VLSのような装甲がある部署は除く)。実際、ソマリア沖に派遣された艦艇は小銃弾で貫通するために装甲板が追加されている。しかも、海自は作戦行動中の低高度低速目標からの防衛訓練は行っているが、停泊時の対策については訓練していない。
陸上自衛隊も同様だ。地対艦誘導弾システム等の高価値目標は平時は駐屯地に駐機しており、装甲もないため、簡単に手榴弾で破壊できるだろう。また、オスプレイも同様である。陸自が南西諸島等に戦力を派遣するために契約している高速船「ナッチャンworld」もアルミ船体でよく燃えるだろう。艦橋も狙いやすく、ここが燃えれば動けないだろう。
もちろん、地対艦誘導弾システム等については「有事が近づけば掘削機でトンネルを掘る」というのが陸自の理屈だが、そうした行動が緊張状態において許されるのか、また、すべてのシステムを格納できるトンネルを掘る時間的余裕があるのか非常に疑問である。
自衛隊は、こうしたゲリラコマンドへの警戒が薄すぎる。自衛隊の訓練等は相対的にほとんどされていない。陸上自衛隊の理屈としては、野戦演習がすべての基礎であり総合戦闘力発揮の基盤なので大丈夫だ、としているが、野戦と市街戦や施設警備がまったく違うというのは子供でも分かるはずだ。
航空自衛隊も、基地警備の人数は非常に足りない。仮に増強したとしても、あの程度ではどう考えてもあの広大な敷地の防衛は不可能である。一部の空自関係者は中国の弾道・巡航ミサイルで空自基地が破壊されても民間空港が使えるなどと豪語するが、せいぜいT/G訓練程度で、そのための訓練も態勢も何もない状況で単なる軍事的妄想でしかない。
自衛隊がドローン1個で壊滅する日
そもそも、三自衛隊のすべてがドローンディフェンダーのようなドローン迎撃用の装備もなく、訓練もしていない。
地対空ミサイルでドローンを迎撃するのは、自衛隊のただでさえ少ない弾薬量を減少させるだけだし、レーダーに映るのかも微妙だ。実際、英国王立防衛安全保障研究所のジャスティン・ブロンク氏も「パトリオットでドローンを撃墜したという事例は明らかに費用対効果が悪く、現代の高価な装備の軍隊が安価で容易に利用できる民間技術に苦戦する課題を露呈している。また、パトリオットのレーダーは、小型ドローンを効果的に狙うのは難しい可能性がある」と指摘している。
もちろん、小銃で迎撃するというのもあるだろう。だが、多くの人間が小銃での迎撃は難しいと語る。そもそもの問題は、平時と有事の葉境期において、自衛隊が不審なドローンを小銃なりミサイルなりの実弾を使用できるかである。しかも住宅が近接している状況で、である。法的に自衛隊が平時に不審な基地に近づく小型ドローンを撃墜が可能かという問題もある。要するに、事実上、能力的、法的に小型ドローンによる自衛隊への攻撃は死角となっている。
しかし、こうしたドローンは家電量販店で数〜10万円で購入可能であり、操縦も簡単で目立たない。あとは工作員が焼夷手榴弾等を持ち込めば、簡単に那覇基地等を機能停止に追い込むなり、高蔵寺弾薬庫からのミサイル搬出中に一気に爆破して弾薬欠乏にさせるなり、自衛隊の宮古島に配備した地対艦ミサイルを破壊するなり、あらゆる攻撃が可能である。また、ハメス氏やバンカー氏が指摘するように民間インフラへの脅威も重く受け止めるべきだ。
しかも、こうしたロシア軍のやり方を、A2/AD戦やドローン戦を我が国以上に重視している中国や北朝鮮が真似しないはずがない。その意味で「数万円のドローンで自衛隊は1日で壊滅!」というのは、誇張であっても虚偽ではないのである。今やドローン対策のための装備・訓練・態勢の導入こそ急務なのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50754
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