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「新基地が地域に何をもたらすのか。母の故郷の海が破壊されるのは耐えられない」とリサさん(右)は話した=沖縄県名護市で
米軍新基地建設への反対運動が続く沖縄で先月下旬、発足二十年を迎えた「軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議」の会合があった。米軍が駐留する沖縄、韓国、フィリピン、プエルトリコ、グアム、ハワイ、米国のメンバー計八十五人が、直面する性暴力や環境破壊などの基地問題について語り合った。交流から生まれたものを伝える。 (編集委員・佐藤直子)
名護(なご)市辺野古(へのこ)の新基地建設現場で、クレーン車が資材の石を海に投入している。ネットワーク会議のメンバーが小型船で近づこうとしても海上に張られた規制フロートに阻まれる。
「ここで働く皆さんも沖縄の方でしょう。工事を止めてください」
ハワイから来た日系二世のリサ・グランディネッティさん(21)が船上でマイクを手に英語で訴えると、姉のティナさん(27)も「辺野古を守れ」と叫んだ。
姉妹の母(60)は、沖縄県金武(きん)町で育った。町面積の六割が米軍基地(キャンプハンセン)。多感な少女期はベトナム戦争(一九六〇〜七五年)と重なる。沖縄から戦場に行く者、戦地から帰った者、兵士たちは殺気立っていて、沖縄の女性たちへの暴力も繰り返された。母は二十代のとき、進学のためにハワイに渡った。
二人は沖縄戦で米軍に投降した少女の絵本を読み聞かせてもらったことを覚えている。でも母は故郷のことを語りたがらず、ほとんど帰郷もしない。
「いい思い出がないのかもしれない」。ティナさんは、母たち沖縄の女性が背負った時代の記憶を想像すると、怒りと悲しい気分に襲われる。
母は「基地の被害は沖縄もハワイも同じ」と言ったことがある。世界的なリゾート地・ハワイは、米軍と自衛隊、オーストラリア軍、韓国軍などの合同演習が二年に一度行われる軍事の島でもある。「米軍専用のホテルもあって、兵士による性暴力も起きている。でも人々の生活が基地経済に組み込まれているから表に出ない」とリサさん。被害者を支援する団体もないという。
リサさんは会議で、沖縄のジャーナリスト山城紀子さん(67)から、沖縄の女性も長い被害の歴史を経て変わったのだと聞いた。「基地問題を女性の視点で問い直した。性暴力は沈黙していては解決できないと、沖縄の女たちは声を上げ始めた」と。
大学を六月に卒業したリサさんは、一万六千人のホテル従業員らが加入する組合の職員になった。観光産業で働く女性には先住民の人も多く、米兵の性被害に遭っている。「米国はハワイを差別し、軍事的に植民地のように扱っている」とリサさんはいう。
「これからは私たちがハワイで、軍隊や性暴力の問題に取り組んでいかないと」。姉妹は自分たちに言い聞かせるように言った。
2017年7月20日 夕刊
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