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もはや国家戦略特区制度など必要はない
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2017-06-30 天木直人のブログ
国家戦略特区制度を悪用、私物化して、安倍首相は「腹心の友」である加計学園を優遇したのではないか。
こう批判された安倍首相は、誰に入れ知恵されたか知らないが、文科省こそ抵抗勢力であり獣医学部新設に反対して来た元凶だ、だから国家戦略特区制度の下で、みずからドリルの先になって岩盤規制に穴をあけたのだと、強調して見せた。
あきらかな問題のすり替えだ。
しかし、このすり替えに加担するかのごとく、国家戦略特区制度を擁護する者たちが出て来た。
国家戦略特区制度をみずから提唱し、甘い汁を吸って来た竹中平蔵が、その先頭に立って真っ先に国家戦略特区制度を擁護したのは当然だ。
当然すぎて、笑ってしまう。
しかし、元官僚や経済評論家たちまでもがここまで国家戦略特区制度を擁護するのはおかしい。
ましてや安倍首相が国家戦略特区制度に頼るのはおかしい。
そもそも、国家戦略特区とは、現行の行政の下では出来ない政策を、地区を限定的に絞って例外的に認める制度だ。
その前提として、巨大な官僚組織の規制という岩盤がある。
つまり、官僚組織の抵抗を一気に排除する事は、いくら強い政治的リーダーシップでも難しいので、例外を認めて、そこから徐々に岩盤を崩していく、そのために必要な戦略が国家戦略特区というわけだ。
確かに、これまでは、国家戦略特区制度は意味があったかもしれない。
官僚組織の抵抗は強かったからだ。
しかし、小泉政権下で、政治主導が強まった。
そして安倍政権の下で内閣人事局が出来て、官僚組織が完全に安倍政権に屈服してしまった。
今となっては、安倍首相がその気になれば、国家戦略特区をつかって例外的な政策を取らなくても、その気になれば思う政策を全国的に実現できるのだ。
それが証拠に、安倍首相は、これからは全国に獣医学部をつくると命じた。
この鶴の一声で、安倍政権は何でもできるのだ。
それにしても、国家戦略特区制度を擁護する官僚たちは情けない。
悪いのは官僚組織だ、官僚組織こそ抵抗勢力だ、という非難を自ら認めているようなものだ。
官僚組織のすべてが悪いはずがない。
官僚の中には、国民の為に正しい政策を実現ようとまともな仕事をしてる者も多いはずだ。
安倍首相の加計学園疑惑隠しに加担して、いまさらながら国家戦略特区制度を擁護する官僚たちこそ、官僚組織をダメにしてきた連中なのである(了)
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