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内閣支持率急落も民進党支持につながらないワケ 蓮舫代表が「二重国籍」問題の解決に消極的なのが原因だ(産経新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170626-00000515-san-pol
安倍晋三内閣の支持率が急落したのに、なぜ野党第一党の民進党の支持率は上がらないのか−。永田町で12年近く取材を続けているが、あまりお目にかかれない珍現象だ。世論調査を分析し、民進党の内部事情も探ってみると、実に明快な答えが浮かんできた。根源は蓮舫代表(49)の信頼性。もう一歩踏み込んでいえば、台湾籍と日本国籍の「二重国籍」問題が最終解決されていないことが主因ではないか。
6月の各社の世論調査は、安倍内閣にとって厳しいものだった。産経新聞社とFNNの合同世論調査の内閣支持率は47・6%と前月比8・5ポイントの減。主要新聞も、読売新聞も49%(前月比12ポイント減)▽朝日新聞41%(同6ポイント減)▽毎日新聞36%(同10ポイント減)▽日本経済新聞49%(同7ポイント減)−と同様に急落していた。
産経・FNN調査では、一度に10ポイント近く支持率が下がるのは、平成24年の第2次安倍内閣発足以来なかったことだ。学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設問題をめぐり、後手に回った安倍政権の対応などが影響したとみられる。
ところが政敵のピンチが、そのまま野党第一党の民進党の評価につながっていない。産経・FNN調査の民進党支持率は8・3%と、前月比で0・3ポイントしか増えていない。読売は7%(前月比1ポイント)、朝日と毎日が各8%(同2ポイント増)、日経も8%(横ばい)と各社もほとんど数字が変わらない。支持1ケタ台の低空飛行のままだ。
世論調査を詳しく分析すると、民進党に対する無党派層の支持が戻っていないことが分かる。産経・FNN調査では、安倍内閣を「支持しない」と答えた人で民進党を支持したのは16・1%。5月の調査は19・3%だったので、安倍政権の批判票を5月よりも取り込めていないことになる。
加計問題をめぐっては、民進党が文部科学省職員が「総理のご意向」などと記した記録文書を次々と暴露した。テロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法の国会審議でも、民進党議員が金田勝年法相(67)の答弁のブレをあぶり出した。安倍内閣の支持率下落に一役買ったはずだ。しかし、そうした国会戦術は結果的に民進党自身のイメージアップにつながらなかったといえる。
では、安倍政権に背を向けた世論が、なぜ民進党に向かわないのか−。
党内に耳を傾けると、やはり「党の顔」である蓮舫氏に原因があるとの声が聞こえてくる。閣僚経験者は「代表は人気こそあるが、根本的な信頼感、安心感を与えることができないから、結果的に党に注目が集まらない」と自嘲気味に語る。
蓮舫氏の「信頼感」に迫るヒントが6月23日に告示された東京都議選に隠れている。都議選を前に、民進党に離党届を出した酒井大史前都議(49)は、こんな「離党声明」を出している。
《現在の民進党執行部は蓮舫代表の二重国籍問題にけじめをつけないどころか、敵失のみに執着し、目指すべき国家像も示しきれず、政権交代を目指していた民主党時代の気概を失ってしまったことに、現在の党勢が顕著に表れているものと考えます》
酒井氏には「目先の勝利のために民進党を捨て、小池百合子都知事に走った」(党幹部)などと批判もある。ただ、蓮舫氏が世論の信頼を集めらないのは、酒井氏が指摘するように、一国の首相を目指す政治家として重要な資質となる「国籍問題」に最終的なケジメをつけないから、との指摘は根強い。
蓮舫氏は平成28年9月の問題発覚以来、台湾籍を放棄する手続きを進め、同年10月に「日本国籍の選択宣言をした」と説明した。しかし、事実関係を証明するための戸籍謄本などの関係書類は「家族のプライバシーがある」などとして公開を拒んでいる。
自民党では、米国と日本の二重国籍だった小野田紀美参院議員(34)が、日本国籍を選択した宣言日が「平成27年10月1日」と記された戸籍謄本を公開している。小野田氏は国籍関係以外は全て黒塗りで謄本を出したが、しっかり手続きを終えたことは十分証明できた。
蓮舫氏は、記者会見で説明したことをもって二重国籍問題にピリオドを打ったと思っているのだろうが、世間の評価は違う。民進党を離党したある都議選の候補者は「民進党時代、街頭でビラを配っていても『お前の党首は二重国籍だろ』『なんで戸籍を出さないんだ』と何度か罵声を浴びせられた」と振り返る。
加計問題でいくら安倍首相を攻め立てても、野党第一党の党首として自らが信頼を得られなければ、「蓮舫政権に任せて日本は大丈夫」と安心してはもらえないのだ。民進党執行部には「国籍問題をこれ以上目立たせず、風化させて世間に忘れてもらえばいい」という無責任な意見もあるが、蓮舫氏を代表に担ぐ限り、政党支持率が上向く可能性は低いだろう。
最低限、小野田氏のような対応ができないものか。このままでは、蓮舫氏が持つ政治家としての長所も相殺されてしまうだろう。繰り返すが、世間はこの問題を忘れておらず、民進党が信頼を勝ち得ない障壁となり続けているのだ。自らには甘く、ひたすら相手を責め続けるような党首を担ぐ政党に、世論が振り向くはずはない。まずは7月2日投開票の都議選で明確になるだろう。(政治部 水内茂幸)
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