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移転問題決断!小池百合子「都議選圧勝」最新データを公開する 都民ファ「5→46」/自民「57→37」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52016
2017.06.20 週刊現代 :現代ビジネス
冷静沈着を旨としてきた菅官房長官が、険しい顔で小池都知事を罵る映像に、違和感を覚えた都民も多かっただろう。自民党は焦っている。数の力で無茶をしすぎたツケが、いよいよ回ってきた。
潮目は変わった
6月7日夕方、東京・千代田区麹町のスーパー「ココスナカムラ」の前で、小池百合子都知事率いる都民ファーストの会の樋口高顕候補がマイクを握って、ゆっくりと演説を始めた。
「議員の仕事というのは法律、条例を作ることですが、この25年間で都議が提出して作った条例はたった一つしかない。にもかかわらず、都議は毎月50万円の政務活動費をもらっています」
地方選挙の候補の「辻立ち」といえば、誰もが気に留めずに前を行き過ぎるのが相場。
しかし、この日はほとんどの人がビラを受け取るうえ、常に誰かが足を止め、何かを丁寧に吟味するように話を聞いている。中には、樋口氏のもとに駆け寄ってともに写真を撮影している女性もいる。
樋口氏は元警視総監・樋口建史氏の息子で、京都大学法学部時代に選挙を手伝ったことから、小池都知事とは15年ほどの付き合いになるという34歳。昨年の都知事選を見て出馬を決めた。
千代田区といえば、自民党都議の「首領」と呼ばれた内田茂氏のお膝下。そこでいま、「異変」が起きている。
樋口氏の対抗馬は、内田氏の後継となる中村彩候補。慶応大を出て、証券取引所に勤めていた27歳だが、「ほとんど操り人形のように選挙カーの上に引き上げられて、右往左往している。本人も自分は演説下手だと認めており、人もそれほど集まっていません」(都政担当記者)。
樋口氏の演説を聞いていた千代田区民の50代女性はこう語る。
「今回は都民ファーストに4年間を託して政治を変えてもらいたい。いままでは自民党を支持していましたが、森友学園みたいな問題ばかりで、すっかり辟易しています。内田さんも、利権が明らかになったのに、謝る気配すらない。私は都民ファーストに投票します」
7月2日投開票の都議選。つい最近までの下馬評は「自民優位」だった。5月中旬に自民党が密かに行った世論調査の結果が、自民党49議席、都民ファースト42、公明党18、共産党14、民進党1という、「自民勝利」の数字だったからだ。
ところが、6月に入る頃から、まるでオセロを引っくり返すかのように、その雰囲気がガラリと変わり始めた。自民党閣僚経験者が言う。
「森友学園、加計学園の問題などの醜聞で、安倍政権の支持率が落ち、有権者の雰囲気が変わりました。
そのうえ、何を考えているのか安倍総理が改憲の意志をおおっぴらにし始めた。二階(俊博自民党幹事長)さんはその空気を敏感に読み取って『憲法改正は選挙の争点にしてはいかんのに』と怒り心頭です。
普段は仕事人然として淡々と政務を行う菅(義偉官房長官)さんですら、支持率の低下に焦って6月4日には自ら中村候補の決起会に出席。聴衆に向かって小池さんのことを『決められない知事だ』と罵っていた」
2009年を思い出す
一方の小池都知事は、6月1日に自民党へ離党届を出したことで支持を集めている。
そんな中、6月6日の朝日新聞の世論調査では「投票する政党」で自民と都民ファーストが並んだ。自民党都連関係者は、都民ファースト旋風の中、「ある光景」を思い出したという。
「党内では、『'09年の悪夢』が再来するのではないかと言われている。民主党ブームに沸く同年の7月に行われた都議選では、浮動票を民主党に奪われました。現状はその雰囲気に近い」
では、'09年と同じように都民ファーストに風が吹くと、議席数はどうなるのか。本誌は、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の研究員で公共経済学を専門とする鈴木眞志氏の協力で、議席数を予測した。
鈴木氏のシミュレーションは、'09年の選挙の際の自民党、公明党の得票率を「固定票率」とみなして今回の選挙に適用。
そのうえで、自民、公明などの固定票を差し引いた残りの票数を、都民ファースト、維新などに分配。その割合は各紙の世論調査を参考にしている。
結果は以下の通り。
●都民ファースト5→46(41増)
●自民党57→37(20減)
●公明党22→21(1減)
●共産党17→15(2減)
●民進党18→4(14減)
現在、都議会にわずか5議席しか持たない都民ファーストが40以上も議席数を伸ばす、そして20もの議席を減らした自民党を大きく上回る。都民ファーストと公明党で過半数の議席を獲得する、まさに「圧勝」となっているのである。
自民党都連の一部では、自民党候補が当落線上にある「危険地域」も具体的に取り沙汰されているという。
千代田区、港区、新宿区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、北区、板橋区、江戸川区、八王子市、武蔵野市、青梅市、昭島市、北多摩第一、北多摩第二、島部の17の選挙区がそれだ。
自民党が数字を下げるのには相応の理由がある。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「選挙が近づくこれからの時期は、知名度で得票を競う『空中戦』となります。都民ファーストは、小池さんの人気で一気に議席数を伸ばしうる。
自民党の世論調査の数字は、自民党が対小池『主戦論』を唱え始めた今年3月から、必死で組織票を固めた結果です。裏を返せば、すでに『獲れる票を獲ってしまっている』ということ。のびしろがありません」
実際に本誌が選挙区を歩いてみると、現状でもすでに自民党への不満と、その裏返しとして、都民ファーストへの期待が聞こえてくる。
北区では、都民ファーストの幹事長である音喜多駿議員と、自民党で3期当選の高木啓都議会幹事長がぶつかる。
「音喜多氏は'13年初当選で、テレビ出演が多く、ネットでの発信も得意とする若手。対する高木氏は、小池都知事の就任直後、『ブラックボックスは解明できましたか』と質問した様子があまりに偉そうだと話題になった人物です」(前出・記者)
好感度の低い自民の現職
6月7日朝の板橋駅前。音喜多氏は街頭で演説を行った。都政における情報公開の必要性を主張する音喜多氏のまわりでは、オレンジのジャンパーを着た6〜7人のボランティアスタッフが、都政報告会の予定を書き込んだビラを配っている。
通勤ラッシュの時間帯にもかかわらず、頭を下げてビラを受け取り、立ち止まって話を聞く人も少なくない。演説の途中に握手を求める人、スマホでその姿を撮影する人もいる。
一方、8日朝、赤羽駅前での高木氏の辻立ち。「お勤めご苦労様です」と道行く人に声をかける。2人の区議と5人のスタッフが10ページほどの立派なパンフレットを配っていたが、受け取る人は少ない。
高木氏は演説中、区議を紹介しつつ、自分がいかに区議から信頼が厚いかをアピールする場面もあった。だが、バス待ちの列を作っている人々も熱心に目を向けることはない。
終盤は時計をチラチラと確認しながら、8時30分きっかりに演説を終え、そそくさと立ち去って行った。
60代男性区民が言う。
「高木さんは、銀座のクラブで政治資金を使って飲んでいたことがバレましたよね。これまで応援してきたけれど、もういいです。今回は投票しません。都民ファースト絶対支持ではないけど、一度変えないと都議会は変わらない」
中野区の都民ファーストの候補は荒木千陽氏。荒木氏は小池都知事の公設秘書を6年間務め、知事の家で暮らしていたこともある腹心。熊本県議を父親に持ち、地道に歩き回る選挙活動が得意だという。
対するのは、5期連続当選で都議会議長を務める自民党の重鎮・川井重勇議員。川井氏は昨年8月、小池氏が都知事就任のあいさつ回りをした際、握手を拒否したばかりか、記念写真をも拒んだことで有名になった。好感度は相当低い。
「川井さんに世話になっている建設業者は多く、ある程度強い地盤はあります。しかし、小池都知事は都議会から要望される予算『政党復活枠』200億円を廃止した。こうした利権構造がなくなる中、厳しい戦いを強いられると思う。
『小池さんの握手を拒否した人』として記憶している有権者も多く、印象が悪いのも不利になるでしょう」(前出・記者)
そして――都議選圧勝という結果を得た小池都知事が、そこで満足してしまうとは、政界の誰も考えてはいない。
小池都知事は、かつて自著で、'08年に総裁選に出馬したことについて、〈国家のトップになれば、それぞれの大臣が持っているマンデート(委任された権限)を一気に超えることができるから〉と記し、総理大臣への意欲を隠そうともしない人物である。
目指すのは、都議選の勝利で得た「人気」と「大義」に物を言わせた「国政進出」にほかならない。前出の鈴木氏が指摘する。
「今回の選挙で都民ファーストに投じられた浮動票は、国政選挙の場では完全に行き場を失ってしまう。小池さんは、その票の『受け皿』となる国政政党をつくることを考えているはずです」
国政に出た小池都知事がまず味方につけたいのは、今回選挙協力をした公明党だろう。だが、その動きはまだ流動的だ。前出の記者が言う。
「今回の選挙で袂を分かった公明党と自民党は、次の衆院選でこれまで通りの選挙協力をすることは難しいでしょう。そこに小池新党が出てきたらどうなるか。与党の地位にしがみつくべきか、小池新党の可能性に賭けるべきか、公明党の幹部は相当に迷うでしょう。一方の小池さんは協力を取り付ける方法を画策しているはずです」
安倍の次の総理を狙う
そのほかの協力者には事欠かない。名古屋市長の河村たかし氏、参院議員の松沢成文氏、日本維新の会副代表の渡辺喜美氏らは、小池都知事が国政政党をつくればそこに乗る気満々。全国紙政治部記者が言う。
「渡辺さんは露骨で、日本維新の会の都議選決起会で、『親小池の路線に行くべきだった』『小池さんと改革大連合をつくりたい』などと語った。
日本維新の会は、豊洲市場の移転問題で、小池さんを批判しているにもかかわらず、こんなことを言うんですから、よほど期待が高いのでしょう。
'12年の自民党政権誕生以来、落選している民進党の元国会議員たちも『小池新党』に乗りたがっており、人も十分に集められるはず」
しかも、日本の一丁目一番地である首都・東京で行われる今回の都議選で自民党に圧勝すれば、国政における「反自民」の波が大きなうねりとなることは必至。国政選挙での勝算も高まる。自民党幹部が言う。
「自民党の獲得議席が40台後半なら政権維持、40台前半、30台になるようなことがあれば、安倍政権の屋台骨がぐらつき、次の国政選挙に影響が出ると言われている。
安倍総理もかなり動向を気にしていて、朝日新聞の世論調査が出た際には、『自民党の調査と朝日新聞、どっちを信じればいいんだ』と都連の幹部に詰め寄ったそうです」
こうして「小池新党」がキャスティングボートを握ることになれば、「小池総理」誕生も見えてくる。
安倍総理が求心力を落とす中、自民党内における小池氏の力強い協力者、石破茂氏、小泉進次郎氏が小池氏を総理大臣に担ぎ上げる――'94年、自社さ政権下で、村山富市氏が総理大臣になったのと同じ方式だ。
今回の都議選は、単なる、いち自治体の選挙ではない。これからの日本の行く末までをも左右する「天下分け目の戦い」となる。
「週刊現代」2017年6月24日号より
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