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自民党都議決起大会で見えた安倍首相の「弱気」 本音はやっぱり、小池と戦いたくない?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51453
2017.04.13 伊藤 博敏 ジャーナリスト 現代ビジネス
「異常事態」と警戒
春にしては冷たい雨が降るなか、都内のホテルで行われた自民党東京都連の7月都議選に向けた決起大会は、5000人もの人が集まり、立錐の余地もなかった。
自民党の動員力は見せつけたものの、それは危機感の表明でもあり、都議選は「一強」といわれた安倍晋三政権に現れ始めたほころびである。なぜなら都議選が、自公分裂の起点になりかねないからだ。
安倍首相は、自公連立の強固な基盤と、国民の高い支持率のもと、順調に3期9年、総理総裁を務め、宿願の憲法改正を仕上げるつもりだった。だが、都議選での小池百合子都知事との全面対決は、20年近く続いた公明党との関係を崩壊させるきっかけとなりそうだ。
圧倒的人気を誇る小池氏との距離感に悩んだ自民党は、今回、全面対決の覚悟を固め、大会の冒頭に流した映像では、「豊洲移転を決断しない小池都知事」と、批判した。
豊洲移転も、東京五輪も、批判して注文を付けるが、結局は、なにひとつ変えられず、いたずらに時間を無駄にしている――。
それが、小池人気に繋がっているだけに、小池流都政改革に理解を示そうとした時期もあったが、今は、それを「人気取り施策」と批判することで、従来の自民支持層をしっかり取りまとめようとしている。
国政での自公連立を続ける安倍首相は、公明党との関係もあって都連ほどには対決姿勢を鮮明にしなかった。「急に誕生した政党に、都政を支える力はない」と、都民ファーストの会を皮肉ったものの、「小池さんの方向性が正しければ支えていく」と、フォローを忘れなかった。
ただ、「都議選と国政は別」と分けて考えることができるかどうか。公明党の山口那津男代表は、パーティーに招待されていたのだが、小池氏同様、出席しなかった。長く続けてきた自公協力は壊れ、今回、公明党は都民ファーストの会と連携する。「勝つか負けるか」の選挙戦で、争いは誹謗中傷の域にまで達する。そのシコリが、国政に残らないワケはない。
そうでなくとも自公は、昨年末のカジノ法案をめぐってギクシャクし、共謀罪に関しても溝が広がっている。政策の違いに加え、都議選で自公連立の解消が“実験”され、感情のもつれまで加わると、分裂にまで至ったとしても不思議ではない。
都議会自民党幹事長の高木けい都議は、後援者に宛てた文書のなかで、都議会公明党の選択を「木を見て森を見ず、自分ファーストの極みと言えます」としたうえで、現在の都議会の「異常事態」を訴える。
「公明党、共産党、都民ファーストなど、自民党以外のすべての政党(会派)が、小池与党、自民党は都議会第一党ながら野党と言われています。公明党と共産党が手を組む都議会、そして小池知事の直轄部隊である都民ファーストの会がその接着剤として、公・共の間を取り持っている小池与党連合による都議会は、まさに異常事態と言わねばなりません」
確かに異常事態だが、それは長く都政を牛耳った都議会自民党にとっての「異常」であって、小池氏にとっては、「ブラックボックス」のなかで決定権者が誰かわからないまま、「黒い頭のネズミ」たちで物事を決めて行く都議会自民党が「異常」だった。
崩壊の序章か
小池氏は、この決起大会にぶつけるように、『文藝春秋』5月号に「石原慎太郎の嘘、豊洲移転の判断」と題する手記を発表。そのなかで改めて都議会自民党の「闇」を指摘している。
<あらゆる選挙で候補者に公認を出すのは自民党都連です。公認権をがっちり握られていれば、議員は当然、自然と都連の会長ならぬ幹事長の意向を忖度して行動するようになります。そしてイエスマンが量産されていく。自民党都連では、ノーを言った瞬間に『粛清』されます。自ら命を絶った都議もいます。それほど絶大な力を有しています>
この絶対権力者が、長く都連幹事長を務めた内田茂都議であり、小池氏は「内田追い落とし」に成功、内田氏は今期での引退を表明した。
次に標的にしたのは、五輪組織委員会会長の森喜朗元首相であり、会場問題では一歩も引かない森氏の“返り討ち”にあって、会場変更には至らなかったものの、森氏を敵役に小池氏の人気は高まった。
次が石原氏である。汚染された豊洲への移転は誰が決めたのか。いうまでもなく最高責任者は石原元知事であり、石原氏を百条委員会に呼んで問い詰めた。これも、「責任の所在」を明らかには出来なかったものの、小池氏への評価は揺るがなかった。
「小池さんは、敵を炙り出す天才です」と、表現したのは上智大名誉教授の渡部昇一氏だが、次の敵が安倍首相に向かうのは自明である。国政へのステップボードが都民ファーストの会の都議選での躍進であり、それが国政進出の布石となり、安倍首相への挑戦という芽が生まれてくる。
高支持率の安倍首相の力は、元都議、元首相、元都知事の比ではない。まさに戦うに足る相手だが、かつての磐石さは失われている。
つなぎ止められなかった公明党との関係もそうなら、支持基盤であるはずの保守層から呆れられた森友学園騒動での不手際、家庭内野党の昭恵夫人を制御できなかったひ弱さも、安倍政権のグラつきを示す。
都議選は、「一強安倍政権」の崩壊の序章となるかもしれない。
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