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疑獄を“役人の忖度”に矮小化 目に余る狡猾政権の印象操作
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/202450/1
2017年3月29日 日刊ゲンダイ 文字お越し
(C)日刊ゲンダイ
どうして、こんな数字になるのか。森友疑惑で窮地に立たされている安倍内閣の支持率が上昇しているのだ。
先週23日に行われた籠池泰典理事長(64)の証人喚問の直後、日経新聞が世論調査を実施すると、なんと支持率は前回調査(2月下旬)の60%から62%へ2ポイントもアップしていた。
本来、森友疑惑は、安倍内閣が即刻、総辞職に追い込まれてもおかしくない一大疑獄である。なのに、なぜ支持率が上昇するのか。理由は、この問題の“本質”を国民が分かっていないからではないか。大手メディアの報道も、野党の追及も、本質から大きくズレはじめている。
いつの間にか森友問題の焦点は、森友学園に払い下げられた国有地をめぐって、役人の「忖度」があったのかどうかに移っている。今年の流行語大賞は「忖度」で決まり、などと揶揄されるほどだ。
安倍首相の昭恵夫人に付いていた政府職員が、国有地について財務省に照会していたことが発覚したことをキッカケに、野党は「首相夫人や首相の意向を役人が忖度したのではないか」と追及し、安倍首相はムキになって「忖度するのであれば、私の地元の陳情はすべて通る。忖度していないことは明らかだ」と否定している。
しかし、森友問題の焦点が「役人の忖度」の有無とは、的外れもいいところだ。間違っても、この疑惑の主役は役人ではないし、役人の責任が問われる話でもない。疑惑の“本丸”は、安倍首相に決まっている。そもそも、役人が「忖度」し、安倍首相の知らないところで勝手に判断するなんてあり得ない話である。
■安倍首相の意思表示はあった――が自然
「忖度ということは、明確な指示もないのに、首相の気持ちを推し量った役人が勝手に動いたということでしょう。そんなことがあるわけがない。今回の一件は、国民の財産である国有地を8億円も不当に安く払い下げた異常な行政です。もし、忖度が間違っていたら首が飛ぶ。前例踏襲、保身第一の役人が、そんな危険なことをやるはずがないでしょう。安倍首相から、なんらかの意思表示があった。そう考えるのが自然です」(政治評論家・本澤二郎氏)
そもそも、安倍首相本人は「国有地の払い下げ」にも「小学校の認可」にも関わっていないということが前提になっているが本当なのか。
もともと、安倍首相と籠池理事長との間に深いつながりがあったのは間違いない。少なくとも、安倍首相が森友学園の教育方針に共鳴していたことは確かだ。国会で「妻から籠池先生の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」と称賛していた。急きょ中止となったが、幼稚園で講演することも籠池理事長と約束していた。キャンセルが決まった時は、わざわざ電話をかけて丁寧に謝罪している。
なぜか大新聞テレビは報じようとしないが、安倍首相が籠池理事長のために動いた傍証もある。
「怪しいのは、2015年9月4日前後の動きです。当日の4日、森友学園サイド、財務省、国交省の3者が近畿財務局の会議室に集まって、国有地の価格交渉をしています。なぜか、前日の3日、安倍首相は国有地を管理する財務省の理財局長と官邸で会い、翌4日には自ら大阪に足を運んでいる。さらに、翌5日には昭恵夫人が小学校の名誉校長に就任しています。3日間に何があったのか。本当に安倍首相は国有地の売却に関与していないのか疑問です」(本澤二郎氏=前出)
大手メディアも野党も、安倍首相本人の疑惑から離れ、「昭恵夫人が籠池理事長に100万円の寄付を渡したかどうか」ばかりをクローズアップしているが、問題を矮小化したい安倍官邸にまんまと乗せられているのではないか。
「森友小学校」は安倍首相の理想のモデル校 |
森友疑惑の焦点は、ハッキリしている。右翼仲間である籠池理事長に、安倍首相が便宜を図ったのかどうか、その有無である。
森友問題の異様さは、園児に「教育勅語」を暗唱させるような偏った教育をしている学校法人がこの時代に存在していたことと、そのカルトのような学校法人に総理大臣が肩入れしていたことだ。海外メディアが大きく報じたのも、そのことに驚いたからである。英ガーディアン紙は、森友学園を〈レイシズムを主張するウルトラナショナリスト教育機関〉と断じている。しかも、その学校法人が、評価額9億円の国有地をタダ同然で入手していた。
少なくとも籠池理事長が安倍首相の便宜を期待し、便宜を受けたと信じているのは間違いない。証人喚問の時、堂々と認めている。
〈安倍晋三先生に敬愛以上のものを持っていた。昭恵夫人ともども、小学校開設にご助力いただいていると認識していた。国有地取得では神風が吹いた。なんらかの政治的関与、口利きがあったのだと思う。九分九厘できていたのに、応援してくれていた人が手のヒラを返すように離れていった。安倍首相も国会で私を「しつこい人だ」と言い出した〉
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「籠池理事長が新設しようとした小学校は、安倍首相にとっても、是が非でも開設したい理想のモデル校だったのだと思います。教育基本法を変えて教育目標に〈愛国心〉を盛り込み、道徳を教科化した安倍首相の教育方針と、籠池理事長の教育方針はピタリと一致している。当初、小学校の名称を〈安倍晋三記念小学校〉としようとしていたのは象徴的です。だから、籠池理事長も賄賂を贈らなくても安倍首相が便宜を図ってくれると確信していたのだと思う」
どう釈明しようが、森友問題は安倍首相自身の疑獄である。
■このままでは森友疑惑は幕引き
なのに、大新聞テレビだけじゃなく、野党まで「役人の忖度はあったのか」「昭恵夫人は100万円の寄付金を渡したのか」など、森友問題の本質と離れたことを連日、大きく取り上げているのだからどうしようもない。なぜ、安倍首相の疑惑を正面から追及しないのか。
とうとう、「この際、首相夫人の立場を整理すべきだ」などと、トンチンカンなことを主張する野党議員まで現れる始末だ。大手メディアも「たとえ安倍首相が100万円を寄付していても法律には触れない」などと、もっともらしく解説しているのだから話にならない。法に触れようが触れまいが、園児に「教育勅語」を暗唱させるような学校法人に100万円を寄付すること自体が問題だということが、なぜ分からないのか。教育勅語は、戦後、日本政府が正式に排除・失効を決議したシロモノだということを知らないのではないか。
これでは、国民も森友疑惑イコール安倍疑惑だと理解できず、内閣支持率が下落しないのも当然である。なかには「安倍夫妻は籠池理事長に利用されたみたいだ」と本気で思っている国民までいるから重症である。
「森友疑惑が不気味なのは、過去の疑獄事件と違って金銭が動いていないことです。日本最大の右翼組織〈日本会議〉に連なる政治家や文化人が、学校開設に一肌脱いで協力した。その中心にいたのが、安倍首相なのではないか。籠池理事長は、まだすべてを話していない可能性もあります。安倍官邸は、昭恵夫人の100万円の寄付など、シロクロがつかない問題に国民の関心が集まっていることをいいことに、最後まで〈ない〉と言い続ければ幕引きを図れると思っているのでしょう。大手メディアも野党も、安倍官邸の印象操作に完全に乗せられている状況です」(金子勝氏=前出)
このままでは昭恵夫人の証人喚問も実現せず、内閣支持率も上昇し、森友疑惑も終息――という最悪の結末になりかねない。
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