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石原は“ボケのふり”で居直り 籠池証人喚問も絶望の予感
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201890
2017年3月21日 日刊ゲンダイ 文字お越し
「病気」を言い訳に逃げ切り(C)日刊ゲンダイ
年寄りだからって、過去の責任を全て反故にした居直りが許されるのか。20日行われた都議会の百条委員会での石原慎太郎元知事(84)に対する喚問。ある程度、予想はしていたものの、これほどまでとはと驚く酷さだった。
「東京ガスの当時の社長と会ったのか」「汚染対策費の分担は」――。こうした肝心の質問には、「記憶にありません」「覚えていません」とスットボケる。「都庁に2、3日しか来なかった」と皮肉られると、「その代わりに都内を歩いていた。怠慢だったとは思わない」と屁理屈をこねる。それでいて、小池百合子知事の批判になると雄弁にペラペラ。「豊洲移転の延期を議会に諮らずに決めた」「不作為の責任だ」とまくし立てたのだ。
とりわけア然としたのは、冒頭、質問に答える前に病気を持ち出して“予防線”を張ったことである。
「2年前に脳梗塞を患って後遺症に悩んでいる。『海馬』という記憶を埋蔵している箱がうまく開かない。記憶を引き出そうとしても出ないことが多々あるのでご了承ください」
この後続く「覚えてない」の連発を先手を打って自ら正当化したのだが、神経内科が専門の医学博士・米山公啓氏は、「やりとりを聞いていて、石原さんの海馬がダメージを受けているとは到底思えませんでした。ダメージがあるなら、あんな理路整然とした受け答えはできませんよ」と首をかしげた。
この百条委では、解明すべき問題は山ほどある。
なぜ汚染された土地である豊洲に市場を移転することに決めたのか。なぜ移転費用が6000億円の巨額にまで膨らんだのか、土壌汚染対策で東ガスの瑕疵担保責任を免除したのか。どうして盛り土をしなかったのか。いずれも石原都政時代の話であり、彼は最高責任者だったのに、結局、何も分からなかった。
政治学者の五十嵐仁氏はこう言う。
「知らぬ存ぜぬで時間切れを図ったのでしょう。そもそも3時間だった喚問時間を1時間に短縮するよう要望した時点で、石原さんは最初からマトモに答える気がなかったとしか思えません」
わずか1時間の喚問なのに途中で20分の休憩を挟み、証言席に椅子まで用意して異例の着席答弁が許された。高齢だからと、至れり尽くせり。石原はそれにあぐらをかいて、「記憶にない」で逃げ切った。偽証罪に問われないよう、弁護士との打ち合わせ通りだったのだろう。
ノンキに外遊の安倍首相(右=籠池理事長)/(C)AP
時間短縮を許した都議会の重大責任 |
1時間に短縮を許した議会の責任も重い。各党、持ち時間10分前後で一体、何が聞けるのか。問題を掘り下げられるのか。
質問時間が20分とそれでも一番長かったのは自民党だが、追及が甘いどころか、「都財政を再建された功績は大きい」などと石原を持ち上げ、歩調を合わせるのだから、お話にならない。ブッたまげたのは、終了後、報道陣の囲み取材に自民幹事長がこう答えたことだ。
「真摯に話す姿に感銘を受けた。都政に対する責任、情熱をいまだに持っていらっしゃる」
公明党以下の追及もぬるかった。本気を見せるなら、各党の質問時間を合算して質問者を1人にしたり、質問を絞り込こんで深掘りする手もあったんじゃないか。結局、どこも夏の都議選に向けたアピールの場という意識が強いからだろう。都民は不完全燃焼で苛立ちが募るばかりだ。
都政に詳しいジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「議会は時間短縮を許可した時点でアウトです。そのうえ、ただでさえ少ない質問時間の3分の1以上を豊洲移転の正当性を主張する自民党が取ってしまえば、石原元知事からロクな回答を得られず、真相解明につながらないのは当然です。議会は百条委をカッコよくつくったまではいいが、その先は質問能力や調査能力が問われる。石原元知事を追及するために、どれだけ備えたのでしょうか」
メディアも腰砕けだ。百条委の模様はテレビ各局が生中継し、新聞も大きく扱ってはいるが、「政治ショー」の類いで、石原の責任追及には程遠い。有権者ももともと、“石原裕次郎の兄”である慎太郎には甘かった。だから週2、3日の登庁にもかかわらず、4期もの長期君臨を許したのだ。
石原都政の13年間の悪政の数々は、豊洲問題だけじゃない。1000億円をドブに捨てた新銀行東京、総額5億円の豪華海外出張と、都民の血税を散々、私物化してきた。辞めてしまえば、責任逃れで「部下に任せていた」の一点張り。とことん有権者を愚弄してきた政治屋が逮捕・断罪されないのが不思議なくらいだ。
■懲罰的見せしめでトカゲの尻尾切り
お粗末な都議会百条委を見ると、心配になってくるのが今週23日に予定される森友学園の籠池泰典理事長に対する証人喚問だ。
こっちも絶望的な結末を迎えることになってしまうのではないか。
喚問は衆参両方の予算委員会で行われるのに、午前と午後の2時間ずつに分け、無理やり1日に押し込めた。一度にやって、一気に森友問題の幕引きを図る政府与党の思惑がミエミエである。
そもそも参考人招致ですら嫌がっていた自民党が、「総理を侮辱」という理由で、一転、「証人喚問」提案の恐怖政治。どこぞの独裁国家と同じであり、疑惑解明ではなく、安倍首相を守るための証人喚問というドッチラケになってしまいかねない。
「証人喚問はもろ刃の剣です。きちんと質疑応答すれば、真相解明に結びつく。新情報が出てきて、証人も真面目に答えれば、いろんなことが明らかになる可能性がある。ところが今回は、自民党が多数をいいことに籠池理事長しか喚問しない。本来なら財務省の当時の理財局長など国会に呼ぶべき関係者は他にもいる。自民党は真相を究明する気が全くないのです。籠池理事長を懲罰的に見せ物にして、見せしめにするのが目的。喚問後に偽証罪に問い、トカゲの尻尾切りをしようというのでしょう」(五十嵐仁氏=前出)
籠池理事長の独特なキャラに惑わされるが、忘れちゃならないのは、この問題の本質、国有地の格安払い下げ疑惑だ。なぜタダ同然になったのか。小学校設置がスピード認可されたのか。そこに政治家の口利きがあったのか。首相夫妻と関わりの深い案件だから忖度されたのではないのか。それらの解明こそが求められるのに、このままでは20日の石原喚問同様、真相があやふやにされる可能性がある。
証人喚問をただの政治ショーにしたら、巨悪は逃げ切る。国民はそれを見過ごしてはいけない。籠池理事長の喚問が、安倍追及、独断政治糾弾の始まりにならなければ、権力者とお友達だけが得をする社会が延々と続く。そんな国に未来はない。
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