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政界地獄耳 うそつき大臣かばう内閣の限界
http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1792414.html
2017年3月15日10時3分 日刊スポーツ
★森友学園疑惑は、図らずも政権の脆弱(ぜいじゃく)性を知らしめる結果となった。首相・安倍晋三に当初、政治的な関与が取り沙汰され、野党は色めき立った。首相は疑惑発覚直後に、進退に言及したことも中長期的には大きな疑獄に発展することを予測させる物言いで、むきになって反論するところも野党に事の重大性を示唆するに十分な態度と言えた。
★また、同学園と首相夫人が親しく、名誉校長を買って出たり、講演で学園を褒めたたえる発言などの映像が矢継ぎ早に発覚すると、相当蜜月であると国民は感じた。しかし、学園の理事長の軽口も相当なもので自らを大きく見せようと権力の力を借りた部分は、双方の利害が一致した部分でもあるだろう。その行状をこざかしく先回りした役人が、覚えめでたくなろうとしたのか、いささか強引に見えても褒められたいと立ち回った節もある。だが、役人の答弁はのらりくらり、資料は破棄したの一点張り。これでは疑うなと言われても無理な話である。
★加えて過剰なまでの首相の国会答弁の激烈ぶり。完全に常軌を逸している。一連の疑惑に関与していなくとも、予算委員会で問われれば冷静に答えればいいだけだ。「まるで罪人扱い」「あたかも犯罪者のごとく」「失礼だ」「強引なこじつけの印象操作だ」。野党からの質問に激しく抗議する形で声を荒らげた。
★首相夫人が公人か私人かの問いに首相は「妻は私人」と答弁、閣議でも「公人ではなく私人であると認識している」と答弁書が作成された。しかし、私人であろうとも結果的に脇が甘く、私学の広告塔になっていた事実は残る。それを否定するようでは内閣全体の器が小さく見える。防衛相・稲田朋美に至っては、さまざまな答弁が言い訳から入る印象はぬぐえない。これだけ調査時間があるにも関わらず、丁寧に調べず国会内外で学園と無関係を強調し続けた罪はついうっかりとは言い難い。これを官房長官・菅義偉は「何の問題もない」としたが、これでは罪人扱いどころかただの「うそつき大臣」でしかない。内閣の限界を感じる。(K)※敬称略
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