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国有地不正売却での内閣総辞職を求めるべきー(植草一秀氏)
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2nd Mar 2017 市村 悦延 · @hellotomhanks
ダークグレーの疑惑がブラックになった。
そもそも、2016年6月20日に国から学校法人森友学園に払い下げられた
大阪府豊中市にある8770平米の不動産鑑定評価額が9億5600万円とされたことがおかしい。
この国有地は、さらに、埋設物撤去費用として8億1974万円が控除され、1億3400万円で払い下げられた。
しかも、その支払いは一括払いでなく、頭金プラス10回の分割払いだ。
隣接する国有地9492平米は、2011年3月10日に国から豊中市に14億2300万円で売却されている。
さらに、森友学園が負担したとされる、地下3メートルまでの埋設物除去費用として、
1億3176万円(埋設物対策分が約8632万円、土壌汚染対策分が約4543万円)が、
2016年4月6日に大阪航空局から森友学園に支払われている。
しかし、処理されたことになっている産業廃棄物の一部は、敷地内に廃棄されていた疑いが浮上している。
「公金詐取」=詐欺の疑いも浮上している。
このなかで、自民党参議院議員の鴻池祥肇(よしただ)氏の事務所が、
2013年8月から昨年3月の間に、
森友学園の籠池泰典氏側から15回にわたって陳情を受けていたことが判明した。
この陳情と平仄(ひょうそく)を合わせるように、
国有地の賃貸借が実現し、
賃料が引き下げられ、
不動産購入価格が引き下がり、
ほとんどタダ同然で、8770平米の国有地が森友学園の手にわたっている。
安倍首相と安倍昭恵夫人の森友学園との深い関係もすでに明らかになっている。
森友学園は「安倍晋三記念小学校」の名称を明記して寄付活動を行っていた。
安倍首相は、「無断使用」だとしているが、森友学園を法的に訴えることに対して背を向けている。
訴えを起こすと手間ひまがかかることを法的訴えを起こさない理由だとしているが、
関与があれば「首相と議員を辞める」
と明言した重大事案であるだけに、
安倍首相の「逃げ腰」の姿勢は、疑惑をさらに強めるだけの効果しか発揮していない。
裁判に訴えれば、安倍氏の関与が本当にないなら、その事実が法廷で明らかにされるわけで、
これを安倍氏が回避する強い理由はないはずだ。
逆に、
「真相が明らかになるから提訴できない」
と推定されてしまう可能性が高いだろう。
安倍首相は、
「自分と妻は、学校認可と土地取引に関与していない」
ことを繰り返し、
財務省理財局による「政治家の関与はない」の説明を盾に取り、
「土地売買の正当性については会計検査院の調査に委ねる」
として、これで逃げ切るとのスタンスを示しているが、そうは問屋が卸さない。
森友学園側の政治家への働きかけを示す証拠が表面化しており、
これらの証拠の真偽を確かめる必要があるが、
仮に、森友学園側の政治家への働きかけが実在していたことが確認されれば、
行政トップとして、そして、自民党トップとしての安倍晋三氏の責任は免れない。
「政治家の関与はない」
ことを前面に押し立てて、
籠池・森友学園の異常さを際立たせて、
安倍首相を筆頭とする行政権力および議会与党の責任を握りつぶす方向で、
マスメディア論調が整えられた矢先に、このストーリーの根幹を崩す
「政治家の関与、政治家への働きかけ」
の事実が表面化したショックは大きい。
財務省の佐川宣寿理財局長は、
「小学校開校までの時間が切迫していたため、大阪航空局が埋設物撤去費用を算出し、
これを控除した金額で森友学園に国有地を払い下げたことに、法的違法性はない」
と主張するが、完全に間違っている。
財政法第9条は、
第九条 国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、
又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。
と定めている。
「国の財産は、適正な対価なくしてこれを譲渡してはならない」
のである。
過大な埋設物撤去費用の控除は、
「適正な対価」
をもたらさないもので、国の対応は、
財政法違反事案
なのだ。
そして、国有財産に関する行政文書の保管義務は10年であり、
昨年3月から6月の、国有財産譲渡にかかる交渉記録の廃棄は、
行政文書管理規則に違反している疑いが濃厚である。
そして、佐川理財局長の
「政治家の関与はなかった」
という国会答弁も虚偽答弁である疑いが極めて強い。
安倍首相は、
「自分と妻は学校認可と土地取引に関与していない」
ことを繰り返し、
国有地払い下げについては、会計検査院が、
「法的措置としては問題がない」
と判定し、
森友学園の小学校設置認可を出さず、国有地は国に返還させる
ことで幕引きを図る方向に、ストーリーを展開させ始めている、
と見られる。
国会議員の党派別構成では、与党議員が圧倒的多数を占有しており、
これで押し切れる
と判断していると推察される。
しかし、法治国家として、このような
うやむや決着
を許すことは許されない。
国有地が法外に安い価格で払い下げられた疑いは極めて強く、
すでに、森友学園側が、政治に働きかけをしていたことも確実視できる状況が生まれている。
その、政治による圧力が、
鴻池祥肇議員を通じるものであったのか、
それとも、
別の国会議員を通じるものであったのかは、
まだ確定していない。
しかし、政治家の強い関与がなければ、
10数億円の鑑定価格が9億円になることも、
その9億円の鑑定評価の国有地が8億円引きで払い下げられることも、
その支払いが頭金を含む11回分割払いになることも、
これらと別に、1億3000万円の埋設物処理費用が支払われることも、
また、国有地の賃借で小学校を設置することも、
その賃借料を4割近くも値切ることも、
考えられない。
財務省の行動に、もっとも強い影響力を与える人物は、上位から並べれば、
安倍晋三首相
麻生太郎財務相
ということになる。
麻生太郎財務相が、この問題について、どのような情報を有していたのかも確認する必要がある。
その突破口として、まずは、
佐川宣寿理財局長の
国会答弁の不当性を追及するべきだ。
佐川宣寿理財局長は、国会答弁で、再三にわたり、
「学校開校の時期が迫っていたため、埋設物撤去費用の算定を第三者に委ねることもしなかった」
と、国の対応を正当化しているが、
国有地譲渡に際して、第一に優先するべきことは、
財政法第9条が定める、
「適正な対価での譲渡」
であり、
「開校が迫っていたため、適正な対価での譲渡ができなかった」
という主張に正当性はない。
鑑定評価額で売却し、売却土地に瑕疵(かし=不良箇所)が発見された場合には、
事後的に国が責任を持つとの特約=瑕疵担保特約を付せば良かっただけである。
不透明な埋設物撤去費用を控除して激安価格で譲渡するより、
瑕疵担保特約を付して譲渡する方が、
はるかに「適正な対価での譲渡」に近付く。
佐川理財局長がゴリ押ししている、
「国の対応の正当性」
をまずは弾劾する必要がある。
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