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終わりを告げる経団連の時代 存在感を高める生団連、パーティーに政治家たちが参集 トランプ米中は経済戦争突入か、問題は日本
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/243.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 2 月 23 日 08:56:38: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

終わりを告げる経団連の時代
存在感を高める生団連、パーティーに政治家たちが参集
2017.2.23(木) 三田 宏
生団連・臨時総会で握手を交わす生団連新会長の小川賢太郎・ゼンショーホールディングス会長兼社長(左)と前会長のライフコーポレーション清水信次会長(右)(2017年1月27日撮影)
(震災からの復興が)「単なる復興にとどまる場合には、日本経済は没落に向かう」

 東日本大震災が起きた年の2011年8月4日、経団連(日本経済団体連合会)経済政策委員会企画部会で講演した戸堂康之・東京大学教授(当時)は、日本経済の行く末に警鐘を鳴らした。

 日本の1人当たり実質GDPはアメリカとの差が開く一方であり、今や新興国にも追い抜かれようとしている。日本経済はグローバル化と産業集積によって復興を超えた飛躍的成長を果たさなければ未来はない──、という厳しい指摘だった。

 この日本経済に対しての「没落する」という警告は、今や経団連自身にも向けられていると言えそうだ。東芝の転落は、まさに経団連の時代が終わりつつあることを予感させる。

経団連の歴史的役割は終わった

 経団連の構成企業や団体は長らくほぼ製造業、しかも「重厚長大産業」が中核を占めてきた。流通サービスなど第3次産業もかなり含まれているものの、実質的に経団連は、戦後の高度成長を支えてきた重厚長大産業の代表者が牛耳ってきた経済団体である。

 経団連会長はかつて「財界総理」と呼ばれ、政官界に絶大な影響力を誇った。東芝は石坂泰三氏、土光敏夫氏という2人の経団連会長を輩出している。石坂氏は貿易・為替の自由化、資本自由化を政府に強く迫り、土光氏は第2次臨時行政調査会、臨時行政改革推進審議会の会長として政府に行政改革を迫った。

 しかし現在、「経団連会長」の政治的・社会的影響力は大きく低下している。会長の一挙手一投足がメディアの関心を集めることはなくなった。人材不足から最近では後任人事も難航するようになった。

 経団連が設立されたのは1946年。もともと経団連は、戦前の財閥による経済界支配に対するアンチテーゼのような存在だった。金融資本による経済支配を突き崩し、製造業が中心となって日本を立て直すことを目指した。確かに戦後の復興と経済成長は輸出型の製造業に牽引された。だが現在、輸出産業のGDPへの貢献度はわずか1割ほどしかない。日本のGDPの74%は流通サービス産業で稼ぎ出しており、従業者で言えば70%を占めるまでになっている。経団連はその歴史的な役割を終えているということなのかもしれない。

 経団連に2人の会長を送り出し、日本の製造業の中核として揺るぎない地位を誇った東芝が債務超過に陥り、深刻な経営難にあえいでいる。もちろん杜撰な経営に起因しているわけだが、経団連の時代の終焉を示す出来事としていかにも象徴的である。

政治家たちが駆けつけた生団連のパーティー

 片や、ますます意気軒昂なのがサービス産業の経済団体だ。

 1月27日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニに名だたる政治家たちが続々と参集した。自民党からは二階俊博幹事長と細田博之総務会長、公明党からは井上義久幹事長、民進党からは蓮舫代表。少し遅れて菅義偉官房長官も駆けつけてきた。

 彼らが向かったのは「生団連」(国民生活産業・消費者団体連合会)が開いた「平成28年度臨時総会・新年賀詞交歓会」のパーティー会場である。主催者によると自公民で23名の国会議員が出席していたという。


生団連臨時総会で挨拶する政治家たち。野党からも蓮舫氏が駆けつけた
 生団連は食品スーパー最大手、ライフコーポレーションの清水信次会長が設立を呼び掛けて、2011年12月に設立された経済団体だ。スーパーや百貨店、食品メーカーなど、消費者と関わりの深い企業や業界団体、それに消費者団体など合わせて555の企業と団体が加盟している。

 清水氏は、経団連や日商(日本商工会議所)と生団連との違いを次のように説明している。

「日本経済団体連合会や日本商工会議所などの経済団体と比べて、生団連の大きな違いは、消費者とかかわりが深い企業、団体から構成されるという点だ。会員企業には流通、食品メーカーなどのほか、消費者団体も含まれており、国民の生活や生命を守ることを目的に、政策提言などを行っていく」(出所:ダイヤモンド・オンライン)

 清水氏の発言にみられるように、生団連は消費者の側に寄り添うことを大きなアイデンティティとしている。実際、生団連の主張を見ると「デフレ時の増税はするべきではない」「東電の電気料金の値上げは容認できない」など経団連とは大きく異なる。

 臨時総会では、清水氏から小川賢太郎・ゼンショーホールディングス会長兼社長へと生団連会長のバトンが受け継がれた。小川氏は就任挨拶で、生団連の活動について次のように抱負を語った。

「流通産業では多くの企業が平和的に世界展開し、当地の人々に喜ばれています。それは、日本の厳しい消費者に鍛えられた流通業、最高の商品を作るメーカーには文化と技術力、そして心があるからです」

「生団連は、消費者団体と生活産業メーカー、流通サービス産業、こういった団体や会社が、日本を良くしていこうという思いの下に集まりました。──力を合わせて『世界に範たる日本』『尊敬される日本』にしていきましょう」

 国会議員たちは生団連の影響力が高まっていくことを理解している。国会の会期中にもかかわらず与野党の重鎮が臨時総会に詰めかけたことからも、政界は生団連の存在を軽視できなくなっていることがうかがい知れる。臨時総会はマスコミにはほとんど取り上げられなかったようだが、東芝の「解体」を契機に確実に流れは変わっていくのではないか。

(参考)
・「国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)会長 (ライフコーポレーション会長)清水信次 行革の公約実現が最優先  性急な消費増税には反対だ」(ダイヤモンド・オンライン)
・「経団連と一線画す『生団連』加盟550団体に急増」(MSN産経ニュース)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49242


 


トランプ政権下で米中は経済戦争に突入するか
経済的な相互確証破壊が確立している両国より問題は日本
2017.2.23(木) 瀬口 清之
習主席、保護主義に警鐘 トランプ新政権にらみ、ダボス会議で講演
世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で講演する中国の習近平国家主席〔AFPBB News〕
1.相互確証破壊

 安全保障の専門用語に相互確証破壊という言葉がある。2つの国がともに大量の核兵器を保有している場合、片方の国が相手国を核兵器によって先制攻撃すれば、相手国も核兵器による報復攻撃を行う。

 最初の攻撃で相手国の核兵器を全滅させることができない限り相手国からの核兵器による報復攻撃を受けて、先制攻撃を仕かけた国も壊滅的な打撃を被る。

 したがって、大量の核兵器保有国同士は、一方が核兵器で先制攻撃すると最終的には双方が壊滅的な打撃を受ける関係にあることを双方がともに確証する。これが相互確証破壊と呼ばれる概念である。

 相互確証破壊の関係が成立している国同士の間では理論上は直接的な軍事衝突が発生しない。これが核抑止力と呼ばれる核兵器配備の重要な目的の1つである。

2.米中両国経済は相互確証破壊の関係が成立

 米中両国の経済関係を見ると、この相互確証破壊と似たような関係が成立しているように見える。

 もし米国が中国に対して、中国からの輸入品に対する関税の大幅な引き上げ、あるいは、為替操作国と認定したうえでの制裁措置発動といった経済戦争を仕かければ、中国も米国に対して報復する。

 米国企業の自動車、パソコンなどの不買運動、米国系スーパー・百貨店に対する焼き討ち・投石、米国系コンサルティング企業・会計企業・弁護士事務所などに対する中国政府関係機関・国有企業の入札参加リストからの排除などが考えられる。

 いずれも尖閣問題発生直後に日本企業が直面した問題である。

 日本企業の場合、尖閣問題発生後のこうした不買運動などによる被害は大半の企業にとって2〜3か月、長くても数か月でほぼ沈静化した。

 加えて、各地方政府は地域の雇用と税収の支えとして貢献の大きかった日本企業を必死に引き留めたこともあって、尖閣問題で日本企業が大量に撤退を迫られることはなかった。

 しかし、万一米中経済戦争が深刻化し、上述のような報復措置が長期化・エスカレートすれば、米国企業は中国市場からの撤退、あるいは大幅な事業縮小を余儀なくされる可能性が高まる。これは米国経済にとって巨大な打撃となる。

 中国が米国に対して厳しい報復措置を採れば、トランプ政権は中国に対してさらに厳しい経済制裁や貿易戦争を仕かけてくると考えられる。その結果、両国の経済はともに深刻なダメージを受け、成長率が低下し、失業が増大する。

 この程度の最悪シナリオは誰でも簡単に想像できるはずだ。経済版相互確証破壊の関係が成立していると言って差し支えないだろう。

3.日米貿易摩擦当時の日米経済関係と現在の米中経済関係の違い

 具体的な経済指標(国際通貨基金=IMF世界経済見通し2016年10月)を見ると、米国のGDP(国内総生産)に対し、中国のGDPのウェイトは2016年が61%、2020年には75%に達する。

 1980年代から90年代にかけての日米貿易摩擦の真っ只中にあった1990年の日本のGDPは米国の52%(ちなみに2016年は25%)。中国はすでにそれを大幅に上回っており、急速に米国に接近している。

 2016年、米国の中国からの輸入金額は米国GDPの2.1%に相当し、対中貿易赤字幅は同じく1.4%。1990年当時の日本は、米国の対日輸入が米国GDP比1.5%、対日赤字幅は0.6%だった。この貿易不均衡のインパクトを比べても現在の中国は1990年の日本を大きく上回っている。

 さらに日本と中国の決定的な違いは中国の国内市場の開放度の高さである。日本の国内市場は高度成長期から現在に至るまで極めて閉鎖的で、外国企業による対日直接投資の受け入れに対しては一貫して消極的である。

 これとは対照的に、中国は市場開放による積極的な外資導入を梃に急速な経済発展を実現してきた。2016年の中国の対内直接投資は中国のGDPの1.1%。これに対して1990年の日本の対内直接投資は日本のGDPのわずか0.06%だった。

 このため、日本で成功した米国系企業は日本IBM、コカコーラ、マクドナルドなど数えるほどしかない。これに対して、昨年の米国企業の中国国内での自動車販売台数はGM、フォードを中心に296万台に達した(ちなみに日本企業は379万台)。

 米国を代表するスーパーマーケットのウォルマートは2016年末現在、中国国内の189市に439店舗を開設している。このほか、アップル(スマホ、PC)、キャタピラー(建設機械)、コーニング(ガラス)、ファイザー(製薬)、P&G(洗剤、化粧品等)など、米国を代表する巨大企業が中国市場で巨額の利益を稼いでいる。

 1990年代の日本であれば不買運動を仕かけられても米国としては痛くもなかったが、現在の中国で、もし米国製品の不買運動が始まれば、米国企業の損失の大きさは計り知れず、米国経済そのものへの影響も深刻である。

 しかも、日本は安全保障面で米国に依存しているため、日米関係に対する特別の配慮が働く。それに対して、中国は米国から完全に独立しているため、日本に対するような脅しは通用しない。

 米国の強硬策に対しては強硬策で報復する可能性が高い。トランプ政権はこの点も十分考慮すべきである。

 以上のような米中経済関係を考慮すれば、両国政府が冷静に判断する限り、経済戦争を仕掛けることは双方にとってあまりにリスクが大きすぎることを認識し、互いにそうした事態を回避するはずである。

 もしこの2大国がそうした冷静な判断を無視して経済戦争に突入すれば、世界経済はリーマンショック以上の衝撃を受け、欧州の財政金融危機や新興国の通貨危機が再燃し、世界大恐慌に陥る可能性も十分ある。

 そうならないことを期待するとともに、その両国と緊密な関係にある日本として、そうした事態を回避するよう両国間の相互理解と冷静な判断を促進する役割を担うべきである。

 もっとも米中間には経済戦略対話(S&ED)が毎年開催され、両国政府主要機関のトップレベルでの交流が続けられてきているほか、王岐山政治局常務委員とポールソン元財務長官に代表される人脈など、これまでは日中両国間以上に太いパイプがあった。

 トランプ政権と習近平政権がこれをうまく活用すれば相互理解は十分図れるはずである。

4.日本の経済戦略のあり方を考える

 振り返って日本の立場を考えてみると、日本は世界第3位の経済大国であり、米中両国とはとくに緊密な経済関係を保持している。2016年の日本の国別輸出ウェイトを見ると、米国向けは20.1%、中国向けは17.5%と両国が極めて重要な貿易相手国であることは言うまでもない。

 これらの両国に対して日本は国内市場(GDP)の規模そのものが小さく(米国の4分の1、中国の3分の1)、しかも閉鎖的であるため、米中両国と日本の間には経済面で相互確証破壊の関係が成立していない。このままでは将来の不測の事態に伴う経済戦争リスクへの対応能力面で不安が残る。

 国内市場が小さい日本が米中両国に対して相互確証破壊の関係に似た交渉力を持つためには、相手国の国内市場において日本企業の雇用、税収、技術開発面での貢献を高める必要がある。

 日本企業を排除すれば米中両国ともに経済が深刻な打撃を受けるという関係を構築することを目指す。つまり経済面でのウィンウィン関係の強化である。

 おそらく日中間では現時点ですでにそれに近い関係が成立している。尖閣問題が発生した直後に各地方政府は、日本企業が撤退しないよう、地元の日本企業をきちんと保護する姿勢を打ち出した。

 日中双方のメディアはこうした事実を報道しないため一般には認知されていないが、こうした中国政府の対応が日中経済関係の安定保持に大きな役割を果たしている。

 日中関係においてさらにこの関係を強化するには日本企業の対中投資を拡大し続けることが重要である。それによって、日本は核兵器に頼らなくても中国との間でウィンウィン関係の強化によって相互確証破壊に似た関係を成立させることが可能である。

 これは長期的な日中関係の安定確保に大きく貢献する。

 日米両国は日米安全保障条約に基づく強固な同盟国であるが、安全保障面では日本が米国に従属しているため、日本の交渉力は弱い。

 せめて経済面だけでも、日本企業が米国経済にとってなくてはならない重要な存在として、米国民から高い評価を得られるよう、ウィンウィン関係のさらなる強化に向けて努力を継続することが必要である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49227  

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コメント
 
1. 2017年2月23日 11:11:55 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-5957]
2017連合春闘 「底上げ・底支え」春闘は時代の要請

 17春闘の本格スタート直後、厚労省は、16年の実質賃金指数が実に5年ぶりに0・7%上昇したと発表した。しかし、第2次安倍政権下で一貫して低下を続けてきた賃金水準の回復にはまだ至っていない。上がったといっても、所定内給与(基本給)は0・2%増にとどまる。また前年同月比で見ると0・4%減であり、その先行きは不透明だ。

 こうした中、連合は「月例賃金の引き上げが中小企業や非正規雇用の労働者を含め広く波及して初めて『経済の自律的成長』が可能となる」(経団連経労委報告に対する見解)として、ベア獲得にこだわる姿勢を鮮明にしている。今春闘方針の特徴は何だろうか。一言で言えば、この間訴えてきた「底上げ・底支え」「格差是正」の強調だ。

 確かに、「2%(定昇相当分を含め4%)程度を基準」とする賃上げ要求水準が掲げられているが、「17連合白書」は、高度成長インフレ時代に「総額人件費の一律の伸び追求」が有効だったのと同じ感覚で「賃上げ幅」の数字にだけ着目していては、低成長デフレ時代の課題には応えられないと指摘する。それは企業規模間および労働者一人ひとりの賃金水準格差であり、「白書」は「『物価上昇分』や『生活向上分』を賃上げの要素として考えるのは、まず賃金水準そのものが、そもそも生活ができる最低限の水準、そして社会的相場、産業あるいは地域に照らして不合理な格差のない水準をクリアしてから」だと言明する。その点を踏まえて「名目賃金の到達目標(目指すべき賃金水準)の実現」および「ミニマム基準の確保(その地域別最低到達目標が都道府県別リビングウェイジ=単身世帯および2人世帯の最低生計費=のクリア)」を重視し、具体的には、まず「誰もが時給1000円」実現などに最優先に取り組むとしている(地域別最低賃金は現状714円〜932円)。

 連合は、所得向上へ「リーダーシップを発揮する」との経営側の姿勢を評価するとしつつ、「相も変わらぬ『年収ベースの賃金引き上げ』へのこだわりや、内容の不確かな『〈創造型〉の働き方の自由度を高め』るなどの主張は、それ(労使への社会的要請)に真に応えているとはいえない」と苦言を呈している。これは、時代の要請としての「底上げ・底支え」「格差是正」との認識に裏打ちされたものであり、その確信の深さと具体性において、経営側と切り結んでいる。

(社会新報2017年2月15日号・主張より)

http://www5.sdp.or.jp/publicity/shimpo/opinion/170215.htm


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