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教育への投資「国債」なのか「税金」で賄うのか?財務省の意外な考え 実現は政府の政治力にかかっている
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50971
2017.02.19 ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
■憲法改正の議論
教育無償化の財源となる「教育国債」の発行が現実味を帯びてきた。
自民党は授業料の免除など、教育無償化に向けた具体策の検討を始める。近く、総裁直轄の「教育再生実行本部」にプロジェクトチームを設置し、櫻田義孝本部長の下で「教育国債」の創設などについて議論することを決めた。果たしてこれにはどのような意味合いがあるのか。
まずこの議論は、憲法改正を見越した施策になっていることを押さえておきたい。
自民党の下村博文幹事長代行は教育無償化を憲法改正の一項目として議論すべきとしているが、日本維新の会も歩調を合わせるように、幼児教育から高等教育までの無償化を憲法に明記する形で改憲することを主張している。
一方で民進党などは自民党主導の憲法改正に反対していて、「教育の無償化に憲法改正は必要ない」というスタンスが基本だ。だがテーマがテーマなだけに、民進党内でも意見が割れる可能性が出てくる。
つまり、自民党にとっては、維新と連携して選挙戦略を組むのにいい材料になるというわけだ。
教育の無償化が憲法に明記されるのとそうでないのとでは、大きな違いがある。というのも、憲法事項になれば「教育のための財源がない」と財務省などがゴネたとしても、まったくそれが通用しなくなるからだ。
ただ、憲法事項になったとしても結局、他の歳出をカットするか、そうでなければ増税するかといった議論は浮上してきてしまう。そのとき教育国債があればスムーズに制度を整えることができる。
■フランクリンの名言
意外に思うかもしれないが、「基礎研究と教育の財源は国債で成り立っている(べきだ)」という考え方自体は、財務省の一部で言い伝えられてきた。
基礎研究や教育のように、成果が出るまでの時間が長く、大規模で広範囲に行う必要のある投資は、公的部門が主導するべきで、その場合財源は、税金ではなく国債で賄うことが適切であることがわかっているからだ。
教育が将来の所得を増やすことを示す実証分析結果は多くある。たとえば、高等教育を実施すれば、所得増、失業減が見込まれ、かけた費用に対する便益が2倍以上になるとの試算がある。
これは、現在の公共事業採択基準を軽くクリアする。教育とは言ってみれば「優良事業」なのだ。かかる費用はひとまず国債発行で賄い、教育効果の出る将来世代に納税という形で返してもらえばいい。
もっとも、教育国債の考え方を財務省は公式にはほとんど言わない。しかし、元大蔵事務次官の小村武氏の著書で「財務省のバイブル」といわれている『予算と財政法』には、「投資の対象が、通常のインフラストラクチャーのような有形固定資産であれば国債で賄うのは当然のこととし、研究開発費を例として、基礎研究や教育のような無形固定資産の場合も、建設国債の対象経費としうる」と書かれている。教育国債は本来であれば、財務省「お墨付き」の考え方なのだ。
「知識に投資することは、常に最大の利益をもたらす」というベンジャミン・フランクリンの名言もある。教育国債の実現は、あとは政府の政治力にかかっている。
『週刊現代』2017年2月25日号より
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