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だから安倍に舐められる “トランプ礼賛”大メディアの豹変
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/199528
2017年2月14日 日刊ゲンダイ 文字お越し
何が「成功」なのか(C)AP
わざわざ首相をニュース番組に生出演させ、「よくやった」とアピールするメディアも現れた。
大新聞テレビは安倍首相とトランプ大統領の初めての日米首脳会談を「手応え予想以上」「安保 日本に満額」と手放しで称賛している。だからだろう。共同通信の世論調査も、日米会談を「よかった」と評価する回答が70%に達している。
それにしても、大手メディアの豹変ぶりは一体何なのか。これまで日本の大新聞テレビは、世界を不安と混乱に陥れているトランプ大統領のことを散々批判していたはずだ。とくに、世界7カ国からの入国を禁じる「大統領令」を発した後は、自由、民主主義、人権、法の支配を破壊していると強く非難していた。
ところが、あれほど激しくぶっ叩いていたのに、トランプ大統領が安倍首相を厚遇し、「日本を100%支持する」とリップサービスをした途端、嘘のようにトランプ批判が消え、日米会談を高く評価している。ほとんど、戦争に負けた途端「鬼畜米英」から「アメリカ万歳」に百八十度変わった70年前と同じである。
トランプから無理難題を押しつけられず、ホッと胸をなで下ろしたのかも知れないが、その変わり身の早さは、欧米のメディアでは考えられないことだ。
実際、イギリスのメディアは、英米会談の時、メイ首相が丁重に接遇されてもトランプ批判をやめず、それどころか、メイ首相が「大統領令」に抗議しなかったと一斉に非難している。メイ首相は帰国後、慌てて「この政策は間違っている」とトランプ批判に転じざるを得なくなったほどだ。
トランプ大統領に「抗議」一つしなかったのは、安倍首相も同じだ。なぜ、日本のメディアが「よかった」「よかった」と浮かれているのか、英国メディアは不思議に思っているに違いない。
■「日米会談は成功」の大ウソ
そもそも、日本のメディアは、日米会談を「大成功」のように報じているが一体、どこが成功なのか。
たしかに、共同声明では「強固な日米同盟」をうたい、尖閣諸島に日米安保5条を適用することも明記された。在日米軍の駐留経費についても、負担増を要求されることもなかった。通商問題も、心配された自動車問題や為替問題が持ち出されることもなかった。
しかし、冷静に結果を見れば、日本が新しく手に入れたモノはゼロだ。大新聞テレビは、トランプ大統領が、尖閣諸島への日米安保の適用を明言したと、さも成果のように報じているが、尖閣諸島への適用はオバマ政権時代から約束されていたことだ。
ヤバイのは、この先、トランプ政権が日本にとんでもない請求をしてくる可能性が高いことだ。トランプ政権の高官は、日本政府に「次からは、こんなに甘くないからな」と警告を発してきたという。
「なぜ、大新聞テレビが、日米会談を成功と評価しているのか不思議です。これでは国民をミスリードしますよ。共同声明には、いくつも“落とし穴”があるからです。たとえば『日本は同盟におけるより大きな役割と責任を果たす』と書かれている。いずれ、軍事的な負担を負わされるのは間違いない。さらに『市場障壁の削減』『雇用機会の拡大』との文言が入れられ、安倍首相も会見で『日本はアメリカの新しい雇用を生み出すことができる』と明言している。今回、トランプ大統領が具体的な要求をしてこなかったのは、新政権の体制が整っていないからでしょう。どうして、大新聞テレビは、共同声明の実態を国民に伝えないのか。どうかしています」(立正大名誉教授・金子勝氏)
それよりなにより、世界中が問題視している男と仲良くゴルフすることが、本当に成功なのか、疑問だらけだ。
すり寄るだけ(C)日刊ゲンダイ
権力と同じ視線の大手メディア
実際のところ、欧米メディアの伝え方は、まったく違っている。
日本の大新聞テレビは「食事5回」「ゴルフ27ホール」などと、安倍−トランプの「蜜月」をうれしそうに報じているが、欧米メディアの報道は全然違う。
米タイム誌は〈日本の首相は大統領の心をつかむ方法を示した。お世辞だ〉と題した記事を掲げ、ニュース専門局MSNBCのアナリストも、〈これほど大統領におべっかを使う外国の首脳は見たことがない〉とツイートしている。NHKを筆頭に日本の大手メディアは伝えようともしないが、現地の安倍首相は、恥ずかしいほどペコペコとゴマをすっていたのだろう。欧州メディアも〈安倍首相はトランプ大統領を批判しない数少ないリーダーだ〉(独紙ウェルト)と切り捨てている。
「今回、ハッキリ分かったことは、日本の大新聞テレビは、権力と一体化しているということです。安倍首相が厚遇されたことを自分のことのように喜び、トランプ大統領から無理な注文をつけられなかったことに安堵している。本来、ジャーナリズムは、権力と距離を置き、時には水を浴びせるのが役割です。一体化したら、客観的で正しい報道をやれなくなってしまう。なのに、日本の大手メディアは、社長、政治部長、論説委員が安倍首相と日常的に宴席を囲み、同じ目線でしかモノを見られなくなっている。それに比べ、ジャーナリズムの役割が分かっている欧米のメディアは、権力に取り込まれない。もちろん、欧米メディアも国益を考えます。でも、なにが正しいのか、自分たちの基準を持っている。日本のメディアのように、安倍首相がトランプ大統領に厚遇されただけで喜ぶことはあり得ません」(政治学者・五十嵐仁氏)
アメリカのメディアは、トランプ大統領から「偽ニュース」と攻撃されても一歩も引かず、権力と戦っている。日本のメディアとの落差には愕然としてしまう。
■トランプが厚遇したホントの理由
安倍首相は昨年11月、ニューヨークでトランプ大統領に会った時、「あなたと私には共通点がある」「あなたはニューヨーク・タイムズに徹底的に叩かれた。私も朝日新聞に徹底的に叩かれた。だが、私は勝った」と、胸を張ったそうだが、これでは、日本のメディアが安倍首相に「勝った」と舐められるのも当たり前である。
大新聞テレビが、日米会談を称賛する姿を見て、ますますバカにしているに違いない。
トランプ大統領が安倍首相を厚遇した理由についても、アメリカのメディアは〈各国との対立によって政権の滑り出しに傷がついた後だけに、安倍首相の訪米をうまく利用した〉(ニューヨーク・タイムズ)と、きちんと分析しているのに、日本の大手メディアは、分析しようとさえしない。実際、苦境に立つトランプ大統領にとって、ひたすら称賛してくれる安倍首相は大きな助け舟だったに違いない。しかも、自分の不動産を世界中に宣伝しながらゴルフを楽しめるのだから、これほど好都合なことはないだろう。
「アメリカのメディアが、トランプ大統領と戦っているのは、自由や人権といった価値を守るのは、メディアの使命だと考えているからでしょう。『偽ニュース』とバカにするトランプ大統領に一泡吹かせてやりたい、という意地もあるのだと思う。ところが、日本のメディアは間違った権力と戦う気概さえ失っている。安倍首相は『勝った』と豪語しているそうですが、その通り、メディアは負けている。恐らく大新聞テレビは、戦って消耗するより、強い者にすり寄る方が楽だと思いはじめているのでしょう。と同時に、自分たちの主張が国民に受け入れられているのか、自信を失っているのだと思う。でも、権力と対峙しなくなったら、国民の支持をさらに失うだけです」(金子勝氏=前出)
ジャーナリズムが消えた時、日本は一気に戦前に戻るに違いない。そう遠いことではないのではないか。
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