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沖縄県民はまた裏切られることになるのかー(植草一秀氏)
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9th Feb 2017 市村 悦延 · @hellotomhanks
沖縄県の翁長雄志知事は2015年10月になって、ようやく
「埋立承認取消」
に動いた。
知事に就任したのは2014年12月。
「埋立承認取消」に駒を進めるのに、10ヵ月の時間を費やした。
何よりも重要なことは、これが、辺野古米軍基地建設本体工事着手に必要な
「事前協議書」
を沖縄県が国から受理した後であったことだ。
沖縄県が「事前協議書」を受理したことで、辺野古米軍基地建設本体工事着手する条件が整ったのである。
逆に言えば、翁長知事は辺野古米軍基地建設本体工事着手の条件が整うまで、
埋立承認取消に進むことを意図的に避けたのだと考えられる。
沖縄県による「埋立承認取消」に対して、国は、これが違法であると訴えた。
裁判所は異例のスピードで審理を進め、2016年12月に
「埋立承認取消は違法」
とする判断を示した。
翁長知事は、わざわざ
「最高裁判断には従う」
との発言まで示していた。
「埋立承認取消」が裁判所に否定され、沖縄県も「最高裁判断に従う」と言っていたから、
これで辺野古米軍基地建設を巡る法的な問題は解決されたと思っている国民が多い。
翁長氏の「最高裁判断に従う」などの発言は、
上記の印象を形成するために発せられたものであるとも考えられる。
しかし、事実はまったく違う。
「辺野古に基地を造らせない」
ために必要不可欠で、もっとも有効な手法は、
「埋立承認の取消」
ではなく
「埋立承認の撤回」
である。
最高裁が「埋立承認の取消」を違法と判断したなら、沖縄県の翁長知事は、直ちに
「埋立承認の撤回」
に進む。
これが正当で当然の対応である。
しかし、翁長氏の行動は違った。
最高裁が「埋立承認取消を違法」と判断して、翁長知事が直ちに実行した行動は、
「埋立承認取消の取消」
であった。
最高裁判断は、沖縄県による「埋立承認取消の取消」を強制する法的拘束力を持たない。
「あらゆる手法を駆使して辺野古に基地を造らせない」
という言葉が真実であるなら、
自ら進んで「埋立承認取消を取り消す」
ことなど、あり得ない。
翁長知事のこの行動により、国は辺野古米軍基地建設の本体工事に着手した。
日米首脳会談に間に合うように、辺野古米軍基地建設の本体工事が始まったのである。
この本体工事着手実現に誰よりも貢献したのが、翁長雄志知事である。
本来取られるべき行動は、
「埋立承認取消を取り消さず」に、
「埋立承認撤回に進む」ことである。
「埋立承認取消」が違法であるのかどうかの判定基準は、埋立承認に法的瑕疵があったのかどうかだが、
「埋立承認撤回」が違法であるかどうかの判定基準は、埋立承認撤回が正当であるのかどうかである。
翁長知事自身が、2014年の知事選で沖縄の主権者が「辺野古に基地を造らせない」との判断を示したことが、
「埋立承認撤回」の正当な根拠になることを繰り返し明言してきているのである。
行政権力の番人である裁判所でも、埋立承認撤回を違法と断じることは困難である。
しかし、翁長知事は迅速に「埋立承認撤回」に進まず、辺野古米軍基地建設を実質的に容認、サポートしている。
「辺野古に基地を造らせない」ことを求めるすべての沖縄県民は、いまこそ、翁長氏に対して、
その真意を質(ただ)すべきである。
最近になって、ようやく、オール沖縄の不可解な行動に対する疑念の声が強まり始めている。
私は、沖縄県知事選直前の2014年10月7日に那覇市で開催されたシンポジウム
緊急提言「埋め立て承認撤回なくして 辺野古は守れない!」
で基調講演を行った。
https://www.youtube.com/watch?v=NP67c8WyGPg
講演で私は、
1.今回シンポへの参加の経緯説明
2.辺野古米軍基地建設問題の背景および日米安保問題との関連
3.9月10日菅義偉官房長官会見の意味
4.辺野古米軍基地建設問題を巡る訴訟等の現状
1)埋立承認取消および執行停止訴訟
2)ジュゴン「自然の権利」訴訟
3)米国議会調査局報告
5.埋立申請承認の「撤回」と「取消」の法的意味
6.選挙公約と政治行動に関する考察
7.9月13日翁長雄志氏知事選出馬表明記者会見の論点
について話した。
講演での私の主張は以下の3点に要約できる。
1.辺野古米軍基地建設を阻止するためには、この政策を掲げる候補者をただ一人に絞り、
統一候補として辺野古米軍基地建設阻止を希求する県民が連帯、結束して支援する必要があること
2.辺野古米軍基地建設を阻止するためには、菅義偉官房長官が明言した内容から判断しても、
仲井真知事が行なった埋立申請承認を「撤回」または「取消」することが必要不可欠であること。
3.9月13日に出馬会見を開いた翁長雄志氏は
辺野古米軍基地建設阻止を求める県民の統一候補者とされているが、現段階では
埋立申請承認の「撤回または取消」を公約に掲げておらず、この公約化を求めることが必要であること。
である。
上記の9月13日の翁長雄志氏知事選出馬表明記者会見でのやり取りは、
この問題を考える上で、極めて重要で貴重な資料になっている。
翁長氏は知事選出馬に際して、頑(かたく)なに、
「埋立承認の撤回、取り消しの公約化」
を拒絶した。
記者会見での発言をぜひ、自分の目で確認していただきたい。
「今大議論となっている翁長市長、県知事選出馬記者会見2」
https://www.youtube.com/watch?v=aZEIXJRXFiY#t=421
4分45秒〜6分45秒の場面だ。
2014年10月7日の基調講演でも、
2014年9月13日の翁長雄志氏の出馬記者会見でのやり取りのなかで、
重要と思われる、この部分を取り出し、考察した。
読売新聞:すいません、読売新聞のカイヤと申します。よろしくお願いします。
あの、少ししつこいようなんですが、あの重大な問題なので重ねてお聞きしたいんですが、
あの辺野古移設に関して、ま、具体的な方法論は、ま、今後というようなことでしたけど、
ま、現にいまあのー、名護では名護市長が、明確に反対を唱えながら、
政府は一貫して移設計画を進めています。
で、知事選の結果にもかかわらず、移設計画に影響はないという方針を示していますが、
そういうなかで、反対はしたけれど、政府に強行されて、造らせてしまった、という結論になったときに、
どう、こう、有権者に、絶対に造らせないという部分を、
こう、まあ担保してゆくのかというか、
選挙戦の前には具体的なものをきちっと明記されていくというお考えでしょうか。
翁長:私はね、まあ、あなたはマスコミだからそれでよろしいかと思うんですが、
普通の人がそういう質問をするとね、大変失礼だなっと思うんですよね。
日本政府とアメリカ政府を相手にね、沖縄は69年間闘ってきたんですよ。
10万人集会も何回もやったんですよ。
こういう要請行動に、県41市町村長、41市町村議長、みんなそろってだめですよと言って
一顧だにしないですよ。
こういう政府を相手にね、私たちにね、具体的に何も見えなかったらね、
あんた責任に負えないんじゃないんですか、などというのはね、
よくあなたがそういう考え方を持っているんならば、
もしあれば、こういうことも考えられるんじゃないでしょうかという話をね、すると日本政府もね、
ちょっと折れ曲がるんじゃないかという話があれば少しはいいんですが、
それをね、とっても厳しい中をね、僕らはね、穴を開けてね、
そしてそれをね、みんなでね、力で阻止しようとして、やっている。
と方法論は、いまこれだけの人間がね、価値観を持ちながら来てますので、
必ずね、相談をして、いい形でね、やっていける。これが・・・。
記者会見で読売新聞記者が翁長氏に質問した、その質問内容は、極めて的確であり、
まさに、沖縄の主権者が疑問に思い、そして翁長氏に聞きたい、核心を衝くものであった。
記者会見では、このような質問をすることこそが求められているのであり、
質問内容の要旨も明快で、どこにも、「失礼」にあたるような部分はない。
これに対して、翁長氏は、言わば「逆ぎれ」して、記者を高圧的に威圧する発言を示したのである。
そもそも、辺野古米軍基地建設阻止を追求する沖縄県政野党五会派は、
候補一本化に向けての調整に際して、
「埋立承認を撤回し、政府に事業中止を求める」
ことを条件に掲げていた。
ところが、この表現が、
「新しい知事は承認撤回を求める県民の声を尊重し、辺野古基地を造らせない」
に変化した。
つまり、
「埋立申請承認撤回の公約への明記」
が排除された。
公約が曖昧化されたのである。
その理由は、翁長氏の支持陣営に埋立承認の撤回・取消に反対する勢力が存在することにあると考えられる。
この勢力は、辺野古米軍基地建設を実体としては容認し、それと引き換えに知事の巨大な行政権限、
すなわち巨大利権を獲得することを目指してきたのだと思われる。
こうした勢力が存在し、他方で、本当に「辺野古に基地を造らせない」ことを求める県民が多数存在する。
その両者の支持を得なければ知事選当選を果たせない。
そのために、
「腹八分、腹六分」
で、「曖昧な」公約の下で選挙戦を展開しなければならなかったのだろう。
その当然の帰結として、
見かけ上は、「辺野古に基地を造らせない」ことを求めているような装いが凝らされながら、
実体上は辺野古米軍基地建設が着実に進行する
という現実が示現されているのである。
私が提示し続けてきたこの見解と重なる見解は、
知事選での公約表現が大幅に後退した時点から存在していたことを見落とせない。
ある全国紙は次のように伝えていた。
「翁長氏を支持する沖縄県政野党5団体は、翁長氏と交わす協定で
「新知事は埋め立て承認を撤回」と明記する方針だった。
7月、翁長氏との調整で「新知事は埋め立て承認撤回を求める県民の声を尊重し、
辺野古新基地は造らせません」となり、撤回の実効性は事実上ゼロに後退した。」
翁長氏出馬会見で読売記者は、
「埋立承認撤回」という具体策を念頭に、
辺野古に米軍基地を絶対に造らせないとしている翁長氏の方針について、
それを担保する、具体的方法を選挙戦の前に明示する考えがあるのかどうかを尋ねている。
失礼でも何でもない。
この質問を上から威圧する発言で封じ込めようとするのは、言論封殺以外の何者でもない。
私が講演を行ったシンポジウム開催に対しても、その開催を封じ込めようとする動きが数多く散見された。
しかしながら、現時点までの経緯、
そして、辺野古米軍基地建設が着実に進行しているという現実を見る限り、
知事選時点における私の懸念は、完全に現実のものになっている。
翁長雄志知事の下での辺野古米軍基地建設着実進展の現実を直ちにしっかりと見直さない限り、
沖縄県民は、またしても裏切られることになるだろう。
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