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南シナ海でも関与強化 トランプと歩む軍拡その先の地獄絵
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/198981
2017年2月6日 日刊ゲンダイ 文字お越し
血の同盟を約束(儀仗隊の栄誉礼を受けるマティス米国防長官、左は稲田防衛相)/(C)AP
狂犬国防長官のリップサービスに、日本のメディアは大ハシャギだ。
マティス米国防長官がトランプ政権の閣僚として初来日。稲田防衛相との共同会見で、在日米軍駐留経費について「他の国々が見習うべきお手本」と評価した。
この発言に政府関係者はホッとひと息。選挙中からトランプ大統領は、駐留経費を全額負担しなければ在日米軍の撤退もあり得ると示唆。“マッドドッグ”がどんな要求を突き付けてくるのかとビビりまくりで、安倍首相が官邸にマティスを招き、約1時間に及んだ“おもてなし”も不安の表れ。
それを払拭するような狂犬の「お手本」発言に、政府関係者は浮かれっぱなし。翌日の主要紙には「ここまで評価するとは驚いた」などと防衛省関係者の匿名コメントがあふれ、さも“大手柄”のように報じていたが、「ちょっと待て」だ。
もともと日本の駐留米軍経費の負担率は74・5%と他国と比べてズバぬけて高く、その金額は約7600億円に達する。ベラボーな負担をちょっとでも削れたのならいざ知らず、「高止まりの現状維持」で舞い上がるとは、安倍政権は奴隷根性丸出し。そんな政府内の安堵の息が伝わってくるような大新聞の紙面を眺めると、政権とメディアの一体化を、つくづく思い知らされる。
■いきなり「血の同盟」を口走る勇み足
むしろ、今回の日米防衛相会談の本質を物語るのは、共同会見で稲田が発した次の言葉だ。
「(日米)同盟におけるその分担というのは、何も金銭的なものに限るわけではない」
大メディアの多くは、このコメントをスルーしたが、カネに限らないなら今後はヒトも命も米国に差し出すという意味だ。稲田はマティスとの会談で「同盟における我が国の役割を強化する」と明言し、中国の南シナ海進出への対応でも「関与の強化」で一致した。
5日付の東京新聞によると、会談後、防衛省幹部は南シナ海で日米共同訓練を行う可能性も指摘したという。日本はひたすら軍拡路線を歩み、いつでも米国と一緒に国民は血を流す覚悟がある――。稲田の発言はそんな“血の同盟”宣言に等しい。マティスの「日本はお手本」のリップサービスは、この勇ましい宣言の直後に飛び出した。ある意味、分かりやすい構図である。
今回の安倍政権の対応について、防衛省出身で官房副長官補だった柳沢協二氏に聞いてみた。
「トランプ政権に“今後も見捨てない”と認めてもらうため、日本側から同盟の役割拡大を過剰に買って出た感じです。マティス長官から言質を取った『尖閣諸島は日米安保の適用範囲』や『中国の海洋進出への懸念』などは、冷静に考えればオバマ政権時代から何ひとつ変わらない。日本側は現状維持の“代償”として、発足間もないトランプ政権に、安保法制による米軍との一体化など“軍拡カード”をいきなり切ったわけです。それだけ新政権に翻弄されたとも言えますが、日米間の“血の同盟”は安倍政権にとっての既定路線。米国の軍事戦略に進んで巻き込まれているようにも思えるのです」
安倍は04年の著著「この国を守る決意」で〈軍事同盟は血の同盟〉と表現。アメリカが攻撃されているときに自衛隊は血を流さない、日本の青年も血を流さなければイコールパートナーと言えないとの旨を書いていた。
それから13年。この国は「あれよあれよ」で、安倍の思い描いた戦争国家に転換している。
要請を断れない(C)AP
脅威を煽って軍拡迫る倒錯国防論のおぞましさ
安倍政権下での平和国家から軍事国家への転換を象徴するのが、軍事研究の促進方針である。
先日も、大学や民間研究機関における軍事転用可能な技術開発推進のための検討会を内閣府に発足させると報じられた。検討結果は安倍が議長を務める「総合科学技術・イノベーション会議」に反映され、国の科学技術予算の配分にも大きな影響を及ぼすという。
つまるところ、大学への助成金などを人質に取り、「軍事研究に熱を入れろ」とケツを叩こうとしているわけだ。
日本の科学技術政策は平和憲法下で、軍事研究とは一線を画してきた。科学者の代表機関「日本学術会議」も1950年と67年の2度にわたって戦争と軍事目的の研究を否定する声明を決議。声明には、科学者が戦争協力し、戦争を残虐化させた反省の意味が込められているが、そんな崇高な理念は問答無用。軍需産業を中心に民間企業と政府、研究機関の技術開発を強固に連携させ、大学を巻き込んで米国型の「軍産複合体」を目指す。それこそが戦争屋・安倍たちの薄汚い魂胆である。政治学者の五十嵐仁氏はこう言った。
「安倍政権は武器輸出の解禁に加え、防衛省内には軍事転用可能な大学などの研究への助成金制度まで創設。その額は今年度の6億円から2017年度予算案では110億円と一気に18倍増です。政策が小出しで、国民は気付きにくいかもしれませんが、この政権は明らかに“戦争で儲ける国づくり”を進めています。中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威を煽るのも、そのため。答えは1つ、軍拡路線の必要性を説くのに都合が良いからで、さらなる防衛力拡大を求めるトランプ政権の“外圧”すら利用する胸算用でしょう。本来、武力の伴う紛争解決をいさめる“平和国家”としての使命感なんて、微塵も感じさせません」
■不毛な挑発合戦は危うい軍事協力への近道
防衛費が“平和のバロメーター”ならば、年々減っていくのが理想のはず。それだけ他国による脅威が取り除かれている証拠で、5年連続で増額し、17年度予算案で過去最大5.1兆円を計上する安倍政権は論外だ。外交努力を怠ったツケともいえ、納税者の国民に詫びるのがスジだろう。
ましてや安倍や稲田のように、米国の国防トップを喜ばせるために「防衛費は毎年伸ばしている」と胸を張り、今後も自主的に増額を買って出る理屈が、いかに倒錯していることか。安倍たちの本末転倒な「倒錯国防論」のバカらしさに、国民もそろそろ気付いた方がいい。
さらに恐ろしいことには、安倍政権が盲目的な軍事貢献を約束したパートナー、トランプ政権の挑発外交が早くも過熱している。日本のメディアは一行も報じないが、稲田との共同会見でマティスは海外メディアの質問にヒートアップ。弾道ミサイル実験に対し経済制裁を加えたばかりのイランを「世界最大のテロ支援国家」と罵倒し、返す刀で「レバノンやシリア、バーレーン、イエメンなどに関しても、見過ごせない不正行為がある」と中東諸国をメッタ切り。いやはや聞きしに勝る狂犬ぶりだった。
「トランプ政権は中国への挑発も日に日にエスカレートさせていますが、互いに挑発を強めるだけの不毛な争いを続ける限り、絶対に和解には至りません。中国と北朝鮮の脅威や中東情勢の混乱に対し、マティス長官は『軍事作戦は必要ない』と表明しましたが、『現時点では』の注釈つき。将来の作戦を否定していません。すでに日米同盟の役割拡大というカードを切った手前、安倍政権がトランプ政権の危うい軍事協力を求められた際、断れる余地は残されているのか。安倍政権の“血の同盟”は口先だけの印象で、覚悟もリアリティーも感じられません。米国の軍事戦略に簡単に巻き込まれてしまわないかと不安は募るばかりです」(柳沢協二氏=前出)
暴君トランプと一緒に軍拡を約束するとは、ハッキリ言って“悪魔の契約”だ。亡国政権の独断専行によって、おぞましい軍拡の先の地獄絵を、国民はいよいよ覚悟しなければいけない。
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