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民進党が提唱する新しい税制の構想と、与党が発表した2017年度税制改正大綱の問題点について、古川元久党税制調査会長に聞いた。
わが党の目指す税制改革の基本的な方向
税のあり方を考えるとき、今、日本が置かれている状況はどうなのか。その認識が大事です。トランプ現象が起きた背景には、世界的な格差の拡大があると言われています。この格差の拡大が、社会の中にさまざまな分断を生んでいます。これは日本でも同様のことが言えるのではないでしょうか。かつて一億総中流と言われた中間層からこぼれる人たちが増えてきており、日本でも格差が拡大しています。所得や世代、地域、性別など、その格差の拡大に伴って、社会の中で分断が起こり始めているのです。
私たち民進党は、進みつつある社会の分断化を食い止め、誰も置き去りにしない、全ての人に居場所と出番があって、全ての人を包摂する社会を実現していきたいと考えています。税制もその目的に資するような改革を目指さなくてはいけません。そのような視点から今回は、所得税改革を中心に、私たち民進党の基本的な税制改革の方向性を示しました。
日本型ベーシックインカム構想への道すじ
格差が拡大していることから、所得税の所得再分配機能を強化すると同時に、税制に社会保障的な機能を持たせることを考えています。具体的には、実質的に全ての人に基礎的な所得を保障することにつながる所得税改革を行いたいと思います。これを私たちは「日本型ベーシックインカム構想」と呼ぶこととしました。
その第1段階として、まずはこれまでの所得控除を税額控除に変えます。所得控除を税額控除に変えると所得の再分配機能は大きく強化されます。例えば10万円の所得控除であれば、これまでは所得税率が10パーセントの人の減税額は、10パーセントの1万円でした。一方、所得税率が40パーセントの人の減税額は、40パーセントの4万円。つまり所得の高い人の方が所得の低い人よりも減税額が大きいのです。これを例えば2万円の税額控除にすると、所得の高い人でも低い人でも減税額は一律2万円。高所得者は負担が増え、低所得者は負担が減ります。累進税率を変えなくても、所得控除を税額控除にすることで、所得の再分配機能は大きく強化されることになります。
具体的にはまず、基礎控除、配偶者控除、扶養控除の3つの所得控除を税額控除に変えます。
基礎控除については所得控除額を増額した上で税額控除にします。基礎控除は現在よりも手厚くなります。一方、配偶者控除と扶養控除については両方とも廃止をした上で、これまで配偶者控除、扶養控除を受けていた人を対象に、新たに世帯控除を創設します。この新しい世帯控除については、これまでの配偶者控除や扶養控除の所得控除額を減額した額を税額控除化した金額を控除額とします。
与党は、配偶者控除を拡充した上で、所得制限を設けるとしていますが、この世帯控除にわれわれは所得制限を設けません。なぜなら私たちは、一部の人は負担だけあって給付はなし、その一方で一部の人は負担はなくて給付だけを受けるという状況が、社会の中にねたみ、そねみを生み、弱った人が自分よりさらに弱い人を非難するようなギスギスした社会を生み出しているのではないか、と考えています。こうした状況を是正するためには、みんなが尊厳ある生活を維持するために必要なコストはみんなでその負担能力に応じて負担し、その受益はみんなが等しく受けられるようにすべきだと考えます。だからこそ所得制限を設けないのです。
みんなで負担して、みんなで受益を受ける。ただし負担の高低はそれぞれの能力に応じてお願いしますということです。
生活保護制度そのものが必要ない社会へ
次の段階としては、この税額控除を給付付き税額控除へと進化させていきます。給付付き税額控除とは、所得税の税額から税額控除額を引いて、引ききれない税額があれば、その分は給付するというものです。これを私たちは、「日本型ベーシックインカム」と呼ぶことにしたのです。
ベーシックインカムとは、すべての国民に一定額の現金を給付するというものですが、私たちが提唱する「日本型ベーシックインカム」は、現金を給付することは考えていません。引ききれない税額分は、マイナンバーを活用してその人が負担しなければいけない年金保険料や医療保険の保険料など、いわゆる社会保険料の負担軽減に充てることを考えています。社会保険料負担は、税金よりも逆進性が高く、所得の低い人たちの方の負担が税金よりも重くなっています。その負担を軽減することにより、現金を給付するわけではないけれども、基礎的所得の保障につながるのです。
現在、所得が低い人は、年金保険料を免除や減額されていますが、その分、将来の年金給付額が減ってしまいます。免除や減額は今はいいかもしれませんが、将来の年金給付額が減り、高齢者になった時、低年金者になってしまうのです。日本型ベーシックインカムの導入によって、年金保険料を補てんし、将来の年金給付額を増やすことは、将来、生活保護に陥る人たちを減らすことにもつながるのです。
私たち民進党が最終的に目指す社会は、生活保護制度そのものが必要ない社会です。今回の所得税改革の考え方は、生活保護を必要とする人が少しでも少なくなることにつながるものです。
そもそも消費税率引き上げは、社会保障を充実させ将来に向け持続可能にしていくために、その財源は借金ではなく、今を生きている世代で(負担を)分かち合うために消費税での負担をお願いしたものです。引き上げが予定通り行われないということで、社会保障の充実が先送りされることを大変危惧しています。
民進党は、こうした問題点をより浮き彫りにするとともに、わが党の目指す大きな税制改革の基本構想を国民に訴え、その実現のために政権交代を目指していきます。
(引用終わり)
何故か具体的な説明なしに、ぐじゃぐじゃ言っていますが、それは財源の事を想定し言えないのでしょう。
しかしながら、真正面からこの問題に言及したことは評価します。
以下は民進党の言っている事を具体的に船名に説明します。
「基礎年金」の確立と政府負担の問題について。
基礎年金(国民年金に当たる)については月、一人当たり10万円程度を想定し、掛け金の足りない分は、国家の予算から出すと言う事です。
具体的に数字で出せば、20兆円くらいになります。
この分はベーシック・インカムと言う事になります(実質はヘリマネですが)
税制の事について長ったらしい説明をしていますが、本当の事を言えば、屁理屈だけで何の参考にもなりません、おそらく実践は出来ないでしょう。
それとは別に、本格的な税制改正をするならば、次の様なものが考えられます。
「負の所得税構想」
負の所得税とは1940年代のジュリエット・ライス=ウィリアムス、後には経済学者ミルトン・フリードマンの著書「資本主義と自由」(1962)により展開された政策アイデアである。
負の所得税は、累進課税システムのひとつであり、一定の収入のない人々は政府に税金を納めず、逆に政府から給付金を受け取るというもの。実験例がある。
例によって紹介します。
我が国の所得税体系を、年収300万円で25%と決めて於いて給付金を75万円とします。
単純ですが、
年収300の人は、政府給付金と納税額が同じなので、実質納付は0となります。
年収が600万ある人は、累進課税の税率に従い、また給付金の75万円も受けます。
たとえば、税率を30%とすれば、所得税を180万円納付し、給付を75万円受けるので、差引105万円の納付をします。
反対に年収が200万円の人は、所得税50万円を納付し給付金を75万円受けるので、25万円の給付が確定します。
この場合は、年収が200万円でも生活費は225万円使える事になります。
年収が100万円の場合も同じ計算で、50万円の給付を受け、生活費に150万円使える事になります。
この場合は、完全失業者には75万円の給付金だけなので、生活するためには、別の施策も必要でしょう。
如何でしょうか。
民進党が打ち出した、ベーシック・インカクの構想と合わせれば、確かに画期的な改正案でしょう。
しかしながら、これには財源の問題が付きまといます。
要するにこの施策に必要な分だけの通貨の増刷(ヘリマネ)がまず前提に必要なのです。
民進党の場合は、この部分に明確に対処してないので、冒頭の文章のように歯切れが悪くなっているのです。
民進党を評価するような文章になっていますが、実はこのような構想など理屈においては誰もが知っているのです。
それが表面に出てきたことを評価します。
ただし、民進党は言うだけで、実践する能力はないでしょうね。
自民党が言いだせは期待は出来ます。
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