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[Q&A]「共謀罪」法案なぜ執着? 政府「国際条約締結に必要」 情報収集力強化の狙いも
犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が今国会の与野党の論戦の焦点になってきた。テロなどの犯罪を実行前の計画段階で処罰できるようにするのが柱で、2000年代に「共謀罪」の名称で3度も国会で廃案になっている。政府が法改正にこだわる理由はなぜか。主な論点を整理した。
Q 「計画段階で処罰」ということは、頭の中で計画を練っただけで犯罪になるのか。
A 過去の「共謀罪」法案の審議ではその懸念が指摘されていた。「団体の活動として重大犯罪を共謀した者」が処罰対象とされ、解釈次第では友人同士で集まって冗談で暴力行為を合意しただけで逮捕されかねない、などと心配する声があった。
犯罪を合意したかどうかという「心の中」が広く処罰の対象になれば、例えばサラリーマンの居酒屋談議でも「大勢の部下の前で面罵した上司をぶん殴ってやろう」などと、うかうか言えなくなってしまうとの懸念が広がっていた。
■対象犯罪は大幅減
Q そうした懸念はもうないのか。
A 今回は処罰対象を「組織的犯罪集団」と明記し、友人同士のサークルや市民団体、労働組合は処罰対象にならないと法務省は説明している。資金の確保など「準備行為」も要件に加え、対象犯罪も原案の676から300程度まで減らし、市民への捜査が強まることに歯止めをかけることを検討している。
Q 現在の法体系ではテロを準備段階から阻止できないのか。
A 一概には言えない。刑法などで、すでに内乱や放火、殺人などには「陰謀罪」や「予備罪」があり、大抵のテロ行為について準備段階でテロリストを逮捕できる権限は与えられている。犯罪者の取り締まりの面で、喫緊に対応しなければいけない法整備があるのかは専門家や警察当局の間でも解釈の分かれるところだ。
Q それではなぜ、ここまで制定にこだわるのか。
A 情報収集などをしやすくする狙いもあるようだ。日本は世界187カ国・地域が入る国際組織犯罪防止条約(TOC条約)をまだ締結していない。外務省の説明では、条約に入るには共謀罪などが整備されていることが条件になっているためだ。
Q この条約に入ると、どんな情報が手に入るのか。
A 条約を締結すれば実質的に組織犯罪に関する情報協力を惜しまないという枠組みに入ることになるという。条約の未締結国とは捜査やテロに関する情報提供の協力ができないと主張する国もあるそうだ。
■外務省解釈に立脚
Q この条約に入る条件として「共謀罪」が必要なのか。
A 法務省は人身売買など予備罪の規定がないケースもあり、この穴を埋める必要があると説明している。ただ条約締結には審査があるわけではなく、187カ国・地域のすべてに日本が法整備をめざす水準の「共謀罪」があるのか、政府は必ずしも明確に示してはいない。
政府の説明は外務省の条約解釈に立脚しているとされる。民進党の一部がこの解釈を疑問視しており「共謀罪を新設しなくても条約を結べる」とみている。政府は過去3回廃案になった法案審議で共謀罪の必要性を繰り返してきた。それだけに新たな立法措置をせずにTOC条約を結ぶという方針に転換すれば、過去の答弁との整合性が問われるため、なかなか旗を降ろしにくいという事情もありそうだ。
Q それでも政府は通常国会の会期中の成立にこだわるのか。
A 安倍晋三首相は5月にイタリアで開催される主要7カ国(G7)首脳会議までに成立にメドをつけたいようだ。偶然にも、TOC条約が2000年に国連で署名された場所は、イタリアのパレルモだった。
[日経新聞1月23日朝刊P.2]
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