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「2月解散総選挙」こう考える〜政治部記者60人大アンケート 本業では明かせないホンネ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50756
2017.01.25 週刊現代 :現代ビジネス
前回'14年の総選挙の直前にも、安倍総理は「考えていない」と断言していた。本当に秋が来るまでやらないのか。それとも2月のサプライズか――プロの情報を集約すると見えてくるもの。
本業では報じられない情報を新聞・テレビの担当記者が匿名で明かす。
■新聞記事を信じるな
「解散のカの字もない」
'17年が明けて早々、公の場に出るたびに、この言葉を連発している安倍総理。しかし、少なからぬ政治報道のプロたちは、まだ「早期解散」の炎は消えていない、と見ている。
「新聞各紙は『秋以降』と報じているものの、秋まで絶対に解散できないという理由もない。トランプ相場の余勢を駆って、総理は株価が高いうちに解散に踏み切りたいはず。トランプ政権発足後、1月下旬の訪米などで米国の出方を見定めたうえで、最終判断を下すだろう。
4〜5月になるとフランス大統領選など、またぞろ不確実性の高いイベントが出てくる。マスコミには秋と報じさせておいて、春先に仕掛けるのではないか。昨年末の真珠湾訪問はそのためでもあったと思う。『平和のための憲法改正』を掲げて戦うかもしれない」(時事・30代・男)
「公明党からは、『解散するなら(今夏の)東京都議選の後にしてくれ』との強い要請があると報じられているが、これは『今年前半には解散総選挙はない』というミスリードではないか」(朝日・40代・男)
「蓮舫民進党の限界につけ入るチャンスは今年前半になる。官邸は区割り改定を急がせているので、すでに解散臨戦態勢に入ったとみるべき」(共同・30代・男)
菅義偉官房長官、二階俊博自民党幹事長など、政権の大物たちも安倍総理に同調するように早期解散を否定している。
しかし、「官邸をしっかり取材している記者ならば、『2月解散』は必ず行き当たる有力な結論のひとつ。総理周辺にはこのプランを推す側近が多い」(共同・40代・男)と答えた記者もいた。
政界では「解散の時期について、総理はいくらウソをついてもいい」と言われている。まして次の解散総選挙は、安倍総理にとって「憲法改正」、そして「史上最強・最長政権の樹立」を懸けた一世一代の戦いになるのは間違いない。
総理以下、政権中枢の表立った発言を追っているだけでは、到底その機微を読み切ることはできない。
今回本誌は、大手紙、NHK、民放キー局、通信社の政治部記者にアンケートを実施、60名から回答を得た。日々多くの政治家や関係者に取材する彼らには、たとえ知っていても「本業」では書けないことがある。紙面に載る記事が、記者たちが握る「本当の情報」とは限らないのだ。
まず彼らに問うたのが、ずばり「衆院解散の時期はいつになると考えるか」である。
特筆すべきは、冒頭でも紹介したように、まだ「今春解散」の可能性が十分あると考える記者たちが、独自の見解を披露したことだ。続きを見てみよう。
「過去の例を見れば、'09年8月の総選挙のように、都議選後の衆院選で自民党が大敗し、政権交替が起きたこともある。当時、ある自民党のベテラン議員は『都議選の支援で公明党が疲弊してしまい、選挙協力が十分に機能しなかった』と指摘している。
しかも今夏の都議選は、小池百合子都知事の都政改革をめぐって、都議会自民党と都議会公明党が対立する中で行われることになる。こうした自公の軋轢を考えれば、都議選後に解散を先送りすると、安倍総理は難しい判断を迫られることになる」(毎日・40代・男)
この記者が指摘する通り、安倍総理にとって間近に迫った最大のハードルが、7月に任期満了を迎える東京都議会議員選挙だ。
すでに小池氏は、都議会の「小池新党」の核となるメンバーの選定を終えており、さらに自身が主宰する「希望の塾」塾生を対象として候補者選抜試験を実施。都議選には、新党から数十人を出馬させるとも噂されている。
都議選で小池旋風が吹き荒れるなら、都議会では「小池新党+民進党+公明党」vs.自民党の構図ができ上がる。橋下徹氏率いる大阪維新の会が公明党と握って与党となった、大阪府議会のような「自公対立」の状況が東京でも生まれるのだ。
つまり、解散を先延ばしにすればするほど、都議会の自公の関係はますます冷えてゆく。これが国政選挙に影響しないはずがない。
「3月に通常国会で新年度予算を成立させた後、安倍総理は『公明党との選挙協力の効果を最大限に発揮できる都議選前、つまり春の間に解散したい』という誘惑にかられるのではないか」(前出・毎日・40代・男)
■ウルトラCは「ダブル」
もうひとつ見逃せないファクターが、経済である。こちらも決断を先送りしていると、安倍総理はやがて不利な状況に追い込まれかねない。
「私は2月解散と見ている。いま世界経済は転換期を迎えている。『トランプ相場』で日米の株はいったん上昇するだろうが、夏までにはフランスやドイツで選挙があり、またイタリアの銀行の債務危機が表面化する可能性もある。
政治的・経済的リスクが高まり、株価も大きな調整を強いられて、アベノミクスにブレーキがかかる可能性が高い。今なら解散できる条件が整っている」(共同・50代・男)
「今年の秋〜年末にさしかかると、日銀の人事も控えており、これまでの経済運営を総括しなければならなくなる。もし黒田(東彦)日銀総裁が交替などということになれば、安倍政権の経済運営は失敗とみなされる。
また、トランプ景気で庶民がすぐに恩恵を受けるわけではない。何が起きるか分からない秋よりも、春の選挙のほうが見通しは立てやすい」(朝日・40代・男)
議席の増減については後ほど改めて触れるが、選挙の勝敗の面から言っても、安倍総理にとっては早期解散が有利だとの指摘もある。
「自民党選対本部は、秋まで解散を待てば、野党に勝敗を逆転される選挙区が40を超えてくると分析している」(共同・40代・女)
現有の291議席から50議席減らせば、自民党は単独過半数を割り込む237議席のラインが見えてくる。こうなると、自公に加えて憲法改正に前向きな日本維新の会の勢力を足し合わせても、憲法改正発議のために必要な3分の2、つまり317議席の確保も危うくなりかねない。
安倍総理が圧勝を期するため、ひそかに視野に入れているウルトラCが、新聞各紙の紙面では「ありえない」としてまったく触れられていない「今年の夏解散」だ。
「安倍総理は'17年初夏解散、つまり都議選とのダブル選というサプライズで勝ちを狙いにくるかもしれない。
懸念されている公明党の協力だが、公明党関係者の間では、国政に関してはこの1月から臨戦態勢が敷かれている。このことからも、ダブルを狙っている可能性があると見る。3月5日の自民党大会が、衆院解散の決起集会になる」(前出と別の朝日・40代・男)
ここまでは「早期解散」の見解を紹介したが、今回アンケートに答えた60人の記者のうち、半数以上が「今年の秋〜年末解散」との回答を寄せている。
今年6月以降検討される予定の衆院の選挙区割り変更、前述した夏の都議選、また天皇生前退位に関する法案の審議などを考慮しても、解散はこれらの要因が落ち着く今年の秋以降というのが、最も常識的な予測であることは確かだ。
「区割り変更の周知期間を数ヵ月考慮する必要があるので、今年11月が本命」(読売・50代・男)
「解散は都議選後の秋以降〜年内。それがなければ来年の年初になる。
総理としては、早めに解散したいのはやまやまだが、都議選の動向も見極めたい。自民党への反発はどのくらいか、野党共闘は進むのか、小池支持がどこまで伸びるのか、など。もし都議選で自民党が大敗し、小池ブームが続くなら、年内は解散を見送る可能性もある。
逆に小池新党に変な議員が多ければ、反小池を世論に訴えて解散という手もある」(産経・40代・男)
「今年11月の解散、年末に総選挙。都議選が終わり、公明党が国政選挙の態勢を整えられる10月以降というのが絶対条件だから、もっとも早くて11月。ただし、'18年にずれ込めば、今度は総裁任期の満了が近づいてくるので、主導的に解散するタイミングを失ってしまう。経済状況を見つつ総理は判断するだろう」(東京・60代・男)
■「憲法」と「天皇」
「春解散」と「秋解散」に加えて、もう一つの見立てが、「解散は'18年になってから」である。
前出の東京新聞記者が指摘する通り、'18年になれば、安倍総理の自民党総裁任期が切れる同年9月が「タイムリミット」としてチラつき始める。そうなれば、「追い込まれ解散」になることを恐れて、総理は解散を打てなくなる――というのが定説だ。
しかし、これを覆す策がある。先にも触れた「憲法改正」を解散総選挙の大義に据えるのだ。
「来年9月、総裁選直後の解散です。安倍総理の悲願はやはり憲法改正。そのためには、次の衆院選である程度具体的な改正発議の内容を掲げて、信を問う必要があります。その内容を公明党や維新の会と詰めるのに、まず1年はかかるでしょう。
また、この3月の自民党大会で総裁任期は連続3期9年まで延長される。'18年9月の総裁選で安倍総理が3選を果たせば、あと3年も時間があるということで、むしろ有利に選挙を戦える。それまではこれといった大義名分が見当たらないので、ここで憲法改正を国民に問うしかない」(読売・50代・男)
「年内はトランプ政権、天皇の生前退位特例法など、リスク要因が多く、現在のようなバブル的円安株高がずっと続く保証もない。このため解散は見送られ、代わりに総理は憲法改正の国民投票とセットでの総選挙を準備するのではないか。
シナリオはこうだ。'18年の通常国会は予算を早い段階で処理し、憲法審査会の審議を始め、GW明けに3分の2を行使して改正を発議したあと、解散する。『初の国民投票にあわせて、政権の信を問う』とすれば大敗することはない。与党の枠組みを自・公・維に変え、3分の2前後を確保する。
ここで改憲を果たせば、安倍総理は直後の9月の総裁選で無投票3選すら可能。異例の超長期政権の道が開ける。
'19年10月に控える消費税再増税も、『安倍政権で責任を持ってやる』と明言すれば、財務省も協力する形ができるだろう」(朝日・40代・男)
来年'18年は、日本にとって大きな節目の年となる。今上天皇が年内で退位し、現皇太子が天皇に即位、「平成」最後の年になる方針で検討が進んでいるからだ。
このタイミングに合わせて憲法改正を発議することにより、国民の支持を受けやすくなる可能性が高い。ここを乗り越えれば、安倍総理は'19年夏に大叔父・佐藤栄作元総理の在任記録2798日を追い越し、戦後最長政権を樹立することも夢ではなくなる。
■「ちょい負け」なら勝ち
議席の数については、解散の時期にかかわらず、自民党は10〜30議席ほど減らすものの、致命的な大敗を喫することはない、というのが大方の見解だ。「今春解散」と読んだ、前出の毎日新聞男性記者。
「今夏の都議選前に解散できれば、自民党は20議席ほど減らしても、実質的には勝利するだろう。野党は民進党が支持母体の連合からの反対を受け、共産党との選挙協力を進められていない。自民党が議席を失うのは、昨夏の参院選でも野党共闘が成立した東北・沖縄にとどまるはず」
「'18年9月解散」の可能性を指摘した、前出の読売新聞男性記者もこう述べる。
「憲法改正とあわせての総選挙なら、勢いが出るので与党で3分の2を維持できる。一方の野党も選挙態勢を整える時間が最大限とれるわけですが、この場合は政権選択選挙という色彩が強く出る。民進・共産の共闘は世論の支持を得られず、結局議席を伸ばせない」
政治部記者たちの意見を総合すると、大まかに言って「今春解散」「今秋〜年末解散」そして「'18年夏〜秋解散」が解散時期の有力候補となる。
仮に3期連続で自民党総裁を務めたとしても、安倍総理の任期は、最長であと4年半。泣いても笑っても、次の解散総選挙が「最後の総選挙」になる公算が高い。
安倍晋三という政治家の、すべてを懸けた戦いは、もう始まっている。
「週刊現代」2016年1月28日号より
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